夜桜亭~月光店~

夜桜亭~月光店~

寝息とチェリーブロッサム



寝息とチェリーブロッサム
                           夾×透
「春ですね~夾くん」
「ああ」
透と夾は縁側でお茶をすすりながらお花見気分で団子を食べていた。

「あんことみたらしどっちが好きですか?」
「あんこはなんかあまったりぃーだろ。嫌いじゃないけどな。けどみたらしのほうが俺は好きだ。おまえは?」
「う~ん~~~・・・」
透はしばらく悩んでいた。
「みたらしはおいしいです。けどあんこもおいしいです。うーーーん・・」
「もっと簡単に考えろよ。直感で。」
「そうですね。じゃあ・・・間をとって桜餅で!」
思考回路がショート寸前らしい。考えすぎで間をとれていない。
「なんだよそれ・・プッ」
いつもなら突っ込むところであったが、良くわからないがおもしろかった。
春の陽気のせいだろう。


「こんどみたらし団子作ってみますね!」
「おお。楽しみにしてるぜ」
「茶煎れてくる。」
「あっ、私が」
「いや、俺行ってくる」
「ありがとうございます」
夾がほんのちょっと台所に行っていた間だった・・・。




夾が急須を持って戻ってくると、透は前屈みになって寝息をたてていた。
「寝てんのかよ」
夾は透の隣に座るとお茶を煎れて一人で飲み始めた。
「ズズズズ・・・。」


「ぐれさん!君の家はなんでこんな山奥なんだい??体の弱い僕はもうだめだよ。(嘘)」
「あーや、君は雑木林はすべて山奥にするのかい?それに君が倒れても僕は君を抱きかかえて山でも川でも越えていくよ(無理)」
「馬鹿が・・・」
マブダチトリオ三人衆は紫呉の家の桜で花見をしようと紫呉の家に向かっていた。
「今日、何人呼んだだい?グレさん」
「もみっちとはーくんとさっちゃんとひーくんかな。あ、あとウチの若い三人衆」
「随分と平均年齢が低いな。」
「何言ってるの?はーさん。僕達が高いだけだって」
「とりさんがボケるなんて面白こともあるものだ。花粉症かい?」
「あーや、ボケと花粉症って何か関係あるの??」
「さぁ?」
そんな会話をしながら紫呉宅に着いた。


「ただいまー。透くん夾くん」
「ぐれさん、我が愛しのマイブラザー由希は?」
「生徒会の用事でで休日登校だよ。花見開始までには帰ってくるって」
「何時からやるつもりなんだ?」
「うーんと七時ぐらいかな。夜桜に月見酒はいいよ~」
三人であーだこーだ話しながら茶の間に入ったが誰もいなかった。
「あれ~とーるくん?きょーくん?」
「いないのか?」
「いや、いると思うんだけど。」

「バンッ!」
紫呉が縁側を覗くと夾が床を叩いて紫呉に助けを求めた。
「どうしたのそんなところで?」
「透が寝ちまったんだよ。しかも俺によりかかったままで。」
「キョン吉はそんなに透くんと一緒にいたいのかい?まさかいやらしー事でも考えて!?」
「ンなわけ!!」
「シー。透君起きちゃうよ??」
「で、どうするんだ?もう六時だぞ。皆来るだろう。」
「そうだねー。そろそろ起こしてあげなよ」
「それが出来たら苦労しねぇんだよ」
「え?」

夾がお茶を煎れ、透の隣ですすってしばらくぼーっとしてると透は徐々に夾の肩に寄りかかってきた。そして、ついに全体重で寄りかかってきた。
「おいっ!透。重い。」
今日のイライラは徐々につのり起こそうと揺すってもまったく動じず
「桜・・桜餅さんは悪くありません!・・・スースーキャハッ・・・・」
寝言のオンパレードだった。
そのうち寄りかかるだけでは無く無意識のうちに腕をつかまれていた。
気の短い夾もさすがにお手上げになり怒るのも疲れるようになってきた。
そこに紫呉たちが帰ってきたのだという。


「夾くんお疲れ。じゃあ透くん起きるまで頑張ってね!」
「はぁ!?」
「がんばるのだよ!キョン吉」
「夾、そういうことだ。」
「おい!ちょっとまてよ!」
「あいにくだが、花見の用意があるのだよ!」
「シート探すの手伝ってくれる?」
「ああ」
「じゃあ、がんばれキョン吉」
「おい!!!!」


「きゃはっ!キョーはトールはラブラブしてるの~~?」
「ひゅーひゅー。やるねー。」
「っるせー!黙れ!」
「ハルはリンとラブラブしたいでしょ?」
「俺はもっと濃厚めなカンジの・・・」
「青少年の前でそういうこと言わないでくれる?」
「燈路ちゃん、濃厚なのってなに?」
「杞紗はしらなくていいよ!」
「おませな燈路ちゃんはわかるのかな~~?」
「うるさい!」
「おまら全体的にウゼェーー!」
紅葉たちが来てもしばらく透が起きる気配は無く寄りかかった体勢は続いた。

「ふにゃ・・・う~ん・・・はっ!」
「やっと起きた。早く離れろよ。」
「ふぁ・・あっ私!」
「いい。別に迷惑じゃなかったし。ちょっとだけ。」
透が目覚めたのは宴開始5分前の事だった。
「今日はお花見じゃ」
「ああ。皆、中で用意してる。お前の料理がないとはじまんないけどな。」
恥ずかしそうに言う夾に透は恥ずかしそうに答えた。
「今すぐ用意しますね?腕によりをかけて作ります!皆さんに迷惑かけたぶん頑張ります!」


「かんぱ~い!」
「いや~透くん爆睡だったよね~。ね、あーや?」
「ああ、眠り姫のようだったね。さしずめ僕ととりさんとぐれさんは三人の魔法使いだねだね!」
「お恥ずかしいです~。あの・・そのお詫びなのですが、桜餅を作ってみました!」
「トール!すごく美味しそう!!」
「どんどん食べてくださいネ!」
夜になっていくと桜は月明かりに照らせれてより美しくなっていた。

年長組は月見酒を楽しみ、紅葉と杞紗と燈路は食べ物に夢中。春は酒を年長組みから拝借して酔った勢いで由希を口説いていた。
「なぁ透?お前どんな夢見てたんだ?桜餅が悪くないとか何とか言ってたぜ。」
「へ?覚えてないです・・・けど夾くんが桜餅をたくさん食べている夢を見ました。」
「へー。俺が・・。」
透の夢に出れたことが少し嬉しくも恥ずかしい自分がいた。
「夾くん?ほっぺが桜色ですよ?」
「うるせーよ。」


END





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