路傍に咲く華

路傍に咲く華

君の傍で last*



君と交わした最後の会話
絶対・・一生忘れないよ。


―――君の傍で 最終話


あれ・・・私・・
確かトラックに轢かれて?

死んだのかな?

だけど全然 痛くない・・・


恐る恐る目を開けた。

その光景に、目眩がした


「・・・翔・・ちゃん・・?」

辺りには、紅い水が流れている
そして、翔ちゃんが倒れている。

―――それは 血塗れで。

「・・い・・嫌ぁぁあああ!!!」

嘘だ。嘘だ嘘だッ!!!
心臓の鼓動が、速さを増す。

「翔ちゃんっねぇ!!!翔ちゃん!!!!!」

我を忘れ、翔ちゃんの体を揺する。
怖い。怖い
嫌だ・・・・!!!

「・・・っ翔ちゃ・・っやだよぉ・・」

お願い置いて行かないで

「・・・・さ・・く・・?」


弱々しく、私を呼ぶ声がした。

「・・し・・翔・・ちゃん・・?」

耳を疑う。
だけどこれは、本当の・・本物の。

翔ちゃんの声。

「・・・咲・・、泣かない・・で・・?」
「ぁっ・・駄目!!喋らないで!!!!」

「僕は、良いから・・・」

そう言って、翔ちゃんはゆっくりと、
自分の右手で、私の頬に触れた。
血で汚れてしまった翔ちゃんの手。
だけどとても・・温かい・・・・

「・・・翔ちゃん・・・?」

「咲・・僕、咲と・・居られて・・幸せだったよ?
 ほんと・・に、有難う・・ね?」

翔ちゃんの声が、徐々に弱くなっていく。

「・・嫌だな・・私の方が・・・」

幸せだった。
大好きな翔ちゃんと一緒に居られて。

「・・・私・・っ翔ちゃんが・・っすごく・・すごく・・」

大粒の涙が、地面に零れ落ちる。

「・・・大好きだったよ・・・」

やっと言えた。
やっと伝えられた。私の気持ちを。

「・・・ねぇ・・咲・・・?
 ・・・僕も、咲の事が――――」

翔ちゃんがそう、言い掛けた時だった。
翔ちゃんの右手が、力無く地面に落ちた。

「・・・翔ちゃん・・?」

え?嘘でしょ?
さっきまで話してたのに

「翔ちゃんっねぇ、起きてよ!!!」

そして話の続きを聞かせてよ

「・・やだっ!!・・嫌だ、よ・・・?」

私の瞳から流れた涙が、
動かなくなった翔ちゃんの頬に落ちた。

「・・嘘だ・・・・!!!!!」


嫌だ、起きて 微笑んで

彼の毎日
彼の日常
彼の命

すべてに終止符を打たれた


「咲っおはよ~」

友達が、私の名前を呼ぶ

「・・うん・・おはよ・・」

彼の居なくなった生活
彼と言う存在が居ないのに

世界は何事も無く回転している。


翔ちゃんが居なくなって
すごく苦しかった。
だけど周りに居た皆が、励ましてくれた

皆の厚意を無駄にしてはいけない。
そして私はちゃんと、現実と向き合うようになった。
だからもう、泣かない。

大切な君が居なくても

「咲ー?先行っちゃうよー?」

私は笑って毎日を過ごす

「あっ待ってー!!!!」

君が傍に居ると思いながら。


...end

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