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『真贋』Amazonより作品をほとんど読んでいる今野敏氏の警察小説。警察小説と言うと花形の捜査一課が多いですけど、今作は泥棒を取り締まる第三課。特に泥棒は職人気質というか技術を突き詰める傾向があるので、事件としては地味なものになる。今回は、そこに国宝を絡めて派手さを出しつつ、後継者を育てるという話を泥棒、2組の警官で展開している。要はヒューマンドラマが主で、盗難事件は従。だから読んだ瞬間に盗難のトリックがわかるし、犯人もわかる。解りやすいし、緊張感もあるので、2時間ドラマの原作にピッタリだと思う。それでもこの本の評価が下がらないと思うのは、そこに著者が重きをおいていないからだと思う。ある意味職人の姿を描いているからだと思います。『真贋』は、2時間ドラマにピッタリなヒューマンドラマです。皆さんに全ての良き事が雪崩の如く起きます。
Jul 4, 2019
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『レゾンデートル』Amazonより余命半年の医師と切り裂きジャック、家出少女と目的のために殺人をいとわないヤクザ、それぞれが交錯して、さらに昔気質の刑事や報道記者が絡んできて、ドラマが始まります。余命半年の医師が主人公の次点で、ラストは死ぬんだろうというのは目に見えているわけですが、そこまでにどんな展開がまっているかが、著者の腕の見せ所でしょう。別々に動いていたストーリが途中で交差し合って、一つになって終わる感じです。不幸な生い立ちのヒロイン、ヤクザの事情、主人公の変遷、みんな納得のいく話で、それぞれちゃんと動いてます。そして、切り裂きジャックは裏社会の天敵なのですが、裏社会の天敵と言えば誉田 哲也氏の「ブルーマーダー」。それと比べると殺人者の掘り下げが浅い感じ。それと暴力描写がスマートというか、生々しくない。エンターテイメントとしてはそれくらいでちょうど良いのかも知れないけど、ブルーマーだーを知ってしまった私には少し物足りないかな。反面、医療のことは詳細に丁寧に描かれている。末期ガンなのに、体を鍛えて街の悪い奴を倒していくなんて普通なら噴飯ものだが、医者が副作用を気にせずガンガンドーピングしまくったら、そういうマジックがおこってもおかしくないと思わせてくれます。血を見るようなシーンが多のですが、血をたくさん見たわりに、締め方も悪くありません。『レゾンデートル』はテンポも良く、最後まで飽きる事無く楽しめました。皆さんに全ての良き事が雪崩の如く起きます。
Jun 22, 2019
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『今昔百鬼拾遺 河童』Amazonより京極堂の「敦子」シリーズの第二弾。本作も今田美桜の無駄遣いである。てかさ、上の表紙見て下さいよ。今一番売れてる女優使ってなにやってんの?それはさておき、本の内容である。舞台が私が住む千葉。よく行く大多喜街、東総元、久我原が舞台です。実際に知っている場所なので、複雑な夷隅川水系とか、本を読んだだけでは理解しづらいだろう事がすんなり理解できて面白かった。東総元駅から大戸の洗い越しや河伯神社など実際に存在し、正確な位置関係で描かれてあるので、実際の事件現場の遠内が実在しないんですけど、リアルに感じます。あの辺りを走っているとロードサイドに滝があるのに、その川が地図に載ってないということがあります。そう言う事で想像が膨らんで楽しいのですが、昔ほどページをめくらせる力が弱いと思います。以前の様に「次」「次」とページをくる力が弱くなっている気がします。物語は普通に面白いんですけど、次が気になって仕方ないという感じでもないんですよね。『今昔百鬼拾遺 河童』はもう少し工夫があって然るべきだったと思う。みなさんに全ての良き事が雪崩の如く起きます。
Jun 10, 2019
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『借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんがあえて教えなかったトンデモナイこの世のカラクリ』Amazonより通称「ドS本」と呼ばれた「借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんが教えてくれた超うまくいく口ぐせ」の第三弾です。本書には自己啓発・精神世界の本のコーナーの中のノウハウがあれこれ書かれていますが、今までと違うのは、考え方にスポットを当てているところでしょうか。前作、前々作は、どちらかというと「信じてなくてもいいから、言う通りに動きなさい」という行動にスポットを当てているのに対して、結果が出ない人に対して、こういう心構えでいると行動できるし結果に繋がるよという感じです。さらに親子間の大切さや〇〇類脳等、人によっては「目に鱗」な答えが見つかるかもしれません。 『借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんがあえて教えなかったトンデモナイこの世のカラクリ』は、先述の通り、ごく「当たり前」の内容なので、買うかどうかは書店で読んでから購入することをお勧めします。みなさんに全ての良き事が雪崩の如く起きます。
May 29, 2019
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『今昔百鬼拾遺 鬼』Amazonよりこの表紙の写真のモデルが今田美桜さんなのですが、中扉でお面をとる訳でもなく、キャプションに「モデル=今田美桜」とあるだけ(苦笑)今田美桜さんと言えば、今一番勢いのある若手女優さんですよ。なんという無駄遣い!それで肝心の小説の方ですが、意外な犯人ですが、良く読むとちゃんと伏線があって、確かにその人しかいないのです。ただ、じゃあ、ミステリーの王道かというと決してそんな事にはならないのが京極夏彦氏。因縁というかそういうのにスポットをあててはいるのです。ただし、主人公が真面目な中善寺敦子なので仕方がないのかもしれませんが、「不完全燃焼」という感じですね。それでも百鬼のように京極節が楽しめる訳ではなく、百器や今昔続百鬼のように痛快な訳でもない。『今昔百鬼拾遺 鬼』は面白いと思いますが、再読三読したいと思うほどの魅力が弱いですね。皆さんに全ての良き事が雪崩の如く起きます。
May 6, 2019
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『ルージュ: 硝子の太陽』Amazonより姫川シリーズのファンだが、正直これは微妙だなぁ。。。メインの殺人事件は姫川関係なく(全く無関係とは言いがたいが、勝俣のお陰みたいなもんだし)王道の捜査で犯人にたどり着くし、もう1つの事件は何がなんだか分らないままだし、沖縄の反基地運動を扱うにはあまりにも稚拙だし、何よりも姫川も勝俣も今までの様な重厚感がまるでない。正直、一気読みができなくて、何度も本を置いてしまった。事件自体は姫川シリーズらしく凄惨極まりないものなんだけどねぇ。あと、最終章に何の意味があるんだろう?なんだか作者のマスター ベーションにつき合わされた気分だ。近々、姫川シリーズがドラマ化されるみたいですけど、これは題材にしてほしくないなぁ。皆さんに全ての良き事が雪崩の如く起きます。
