全1208件 (1208件中 1-50件目)
<a href="https://amzn.to/48rZpz6" target="_blank"><font style="font-size:18px;">『無明 警視庁強行犯係・樋口顕』</font><div align="center"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/81ivJZb0gFL._AC_UL400_SR400,400_.jpg" border=0 width="400px" alt="無明 警視庁強行犯係・樋口顕" /></div>Amazonより</a>このシリーズも長いですねぇ。この樋口係長は今野氏の刑事物の中で一番揺れ動く(てか、自己評価の低い)主人公じゃないかなぁ。竜崎の様なガチガチの原理原則で全く迷わないタイプでもないし、安積の様な信念の人でもない。いつも人の顔色を窺って、角を立てない様に振る舞っているんだけど、実は自分の中で絶対に譲れない一線を持っていて、それが他人にはバレているのに自分自身理解していないという。。。今回は特に別名で自分の係とは別行動、しかも所轄の事件を調べ直すという地雷の様な仕事。当然地雷を踏んで上司と対立する(樋口にしては珍しいというか初じゃないの?)という展開。事件の方はそれほど難しい話ではないんですが、この人間ドラマが読みどころ。今野氏の警察ものでは、他の作家さんよりも人間ドラマを重視する傾向にあるけど、この樋口シリーズは特にその傾向が強く、本作はその中でもかなり人間ドラマに重きをおいていると思う。ただ1話完結のテレビドラマにはしにくいだあろうなぁ、かと言って1クールも引っ張れる話ではないし、映画にするには地味すぎるし、<a href="https://amzn.to/48rZpz6" target="_blank">『無明 警視庁強行犯係・樋口顕』</a>は映像化には向かない作品ですね。皆さんに全ての良き事が雪崩のごとく起きます。
Oct 24, 2024
コメント(0)
『透明な螺旋』Amazonより東野圭吾氏のガリレオシリーズ最新刊です。今回は湯川先生の生い立ちがわかります。ガリレオシリーズの長編(中編?)らしく、二重三重のミステリー構造になっていて(トリックではない)面白いし、十分楽しめます。ただ、従来のガリレオシリーズの長編とは趣きが違ってきた感じ。容疑者Xや聖女の救済みたいに「物理学者じゃないと真っ先にその可能性は排除するよな」という設定を引き起こす、人の感情みたいなものが薄い感じです。『透明な螺旋』は人気作なので映画化されるかもしれませんが、出演頻度は多くないけど、非常に重要な役どころに、倍賞千恵子さんくらいの重鎮を据えないと、薄っぺらい映画になりそうな気がします。皆さんに全ての良き事が雪崩のごとく起きます。
Oct 17, 2024
コメント(0)
『探花―隠蔽捜査9―』Amazonより今野敏氏の出世作「隠蔽捜査シリーズ」の第9作。前作でついに懲罰人事だった署長から、神奈川県警の刑事部長へと昇進(階級は変わってないけど)した竜崎が、今作も結局捜査本部に詰めるというお話しw今回の舞台は横須賀。目撃証言に白人が出てきて基地への協力を仰いだり、同期のキャリアが神奈川県警に刑務部長として赴任してきたり、さらには留学中の問題の息子が事件に巻き込まれたかもしれないとか、なかなかに竜崎刑事部長忙しい。帯の文章や裏表紙の概略はミスリードで、実際は王道の操作もので、そこに関わる事で、新たに竜崎の周りの人間関係が構築されていくという感じです。横須賀という土地柄(米軍基地とは無関係でも)ならでは捜査の難しさなど、『探花―隠蔽捜査9―』は読み応えのある作品になっていると思います。皆さんに全ての良き事が雪崩のごとく起きます。
Sep 17, 2024
コメント(0)
<a href="https://amzn.to/4ef1UGr" target="_blank"><font style="font-size:18px;">『ボーダーライト』</font><div align="center"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/617k-LbAy7L._SY522_.jpg" border=0 width="365px" alt="ボーダーライト" /></div>Amazonより</a>私の好きな今野敏氏の最新文庫です。ボーダーライトとはステージの前方にステージ全体を満遍なく照らすために横一列に並んでいるライトのこと。つまりはステージもの=今野氏の場合音楽ものになるのかと思いきや、サブタイトルが神奈川県少年捜査課。あれ?と思いつつ高尾巡査部長が出てきて、誰だっけと思いつつ、諸橋係長が出てきて???となってたら、オヅヌですよ!『我が名はオヅヌ』1冊だけでしたから、忘れてました。ってことは伝奇ものなわけですな。最近の今野ファンの方はご存知ないでしょうけど、警察小説の名手と呼ばれる前、今野氏は音楽もの、武道もの、伝奇ものと幅広く手がけていたんですね。ちなみに前職はレコード会社の音楽ディレクターだったので、芸能界にもそれなりに詳しいんです。で、今回はオヅヌなんだけど、なんかテンポが悪い。なかなか進まないし、終わり方も肩透かしくらったみたいな(なんてのか、神奈川の少年犯罪が増加傾向でヤバいって話なのに犯人が小物すぎる)まぁ、オヅヌなんで安心して読んでられますから(ハラハラドキドキはない)、<a href="https://amzn.to/4ef1UGr" target="_blank">『ボーダーライト』</a>は時間潰しにはちょうど良い小説ですね。皆さんに全ての良き事が雪崩のごとく起きます。
Sep 8, 2024
コメント(0)
『ビギナーズラック』Amazonより私の好きな今野敏氏の短編集ですが、どういう理由でこれらの作品が1冊にまとめられたのか、なんともよくわからない本になっています。というのも1980年代前半〜2000年代後半までの作品が収められており、そのジャンルも音楽、格闘、警察、モデリング、戦争・・・と多岐にわたっていて、もはや著者以外に共通点がないからです。これだけ書かれた年代もジャンルもバラバラだと、同一人が書いたとも思えないほど、印象の変わる小品集になっています。『ビギナーズラック』は、今野敏という多作家の器用さを楽しむ作品かもしれません。
Aug 13, 2024
コメント(0)
『秋麗 東京湾臨海署安積班』Amazonより女性刑事の水野が東報新聞の女性記者山口に、先輩の記者からセクハラを受けていると相談されるところから物語は始まります。本筋の事件は、臨海署近くの海で発見された遺体が、かつて特殊詐欺で逮捕された戸七十代の男で殺人事件として捜査本部が立ち上がります。これは隠蔽捜査シリーズなどで良く見られる、今野敏氏の得意とするストーリー展開。事件発生とプライベートの「事件」がほぼ同時に発生し、捜査本部に縛られながらもプライベートの「事件」も解決していくという展開ですね。半グレの怖さと、孤独感につつまれる独居老人という現代社会の病巣的な事象を上手く取り入れています。『秋麗 東京湾臨海署安積班』は、派手さはないけど、近作の中では秋美の出来だと思います。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Jul 17, 2024
