ゆきあけのボヤキ

惚気 1

平成17年9月 作成

~惚気(ノロケ) 1~


弟の“告白”をした次の日、私は仕事中に自分の思いをゆうちゃんにメールした。

きっとゆうちゃんが両親に弟の事を言ったら反対されるかも・・・などといった内容の。

【確かに両親も大事だけど俺はし~☆を選びます。】的な返信をくれた。

ちょっと、かなり嬉しかった。


しばらくの間、私は正夢になりそうな怖い夢ばかり見ていた。

ゆうちゃんの両親に反対される夢・・・

ゆうちゃんは 【親の事は任せてくれ。怖い夢は正夢にはさせへんから。】と言ってくれた。


5月7日、ゆうちゃん31歳の誕生日。

付き合って初めてのイベント♪それも誕生日。

この日もお互い仕事だった為、晩御飯を食べに行く事にした。

鶏肉大好きっ子のゆうちゃんは「何食べたい?」と聞くと「美味しい唐揚げ」と言う。

う~~ん。松山でのお店はあまり知らないからなぁ~

車で少し遠くをウロウロしながら考えた。

途中、ケンタッキーの看板を見て「ケンタッキーでもいいよ。」と言うゆうちゃん。

オイオイ、31歳の誕生日にケンタッキーはないでしょう(笑)

結局街に戻り、ゆうちゃんの知っているもつ鍋屋さんに行った。

もちろんそこで唐揚げも注文した。

次の日の日曜日もまたまたお互い仕事だったので

ゆうちゃんへのプレゼントは後日一緒に買いに行くことにした。


GW中からショートステイに預けていたアケさんが8日に帰ってきた。

この日の夜は私・アケさん・ミー姉・子供達3人、そしてゆうちゃんとで焼肉へ行った。

皆にゆうちゃんを紹介した。

アケさんはまだあまり意味が分かっておらず、子供達はスグにゆうちゃんに懐いていた。


週の半分弱は私の家に泊まりに来るようになっていた。

そしてゆうちゃんの荷物が少しずつ私の部屋に増えてきた。

タンスの一つの引き出しをゆうちゃん専用の為に空けた。

ゆうちゃんのキーホルダーにはもう私の家の鍵が付いていた。


付き合い始めてしばらくしてからゆうちゃんの仕事が忙しくなってきた。

夜も遅くまで、土曜日も日曜日も仕事だった。

だからお泊りに来た日、寝るまでの1~2時間が二人の時間だった。

新婚さんのように朝仕事へ行くゆうちゃんをお見送りする瞬間が幸せだった。

私はどんどんゆうちゃんの事が大好きになっていってた。

けれどそれと比例するかのように、好きになればなるほど私の不安も大きくなっていた。


5月の終わり、私は初めてゆうちゃんの野球の試合を観に行った。

練習試合とはいえ、ゆうちゃんが大好きな野球をしている姿を初めて見る。

嬉しいけれど一人で観戦するのが恥ずかしくて朝早くから新居浜の友達を呼んだ。

友達が来るまでにも時間がかかり、一試合目が始まっていた。

しかも私はゆうちゃんのチームのユニフォームを知らなければ背番号も知らない。

近くで観ることが出来ず遠い所からこっそりストーカーのように観ていた。

友達が来てくれ、一試合目が終わったゆうちゃんから電話が入った。

そこで初めてゆうちゃんの背番号とチームのユニフォームが分かった。

私は自分で勝手に思い込んで相手チームのピッチャーを隠し撮りしていた(笑)

遠くからでも自分の彼氏ぐらい気付けよ・・・私・・・

やっと少しだけ堂々と二試合目を観戦する事が出来た。

何枚も何枚も追っかけのように写真を撮った。

ブツブツ言いながらカメラを構える私の横で友達は笑っていた。

初めて見るゆうちゃんのピッチャー姿、バッティング姿。

しかも連続でホームラン打ってるし!!

あまりの格好良さに私は感動していた。

そしてその感動を口に出して言う私をずっと友達は笑っていた。

試合の後、新居浜でチームの人達と焼肉を食べた。

初めてお邪魔する場にまたまた私は緊張していた。

帰りに試合を一緒に観に行ってくれた友達の家に寄った。

お酒を飲まないゆうちゃんには牛乳が出された。

おいっ!ゆうちゃんは猫じゃないってば!!

新居浜にいるもう一人の友達も来た。

ゆうちゃんは試合疲れで寝ていた。

私達3人はその横で宴会をしていた。

初めてゆうちゃんを見た友達がビックリしていた。

「し~☆の事やからどんなブサイク連れて来るんやろって思ってた。」

「普通にさわやかで格好いいからビックリしたわ~」と言われた。

あの~別に私ブサイク好きとかじゃないんですけど・・・

確かに今まで私が付き合った2人とゆうちゃんは見た目も中身も全然違っていた。

初めてのタイプだった。

お酒が進むと結局いつもの話になった。

・・・・弟の事・・・・

寝ているゆうちゃんの横で私はまた泣きながら話しをしていた。

起きてみると泣いている私を見てゆうちゃんは驚いていた。

帰りの高速では酔っているのと泣きつかれたのとで私は家に着くまで助手席で寝ていた。

そんな私を見てか、次の日ゆうちゃんは

【俺が守ったらないかんなぁと思った】とメールをくれた。


その後も週末は野球の試合が何度かあり、その都度私は観戦しに行った。

坊ちゃんスタジアムやマドンナスタジアムでの試合は本格的で私はとても感動していた。

そして私のPCにはゆうちゃんの画像フォルダがいくつも増えていった。

付き合って1ヶ月記念日・2ヶ月記念日には手紙を渡した。

1ヶ月記念日に初めて書いた手紙にはとても感動してくれた。

不安も多々ありながらも、ゆうちゃんといられる事が何よりの幸せになっていた。

単純なようで、アケさんの介護も苦に感じなくなっていた。

“フリーページ~優しくなれた?~”でも記してるように

心に余裕と安らぎが出来た私は、周りにも優しく接していたと思う。

実際、いつも私が怒りとばしている男友達にも

「おまえ変わったわ~優しいもん。怖いわ。今日俺一回も怒られてないし。」

とか言われていた(笑)


昔から“おノロケ大王”で有名な私は友達にゆうちゃんとのおノロケを言いまわっていた。

言いたくて言いたくて仕方が無かった。

友達に「し~☆のママがいてたらめっちゃ喜んでたやろうなぁ。」と言われた。

一度でいいからゆうちゃんを母に会わせたかった、そしてゆうちゃんにも母を会わせたかった。

きっと母が生きていたならとても喜んでくれたことだろう。

誰よりも母が一番喜んでくれたことだろう。



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