Apr 4, 2019
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『運がいいと言われる人の脳科学』Amazonより著者は奈良女子大学理学部物理学科を卒業、メーカーでAI研究に携わったのち、ことばの感性を研究し、独自のマーケティング論を拓いた、株式会社感性リサーチ代表の黒川伊保子さんこれ、とっても面白いですよ。運のいい人の脳とは、潜在意識が活性化していて、顕在意識に伝えやすい人は直感が鋭く、つかみがいい脳と説明しています。カーネギーの『人を動かす』みたいに、細かく(2〜数ページ)で、事例と脳科学からの解説がされています。そして内容の方も、カーネギーの『人を動かす』みたいに、なるほどという気づきがあります。特に「常に当事者でいる」とか、「運がいい人のは、必ず「周囲を笑顔にする力」が備わっている」とか、ものすごく気づきがあります。このほかに、『運がいいと言われる人の脳科学』では、「マジカル・ナンバー・セブン」、「「裸の王様」、「言葉の色、声の色」など、脳科学の見地から興味ある考察を記しています。興味ある方はぜひ、本書を手に取ってお読みください。みなさんに全ての良き事が雪崩の如く起きます。
Mar 11, 2019
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『防諜捜査』Amazonより警察小説の名手、今野敏氏の公安刑事ものです。一応シリーズですが、前作とは人物像も違っているので、単独の作品として読んで充分楽しめます。本書は今野氏の作品に多い、周りの評価は高いのに自分自身にイマイチ自信が持てない主人公が、自己評価のまま真摯に事件や人に対応する事で事件を解決に導いていくストーリー。それだけだとワンパターンに陥りそうですが、物語は登場人物の会話で味わいを出していくという、これまた今野氏の十八番のパターン。今作は公安の外事1課という日本におけるスパイ機関の話なのですが、奇想天外な登場人物も無く、現実離れした展開も無く、割と淡々と物語が進行して行きます。もちろん事案解決にむけた捜査も推理性たっぷりで、わくわくするのですが、同時進行する公安の上下関係、人間関係、他省庁やロシア大使館との駆け引きも面白い。唯一残念だったのは、物語のかなり早い段階で犯人がわかってしまったこと。流石にもう少し捻りが欲しかった。ただし、『防諜捜査』は最後のどんでん返しは意表をつかれました。みなさんに全ての良き事が雪崩の如く起きます。
Jan 21, 2019
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『夜明けまで眠らない』Amazonより平穏に暮らそうとしていた元傭兵が過去のしがらみから再び戦わざるを得ない状況に陥る、という以前にも何度かあった大沢有昌氏のお得意パターンです。ただ、今度のキャラクターは今まで以上に際立ってプロというか、クールというか、鮫なみに存在感を放っています。著者の場合、1回こっきりで消えて行くキャラも多いのですが、今作のキャラは1回で消えて行くのはもったいないですね。また、脇役の上司やヒロインもとても良いので、設定的に難しいかもしれないですが、なんとかシリーズ化してもらいたいなぁ。ストーリーの方も謎解きが難しく(てか、政情不安定な途上国の事情に詳しく無い限り想像付かない)、さらには殺人の動機も想像できないので、斜めに読んでも楽しめます。その上、平和が日常のヤクザを弱者として描く事で、人殺しが日常の戦場で生き延びた人間のリアルを描いているので、私たちの知らない世界が非常にリアルに感じられます。『夜明けまで眠らない』は久々の大沢ワールド全開の著です。「新宿鮫」や「秋に墓標を」と同じ読後疲労を感じられると思います。大沢ファンでなくても是非お読みください。皆さんに全ての良き事が雪崩の如く起きます。
Jan 7, 2019
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『おおあたり』Amazonよりしゃばけシリーズ15冊目。近刊のいつも通り関連話のオムニバスです。今作では佐助や仁吉が長崎屋に来た頃の話も出てきたり、栄吉がとても美味しい(!?)大ヒット菓子を作ったり、貧乏神が富くじを当てたり、相変わらず笑いの後にホロリとさせられます。このシリーズの好きな所は、大店の一人息子や妖が中心なので、皆、お金に執着がない所。お金に執着がないから、違う視点で事件を解決できるし、嫌み無くほっこりできると思います。『おおあたり』はマンネリって決して悪い事じゃないと思わせてくれます。皆さんに全ての良き事が雪崩の如く起きます。
Dec 18, 2018
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『去就: 隠蔽捜査6』Amazonより隠蔽捜査シリーズは今野敏氏の出世作ですが、隠蔽捜査シリーズ初期の頃よりはライトノベルスに近くなってきているかな。その方が今野氏らしいし、好きなんだけれども、隠蔽捜査からファンになった人にはどうなんだろう?とは言え、今作もとても面白い。このシリーズは凶悪事件の解決を縦糸に、警察内部の人間関係を緯糸に編んであるのだが、今作も例外ではない。ストーカー絡みの殺人事件が発生するものの、被疑者の行動が非常に不可解で、なかなか捜査が進展しない。また、殺人事件だから当然捜査本部を立ち上げる事になるのだが、そこに普通なら参加しないノンキャリアの方面本部長が、竜崎や刑事部長の伊丹にまで対校意識を持って、しゃしゃり出て来てくる。ちょっと殺人事件の解決が急というか、安易な気もするけど、なかなか新鮮な手口で面白い。『去就: 隠蔽捜査6』お勧めです。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Dec 6, 2018
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『変幻』Amazonより同期シリーズ最新作です。今まで蘇我がゼロの指示でアンダーカバーになってたんですが、今回は大石(女性)が麻薬組織への潜入操作に入るという設定。潜入中に殺人事件が起こって、救出プランが機能しなくなり、同期の宇田川をはじめとする操作一課の一部メンバーと救出チームを結成して、独自に操作を始める。この本当に手探りで操作を進める過程が先の読めない展開で面白いんですよ。さらに、捜査一課長を始め、他の今野作品に出てくる人物を活用して、それぞれの本とは違う目線から描かれてるので、これまた面白い。最後の方が駆け足になってしまったのがちょっと残念だけど、その部分も前半同様、しっかり描かれていたら、これほどテンポよく読めないかとも思います。『変幻』は、今までの警察小説にはないタイプの小説ですので、今野作品未見の人に是非読んでもらいたいですね。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Nov 13, 2018