コメント(0)
『天久鷹央の推理カルテ 完全版 』Amazonより300ページ弱に4本の短編ミステリーなので、さくさく進むし、医療知識は目新しいので面白く読むことができました。キャラクターもかなりデフォルメされているので、わかりやすく楽しめます。そんな調子で最後まで読めるのかと思いきや、4話めでいきなり第1話でちょろっと出てきた患者がでてきて、いきなり本格的な医療ミステリーな展開に。え?という驚きのエンディングを迎えます。『天久鷹央の推理カルテ 完全版 』は、良い意味で期待を裏切ってくれます。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Jun 17, 2024
コメント(0)
『署長シンドローム』『隠蔽捜査』シリーズのスピンオフになるのかな?竜崎が長い間席を置いていた大森署署長の後任の藍本署長のお話です。主役が竜崎前署長の時にはいなかったし、竜崎前署長と時間が全く被ってないので、正確にはスピンオフとは言わないのかもしれないですけどw貝沼副署長が居易右舷回しの役所で物語は進んでいきますが、竜崎前署長のピリっとした雰囲気から、藍本新署長は180°違うほんわかぁとした雰囲気を醸し出しています。ただし起こる事件はひょっとしたら竜崎前署長時代よりも大きな事件かもしれない。なんと、隣の湾岸署のみならず、海上保安庁に厚労省まで合同で、大森署に捜査本部ならぬ全線本部を作って捜査にあたるという大ごと。それが事件が終わった時点でまだ1/4のページ数を残して、もう一波乱の展開。ここで際立つのが藍本署長の「どうしようもないものは、ほっときなさい」というシンプルな考え方。竜崎前署長と藍本新署長、まったく性格も署長としての行動も異なるけれど、ふたりに共通するのは無駄の排除と、決断の早さ。竜崎前署長は警察官としての現理・原則に立ち返ってシンプルに考え行動しますが、藍本新署長はもういっちょ上(?)を行っている感じです。これも映画とかドラマとかにしてほしいけど、藍本新署長を演じられる女優さんが思い浮かばないなぁ。北川景子さんでもちょっと足りない気がする。いずれにしろ『署長シンドローム』は、同じ舞台で登場人物を一人変えただけで、まるっきり雰囲気が異なる物語が作れる作家の創作力の凄さを感じました。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
May 7, 2024
コメント(0)
<a href="https://amzn.to/3QqnSNp" target="_blank"><font style="font-size:18px;">『いわいごと』</font><div align="center"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/71zvcDexpvL._SY522_.jpg" border=0 width="361px" alt="いわいごと" /></div>Amazonより</a>しゃばけの畠中恵氏のもうひとつの人気シリーズ「まんまこと」シリーズ? ていうか「名主のお気楽息子」といった方が通りがいいかもしれません。シリーズも8作目になり、「まんまこと」では跡取りばかりの悪友3人が捕物をやるという様な話だったのが、主人公の麻之助は女房を亡くし、清十郎は嫁を取り、子をなし、今作では吉五郎の相馬家が同心から与力に出世し、麻之助も支配町が増え、ついに後妻をもらうという、もうちゃんとした大人の話になっています。もちろん、ちゃんと謎解きも、揉め事相談の解決も有り、安定の面白さです。ただ、その内容が腕っぷりにものを言わせる様なところがなくなり、相手の立場を尊重し、どうやったら丸く治るかを考えるという大人の対応になってきているんですね。テレビではわからない江戸時代の町場のルールや慣習なんかも面白く、これからの話も増々楽しみです。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
May 3, 2024
コメント(0)
<a href="https://amzn.to/3JEaykL" target="_blank"><font style="font-size:18px;">『宗棍』</font><div align="center"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/611oZmA8JvL._AC_UL348_SR348,348_.jpg" border=0 width="348px" alt="宗棍" /></div></a><a href="https://www.nogizaka46.com/s/n46/page/35th_single" target="_blank">Amazonより</a>警察小説の名手、今野敏氏のもう一つの代表的な武人の伝記ものシリーズです。このシリーズは大東流合気柔術の武田惣角の「惣角流浪」に始まり、弘道館四天王のひとり西郷四郎(姿三四郎のモデル)の「山嵐」など、実在した人物の生涯を丁寧な取材をもとに描いています。今まで、7作、本作で8作目です。20年以上かかって8作ですから、決してシリーズと言えるほどの多作ではなく、大きく間隔が空いているのですが、それだけ伝承として伝わるものをきちんと取材して、丁寧に編み上げたのでしょう。本作はある意味空手の始祖とも言える「松村宗棍」の生涯です。それまでの武道家達とくらべると、随分穏やかな生涯を送っています。しかし、空手の「一撃必殺」一撃必殺というものを生み出したのが松村宗棍なので、その熱量は押して知るべしです。他にも空手特有の巻藁(今はもうどこの道場にもないでしょうけど、昔の空手道場には壁に向かって並んでいました)を発明したのも松村宗棍だったのは初めて知りました。空手の大きな流派の系洲流の創始者が弟子だったり、もう知らないことだらけで、小説を読んで面白かったというより、勉強になりましたって感じでした。<a href="https://amzn.to/3JEaykL" target="_blank">『宗棍』</a>は沖縄の歴史や人物像についても本当によく調べられていて、このシリーズ、次回の各品も楽しみです。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Apr 30, 2024
コメント(0)
『もういちど』Amazonより〝天の星の代替わり〟に巻き込まれた若だんなは、なんと赤ん坊に戻ってしまった。もちろん赤ん坊になったのは一時的で、通常の20倍くらいの速さで成長するんですけど、赤ちゃんの時から元の若旦那の意識は持ち続けていて、ちゃんと若旦那の頭脳明晰さと子供の感性で事件を解決していきます。もうそろそろネタが尽きるんじゃないかと思っていたのですが、いつものメンバーのいつものキャラクターはちゃんと押さえた上で、今回はひと味違う切り口で楽しく読めました。シリーズものならではの安心感、安定感?はそのままに、今までにない展開でした。『もういちど』オススメです。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Apr 13, 2024
コメント(0)
