モロッコ紀行 3

フナ広場

砂漠ツアーに参加するかどうかはとりあえず保留にして、わしらは街に繰り出した。

ホテルを出ると、すぐそこがマラケシュで一番のお楽しみポイント「フナ広場」である。
ここは日中、オレンジジュースのスタンドが立ち並び、あちこちでパフォーマンスが繰り広げられているのだ。
ヘビ使い、猿まわし、民族音楽で踊るグループから、モロッコ版漫才みたいなものまで、なにしろすごい賑わいだ。

夕方になると、あちこちから屋台が集まってきて、そこは巨大な屋台村へと変貌する。
カバブやサカナのフライ、いろんなスープにタジンなどなど。
それぞれの屋台からはもうもうと煙があがり、地元のモロッコ人から観光客まであちこちで食事を楽しんでいる。

そう、 毎日がお祭り状態 なのだ。

屋台の料理はどれもこれも美味しく、そして安い!
どれも一人前がそれほど多くないので、どんどん屋台をハシゴする。
それがまた楽しいったらない!
「ファカンフォ!(バカンポ)、ふぎ(次)あふぉこ行って、モグモグゴックン、みようぜ」
口一杯にモロッコ料理を頬張りながら、うきうき全開のおいら。
しかし、バカンポ君をみると、あまり楽しんでいないようであった。
「ん?どした?なんか元気ねえな」

「ん~?なんか疲れたじゃ~・・・。ホテルに帰ろうよ」

ここが一人旅と違う、難しい所である。
そういや、初めての海外旅行でいきなりモロッコ連れてこられて、
おいらのペースであちこち引っ張りまわされてるもんな。
ちょっと疲れてしまうのも無理はない。

「OK、じゃあホテルに戻ろうぜ」


翌日、元気を取り戻したバカンポ君と再びマラケシュの街をウロウロする。
さすがに暑い!
おいらとバカンポ君は、足がムレムレになっていた。
やっぱり靴下&靴はイカンね、サンダルにせにゃあ。
とゆうわけで、スーク(市場)へサンダルを買いにいく。

一足3000円とゆうサンダルを発見し、しぶとく値段交渉を重ねた結果、
800円まで値段を下げさせることに成功。
うむ、いい買い物をした、と店を出たところで、後ろから大阪弁で「何こうたん?」と話しかけられる。
振り向くと、声の主はバリバリのモロッコ人であった。
「え?こんなスリッパに800円?よ~やるわ!日本人アホや!ホンマよ~やるわ!」

・・・・いやいや、スリッパの値段はこの際どーでもいい。
アンタの大阪弁の方が問題だ。

どう見てもモロッコ人なのだが、彼の言葉はイントネーションまで完璧な大阪弁なのである。
「まぁええわ、ちょっとお茶しよか~」
彼に誘われるまま、面白そうなのでついていく。

チャイを飲みながら話を聞く。
「わしな、大ちゃんいうねん」と彼は名乗った。
だ、だいちゃん?
なんでも彼は日本人と結婚し、大阪に住んでいるとの事。
かれこれ10年大阪で暮らしていて、現在はひさびさの里帰りでモロッコに帰郷中なんだそうな。
道理で日本語がペラペラなわけである。
「日本人に話しかけるとナ、皆わしのこと怪しいっちゅうねん。なんでやろ?」
いや、そりゃそうだろ(笑)

「な、夜一緒にビール飲みにいかへん?」
おお!ビール!モロッコでもビール飲めるの?
カサブランカでも、マラケシュでも発見できなかったんで、あきらめていたのだが。
「OK!じゃ、夜にまたここで会おう!」と言って別れる。

さて、夜。
大ちゃんはちゃんと来て待っていた。そして言うのである。
「男3人はさみし~なぁ。ちょっと女の子も誘っていこか~」
う~ん、それってナンパじゃぁ・・。
わしもバカンポ君も、ナンパなんてした事ないんですが。

次の瞬間、大ちゃんはすでに女の子に話しかけていた。
す、素早い!
「わしらこれから皆でビール飲みにいくねん!一緒にいかへん?」

あっさり了解。
日本人の女の子二人は「いいですよ~」と一緒に行くことになった。
誘っておいてなんですが、そんなに簡単について行っていいんですか?!

大ちゃんに連れて行かれたのは、ホテルの屋上にあるビアガーデン。
やはりこの乾いた空気の中、外で飲むビールは最高であった。

日本人の女の子は、実はとってもかわいかった。
ホテルに戻り、「なぁ、あの子可愛かったなぁ!なぁ!また会えるかなぁ!」とはしゃぐおいらを、
バカンポ君は冷ややかな目で見てつぶやいた。

「それがお前の弱点だな・・・・・・」

ぎくぅ!!

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