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『豹変』Amazonよりおよそ10年ぶりくらいの鬼龍シリーズ、伝記ものですが、ちょっと今回は毛色が違います。今回は亡者ではなく狐憑きなんですが、この狐憑きに科学的な考察がなされています。そういう意味では純粋な伝記物ではないのかもしれませんが、この発想がよく出て来たなと思います。鬼龍が「狐憑きに狐の霊がついてるかどうかはわからない。霊が原因なのかもわからない。現象の原因や理由はわからないし、解明する必要も無いが、対処はできる。その方法も知っているし、それで充分なのだ」と言う様なことを言います。これがものすごく説得力があるんです。私の知り合いで、そこそこ有名で本田健さんなんかも、別荘の建築を依頼する様な建築家がいます。彼は風水が使えるのですが、その彼が同じ事を言ってました。風水は理由はわからないが効果がある。だから風水住宅を建てるんだと。そんな訳で『豹変』は今までと違った新しい伝記ものが生まれたのかなという気がします。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Oct 24, 2018
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『QED ~ortus~白山の頻闇』AmazonよりQEDシリーズ何作目になるんだろう?数えてみたらスピンオフの毒草師も含めて本作で22作目でした。最初の百人一首の呪の歴史上の謎を解決すると、それとリンクするかの様に現実の事件も解決するという見事な二重構造で、ファンになって以来、読み続けていますが、最近は歴史上の謎に関わる自説を披露するために無理やり殺人事件を起こしている感じになっていて、ちょっと離れてました。久々に手に取ってみたら、本作はその傾向が顕著にでていてガッカリ。歴史上の謎への既述に対して、現実の事件への追求がお粗末すぎるんですよね。現実の殺人の動機が現代ではあり得ないくらい宗教がかってるし、もし、それが動機なら、もっと掘り下げて読者を納得させてい欲しい。ただし、本作は実は表題作の『白山の頻闇』は130頁余りの中編、併載の『江戸の弥生闇』が約80頁との2編が納められている。で、この2編めの【江戸の弥生闇】がなかなか興味深い。無理に歴史上の謎(というほどでもないが)と、現実の事件とをつなげないで、ちょっとした共通項目をにおわせるだけなのだが、こちらの方が素直にうなずける作品になっている。個人的に『QED ~ortus~白山の頻闇』は【江戸の弥生闇】を楽しむ本だと思う。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Oct 18, 2018
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『マンガでわかる! 借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんが教えてくれた超うまくいく口ぐせ』Amazonより前作『借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんが教えてくれた超うまくいく口ぐせ』が面白かったので、つい購入してしまいました。マンガでわかる!とありますが、実際にはマンガは半分以下です。しかし、そんな事関係なく、とにかく解りやすい。前作もこの手の本の中では抜群に解りやすかったのですが、『マンガでわかる〜』は読者から疑問に応える形ですし、前作の主人公コイケよりも本作のヒロミはより自虐体質なので、ものすごく解りやすい。おそらく読者がひっかかるであろう部分を先回りしてフォローしている感じです。どちらが好きかと言われれば前作の『ドS本』ですし、何度も読み返すのもそうでしょうが、解りやすさやパラパラ拾い読みするなら『マンガでわかる〜』ですね。ちなみに、表紙の宇宙さんは夜光塗料が塗ってあって、暗がりで光ります(笑)皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Sep 26, 2018
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『電通さん、タイヤ売りたいので雪降らせてよ。』Amazonより著者は電通テックの本間さん。10年くらい前かなぁ、一緒に仕事をさせて頂いていました。当時、本間さんという方は、必ずプレゼンに呼ばれる方で、独特の語り口でいつの間にかクライアントをその気にさせると、言われていました。本書ではその独特な語り口のまま、広告が見られない時代の“買っていただく”方法を様々な切り口で紹介しています。ひとつひとつを見て行くと、飢餓感を煽る方法や、恐怖感を植え付ける方法、炎上商法等々、勉強熱心な方なら一度は見聞きした事の有る様な情報も並んでいるのですが、そこは現場で汗を流しているプロ。ものすごくリアルで生々しい事例で説明していますから、アメリカの最新メソッドを謳うマーケティング本などよりも皮膚感覚で理解できます。しかもそれがデジタルであったり、売り場であったりが、バラバラに提示されているのではなく、有機的にリンクして描かれていますので、読み物としても面白くなっています。もちろん「インスタ(SNS)映え度判定チャート」など、著者独自のメソッドも紹介されていますが、読んで行くうちにそういうメソッドが重要なのではないのじゃないかという疑念が生じます。それこそが著者の狙いで、売り手が売らんかなとするのではなく、買い手に寄り添うことの重要性を説いています。さらに最後まで読んで行くと著者が編み出した「消費行動モデル」に従って、この本は造られていて、見事に著者の手の内で踊らされていたことに気づきました(笑)『電通さん、タイヤ売りたいので雪降らせてよ』は、小難しいカタカナの販促本に飽きた人にこそ読んでもらいたい本です。例えて言えば、普通の人が「ホームランは打てないけど、確実にランナーを進めるバンドが打てる方法」が解りやすく書いてあります。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Sep 18, 2018
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『ティターンズの旗のもとに』Amazonより私は「機動戦士ガンダム」はリアルタイムに見ていたのですが、その後のシリーズは一切見ていないので、正史とかマニアが語るようなガンダムに関する知識はありません。なので、著者のファンではあるものの、イマイチ購入意欲が沸かずに今まで買わずに来た本です。著者にはギガースシリーズといういかにもガンダムに着想を得た作品もありますので、あえてガンダムの世界を借りた本作を読む必要もないのかなとも思っていました。ところがこの本、良い意味で期待を裏切ってくれました。現在の軍事裁判とその裁判で戦犯として裁かれる若き将校達が活躍した戦争の記録を行き来しながら、なぜ若き将校は戦犯として裁かれなければならなかったのか? ミステリー仕立てに進んで行きます。戦争の本質を描こうとする著者の意図がよく伝わり、「勝者の論理」「支配者の論理」を乗り越えようとするキャラクターたちの生き様が描かれた佳作です。『ティターンズの旗のもとに』は、全く知識がないと辛いですが、私の様に「機動戦士ガンダム」の第1作を観ていれば、続編「Zガンダム」を観ていなくても充分楽しめます。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Sep 10, 2018