『山に抱かれた家』Amazonより『海が見える家』シリーズ3冊の続編です。南房総から今度は群馬の山奥の限界集落に移住する話です。主人公は南房総で田舎の暮らしや付き合いに慣れてきていたので、こちらでも少々のトラブルは想定内とやり過ごしていきます。途中、東京の友人や元カノとの電話のやりとりなども含め、文哉(主人公)も成長したなぁと感じます。。今作ではいよいよ本格的に農業で収入を得る事にチャレンジしますが、ここで現在の日本の農業の問題に直面します。読んでいて「いやいや、南房総で野菜の直売ルート作ったやん」とかツッコミながら読んでいました(笑)基本的に『山に抱かれた家』は、単独でも充分楽しめますが、『海が見える家』シリーズ3冊を読んだ方がより楽しめます。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Apr 4, 2024
コメント(0)
font>Amazonより新人作家・杉浦李奈の推論も11作目を迎え、主人公の李奈も今作で直木賞候補の5名に選ばれるという、もう「新人作家」とは呼べない活躍をしています。今作は直木賞候補になることから始まり、コナン・ドイルの『バスカヴィル家の犬』の謎の解明を英国大使館から依頼されるという展開。この謎事態、結構有名な話らしくて、なんでも賭けの対象にするイギリスでは、ブックメーカーで100年以上前から賭けの対象になっている案件。なんで100年以上も賭けの対象になっているかと言えば、100%間違いないという証拠が出てないからなんですが、それを利用してミステリーにしているわけですね。今回はアングロサクソン系のアジアへの差別意識とか、民族性の違いとか、そこに歴史的な価値観の違いとか出てきて唸らざるを得ない展開でした。『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 XI 誰が書いたかシャーロック』は、最後までスッキリとはいかない話でしたが、それは許容範囲。面白かったです。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Mar 16, 2024
コメント(0)
今日久々に大好きなカフェ「CAFE & GARAGE LIBERTY」さんに行ってきた。年末くらいから行こうと思いつつ、週末はお休みなのと、11時〜17時と営業時間も短めなので、タイミングが合わなかった。それでいつもの「ブレンドの2番」を頼んだら、カウンターの上に「ON THE ROAD MAGAZINE」の最新号が。フリーペーパーなのでいただいて帰りました。ありがとう!皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Feb 28, 2024
コメント(0)
『大義 横浜みなとみらい署暴対係』Amazonより警察小説のトップランナー・今野敏の人気シリーズ「横浜みなとみらい署暴対係」の最新刊です。ちょっと残念なことに短編集なんですね。短編集が悪いということではなく、個人的に短編集って「もう終わり?」って感じなので、小説を読んだ充実感が少ないのです。とはいえ、今野氏の短編集のやり方として、主人公以外のキャラクターにスポットを当てて、彼らを主人公にして1話作ってしまうので「へぇ」って感じるものも多いです。今回は特に嫌われ役の監察官にもスポットを当てているので、意外な楽しみもあります。『大義 横浜みなとみらい署暴対係』次作はぜひ長編で読みたいものです。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Feb 14, 2024
コメント(0)
『みんなが幸せになる引き寄せの新法則』Amazonより引き寄せ本ですけど、従来の引き寄せの法則とは全く違うアプローチです。結論から言うと、引き寄せをしたかったら自分の願いは一旦脇に置いて、「みんなの幸せ」を考えるところからスタートしましょうというもの。だから、読み始めると戸惑います。でもまぁ読み進めると腑に落ちる。この本の第1章に記載されていますが、アインシュタインが娘に残した手紙に「現代では科学では正式に説明できていない、極めて強力な力がある〜中略〜その宇宙的な力とは、愛である」とあります。そして途中、仏教の話とかも出てくるのですが、考えてみれば「新経営の神様」と呼ばれている稲盛和夫さんも一番困難な日航の再建に当たる時、知人の和尚のアドバイス「起きたことに感謝をする」ということを実践したとおっしゃってましたね。さらにいろんな引き寄せ本でも出てくるけど、なぜそうなるのか、どういう力なのか説明されていない「シンクロニシティ」もこの本の解釈だと腹落ちします。『みんなが幸せになる引き寄せの新法則』は、それで引き寄せができようができまいが、豊かな人生を送るヒントにはなると思います。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Jan 14, 2024
コメント(0)
『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 X 怪談一夜草紙の謎』Amazonより大好きな「ecriture」シリーズも通算10巻目です。著者の松岡圭祐氏は非常に多作な作家で、この他にも高校事変やJK、古くは千里眼、万能鑑定士Qなどの人気シリーズを抱え、毎月1作以上の新作を出しておられます。本作もあちこちにミスリードをしながらいい塩梅に落とし所に落としてますが、、、、が、なんですよwちょっと本作に限っては蛇足があって、著者の多作ぶりを面白がって登場人物がその秘密を暴露するというくだりまであります。あのくだりを付けなくても本作の面白さには変わりはないし、むしろあのくだりをつけることで、読後感になんかスッキリしないものが残りました。はやくも11巻が今月に出る様ですので、そちらも期待しています。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Jan 6, 2024
コメント(0)
『invert 城塚翡翠倒叙集』Amazonより1作目の『medium 霊媒探偵城塚翡翠』がめちゃくちゃ面白くて、2作目の文庫本が出たので購入しました。しかし、霊媒探偵城塚翡翠がドラマ化されて、その真ん中あたりで『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の分が終わって、短編でいくつかの話が入っていたんですね。で、そっちはドラマオリジナルかと思っていたんですが、全部この『invert 城塚翡翠倒叙集』に収録されているお話でした。1作目ほどの強烈な印象は残さないけど、本作も最後にどんでん返しがあって面白いお話でした。ただ、ストーリーを(ドラマで)知っているミステリーを読むのは辛い・・・。倒叙であっても次の展開をドキドキしながら頁を捲るのがミステリーの醍醐味なのに、全部わかってたらいくら良くできたミステリーでもドキドキしません。そんな訳で『invert 城塚翡翠倒叙集』は、ちょっと映像化されるのが早すぎたと勝手に思っています。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Dec 25, 2023
コメント(0)
