卒業旅行 III


彼らはまず彼女にたぶん私達ことを聞いたのか
しばらくしゃべった後に表へ出るように手で合図を送った
そして当然のように囲まれる
私達は2人と彼らは20人ぐらい
当然負けてしまう
相手が日本人だったら負けても構わないが
相手はタイ人だ
何をするかわからない

そこで喧嘩の時の常識である方法で切りぬけるしかない
お互いがどんな奴か知らない場合は当然警戒する
そんな時集団の方が不利だ
何故なら誰が最初にしかけるか迷うからである
集団は相手を威嚇するまでは士気が上がるが
いざ攻撃となると他力本願になり士気は下がる
これで私達が逃げれば犬のように弱い相手だと思い攻撃をしてくる

ならば相手が攻撃をする前(腹を決める前)に
こちらから仕掛けなければならない
有利な流れを作るのが喧嘩の上等手段である
しかし誰を攻撃するか?
もしリーダーを攻撃すると仲間が必死で助けるだろう
なら攻撃するならパシリが一番良い
パシリならリーダーは相手がどんな奴かを見るだろう

だから思いっきりパシリの奴を私達は攻撃した
それも柔道技をわざと使ってである
私達は2人 パシリは3人
これなら勝てる
私がパシリを投げた時に
「ZYUDO」って声が聞えた
作戦が上手くいったと思ったが
それは浅はかな考えだった

リーダーらしき奴が拳銃を持っていた
これで私達は身動きが出来なくなった
相手の利き腕が右手なら左に逃げれば当たらないだろうが
2つ目を避ける自信もない
(まぁ~はっきり言えば頭が真っ白だった  笑)

そんな時に店の女の子が店の主人を起こして来てくれて
その主人が仲裁に入ってくれた
「助かったぁ~」が正直な感想だった

その後は店の主人と女の子がとても辛い野菜炒めをご馳走してくれた
とても辛かったので私達はみんなへ店に置いてある
いかがわしいオレンジジュースをご馳走した
そこで付けて来ていたことや
タイの男は半分以上がムエタイの経験者ということ
そして柔道を教えた

そうする内に朝が明けてきて
彼らはそのタクシーでバンコクの中心部を案内しつつ
ホテルまで送ってくれた
のちにAはあの頃を思い出し
「マジで死ぬって思った」
と言っていたし
私もあの場面は凄く時間がスローに流れていて
とても長く感じた
たぶん一瞬のことだっただろうが
そう思えた

そして一睡もせぬままに
バンコク空港から北のタイ空軍の基地までの移動の間
爆睡したのは言うまでもない


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