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『サーベル警視庁』Amazonより今野敏氏の新しい挑戦です。舞台は明治38年の東京。維新を知らない世代がリアルに社会で活躍し始めた頃ですね。私が知らないだけかもしれませんが、あまりこの時代を描いた現代の小説が無い様に思います。著者の今野氏も船越議珍などの実在の人物の伝記小説以外は描いていないはず。面白い時代だとは思うのですが、今まであまり取り上げられて来なかったのは、やはりリアルタイムにその時代を行きた方々がいくつもの名作を残しているというのが大きい気がします。夏目漱石とガチンコで競合するのに、その時代のリアルを知らないというハンデを持って闘うんですよ。その点、今野氏は上手くそのあたりを回避しています。薩長閥が政治を牛耳り、警視庁が内務省の管轄だったなどの背景を利用しつつ、維新以降も戊辰戦争やなんやかやと、リアルに殺し合いをしていた世代がまだ生きていて、そして、警察官や軍人が腰にサーベルをぶらさげてその辺を歩いてた時代でしか描けないフィクションを描いています。会話が主体の文ですので、親しみ易いです。『サーベル警視庁』は是非ともシリーズ化して欲しいですね。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Sep 1, 2018
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『臥龍: 横浜みなとみらい署暴対係』Amazonより浜の用心棒こと諸橋刑事シリーズ最新作。今回は殺人事件がメインなので、帳場が立って捜査一課が出てきますが、これが諸橋ら暴対とことごとく捜査でぶつかります。今回は神風会の岩倉や神野親分が逮捕されるというオマケ付き。今までは神野親分らの扱いは、諸橋らに情報提供する程度だったんですが、今作くらいガッツリとストーリーに噛んでくると、暴力団の犯罪を徹底的に悪として描く今野氏の作風とのバランスが難しくなってきたのかなぁという感じがします。任侠シリーズみたいに古き良き時代のやくざが活躍するコメディーじゃないので、徐々に矛盾が生じて来ている様に想います。それでも、面白いから一気読みしちゃうんですけどね。『臥龍: 横浜みなとみらい署暴対係』はファンでなくとも楽しめますよ。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Aug 20, 2018
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『プロパガンダゲーム』Amazonより大手広告代理店の就職試験が舞台で、無作為に選定された市民100人に対して、隣国との戦争を推進する政府とそれに反対するレジスタンスに分かれて、どちらが多くの票を獲得するかを競う。まぁ、設定自体はリアリティ皆無ですし、登場人物もステレオタイプ過ぎて、人物の掘り下げもできてませんが、映画や舞台の脚本を読む様な感じで、面白く読めます。それでいて完全な娯楽作品では終わず、資本主義社会のメディアが抱える負の部分にもフォーカスを当ていて、非常に読みやすく、メディアコントロールについても考えさせられる作品です。ゲームが終わった後、最後にどういうオチを付けるのかなと想っていたら、意外な展開にもって行って、これの終わり方が中途半端で、映画の続編をにおわせる様な嫌いなパターンでした。『プロパガンダゲーム』は、演劇をはじめマンガ、アニメ、映画でも展開出来そうなくらい作品の広がりを感じます。皆さんに全ての良きことが雪崩の如く起きます。
Aug 19, 2018
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『11文字の殺人』Amazonより待ち時間にブックオフに入って、見つけたので購入しました。一気に読ませる文章力はさすが東野圭吾と行った所ですが、話の途中でなんとなく犯人が解ってしまうんですよね。ミスリードをさせようとしているのですが、なんか漠然ときっとこうなんだろうなと解ってしまう感じですね。それと買う時は全く気づかなかったのですが、もう30年近く前の本なんですね。確かに公衆電話とか合鍵で簡単に進入できるマンションとか時代にそぐわない描写もありますが、全体的に古さを感じさせないのはさすがです。それだけ時代のギミックにたよらずに小説を描けているということで、それは素晴らしいです。『11文字の殺人』は本屋で買うほどではないですが、古本なら買っても損はないかな。皆さんに全ての良きことが雪崩の如く起きます。
Aug 2, 2018
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『ちょっと一杯のはずだったのに』Amazonより前作『スマホを落としただけなのに』がとても面白かったので、今回も期待して購入しました。警察がたよりない以外はほぼ共通する印象はありません。前作の様な怖さはなく、むしろコミカル。それでいて密室の謎はかなり本格的で新しい。キャラクターも立っていて、主要なメンバーはしっかりと個性が描かれている。個人的には前作の様な緊張感のあるミステリーが好きだが、『ちょっと一杯のはずだったのに』の様にトリックに重きを置いたミステリーも面白いと思う。みなさんに、全ての良きことが雪崩のごとくおきます。
Jul 23, 2018
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『スマホを落としただけなのに』Amazonよりのっとり、なりすまし等、のソーシャルエンジニアリング手法が描かれる正統派ミステリー。タイトルからスマホを落としてデータを抜き取られ悪用される内容ということは予想できたが、本作品は予想以上の怖さを含んだ内容でした。facebookを中心にターゲットの関係者を装い騙していく手口などは、実際に起きていそうなので、とても参考になります。取り立てて難しいことはやっていないんですよ。プログラミングができるとか、そういう特別なスキルは必要なしに簡単にSNSに入り込めるというのがよくわかります。「この本を読んfacebookもインスタグラムも退会しました」というレビューがAmazonにありましたが、そう思ってしまうのも無理はないかなと。でも、実際の犯罪を防ぐには正しい知識もさることながら、SNSに頼りきらずに実際に顔をあわせる機会を作るってだけでも大違いなんですよね。それだけで簡単になりすましは防げるわけです。『スマホを落としただけなのに』はSNS絡みの犯罪はよく描けているので、現代人は必読だと思います。反面、警察の捜査が粗雑過ぎて、そちら側の取材もしっかりやってほしかったと思いました。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとくおきます。
