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2024年12月03日
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カテゴリ: 本にまあ
「世の中と足並みがそろわない」(ふかわりょう著、新潮社)を読みました。



ふかわりょうという芸人はたまにテレビに出ているのを見かけるぐらいで、ほとんど知りません。ただ先日、言語学者川添愛氏との対談集「日本語界隈」を読み、ふかわの鬼才ぶりに触れて興味を持ち、この本も読んでみることにしました。読んでみて、ふかわという人はまさに「世の中と足並みがそろっていない」人だということを最初に思いました。

最初は「溺れる羊」というタイトルにしたかったようですが、足並みがそろわずに溺れてしまう人に間違いなさそうです。

「日本語界隈」でもふかわの日本語に対する感覚や思い入れはつきぬけていて、世の中のほとんどの人がさっと流してしまうようなことを深く考えている人だという印象はありました。こちらが見逃してしまいそうな日本語の表現を考えさせてくれる点に興味がありましたが、ふかわの日本語感覚はさらにその上(斜め上?)を行っており、読んでいくと何か取り残されてしまう感があります。

本の帯に「世界が歪んでいるのか、ふかわが歪んでいるのか」誰か教えて、とありますが多分どちらもでしょう。

たしかに世界が歪んでいて、そこにふかわは目をつける。世の中が変とも思わず見逃してしまうようなところに着目する、目のつけ所はとても面白いと思います。しかしそこから今度はふかわがさらに歪んだとらえ方をしてしまって結局は世の中とは足並みがそろわず、溺れてしまいます。それは歪んだ部分が見えてしまう人の特徴なのか、ふかわだけが歪んでいるのか。

20余りあるエッセイのなかには割りと「まともな」章もありますが、それはあまり面白くありません。

やはりふかわらしい歪(いびつ)な世の中のとらえ方をしたときが彼の魅力が全開になるときです。自分の言動を自虐的に表現したりしながら、それでいて自己を徹底的に否定しているわけではない。それは自らを客観的に捉えることができる人で、自分の「歪さ」を客観的に表現するすべを知っているからではないでしょうか。

読者を置き去りにして遠くまで行ってしまうように見えて、しっかり読者の心をつかまえている。やはり変な人です。





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最終更新日  2024年12月03日 11時14分39秒
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