『マツリカ・マジョリカ』Amazonより内気なボッチの主人公が超美人のオネェタマに捕まって、奴隷にされる設定(笑)の短編集。この辺りは、城塚翡翠と千和崎 真みたいなもんで、作者はこういう設定が好きなんでしょうね。で、ストーリーの方は学校の七不思議じゃないですけど、そんな感じのオカルトチックな噂話をマツリカがホームズよろしく解明していくというもの。主人公の柴山も徐々に成長していき、自分を客観視できる様になってくるのですが、最後の方は結構重めの話が待ってました。あんまり書くとネタバレになるので、この辺にしておきますが、『マツリカ・マジョリカ』は、ちょっと癖があるので読む人を選ぶとは思いますが、面白い本です。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Nov 28, 2023
コメント(0)
『無限にお金を引き寄せる 妄想の法則』Amazonより楽しんで読める「引き寄せの法則」本です。スピリチュアルとか、色々と小難しいことを抜きにして、願いが叶うというか、潜在意識を騙す妄想の方法を丁寧に教えてくれます。ページの半分以上をイラストが占めているし、文字も大きめですし、平易な文章ですからすぐに読めます。じゃあ内容が薄いかというとそんなことはなく、今までこういう視点で書いてくれた本がないので、非常に腹落ちしやすいです。『無限にお金を引き寄せる 妄想の法則』は、手元に置いて何度も読み返したい本です。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Nov 12, 2023
コメント(0)
『小説版 ゴジラ−1.0』Amazonより読んだどころか、まだ買ってもいないんだけど、映画がとても良かったので、いつかノベライズが出るだろうと思っていたんだけど、もう出てたんですね。しかも山崎監督自らが執筆してるんですね。ただ、200ページの文庫本で1700円は高いなぁ。半額くらいが相場でしょう。文庫に1700円払うんだったら、もう1回映画みるかな。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Nov 8, 2023
コメント(0)
『新人作家杉浦李奈の推論IX』早くもシリーズ9作目、今までは芥川や太宰の様な文学だったり、クローズドサークルとかのミステリー手法だったりが副題についていて、本編もそれがテーマになってたのですが、本作は「人の死なないミステリ」が副題。いろんな意見があるかと思いますけど、「人の死なないミステリ」は著者の松岡 圭祐氏が、「万能鑑定士Qの事件簿」が切り開いたジャンルだと私は勝手に思ってます。本作では、この「人の死なないミステリ」というのが、テーマというよりも文壇の現象として取り上げられ、純文学と商業主義出版の抱える自己矛盾と真正面から取り組んでいます。ミステリの部分もその純文学と商業出版のぶつかり合いがうまくカモフラージュしています。『新人作家杉浦李奈の推論IX』はちょっと内容に触れるとすぐにネタバレになってしまうので、あまり書けないのですが、ミステリ以外の部分も相当面白い作品です。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとくおきます。
Sep 26, 2023
コメント(0)
『暮鐘 東京湾臨海署安積班』Amazonより署安積班シリーズの短編集。短編というか掌編と言った方がよいのか?本当に短い小説集です。このシリーズを読み始めて20年以上になりますが、お馴染みのメンバー以外の新キャラも登場しつつ、短い中でしっかりと人間関係の妙を描いています。そして期待を裏切らないラストをどの作品も用意しています。『暮鐘 東京湾臨海署安積班』短いのに本当に中身が濃くまた読み返したくなる本です。
Aug 21, 2023
コメント(0)
『黙示』Amazonより今野敏氏の「確証」「真贋」に続く萩尾警部シリーズ最新作です。東京の高級住宅街・松涛で窃盗事件発生。被害者はIT長者の館脇。盗まれたのは神から与えられたという伝説をもつ「ソロモンの指輪」で、四隠円かけて入手したものだという。事件には暗殺教団が関わっており、館脇が命を狙われているという・・・。で、捜査一課も出てきて事件をかき回すんですが、事件というか捜査が全く進展しないんです。結局、ほぼ進展がないまま、萩尾頸部の推理で事件解決となるのですが、古代史に精通している人で、アラビア語、トルコ語の発音を知らないと推理できません。なので、読後はなんか肩透かしを喰らった様なスッキリしない感覚がのこるのです。つまり『黙示』は、読後に爽快感がない小説と言えるかもしれません。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Aug 13, 2023
コメント(0)
『非エリートの勝負学』Amazonより私の大好きなYoutube番組『TOKYO BB returns』のディレクター、マッコイ斉藤さんのご著書。マッコイさんの名前を聞いたのはもう20年くらい前だったかなぁ、とんねるずさんの番組(みなさんのおかげですかな?)で、タカさんが「まっこい!」「マッコイ斉藤」って、叫んでたのが最初。その時にゲストの方だったと思うけど「ディレクターなんて誰も知らんわ!」みたいなツッコミで、そういうディレクターがタカさんのお仲間にいるんだなぁくらい感じで、なんとなく覚えてました。Youtubeで『TOKYO BB returns』を見る様になって、あれ?マッコイ斉藤って、という感じで記憶が呼び出された感じです。本の内容は、今の時代にそぐわない暑苦しさです。泥臭くて人間臭い。この本を読んでどう活かすかは自分次第ですが、なりふり構わない行動力や即決力は感嘆ものですし、ディレクターをはじめテレビ業界に勤めていなくても参考になる本だと思います。考えてみれば六大学以上の人間が集まっているテレビの世界で、高卒・コネなし・知識なしの田舎もんが、運と才能だけでゴールデンの総合演出(普通ゴールデンの総合演出はテレビ局の社員ディレクターしかやらない)に上り詰めたんだから、並の努力じゃないですね。『非エリートの勝負学』こういうハチャメチャな人たちが作っていた昔のテレビは本当に面白かったな~と思います。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとくおきます。
Aug 1, 2023
コメント(0)
<a href="https://amzn.to/43HWApn" target="_blank"><font style="font-size:18px;">『激突 聖拳伝説 (3)』</font><div align="center"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/71EB7QqNx-L._AC_UL800_QL65_.jpg" border=0 width="600px" alt="激突 聖拳伝説 (3)" /></div>Amazonより</a>今野敏氏の40年ほど前の小説の復刻版の拳聖伝の最終巻です。今作では総理が誘拐されるんですが、なぜ総理が前作でテロ行為に走った松田一味と手を組もうとしたのかが不明。挙句に「あの方」の一声で全てが一気に急転するという、かなり強引な設定。基本的に今野氏のファンタジーは好きですが、<a href="https://amzn.to/43HWApn" target="_blank">『激突 聖拳伝説 (3)』</a>は、あまりにも整合性がなさすぎる気がします。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Jul 31, 2023