Jul 19, 2018
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『新説・明治維新』という本を読みました。ダイレクト出版という大阪のビジネス書専門の出版社の本です。神田昌典氏や本田健氏ら著名なマーケッターたちがネタにしているような、日本にまだ紹介されていない優れた本を翻訳して、インターネットを通じて直販している出版社です。そんな出版社ですからだいたい1冊が3000円くらいと高額なんですが、それでも人気はあります。そのダイレクト出版が通信教育へのフロントエンドとしてタダで配っている本がこの『新説・明治維新』です。タダで配っているとはいえ、定価2980円となっていますが、他の本と比べて極端に薄い100ページくらい。内容も薄い。幕末のヒーロー、坂本龍馬はなぜ軍艦や海兵隊という私設軍隊を持てたのか? 100万人の幕府軍がその半数以下の薩長同盟になぜ負けたのか?そういう問いかけはとても興味深いし、なんとなく流れはわかるんですけども、さらっと触れただけで、「それは宿題にしておきます」って(苦笑)。もらった本でなかったらクレーム入れるところですわ。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとくおきます。
Jul 14, 2018
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『リアルフェイス』Amazonより4本の短編(というには少し長め)からなる短編集ですが、短編と短編の間に幕間という数ページがあって、これが4本目に収斂していくので、全体としては1本の長編小説の様に感じるという凝った構成になっています。最後の4本目以外の短編と幕間の6本が実は絡まりながら、最大の謎が解き明かされる過程に引き込まれます。『リアルフェイス』 は、キャラクターは面白いし、ドンデン返しはあるしで、最後まで楽しめます。みなさんに全ての良き事が雪崩のごとくおきます。
Jul 12, 2018
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『マスカレードイブ』Amazonより映画化された『マスカレードホテル』のシリーズ第二弾にして、『マスカレードホテル』の前日譚。4部からなる短編集で、ホテルウーマンの山岸側の物語、刑事の新田側、ホテルの山岸側と続いて、刑事の新田側なんだけど、ホテルの山岸側との接点が生まれる(とはいえ二人は出会わない)物語。ホテルという多くの人が短い時間で入れ替わる舞台では、こういう短編集の方が馴染みやすいかもしれませんね。個人的には刑事物は読み慣れているからか、ホテル側の話の方が面白いですね。特に3話目の仮面と覆面は短編集ながら、話が二転三転するアクロバティックな面白さがあります。『マスカレードイブ』は『マスカレードホテル』を読んでいなくても読めますが、読んでいた方がより楽しめます。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとくおきます。
Jul 5, 2018
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『極悪専用』Amazonより大沢在昌氏の文庫新刊(と言っても小説自体はハードカバーが既出でさらに雑誌連載されたもの)で、調子に乗り過ぎて裏社会を牛耳る祖父の怒りを買い極悪人しか住んでいないマンションの管理人助手へと追いやられた青年のお話です。全体としては一つの物語になってはいるのですが、もともと雑誌連載のものですから、形としては短編集になります。でもって、この極悪人というのが半端なくて、管理人を毒殺の実験にしたり、人を一人殺すのに対戦車ミサイル使ってみたり、人を一人殺すのにマンションごとぶっ飛ばす爆薬を用意して持ち込んだり、冒頭ではいきなり生ゴミに手榴弾を握った人の手がゴミ置場に捨ててあったりという。。。そういう異常な環境の中で、管理人助手が成長する物語です。物語が進むに従って加速度的に面白くなっていきます。まぁ、読ませる読ませる。あの『アルバイト探偵』のような感覚で読めますから最高に面白いしテンポもいいです。『極悪専用』はこういうコメディもあるのかと楽しめる作品です。みなさんに全ての良き事が雪崩のごとく起きます。
Jun 26, 2018
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『R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室』Amazonより前に読んだ本の1巻(逆から読んだことになる)です。全開は帯の説明に「元警察キャリアのみが描ける圧倒的リアル」とあったので、リアルな警察小説を期待して購入したのですが、今回は中身はC級ミステリーとわかっているので、気軽に古本を購入(笑)アマゾンのレビューの評価は低いですが、この程度の文章で読みにくいとか、ほぼいちゃもんですね。登場人物がキラキラネームなのを除けば、むしろ文章もストーリーも平易です。もちろんC級ミステリーですから、トリックを真剣に考えてはいけません。小学生向けの漫画だと思って楽しめればいいと思います。『R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室』はそういう本です。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとくおきます。
Jun 21, 2018
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『斎藤一人 あなたの人生、そのままで大丈夫!』Amazonより斎藤一人さんの一番弟子、柴村恵美子さんのご著書ですが、ずいぶん内容が変わったなぁという印象です。もちろん、良い意味でなのですが、一時、一人さん関係の本って、やたら小難しくなったんですよね。もともとは「ついてる」って1000回言え、天国言葉使え、顔にツヤ出してお洒落(派手に)しろって、変な本だったのが、言ってることは同じなんだけど、事例を入れたり小難しく理屈をつけたりしていたんです。それが近年、もとにもどってきたなぁと思っていたら、この本ではもう一段高みに上ったというか、平易な言葉のまま、すっと腑に落ちるというか、なるほどなと理解できるんです。要は心の持ち様を語っているのですが、どんな逆境にあっても「自分は大丈夫」だと言う気持ちがあれば、柔軟に対処できるんですよね。逆に悲壮感を持って、「このままじゃまずい」って必死になると、心に余裕がなくなって空回りしたり、新たな打開策が生まれなくなる。今だから理解できるのかもしれないけど、自分は大丈夫と思える心がとても重要ですね。『斎藤一人 あなたの人生、そのままで大丈夫!』は是非読んでいただきたい本ですね。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとくおきます。
Jun 12, 2018
