路傍に咲く華

路傍に咲く華

君の傍で no.2*




君を見るだけで
君と会うだけで

私はすごく幸せでした。

―――君の傍で 2


「じゃ、またね!!!」

地に沈みかけた夕日が、
私達を照らす。

「うん、明日ね」

翔ちゃんは私に笑みを向け、
手を軽く振った。

私は別れを惜しむ様に、
翔ちゃんの影が見えなくなるまで手を振っていた。

「・・・翔ちゃん・・好きだよ」

誰も居ない道路に私一人残される
翔ちゃんが居なくなった途端、
急に寂しさが込み上げてきた。

伝わることの無いこの言葉を、
私はぽつりと呟いた。



「・・・ん・・」

静まった部屋。
そこに目覚まし時計の音が鳴り響く。
目覚めの悪い朝。

まだ眠たい目を擦りながら、
制服に着替え、リビングに向かった。



「咲、おはよ」

玄関のドアを開けると、
翔ちゃんが居た。

彼の姿を見るなり、
私の心は一揆に晴れ渡る。

「おはよう翔ちゃん」

私は笑顔で答えた。

もう高校生になると言うのに、
幼馴染と登校何て皆変だと言うけど、

周りから何を言われたって良い。

翔ちゃんとの登下校は、
私の中で最高の時間だから。

「まだ眠いねぇ・・」
「うん、そうだね」

何でもない言葉を交わしながら、
私達は学校へと足を進める。

この時間は、凄く嬉しいのに。
今日は何だか 嫌な予感しかしなかった。

――予感は、的中した。


「でね、その子が――」

そう、言い掛けた時だった。
この時の私には 緊迫感だとか、そんなものが欠けていたんだ


「・・・っ咲!!!危ない!!!!」

翔ちゃんが叫んだ。
気付いた時には

私の真横に、軽トラックが迫って来ていた。

逃げなきゃいけないのに。
恐怖で足が動かない

「・・咲ッ!!!!」


――これが彼との、最後の登校だった。


辺りには虚しくブレーキの音だけが 響いた・・・・。


3へ続く

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