コメント(0)
『帝都争乱 サーベル警視庁(2) 』Amazonより本屋で今野敏氏の復刻版の小説を探していたら、こちらを見つけたので購入。前著『サーベル警視庁』を読んだ時にシリーズ化を熱望していたのだが、2年後に刊行されていたことに気づかず、3年も購入が遅れてしまった。本書は1905年9月5日に日比谷公園で行われた、日露戦争の講和条約(ポーツマス条約)に反対する国民集会をきっかけに発生した暴動事件「日比谷焼打事件」をベースとして展開していく。国民の怒りは桂首相の愛人お鯉(史実で有り実在の人物でも有る)宅も襲撃の対象となった。そのお鯉宅を襲撃から守る役目をおった警察官が前作に引き続き、葦名警部以下の主人公たち。当然、前作品に引き続き斎藤一(藤田五郎)が本当の命のやり取りを経験している人物として登場するのがいい味を出している。本書では実在の組織・人物である玄洋社や頭山満、玄洋社の海外工作を担う黒龍会や、その代表内田良平などが登場し、実際の事件を基に話が進むので、歴史好きにはたまらないでしょう。もちろん、ノンフィクションではないので、その騒動の最中に起こる殺人事件がフィクションとして現実の事件と絡みながら展開していく。この辺りも非常に上手で面白いのですが、その分登場人物も多く、巡査の視点で描かれてはいるものの、少し分かりにくいかもしれません。『帝都争乱 サーベル警視庁(2) 』は、べらんめぇ調のしゃべりかたをする上役、自身に自信が持てない主人公など、今野氏の警察モノに良く出てくるタイプの人物像なので、現代物と通底する面白さがあります。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Jul 11, 2023
コメント(0)
『イクサガミ 地』Amazonより明治初期を舞台にした架空の剣豪たちの小説です。前著『イクサガミ 天』から1年以上経ってからの続編です。蠱毒がどんどんスピードアップしていき、当然、猛者との接触の機会が増えてくる中、いよいよ蠱毒の真の狙いも明らかになっていきます。ものすごい大きなスケールの話になって、どうやって収束されるのか? 蠱毒だけでも大変なのに、国家を揺るがす様な事態になっています。ワクワクドキドキが止まらない感じですね。ただちょっと、えぇ?っていうのが、「京八流弱くね?」と感じさせるところが多々でてきたところ。敵方で残っている連中が皆、京八流の継承者よりも強いんだから。ライバルが強い方が面白いというのは理解できるけど、数が多すぎでしょ。そんなに強い人が多かったら、京八流が伝説の流派になるのかってそもそもの疑問が出てきます。次の最終巻でその辺りも含めてスッキリした終わり方ができるかどうかですね。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Jun 27, 2023
コメント(0)
『襲来 聖拳伝説(2) 』Amazonより久々に今野敏氏の武道+サスペンス+テロ小説です。当たり前ですが、大昔の小説なので、当時の今野敏氏の特色がモロに出てます。今の今野敏氏の小説と比べると、押し付けがましいと感じるほどの武道の解説、やりすぎだろうという残酷でリアルな暴力描写、そのくせストーリーはものすごくシンプルで良い意味でB級という、よく言えば個性的、悪く言えば独りよがりで垢抜けない小説です。でも、それが良い!とくに暴力描写というか格闘シーン、達人の域の人たちのシーンは、テレビ等で格闘技を見慣れた人には絵空事に見えるかもしれませんが、数十年前は指先で金網をむしるお爺さんとか、本当の達人がいて、それを見てきた人間には憧れの世界なんですね。まぁ、最近はYoutubeが広がったおかげで、今まで知られてなかった様な地方で細々と受け継がれてきた武道の師範の様な人が、現代的なフルコン空手や格闘家なんかと共演して、その凄さの一片を見せてくれてますので、良い時代になったなと思います。本題からはそれましたけど、1作目の『降臨』よりこの『襲来 聖拳伝説(2) 』の方が、より今野敏氏の趣味性が強く出ている小説ですね。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Jun 14, 2023
コメント(0)
<a href="https://amzn.to/3WZ2il4" target="_blank"><font style="font-size:18px;">『ChatGPT仕事術大全 (プレジデント2023年 6/30号)』</font><div align="center"><img src="hhttps://m.media-amazon.com/images/I/51Avn0DtSuL.jpg" border=0 width="375px" alt="ChatGPT仕事術大全 (プレジデント2023年 6/30号)" /></div>Amazonより</a>新聞広告で見て速攻で買いました。まだ全部は読んでないけど、ざっと斜め読みした感じでは、イマイチ新しい情報はないかなぁまぁ、私の仕事がアンケートをまとめたりという量をこなす仕事ではないということもあるかもしれませんが、大手企業が結構導入しているのには驚きました。正直言うとChatGPTって平気で嘘を付くし、情報古いし、ふわっとした当たり前というか、当たり障りのないことしか言わないし、もう少し使えるような回答を得るためにはプロンプトの内容をより具体的にしなければならないけど、それって情報漏洩になるからできないし、難しいよね。今、個人的に使っていて一番役に立つ使い方は、画像生成AIのプロンプトをChatGPTに書かせることかな。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Jun 11, 2023
コメント(0)
『逆転美人』Amazonより帯の『ミステリー史上初の』というのは類似トリックがあるそうなので、ちょっと言い過ぎかもしれないですが、『伝説級トリック』は間違いないと思います。というのも、このトリックを思いついたとしてもそれを実際にやってしまうのは全く別物。この長編でやってしまえるのが凄い。ただし、『逆転美人』は、トリックのために2/3くらいまで手記のカタチで描かれているので、文章が単調で退屈なモノになってしまっているのが残念です。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Jun 6, 2023
コメント(0)
『任侠シネマ』Amazonより警察小説で有名な今野敏氏の裏の人気シリーズ『任侠シリーズ』第五段です。例によって親分の弟分がややこしい話を持ち込むのですが、今回は斜陽産業の映画館。時代遅れの斜陽産業というところでは、前作の浴場にも通じるものがあるのですが、今回は映画館は問題ないんです。経営する会社の社長の心構えや、この映画館のファンの会のあり方、映画館が盛り上がらない理由だと親分はいうんですね。ですのでいつもの礼儀だなんだという話と少し違っていて、何気に親分の『金言』がいくつも散りばめられています。『任侠シネマ』は、その『金言』を抜き出してストックしておこうかなと思うくらい良い話です。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
May 29, 2023
コメント(0)