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『R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室 ACTII』Amazonより帯の説明に「元警察キャリアのみが描ける圧倒的リアル」とあったので、リアルな警察小説を期待して購入しました。ところが中身は女子高生風の警察官が大の男を蹴飛ばすだけで数メートル吹っとばせると言う様なリアリティ皆無の漫画原作みたいな小説でした。こういうC級のミステリーも大好きですが、正直騙された気分ですねぇ。ま、作者の経歴にも疑惑がでてるみたいですし、楽しければ良いのなら良いと思いますよ。『R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室 ACTII』みなさんに全ての良きことが雪崩のごとくおきます。
Jun 10, 2018
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『マインド』Amazonより今野敏氏の碓氷警部補シリーズ最新作で、しかも、あの藤森心理調査官が相棒として出てきます。ゴールデンウイークの最終日、都内で起こった二件の自殺と二件の殺人。一見関連性がないように見える各事件だが、発生時刻はすべて同じ日の午後11時だという。関連を示すものは何もない状態で、捜査一課長が碓氷の係に事件の関連性を調べる様、指示が入るのが始まり。ここから先はあまり書きたくはないんだけども、捜査が進むにしたがって、ある可能性が出てくるんですが、普通のミステリーなら「これをやったらなんでもありになっちゃうぞ」ということで避けるアイテムを真正面から取り上げて、普通とは逆の結論をしかも非常にリアルに導きだします。『マインド』とっても読み応えありますよ。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとくおきます。
Jun 5, 2018
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『零れた明日 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真』Amazonより芸能事務所社員が殺害された事件で、被害者へのストーカー行為を疑われていた男が、任意での聴取後に逃亡したという隣の係が担当する事件の「尻拭い」から話は始まります。ところが、どうにもストーカーを容疑者とするには根拠が薄弱で、調べるうちにおかしなことが・・・。刑事物の犯人探しに加え、ストーカーを犯人説をとる刑事と別犯人説をとる刑事の対立、出世意欲の強い上司と無欲な主人公との確執、主人公が父親になること、芸能界の闇、いくつものサブストーリーが絡み合いながら物語を盛り上げていきます。かと言ってけっして難解なストーリーではなく、非常に読み易い。『零れた明日 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真』は素直に面白かったと言える小説です。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
May 24, 2018
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『鬼談』Amazonより京極夏彦氏の最新文庫本。情欲に囚われ“人と鬼”の狭間を漂う者たちを描いた全9篇の短編集です。京極小説のおどろおどろしさとか、皮膚感覚に伝わるおぞましさとか、そういうのを突き詰めてマニア向けに凝縮したような本です。初期から現在まで保ち続けている空気感はそのままなんですが、初期のエンターテイメント性や、『嗤う伊右衛門』などの名作怪談を現代に蘇らせた文学性も感じられず、ただただその空気感を味わうだけです。怖いっちゃ怖いし、怪談っちゃあ怪談なんですけども、読後に何も残らない。あぁ、面白かったもなく、ただ、肌にぞわぞわした感覚が残っているだけ。『鬼談』は、まさしくノイジーなマニアのリクエストに応えたら、マニアにしか受けなくなったという「マニアの罠に嵌った」感じの小説です。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
May 18, 2018
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『時限捜査』Amazonよりこれはミステリーじゃないなぁ。確かに東京と大阪、全く別の事件が平行で描かれていて、最後にそれが交差するんだけど、事件の本筋を追いかけるよりも、登場人物の人間関係を描いた方が主になっている気がします。また、時限捜査の意味のとおり、移動の辞令が発動されるまでの間に事件を解決するというスリリングさも加わって、飽きることなく一気に読めます。『時限捜査』は、映像作品で見てみたいとも思いました。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Apr 16, 2018
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『闇の叫び アナザーフェイス9』Amazonより妻をなくし子どもを男手ひとつで育てた元捜査一課刑事の大友が、上司の指示で捜査一課にヘルプで入って難事件を解決するシリーズの第9弾。ついに息子の優斗が高校生(まだなってないけど)になり、子育てが一段落するので、これが最終回ということだそうです。本作では他の作品と違って、大友が自ら進んで一課の事件に参加します。それだけに子育て世代には思い入れのある事件なのですが、ちょっとストーリーに無理というか設定が雑というか、そういう部分があります。10年前に被疑者の家族を調べなかったって、おかしいだろ!ま、そういう細かいところは除いても『闇の叫び アナザーフェイス9』は面白いんですけどね。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Apr 11, 2018
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『ラプラスの魔女』Amazonより東野圭吾氏の小説ですが、王道の推理小説ではありません。どちらかというとライトノベル。一応推理小説の体はなしていますが犯人とか殺害方法とかが重要じゃない部類の作品だと思います。プラチナデータやダイイングアイの様にエンターテイメントの力を借りて世の中に警鐘を鳴らしたり、風刺だったりする小説です。これが警鐘や風刺ではなく、著者から読者に向けた温かいメッセージです。凡人の自分でも、なるほど社会には必要な存在なんだと。そう思ったとき、もっと自信をもっても良いのかもしれないと思いました。『ラプラスの魔女』は読むべき価値がある作品だと思います。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Mar 20, 2018
