偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2019.04.05
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カテゴリ: 銀輪万葉
(承前)
​​​ ​ 前ページの続きです。
 牧野公園のアテルイ、モレ両氏にお別れして、府道17号を下ると京阪電車の牧野駅である。
 牧野駅西側で穂谷川を渡り、牧野駅前交差点で府道13号を越え、淀川畔に出る。
 堤防の道に上ると、上流方向から国交省のパトロール車がやって来た。​

(淀川左岸堤防道・北方向)
 この道は、一般車両は通行できない。歩行者や自転車は通行可。
 自転車道は、堤防下に降りた河川敷にあるのだが、枚方市駅近くで再び市街地に入るので、自転車道には入らず、この堤防道を行くこととする。​

(同上・南方向)
 堤防にはセイヨウカラシナが花盛り。春先、この花が未だ花芽の頃にはこれを摘んで食用とされる方も居られるようですが、このように咲いてしまっては、もう食べることはできないのでしょう。​

(セイヨウカラシナの群生)
白蝶に なりたる気分 長堤の 道行く銀輪 芥子菜の花 (偐家持)
 万葉集には、蝶を詠んだ歌はないのだが、歌に付された序文に「蝶」という言葉が登場している。
 その序文というのが、「令和」の出典となった、梅花歌32首の序文なのである。「初春令月、気淑風和」の30字ほど後ろに「庭舞新蝶(庭に新蝶舞ひ)」と出ている。
 この時、令和という新元号の発表は2時間以上も前に終わっていた訳であるが、銀輪行の我々は、それを未だ知ることもなく白蝶気分になっていた次第にて「堤駆銀輪、遊芥子菜」であったのでした。
 天野川が淀川に注ぐ地点にあるのが関西医大病院。そこで長堤の道とお別れして、かささぎ橋南詰で府道13号に出る。​

(天野川に架かる「かささぎ橋」)
 ここから、京阪・枚方市駅の南側の府道139号を進んで百済寺跡公園へと行くのであるが、地図上で見つけた大垣内町1丁目の百済王神社に立ち寄ることに。枚方市駅南の小高い場所に見える森がそれだろうと行くが入口が分からない。適当に辻を入って、細い路地を上って行くと鳥居がありました。​

(百済王神社<大垣内神社>)
 元々は、大垣内
(オオカイト) ​村の氏神を祀る神社として崇拝されていたようで大垣内​ ​神社とも呼ばれる。文禄年間(1592~96年)に三松家がこの地に転居、三松俊元の代の慶安3年(1650年)に中宮の百済王神社の分霊を邸内に奉斎して百済王神社となったよう。三松家は百済王の後裔で、代々中宮に居住し、百済王神社に奉仕していた家柄だとのこと。
 明治42年に片埜神社に合祀され、その後は、荒れるがままに放置されていたが、二次大戦後に本殿を再建して、復社したという。拝殿は荒れたままで廃屋のような様であるが、これも亦よしである。​

(同上・本殿)

(同上)
 大垣内の百済王神社を出て、百済寺跡公園の本家・百済王神社と百済寺跡に向かう。今回の銀輪散歩の最終目的地である。
 ところが、またしても、道を間違い、東へと延びている府道139号ではなく、南に向かっている道をそれと思い込んで走る。行けども天野川が現れず、変だと思った頃には国道1号(京阪国道)まで来てしまっていました。国道1号に入り、天野川の左岸を禁野橋まで戻り、ようやく府道139号に入る。禁野橋を渡って京阪私市線の宮之阪駅北側のガードを潜ると道は上り坂。500mほどで百済寺跡・百済王神社である。​

(百済寺跡公園)
 写真左に見える石鳥居を潜って、先ず百済王神社へ。​

(百済王神社)
 境内の桜はほぼ満開。
 青空に桜の花が映える。
 若い女性が、スマホで青空を背景に、ほつ枝に咲く桜を撮って居られました。

(百済王神社・説明碑)<参考>​ 百済王神社・Wikipedia​

(同上・境内図)


(同上・拝殿)
 右は旧拝殿。正面の拝殿が新築された際に移築されたとのこと。​

(旧拝殿)
 旧拝殿の後ろ、神社の東側が特別史跡・百済寺跡。​

(南西側からの全景)
 百済寺跡の正面入口は東側にある。
 我々は、百済王神社から入ったので、裏口からの進入になる。
 撮影の順序と逆になるが、先ず正面入り口の写真から。​

(百済寺跡)​<参考> 百済寺(枚方市)・Wikipedia ​​

(同上・説明碑)
 公園、跡地としての正面入口は東側であるが、在りし日の百済寺の正面は南側であるだろうから、南側から参ります。​

(同上・中門)
 その奥が金堂。​

(同上・金堂)
 金堂の奥が講堂。​

(同上・講堂)
 そして、左右に西塔と東塔。​

(同上・西塔 背後は百済王神社)

(同上・東塔)
 薬師寺式の伽藍配置である。
 帰途は、色々なコースが考えられるが、冒頭で記したように偐山頭火氏と偐家持との走行距離をほぼ同等にするには、中央環状道路まで下るのが適当、そのための経路として最も簡明なコースは、やはり淀川自転車道である。ということで、来た道を引き返し、枚方大橋の手前から淀川自転車道に入る。
 前方、川下方向を見やると、左から右へと黒い雲が帯状に垂れ込めていて、その下辺りは雨になっている模様。我々はその方向に向かって走っているのだから、雨雲に突っ込んで行くようなもの(笑)。やがて、雨がぱらつき始める。まだ雨具は着ない。かなりの降りになって来る。雨粒と共に白い物が跳ねる。それが顔に当たると痛い。霰まじりの雨だ。
 前方に鳥飼仁和寺大橋が見えて来る。そこまで行って「雨宿り」と先を急ぐ。橋の下で小休止。かなり濡れてしまってから雨具を着る泥縄式ヤカモチ。偐山頭火氏は始めから雨仕様の上衣を着て居られたので問題なし。
 10分位は雨宿りをしただろうか。橋の上から落ちて来る雨水の音にごまかされて、まだ雨が降っているように思っていたら、既に止んでいて、やって来た方角を見やると、虹が出ているではないか。​

(虹が出た。鳥飼仁和寺大橋の下から北東方向の空を望む。)
 さて、再出発である。
 ユキヤナギが咲き群れているのを見て、「積雪1m」と言うと、偐山頭火氏から「2mはある」と訂正が入る(笑)。​

(ユキヤナギ)
 やがて、鳥飼大橋が見えて来る。​

(鳥飼大橋)
 モノレールが走って行く。
 淀川にお別れして、中央環状道路に入る。
 守口市、門真市、大阪市鶴見区を経て東大阪市に入る。
 荒本西の中央大通りに出たところで、西に行く偐山頭火氏と東に行く偐家持とは、偐偐銀輪散歩から偐銀輪散歩に各自ギアチェンジ、単独行となる。
 再び、雨が本降りとなり、雷鳴も。しかし、それも長くは続かず、小降りとなり、止みました。
 偐山頭火氏のMTBの距離計によると、この日の走行距離は75kmだったとのこと。ヤカモチの走行距離もほぼ同じでしょう。
 以上で、偐偐銀輪散歩終了です。(完)​​​​​​​​​​​​​​​​​

<参考>同行の偐山頭火氏のブログ記事は コチラ
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最終更新日  2019.04.05 21:04:51
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