『降臨 聖拳伝説1』Amazonより今野敏氏が万年初版本作家と呼ばれていた今から38年前の新装版です。神代の時代からの武術家の家系の子孫が現代の争いに巻き込まれる話ですが、現代の争いというのが、政治家の権力闘争が絡んで、内調が出て来てという、まぁ、ファンタジーなお話です。ファンタジーなだけにスケールがでかいのが良いですね。B級の映画みたいでスカッと読めて面白いです。そして今野敏氏の新装版はほとんど時代背景を現代に書き換えないのが良いです。ぶっちゃけた話、ミステリーなんて携帯電話のあるなしで成立する謎解きも全然違うわけで、ですからその時代の状況を思い出しながら(もしくは想像しながら)読むのが正しい。本作では携帯電話も出ないし、JRが国鉄として出て来ます。『降臨 聖拳伝説1』では、若い人はそういう部分も楽しめるんじゃないかなと思います。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
May 25, 2023
コメント(0)
『この通り進めば必ず叶う 願望実現への最短ルート案内』Amazonより引き寄せの法則系の本なんですが、この手の本は大抵は確信が持てないんですよ。この本の前半にも書いてますけど「不幸になる方法には確信が持てるけど、幸せになる方法には確信が持てない」のが私の様な凡人です。ところがこの本、その次に斎藤一人さんの言葉「未来は勝手にやってくる」を引用し、それがどういうことかをベルトコンベア理論で説明してくれました。それで一気に腹落ちしたんです。そういうことか!と。引き寄せとか願望実現とかを実践している人は確実にいますし、話を聞いても本人が積極的に何かをしたわけではないのに、周りがお膳立てして結局そうなってしまうという感じなんですよね。それがなぜか、このベルトコンベア理論ではっきりと解りました。『この通り進めば必ず叶う 願望実現への最短ルート案内』は、この手の本を読んでいる人には聞き慣れたことしか書いてないようですが、私の様にどこかひとつそれによって目を覚ます様な経験をするんじゃないでしょうか。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
May 17, 2023
コメント(0)
『魔眼の匣の殺人』Amazonより1作目の『屍人荘の殺人』で第27回鮎川哲也賞を受賞し、『このミステリーがすごい!2018年版』、2017年ミステリーベスト10、『2018本格ミステリ・ベスト10』で1位を獲得し、第18回本格ミステリ大賞〔小説部門〕を受賞、第15回本屋大賞3位に選ばれ、さらに映画化されて大ヒットするという脅威のデビューをした今村昌弘氏の2作目。これだけ高いハードルと注目がある2作目で、今村氏はとんでもない手法を持ち出して読者の度肝を抜きます。なんとトリックではなく、予言が達成されてしまうという従来のミステリーでは有り得ない設定。今までの常識ならば、予言というか超能力を認めてしまえば、なんでも有りになって、ミステリーが成立しなくなるはずなのに、本作ではこのオカルトじみた状況を逆手にとって、きちんとミステリーとして成立させています。しかも読者に謎解きを楽しませる様に、伏線を随所にバラしてキチンと後で回収するという離業までやってのけます。そして本作は犯人探しが済んだあとでも、もう一つのどんでん返しが待ち受けています。『魔眼の匣の殺人』は新しいミステリーの形を見せてくれたと思います。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
May 16, 2023
コメント(0)
<a href="https://amzn.to/416QRsg" target="_blank"><font style="font-size:18px;">『グッバイエバーグリーン』</font><div align="center"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/61g6RkyGzmL._SX350_BO1,204,203,200_.jpg" border=0 width="352px" alt="グッバイエバーグリーン" /></div>Amazonより</a>2016年の出版だから、新品はないみたいですが、バイク好きだけどスピードだけがバイクじゃないという方にぜひ読んでいただきたい漫画です。ちょっと古いバイクのある日常を少しセンチメンタルに描いています。危険運転をあたかも青春の通過儀礼のようにデコレーションした類の話ではなく、決して物語はバイク中心ではありません。古いバイクだけでもなく、新しいバイクを否定するのでもなく、道具に込められた思いを大切にしている感じです。頑な心が解きほぐれていく、人々が少しずつ笑顔になる、そして読んでるこっちまで笑顔になる、そんな心暖まるストーリーでした。主人公のセリフ「ひとりでオートバイに乗っていると、ほんとになんでもない景色に心を奪われる」<a href="https://amzn.to/416QRsg" target="_blank">『グッバイエバーグリーン』</a>は、そのセリフに象徴されている様な本です。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Apr 8, 2023
コメント(0)
『借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんが教えてくれた お金の取扱説明書』Amazonより表紙にでっかく書いてある『お金を笑わせろ!』はタイトルじゃなくてキャッチコピーなのねw中身は引き寄せの法則のお金版です。ただし、わかりやすくて読みやすいし、成功法則ででちょっと抵抗のある様な内容が、この本では「なるほど〜!」と納得できます。例えば『収入の1割を寄付しなさい』という話がよくありますが、この本では「寄付する自分に喜びを感じられないのなら寄付をする時期ではない」と書いています。「お金というものは喜んで使った人のところに還ってくるもの」ともありますね。もちろん浪費とは違うのですが、その辺りも細かく説明してくれています。『借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんが教えてくれた お金の取扱説明書』には、そういう今まで腹落ちしなかった成功法則の部分を改善している様に思います。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Apr 6, 2023
コメント(0)