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『マンガで読み解く 人を動かす』Amazonより累計500万部の自己啓発書の大ベストセラー『人を動かす』の漫画化。『人を動かす』を勧められて読もうと思ったのですが、その前にざっと下知識を入れておこうかと購入しました。原作のエピソード(事例)とは違うオリジナルストーリーで、わかりやすく読めます。もちろん、原作は300ページを超える本ですので、マンガにするにはかなり端折ってはいると思いますが、最初に手に取るのは良いかと。それにこの漫画を読めば原作も気になる様に出来ています。『マンガで読み解く 人を動かす』この手の本の中では良くできていると思います。みなさんにすべての良きことが雪崩のごとく起きます。
Feb 14, 2018
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<a href="http://amzn.to/2scrKJb" target="_blank"><font style="font-size:18px;">『チャンミーグヮー』</font><center><img src="http://bit.ly/2Bit0x4" alt="チャンミーグヮー" border="0" width="355px"></center><font style="font-size:10px;">Amazonより</font></a>明治から昭和の初期に活躍した琉球空手の大物、喜屋武朝徳(きやんちょうとく)氏、通称チャンミーグヮーの一生を描いた作品。武士(サムレー)の三男に生まれ、手(ティー)を学び、迷い、それでも続けて、やがて人々に請われて教える様になり、尊敬を集める様になる。ある意味、武「道」となぜ「道」という文字が付いているのか、そのヒントがここに書かれている。そして、沖縄の人たちに流れる精神、心情の源流が少し語られているような気がしました。最近、沖縄では古流の空手を学ぼうと外国人がたくさん来ている様だが、その気持ちが少しわかる気がする。<a href="http://amzn.to/2scrKJb" target="_blank">『チャンミーグヮー』</a>は、少し空手を齧った人間としては、たとえ2週間でも良いから本物のブザーのオエーカタに教わりたい思わせる一冊です。みなさんにすべての良きことが雪崩のごとく起きます。
Feb 7, 2018
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『心霊特捜』Amazonよりわたしの大好きな今野敏さんの短編集です。氏は警察小説の名手ですが、実はものすごく器用で様々なジャンルの小説を書いています。今回、特捜というからには警察ものなんですが、その前に“心霊”と付く様に伝奇物。今野氏は空手の高段者という事もあって、様々な武術にも造詣が深く、必然的に関連する東洋哲学や宗教的なものにもお詳しいのです。これもそんな氏の幅広い知識が結実した短編集です。事件自体はほとんど人間が巻き起こすのですが、そのに微妙に心霊が関わってくるのです。ただし、主人公はなんの能力もない刑事課と心霊特捜とのパイプ役を仰せつかった若い刑事。だから大多数の「見えない人」の視点で描かれているので、心霊現象をホラー的に描かずにうすら寒い程度にリアルに描かれています。それに基本的に『心霊特捜』は、生きてる人にも、もう死んでる人にも優しい話ばかりなので、読後感が良いのも特徴です。みなさんにすべての良き事が雪崩のごとく起きます。
Jan 26, 2018
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『CUT 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』Amazonより波瑠のドラマを観て面白そうだなと思っていたんですが、しばらく忘れてました。それで偶然本屋で見かけて、それが前作のONだったので、とりあえず1作目を避けて2作目の本作『CUT 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』を購入。犯人像も二転三転、この人が犯人? と匂わせる展開も二転して、ふむ、なるほど。と唸る感じの設定でした。表現も猟奇的殺人現場から臭いが届きそうな強烈なものですが、安易な悲劇的展開にならないキャラクターが良いですね。『CUT 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』を読んでシリーズが楽しみになりました。みなさんにすべての良き事が雪崩のごとく起きます。
Jan 15, 2018
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『うずら大名』Amazonよりしゃばけシリーズの畠中恵さんの江戸小説。『なりたい』を買った時に、横に並んでいたのでついでに購入しました。短編集なんですが、全体が繋がって一編の中編小説になっています。豪農の名主、大名の隠居が主役なのですが、全く接点がない様な身分違いの二人を結びつけているのが、部屋住みと呼ばれる次男以下の行き場のない連中が通う剣術の道場。部屋住みは武家だけでなく、商家も豪農(名主)も同じで、長男があととりになるまでの保険でしかなく、大人になればなんとか養子先を見つけて出て行かないと、一生飼い殺しになってしまう。そういう似たような立場が身分を超えて親しくなるのだが、主人公たちはたまたま兄が早逝してあととりが回ってきた。まぁ、とにかくキャラが立っていて面白いんですよ。そして部屋住みの悲しい立場や屈折した気持ちがストーリーに見事に溶け込んでいて、さらに江戸末期の農民が大名に金を貸していたこと、巾着鶉などの風習などなど、今まであまり取り上げられてこなかった江戸の姿が垣間見えてとても興味深いものになっています。『うずら大名』は『しゃばけ』ファンでなくても楽しめる時代ものです。みなさんにすべての良きことが雪崩のごとく起きます。
Dec 29, 2017
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『継続捜査ゼミ』Amazonより元警察官で警察学校の校長だった人が退官して、大学の教授になってゼミの学生とともに継続捜査案件を解決するストーリー。学内で起こった2つの事件と、元警察官のコネクションを利用して未解決事件1つを教材として解決します。設定が斬新なのと、ゼミ学生やゼミに協力する警察官、もちろん主人公の元警察官、同僚の教授と魅力的なキャラクターが揃っています。ただ、なんかの連載小説だったと見えて、ちょっと設定が用意というか、事件自体が非常に安易で特に継続捜査案件は「イヤイヤ、警察もそこまで無能じゃないだろ」って簡単な事件。その辺がシリーズ化されて他のシリーズみたいに事件が本格的になってくるともっと面白いと思います。『継続捜査ゼミ』今後が楽しみです。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Nov 22, 2017
