偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2019.03.03
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カテゴリ: 近隣散歩

承前 ​)
​ 五右衛門石の先の民家の庭に、白梅と紅梅が一つの木に咲いている紅白梅または源平梅とでも呼ぶべき梅の木がありました。​

(紅白梅)
※大きいサイズか元画像でご覧いただかないと分かりにくいかと思います。

 元の広い道に戻り、これを東に向かって走る。
 坂道を上り切って府道33号に突き当たると、右手に見えるのが推古天皇陵。ここは、2010年2月28日の銀輪散歩の折に訪ねて記事にしているので割愛し、裏からのご挨拶だけで、仏陀寺へと向かう。
<参考>2010年2月28日の太子町銀輪散歩の記事は下記参照
〇​ 太子町銀輪散策 ​ 2010.2.28.
〇​ 太子町銀輪散歩(その2)  2010.3.1.
〇​ 太子町銀輪散歩(その3)  2010.3.1.
​​

(推古天皇陵 北側から望む)
 仏陀寺は、上記<参考>の2010年の折に訪ねることを忘れて、やり過ごしてしまい、そのうちに訪ねようと思ったものの、いつの間にかそのことも忘れてしまったようで、今日まで訪問を果さずにいた寺である。
 仏陀寺は御陵前バス停から坂を上り、そこから右に入った細道の坂を更に上らなくてはならないので、自転車には厳しい道となる。​

(仏陀寺)

(同上)
 この寺そのものが目的ではなく、蘇我倉山田石川麻呂の墓との伝承のある阿弥陀寺古墳が目当て。​

(蘇我倉山田石川麻呂之墳の碑)
 寺の境内の仏陀寺古墳が、真偽のほどは定かではないが、古くから蘇我倉山田石川麻呂の墓であると伝承されているという。
 彼は、大化の改新(乙巳の変)の蘇我入鹿暗殺に重要な役割を果す人物であるが、後に中大兄皇子と藤原鎌足の陰謀によって、謀反の疑いをかけられ自殺に追い込まれるという悲劇の人でもある。持統天皇(鵜野讃良皇女)や元明天皇(阿閇皇女)から見れば、母方の祖父であり、大津皇子や草壁皇子から見れば、母方の曽祖父である。
<参考>​ 蘇我倉山田石川麻呂 ​・Wikipedia
    ​ 桜井・倉橋池・山田寺跡銀輪散歩(その3) ​2015.6.6. 
​​

(史蹟・仏陀寺古墳)

(同上・説明碑)
 仏陀寺から、来た道を引き返し、葉室公園へと向かう。​

(葉室公園)
 この公園は、大阪芸術大学のナントカ言う准教授の設計によるという説明が公園の案内看板に書かれていたが、その名前は記憶の外である。
 葉室公園で小休止して、いよいよ近つ飛鳥博物館への道にとりかかる。
 途中、左手の山中に、伝・蘇我蝦夷墓というのがあると地図にあったので、立ち寄るつもりでいたが、その道は、今走っている道路からは行けないことが判明。左右の丘を跨ぐ形で頭上高くに橋が架かっていて、その橋の道がアクセス道路になっているのでした。その道に入るためには大きく回り道をしなくてはならないので、訪ねることを諦め、博物館へと向かう。
 というのも、既に時刻は正午を過ぎていて、早く博物館の喫茶店で昼食にありつきたかった、という正当な理由があったからなのでありました。​

(大阪府立近つ飛鳥博物館)
 はい、博物館に到着です。
 随分の昔に一度来ているが、それ以来で久々の見学であります。​

(同上・正面玄関へのアプローチ)
 この建物は安藤忠雄氏の設計によるものであるが、いかにも同氏の設計らしい意匠のアプローチを進んで正面玄関入口へ。
 ロビーに入って、先ず喫茶店へ。ランチタイムであります。
 昼食後、受付に入館招待券を示して、パンフレットを頂き、入場。
 館内は、一部の展示を除き撮影禁止なので、頂戴したパンフレットを参考までに掲載して置きます。​

(同上・パンフレット)

(同上)

(同上・館内風景)
 特別展示のコーナーは撮影可とのことであったので、わが地元の東大阪市日下地区で発掘されたという古代馬の骨の展示を撮影して置きました。​

(古墳時代の馬の骨)
 馬の骨であるが、「何処の馬の骨とも分からぬ」というのではなく、下の説明にある通り、日下遺蹟で発掘された馬の骨なのであります。​

(同上・説明板)
<参考>日下貝塚の碑の写真掲載記事は下記。
 〇​ 旧河澄家―ゆきずりのわが小板橋 ​ 2013.2.22.
 展示コーナーを出たスペースにあったのが、鹿谷寺石塔の復原模型。​

(鹿谷寺石塔復原模型)

(同上・説明板)
 ここから、エレベーターで屋上に上がれるので、上がってみた。
 屋上から下を覗くと、丁度、真下がエントランス。入館の際のアプローチの先に見えていた梅が眼下に見える。​

(エントランス前庭の梅)
 屋上からスロープになっているゆるやかな階段を下って行くと、下のアプローチ通路まで降りることができる。下まで降りた処で、紅梅が美しく咲き誇っていたので、撮影することに。
 望遠レンズ装着の本格的なカメラを持った何人もの人たちの姿。梅林になっているので、これらの梅を目当てに撮影に来て居られる様子。​

(紅梅) ​​

(同上)
 目を反対方向の北に転ずると道向かいの岡辺にも梅が満開。​

(向かいの岡辺にも梅の花)
 梅の花とその香を堪能して帰途に。
 葉室公園、仏眼寺と来た道を辿り、太井川沿いの道を北へと走る。
 太井川橋で左折、府道32号
(美原太子線) ​を西へ。
 太子交差点を過ぎ梅川橋へ。
 この太子交差点で右折して北へと府道27号​
(柏原駒ヶ谷千早赤坂線) ​を行くと源氏三代墓と壺井八幡宮へと至るが、今回は立ち寄らない。今月30日に予定している中学同窓とのウオークは、当初はこの源氏三代墓を訪ねるコースが有力であったのだが、諸般事情があったようで、その後の女性陣の協議で佐保川コースに変更となったのである。
<参考>​ 銀輪散歩・霞立つ野の上の方に ​ 2014.3.2.
    ​ ​銀輪散歩・彼方の赤土の小屋に ​ 2014.3.3.