『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VIII』Amazonより太宰治の新しい?遺書が出てきて、その真贋も含めて事件になるのですが、取り止めもないというか本筋に全く関係のない太宰論が結構な分量あって(その上、太宰の遺作「グッド・バイ」が28ページも収録されている)、結構読み進めるのに苦労しました。太宰を好きな人はものすごく多いですが、評価をしない人もものすごく多い作家で、5度の自殺未遂も狂言と見るか、デリケートな人間ゆえと見るか、未だ論争が絶えません。個人的には狂言とまでは言いませんが、デリケートな人間とは到底思えません(「生まれて、すみません」なんて、デリケートな人間が思ったとしても口には出せないですし、ましてや作品に残せないでしょう)が、本作とは関係ないので割愛します。で、その太宰をどう見るかというところも、著者なりのなんらかの結論を導き出すこともありません。ただ、今なおベストセラー作家であり続ける太宰治という謎の多い作家を駆り出して、内容的にはわりと陳腐な殺人事件を、大ごとに仕立てて見せただけに見えます。もちろんミステリー小説の面白さって、事件だけじゃないですし、登場人物の心の動きなんかも、特にシリーズものであれば、気になるところですが、本作では、あまりにも太宰にページを割きすぎたためか、本作では李奈の心に深く関わってくる人物が登場するのですが、あまりにも唐突すぎて李奈にも感情移入ができません。『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VIII』は、いつもの松岡圭祐氏の分かりやすさがなく、どっちつかずになっている気がしました。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Mar 14, 2023
コメント(0)
『マインド』Amazonより私の好きな今野敏氏の碓氷警部補シリーズの第6弾です。この碓氷警部補シリーズって、出た時にほとんど読んでなかったんですよ。というのも、今でこそ警察小説の旗手みたいな扱いでしたけど、隠蔽捜査が賞を獲るまでは永久初版本作家というあまり有難くない称号をもっていた作家さんで、その称号の通り、書店に並ぶ冊数が少なくて(仕入れない本屋も多いし)、手に入りにくかったんですよ。で、この本は先日BookOffでたまたま見かけて、パラパラとめくって読んでなさそうなので購入しました。で、本格的に読み始めたらなんか既視感がある。。。と思ったら数年前にドラマになってたんですねぇ。それを見ていた様です。全く関連性のない2件の殺人事件と2件の自殺が同時刻に起こって、刑事課長がそれを疑問に思い碓氷警部補らに特命として、それら事件の関連性があるのかないのかを調べさせるところから物語は始まります。この謎解きとしてのストーリーは非常に面白い。「エチュード」に続いて藤森心理調査官も再登場し、キャラも立ってきてそちらも良い。ただねぇ、最後の最後、犯行の動悸がねぇ、納得感がないんですよ。『マインド』は、ほんの僅かな違和感が読後感を悪くしている印象でした。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Feb 20, 2023
コメント(0)
『デビュー』Amazonより警察小説の旗手と世間では思われている今野敏氏の1992年のペーパーバック小説を文庫に再録したものです。BOOK OFFで見かけて購入しました。今野氏の場合、昔の著作が再販される場合も現代に合わせて書き換える様なことはせず、出版された当時の風俗などそのままで再販されます。例えば携帯電話が当たり前になった今だと成立しない様なトリックが使われていたりするからです。で、この本はアメリカで飛び級で19歳で修士号まで取得した才媛が、なぜか日本で17歳と偽ってアイドルとしてデビュー。その優秀な頭脳で芸能界の闇に関わる事件を解決していくというストーリー。奇しくもこの本の中で主人公に「安易なストーリー。陳腐な台詞。無理な設定…。」と語らせてますが、そういうことです(笑)今野氏は小説家としてデビューする前は東芝EMIでディレクターとして何枚もレコードを出したことのある人物。ですので、芸能界の裏側も充分知っていて、エンターテイメントとして成立させているわけです。『デビュー』は、最近の重めの警察小説が好きな方にはちょっと期待はずれかもしれませんが、エンタメペーパーバックとして楽しめる人には面白い本だと思います。全ての人に良きことが雪崩のごとく起きます。
Feb 1, 2023
コメント(0)
『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VII レッド・ヘリング』Amazonよりこのシリーズは好きで、最初からずっと発売前に予約して購入しているんだけど、今回初めて何度も読むのを中断してしまった。理由は2つ。1つは犯人側のやることがマジでいらつく。それに対して李奈側も出版社含めて何も対処できないでいること。簡単に警察が動くかどうかは別だけど、スキャンダラスな雑誌を持ってる(小説を出版するような大手ならどこでも週刊誌くらい持ってる)んだから対抗策ぐらいいくらでもできるだろうに。2つめが徳川慶喜ゆかりの地が出てきた時点で、だれでも狙いがわかるだろうに。なのにその狙いを見つけられるまでがめちゃくちゃ長い。確かにこのシリーズは、著者の深い知識と研究(と言っても良いレベルの思索)があっての物だが、今回はそれが裏目にでて、ちょっと冗長過ぎた。さすがにラストの怒涛の展開は一気に読んでしまったが、やはり、この程度のとっちゃんぼうやに李奈が苦しめられるというのが納得も理解もできない。『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VII レッド・ヘリング』は、ちょっとスッキリしない本でした。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Jan 17, 2023
コメント(0)
『希望の糸』Amazonより加賀恭一郎シリーズ最新刊なのかな?加賀シリーズはミステリーよりも、人間ドラマに重きを置いている傾向が強いけど、本作はよりその傾向が強い。なんせ犯人は早い段階で自首しちゃうんですから。もちろん、殺人事件だけでなく、加賀の従兄弟の松宮刑事の話があって、それが殺人事件の動機とリンク(というと語弊があるけど、直接関わっているのではなく、類似性があるというかなんというか)していて、それがなんとなくは想像つくんだけど、最後まで詳細があかされない展開。そういう意味ではミステリーの手法を使って、人間ドラマを描いたという感じかしら。いずれにしろ『希望の糸』は、重い話なんだけど、展開も早く一気に読ませる作品です。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Dec 5, 2022
コメント(0)
『JKII』Amazonより松岡圭祐氏のJKシリーズ2作目。前作の『JK』を読んだ時に面白いけど、高校事変も途中で読むのを辞めたし、シリーズが続くとお腹いっぱいになる系統の作品なので、2は読まないでおこうと思ったんですよね。でも、結局手にとってしまった。前作ではわりと復讐ものという傾向が強かったのですが、今作では子供たちが被害に遭うことへの義憤にかられてという感じ。あと、あまりにもご都合主義の箇所があって、まぁ、スーパー女子高生ものというB級ど真ん中の作品ですから、それもありなんでしょうけど、私的にはちょっと残念。ただ、前作の取りこぼしというか、不明点を『JKII』でクリアにしているのは好感が持てます。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Oct 24, 2022
コメント(0)