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『マル暴甘糟』Amazonより私の大好きな今野敏氏の新シリーズです。主人公の甘糟は綾瀬署のマル暴デカなんですが、およそマル暴に似つかわしくない気の弱い線の細い典型的な公務員。何しろ調査対象の暴力団員に「俺は、定年まで何事もなく勤め上げて、貯蓄と年金で余生を暮らすんだ。」と言い切るんですから(笑)そんなわけで、暴力団がらみの殺人事件でありながら、暴力的な描写は少なく、マル暴お捜査一係との対立もあり、警察官といえどもヒーローではなく、人間関係に右往左往する様を中心に描かれています。とにかく登場人物が魅力的なので、今後のシリーズ展開が期待されます。『マル暴甘糟』是非。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Nov 9, 2017
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『書楼弔堂 破暁』Amazonより京極夏彦の新しいシリーズなんですが、キタ━━━(゚∀゚)━━━!! って感じですね。京極夏彦と言えばデビュー作の京極堂シリーズですが、それが新たに時代を下って、明治に弔堂として蘇った(こっちが時代的には先だからそれも変だが)感じですね。しかも、京極堂シリーズがまぁ、陰惨な殺人事件を主に扱うミステリなのに対して、この弔堂は書楼に訪ねてきた人を詭弁を弄して再生させるので、読後感がとてもいい。出てくる人も明治の著名人ばかりで、その人の転機に弔堂が関わっているという構成。短編集なのに読み応えがあり、これは次回作も期待できる作品だと思います。『書楼弔堂 破暁』是非。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Nov 8, 2017
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『寮生 ―一九七一年、函館。―』Amazonより学園紛争の名残が若干残っている時代の、地方都市である函館の進学校での寮生活で起こった事件を高校生たちが解決する様を描いています。警察が自殺と判断したのに、それに疑問を感じた高校生が自分たちで調べだすという一応サスペンスなんですけど、どっちかというと思春期の心象を描いている感じです。寮の中だけでなく、外部の女子校との交流もちょっとあったりして、甘酸っぱい様なくすぐったい様な青春群像劇です。『寮生 ―一九七一年、函館。―』は改めて、今野氏の守備範囲の広さを思い知らされる作品です。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Oct 23, 2017
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『斎藤一人 大開運 人生を楽しむ仕組み』Amazonより斎藤一人さんのお弟子さんの一人、千葉純一さんのご著書です。私も斎藤一人さんやそのお弟子さんの講演には行ったことがあるのですが、お弟子さんの中ではこの千葉純一さんが一番好きです。しかし、お弟子さんの中で一番著作が少ないのも千葉さん。それはなぜかというと、ハッキリ言って一番出来の悪い弟子だったからwお金が入ったら見栄をはる、無駄遣いする、およそ斎藤一人さんの弟子とは思えないようなことをして失敗してこられた方です。そのツケがまわって、体を壊して他のお弟子さんたちが本を書いている時に入院して本を書く機会を逃してしまったり、こんな人もいるんだなという感じ。ですから他のお弟子さんの著作と比べて著者が近い。同じ目線というか、とても近しい人に感じます。ですから是非とも『斎藤一人 大開運 人生を楽しむ仕組み』をこういう人でも成功するんだって感心してください。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Oct 10, 2017
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『インデックス』Amazonよりバラバラになった姫川班を再生したいと活躍する姫川とその周りの人たちの短編集。一応8話だが、7〜8話が一つの事件です。でまぁ、短編集ですから当然ライトな味付けにならざるをえませんが、姫川の学生時代の様子がうかがえる短編とか、どれも味付けが違って面白い。最後に再結成された新生姫川班の活躍するであろう次の作品に期待というところでしょうか。みなさんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Sep 17, 2017
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『クローズアップ』Amazonより“スクープ”シリーズ第3弾。テレビ局の記者が事件の中に飛び込んでスクープをモノにするというシリーズです。わりと登場人物が絞られていて、なおかつ主役だけでなく脇役まできっちりと魅力的に描かれて居るので、飽きる事がありません。しかも構造としては、主人公の記者は自ら動くことで警察を誘導して事件解決に導く形になっています。つまり事件記者がスーパーマンみたいな活躍をするわけではないので、シンプルなエンタメ小説なのにB級くささがないのです。それでいて中間管理職のデスクや下っ端刑事の心理描写がしっかり描かれているので、人間ドラマとしても成立しているところが良いです。『クローズアップ』はオススメですよ。
Sep 8, 2017
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『生存者ゼロ』Amazonよりちょっと前の『このミス』大賞?なんだそうです。北海道根室半島沖の北太平洋に浮かぶ石油掘削基地で、職員全員が無残な死体となって発見された。未知の感染症かということで研究を始めるんですが、なんな進展がないまま、北海道本土に感染症が上陸、街が壊滅する。とにかく原因がわからず、原因を追究していく過程はいいのですが、うざいのがヤク中の研究者がやたら神を語るところ。とにかく、この小説はこういううざい繰り返しが多い。その描写がせっかくのB級SFらしい小説のテンポを悪くしている。この辺り、展開が早ければ映画みたいなもので、細かいツッコミはどうでもよくなって、SFとして評価されたと思う。そういう意味ではちょっと残念な小説。
Sep 6, 2017
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『ケモノの城』Amazonより誉田 哲也氏の小説ですが、北九州・連続監禁殺人事件を下敷きにしたフィクションです。これほど読むのに時間がかかった小説はありません。北九州・連続監禁殺人事件は事件の犠牲者の多さや残虐性の割に知名度が低いのですが、それは事件があまりにも残虐すぎてメディアが自主規制して報道しなくなったからなんですね。この小説はその事件を下敷きにしているので、とにかく残酷な描写が延々と続きます。これが辛い。読んでいて精神的に参るんですよ。それでしばらく本から遠ざかってしまい、また数日後から続きを読むの繰り返し。こんなに気持ち悪い本は初めてですが、これも文字の持つ力なんでしょうねぇ。
Aug 5, 2017
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