 梅川橋で梅川を渡り、石川に架かる河南橋へ。
 梅川は、西行さんの寺、弘川寺の方から流れて来る川である。
 石川は、佐備川、千早川、梅川、飛鳥川などの流れを集めつつ、柏原市役所付近で大和川に合流する。​

(石川右岸・河南橋付近から北方向を望む)
 河南橋を渡り、石川右岸の河川敷の自転車道に入る。​

(石川自転車道)
 河南橋を渡って右(北)に山崎製パンの工場がある。そこからのものであろうパンのいい匂いが、かすかに風にまじって流れて来る。北(下流)へ。大和川との合流点まで続く石川自転車道であるが、この道は何度も走り、何度もブログで紹介している道筋なので、この辺で記事の方は切り上げることとしましょうか。
 南阪奈道路の高架と羽曳野大橋の下を潜る少し手前に、土手に上がる道がある。道と言っても、正しい意味での道ではなく、人間が何度も上り下りして通ったことによって自然にできた通路。ケモノによるものなら「ケモノ道」と言うのだろうが、人間によるものであるから「ホモサピエンス道」であるか。
 吾輩もホモサピエンスなので、この「ホモサ道」から土手に上がる。
 上がった処で、正しい意味での土手の道を渡ると、パチンコ屋(パチンコ羽曳野123)と日帰り温泉か銭湯かその辺のカテゴリについては門外漢にてよく分からぬが、延羽の湯という施設と焼肉レストラン(「焼肉ほむら」)とがある。パチンコも焼肉も銭湯も用はなく、多分「延羽の湯」の関連だろうが、「足湯」の施設があるので、これに暫し足を浸けてみようというのである。前述の「ホモサ道」も、この足湯目当ての自転車族やウオーキング族によって自然にできあがった通路なんだろう。
 足湯には先客の男性が一人居られた。
 藤井寺市からママチャリでパチンコに来て、負けて帰るところだとのこと。よく来られるらしい。30分は浸からないと効能は望めない、などという彼の講釈もあったが、そんなに長くは「予の辞書にはない」ことゆゑ、「お先に失礼」と10分程度で退去仕りました。​

(菜の花畑) ​​
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​  途中に菜の花が咲き群れている場所があった。
 試験的に菜の花を植えて
いるようであるが、「これは食用ではありません。」と書かれた札が立てられているのも面白い。
 以上で、太子町銀輪散歩上下全二巻完結であります。
 お付き合い下さり、どうも有難うございました。​





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最終更新日  2019.03.03 10:54:32
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Re:太子町銀輪散歩(下)(03/03)  
こんばんは(^^)

山あり谷ありの道路 お疲れ様でした。
梅の花が綺麗で 甘い香りを楽しまれた銀輪散歩。
日下遺蹟の馬の骨、近つ飛鳥博物館という遠くで展示されていたのですね。
河川敷の自転車道は気持ち良さそうですね。

食用ではない菜の花とは 去年の菜の花供養を 意識しての札でしょうか?
花泥棒は 泥棒ではない、と言われているのも おかしいですよね。


(2019.03.03 21:37:36)

ひろみちゃん8021さんへ  
けん家持  さん
  >山あり谷ありの道路・・
 太子町は山裾、坂の町。アップダウンがあって、自転車にはなかなか「楽しい」町であります(笑)。 
  >日下遺蹟の馬の骨・・
 特別展会場での展示でしたが、この会場内のものについては、主催者側の意向で撮影可と表示されていました。
  >河川敷の自転車道・・
 淀川河川敷の道もそうですが、ここ石川の河川敷の道も、快適に走れます。
 もう、数えきれないほどの回数、走っている、馴染みの道です。
  >食用ではない菜の花・・
 菜の花忌の事件のことを仰っているのでしょうか。それとは関係ないと思いますが、河川敷や土手に自生している西洋芥子菜などの菜の花の蕾を摘んで食用にする人がよくあるので、それら人に対しての、この菜の花畑のものは、そういうものとは違いますよ、というメッセージかと思います。
  >花泥棒は泥棒ではない・・
 花泥棒も泥棒。刑事的には窃盗罪。民事的には損害賠償責任を負いますが、その動機が、墓前や寺社に供えるためのものであったり、花を愛でる風流心にあるのなら、これを咎めないで置こうという考え方からの言葉のようですね。言わば一種の「情状酌量」により罰しないで置こうというもので、泥棒であることに違いはない(笑)。
われが名は 花ぬす人と 立たば立て ただ一枝は 折りて帰らむ (藤原公任 和泉式部集99)
山里の 主に知られで 折る人は 花をも名をも 惜しまざりけり(同100)
知られぬぞ かひなかりける 飽かざりし 花に代へつる 身をば惜しまず(同102)
 これらの歌も、花泥棒が「泥棒」であるということが前提にあって、その動機に「風流心」を置くことによって、面白味が生まれるのでしょう。
(2019.03.04 10:25:55)

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