いつも笑顔でいられたらいいね!

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ハンマースホイ展

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「背を向けた若い女性のいる室内」
1904年頃 ラナス美術館 Photo © Niels Erik Høybye

ポスターその他に採用されているこちらの作品。典型的なハンマースホイ作品。奥さんのイーダの後ろ姿を何枚も何枚も自宅内のあちこちで描いています。今回の展覧会だけでも役20作品もイーダの後ろ姿を描いた作品が。

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「室内、ストランゲーゼ30番地」
1901年 ハノーファー、ニーダーザクセン州博物館
Photo © Ursula Bohnhorst

この作品も「不気味な画家ハンマースホイ」の眼鏡をかけて観ると右にあるピアノの脚が足りません。中央のテーブルの影が一方向ではありません。窓辺のイーダの左足は…と怪奇番組のように次から次へと謎が浮かび上がってきます。

ただ一旦、眼鏡を外せばピアノの脚は前脚と重なっているので見えないこと。机の脚の影は実際にはよくあることですが、絵画の世界では光は一方向から差し込むのが定石となっている為、不思議な感じを覚えるだけです。


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「若い女性の肖像、画家の妹アナ・ハンマースホイ」
1885年 ヒアシュプロング美術館
Photo © The Hirschsprung Collection, Copenhagen / DOWIC Fotografi

ハンマースホイが自分の妹を描き自信を持ってコペンハーゲン王立美術館アカデミー展に出展したにも関わらず、ぼやぼやした画面がアカデミーの伝統的な技法にそぐわないという理由から落選。結局その後もアカデミーでは一度も賞が取れなかったそうです。

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「クレスチャンスボー宮殿、晩秋」
1890-92年 コペンハーゲン国立美術館 
Photo © SMK Foto, Copenhagen

クレスチャンスボー宮殿周辺は、コペンハーゲン市内でも普段から活気に満ちている場所だそうです。ところがハンマースホイの描いた風景画には人っ子一人いません。

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「イーダ・ハンマースホイの肖像」
1907年 オーフース美術館 
Photo © Ole Hein Pedersen

奥さんのイーダを描いた一枚。驚くことにこの時イーダ38歳!失礼ですが50歳代に見えます。画像ではイマイチよく色が出ていませんが会場でご覧になればきっと後ずさりしてしまうほど不気味な緑色の肌で描かれています。

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「ピアノを弾くイーダのいる室内」
1910年 国立西洋美術館

今年の4月に西洋美術館が購入した一枚。
フェルメール「音楽のレッスン」を想起させます。良い買い物です。
「ハンマースホイ展」が終了しても常設でこれ観られると思うと幸せ。

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「白い扉、あるいは開いた扉」
1905年 デーヴィズ・コレクション B309
Photo © Pernille Klemp

この絵にも誰の姿もありません。しかし床にめを転じるとはっきりとそこにハンマースホイ自身と妻のが生活をしていた痕跡が。人物が描かれている作品では見られないのですがどうしてこの作品に?これはきっと見えないだけで居るのです、目の前に背中を向けた奥さんが佇立して。。。

ハンマースホイ曰く「誰もいない室内に美を感じたから描いた」

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「休息」
1905年 オルセー美術館  
Photo © RMN / Michèle Bellot / distributed by DNPAC

人物画のセクション最後に展示してあった作品。
次の章から怒濤の背中ラッシュが開始されます。

会場のあちこちで「暗い」との声が聞こえました。確かにグレートーンでまとめられた画面は暗いのかもしれまえん。印象派やゴッホ、マティスに比べれば。でも人間の心の中ってもしかしたらこんな色調なのかもしれません。




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