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2025年12月21日
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カテゴリ: 本にまあ
「のんのんばあとオレ」 (水木しげる著、ちくま文庫)を読みました。最近、​ 水木しげるにハマっている ​私。「のんのんばあとオレ」は昔、たしかNHKのテレビでドラマとして見た記憶はあるけれど、内容はさっぱり覚えていません。読めば内容を思い出すか、あるいは全然思い出せずに新鮮な気持ちで一から読めるか。いずれにしても水木しげるの子供時代や妖怪に興味を持っていったわけが分かるだろうと期待して読みました。

結果は後者。内容はまったく覚えていませんでした。それにタイトルから予想していたものと内容が違いました。

予想していたのは「のんのんばあ」が妖怪や霊の話を語ってくれ、それに影響される水木少年の話。でも実際は「のんのんばあ」はそれほど登場しません。むしろ中心になるのは水木の幼児期から学校時代、そして卒業後の就職に苦労した話でした。もちろん何か起こるたびに「のんのんばあ」が語る不思議な説明は水木しげるの幼少時代の自然観や人生観の基盤になっています。しかし本書のおもな内容は兄や弟、そして近所の仲間たちとの遊びの中で育っていく水木しげるの自伝的成長物語です。

「裸の大将」の山下清画伯は写真のような記憶力を持っており、その点で天才だったと言われています。

山下の「長岡の花火」などのちぎり絵はすべて記憶通りに石ころなどを描いたと言われています。水木しげるは山下と同い年で、山下が画伯として有名になりかけた頃、本書では「山下清に似ている」と他人から言われ本人も自覚しているという記述が出てきます。たしかに幼年時代の細かな出来事をすべて昨日のことのように事細かに描いているのはその記憶力のせいかもしれません。

山下はときには「精薄」と揶揄されましたが、水木少年はポジティブにも自分も有名になれるのではと夢想したりします。

「ちょっとたりない」と周りから思われていた水木しげる(本人談)、実は栴檀は双葉より芳しかったのです。彼が天賦の才の持ち主だということは後の作品を見ればだれでも分かりますが、子どもの頃の遊びの様子や心の動きを半世紀以上後になってこのように書ける記憶力や客観的な観察力を見ると、小さい頃から彼の才能は人一倍すぐれたものだったことが見て取れます。ただ、それが世間の評価とはズレており、学校でも卒業後の就職先でもなかなか受け入れられなかったのです。

ギフテッド(天才児)は生きづらい ​ことが多い​​ようですが、彼もその一人。遅咲きですが咲いてよかったと思います。





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最終更新日  2025年12月21日 10時50分15秒コメント(0) | コメントを書く
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