『海が見える家 旅立ち』Amazonよりこのシリーズは最初、八重洲ブックセンターに立ち寄ったら、入り口の所にこの本が立てかけてあり、帯には「八重洲ブックセンター全店 文庫売上年間第1位」とあって、表紙の絵が素朴で素敵だったので衝動買いした本『海が見える家』から始まりました。社会人になって早々にドロップアウトした若者が、突然亡くなった父が最後に過ごしたに逃げてきて、初めは早々に家を処分するつもりだったのが、自分の知らない親父の生活に触れ、その地に根を下ろすことを決断する話。2作目では絶望の冬をなんとか越して、周りの人を積極的に巻き込みながら成長していき、3作目では実際にあった台風の被害(もう2年経つけどまだ復興していないところもある)をベースに、逆風の中、考え、迷い、決断する、力強さも感じさせます。で本作『海が見える家 旅立ち』。師なのか、親父を映し見していたのかわかりませんが、農業の師匠が亡くなって、半分も抜けの殻の様になった主人公「文哉」が、亡くなった師の親友の猟師のところに転がり込んで、もう一度立ち上がるところまでを描いています。ラスト近くには、なぜ親父が晩年、南房総で過ごしたか、凪子の母親の最期はどうだったか? 今まで伏せられてきた事実も語られます。『海が見える家 旅立ち』是非。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Oct 20, 2022
コメント(0)
『最後の封印』Amazonより私の好きな今野敏氏の銃数年前の小説の新装版。この小説は未読だったので、ウイルスネタだし、新装版とは知らず新作だと思って読み始めました。読み始めてすぐに扱われているウイルスがHIVの新型で、あれ?と思ったものの、スピーディな展開に引き込まれて一気に読み終えました。一頃大騒ぎしたエイズ,HIV騒動もさまざまな陰謀論やウイルス兵器説などがありましたが、それも今や闇の中。今はコロナ騒動もまた、異様な不可解さがあります。『最後の封印』は、そういうところを掘り下げて、エンターテイメントに昇華させ、種の進化というスパイスをトッピングした様な作品で、ある意味読む人を選ぶと思います。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Oct 18, 2022
コメント(0)
『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VI 見立て殺人は芥川』Amazonよりこのシリーズは隔月で発行されているのに、その間に他のシリーズも出版されている。にも拘らず、トリックや意表を突いた真相など、全く既視感がなく、しっかり練られている。今作は芥川龍之介の「桃太郎」がテーマというか題材なんですが、私は浅学にして芥川が桃太郎を書いているのをしりませんでした。まぁ、今作の場合は知らなくても、芥川の桃太郎自体が超短編なので、本作の中で全文が紹介されていて、今までの読んで無い本の内容を想像しながら(つまり作者に誘導されてもわからないまま)読むしか無かったのと違い、全文をしっかり読んだ上で、ごまかし様のない状態で、作者の提示するテーマと向き合えるのがとても良いです。本作の謎解きのキモは誤読なのか、解釈の違い(作家論とかテクスト論とか)なのかは難しいところですが、まさにそのズレが最後のどんでん返しのヒントになっています。『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VI 見立て殺人は芥川』は、原点回帰っぽくて純粋なミステリとしてとても面白いと思います。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Sep 18, 2022
コメント(0)
『万能鑑定士Qの事件簿 0』Amazonより万能鑑定士Qシリーズの10周年を記念して出た新作ですね。10年ぶりの万能鑑定士ということで期待しましたが、0の番号のとおり、鑑定家になった直後のお話。のちに結婚する小笠原悠斗も出てきません。本作はのちの莉子のベースになる「知識だけで駄目なら行動で補う」という鑑定方法というか、考え方が生まれた回です。今回の鑑定は未発表のバンクシー、ゴッホ、そして国宝の漢委奴国王印。特に未発表のゴッホ、漢委奴国王印に関するウンチクは面白い。まぁ、特に漢委奴国王印の盗難に関しては、かなり強引な部分もあるが、研究者とのやりとりが一々納得させられる。『万能鑑定士Qの事件簿 0』は、やはり面白くてためになる「人の死なないミステリ」です。
Aug 25, 2022
コメント(0)
『メタバースの教科書: NFTの知識が30分でわかる初心者本』Amazonより著者もメタバースが正確に分かっていない、と言うか、メタバース自体がまだ何なのかメタバースに関わってる企業ですら明確では無い。これがこの本のスタンスで、実際にその通りなんだけど、その割には現状を上手く分析していると思う。特に企業の関わり方の分類は著者なりの分析じゃないかな。現状、メタバースを説明するのに一番わかりやすいのは『あつ森』と言うのは、全く同意見だ。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Aug 24, 2022
コメント(0)
<a href="https://amzn.to/3QHNun3" target="_blank"><font style="font-size:18px;">『NFTの教科書: 仮想通貨の知識が30分でわかる初心者本』</font><div align="center"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51MOer-93IL.jpg" border=0 width="320px" alt="NFTの教科書: 仮想通貨の知識が30分でわかる初心者本" /></div>Amazonより</a>Kindleの電子書籍で、紙の出版物はありません。30分で読めるとありますが、実際にゆっくり読んでもそんなもので、Kindle上で200ページくらいありますが、文字が少なく30ページの小冊子程度のボリュームしかありません。書かれている内容も、この程度の情報ならNFTやってる個人のSNSでも収集できる。てか、向こうのほうが深い。ただ、浅い情報でも誰もが簡単に手にすることができる様にした価値はあると思うので、星2.5皆さんに全ての良きことが雪崩のごとく起きます。
Aug 22, 2022
コメント(0)
『万能鑑定士Qの最終巻 ムンクの〈叫び〉』Amazonよりこのシリーズは途中で読むのをやめたのですが、『杉浦李奈の推論』シリーズに凛田さんが出てきたので、とりあえず関連性のありそうな2冊を購入。その1冊です。小笠原がなんでか探偵になって、それで2人の関係が終わったところから始まるのですが、まぁそっちは中学生の恋愛みたいなので、どうでも良い。問題は「ムンクが盗まれた」から「ムンクが破られた上に盗まれた」となって、なぜか修復には120時間のタイムリミットがあるという展開。その間に、懐中時計の話が出てきたり、オークションの話がしつこく出てきたり、仮想宇宙にある星を顧客口座に見立てた銀行の相互監視システムの話が出てきたり、大きな流れの中には違いないのですが、なんかちょっと話が飛ぶなと思ったら、それが謎解きの段階で、全て綺麗に回収されます。ついでに小笠原の考えも回収されて、綺麗に大団円を迎えてハッピーエンド。『万能鑑定士Qの最終巻 ムンクの〈叫び〉』は事件の収め方が清々しく安心して楽しめます。皆さんに全ての良きことが雪崩のごとくおきます。
Jul 31, 2022
コメント(0)
全1208件 (1208件中 1-50件目)