世界一流スパにも勤務中!       元豪華客船セラピスト★海外女社長 ・由美どんのアメリカ挑戦★

過酷な避難訓練



毎回クルーズごと(12日に1回の割合)に船員全員とお客さん全員に強制的にやらされるから モ~大変たりゃありゃしない。

船全部の人数っていったら約1500人ぐらいが居るからこの人数がゾロゾロゴチャゴチャと動き回るのは、生物学的に言えば精子が卵子に巡り会うぐらいの大混雑。

もう完全に「やったあ~ 今日は1時間仕事しないでいいもんねェ~ 避難訓練だ!わ~い♪」の状態ではない。はっきりいってトライアスロンなみだった。(汗)

しかも陸の避難訓練とはちょっと違うんですねこれが。。。

なんてったって分厚い救命ジャケット着て、ゴム製の救命ボートに乗る訓練ですからねェ~

まず、サイレンが鳴る15分前に船長が船上の全室にアナウンスを行う。船長が「ハ~イ 皆さんこれから避難訓練が始まるよ!これは船員だけの訓練だからお客さんは参加しないでねェ~」と言っていたっけ?(私はこれで毎回起されてたので記憶は定かではない。)もちろん起きたばっかりなので、頭はボサボサ。目は白目だったはず・・・

そしてサイレンの鳴る10分前には尻をボリボリかきながらノソノソと起き出し、タンスの隙間に挟み込んであるオレンジ色の超分厚い救命ジャケットを着込むのだ。そして忘れてはいけないのが自分の番号札のついたタッグと運動靴とジャケット。
これを着ないと、大変な事になるからだ。避難にはハイヒールは禁物!まず走れないからね。

本来はサイレンが鳴ってから着込むのだが、着込まずにドアの外に出るとアタフタして色んな物にぶつかり、まるで精子が卵管に届くのを妨げるかのようになってしまう。(また生物学的例えだわ)

そしてサイレンが7回鳴る。ビービービービービービービー
サイレンにも2種類の音があった。
7回鳴ったらかなりヤバイ状態で「船から逃げろ!」の合図、
その他のサイレンは、「ちょっと危ないかもしれないけど まだ船は沈没はしないよぉ、とりあえず人数確認するから集まって!」ってやつだった。

避難場所は各自2ヶ所持っているので、最初の一ヶ所目に向かう。これは大抵、自分の職場のエリアだったので最上階のSPAのある13階まで階段で上らなければいけなかった。ちなみに避難訓練の時はエレベーターを使用する事を禁止されていた。

そしてそこでそれぞれの位置に立ってお客さんを誘導するのだ。その時いくつかの疑問が挙がってきた。

1番目の疑問は、13階のSPAでマッサージしてるのに なぜ救命ジャケットを取りに自分の部屋の4階まで行って また13階まで戻らなければいけないのか?そして2ヶ所目の集合場所の6階まで戻らなければいけないのか?

はっきり言って「船員は犠牲で死んでも、お客さえ助かればいいのね」って思ったりもした。

本当の良い船員なら、「お客様の為なら由美、死ねて本望です!」なんて臭いセリフ吐いて、必死に救命ボート押さなきゃいけないんだろうけど、私にはそんな度胸はまだない。

2番目に疑問だったのがマッサージの間、お客さんはたいてい真っ裸なのだが、本気で避難する時にどこまで彼らに服を着せて逃げさせたらいいのだろう?

だってお客さんが助からず亡くなってしまって、TVのニュースでお客さんの肉親が「マッサージ師であるアナタがパンツをはかせてさえいなければ、おじいちゃんは救命ボートに間に合って助かったのよ!(怒涙)」なんて言われて裁判に持ち込まれたら私、人生立ち直れないかも。。。

3番目の疑問なんだけど、2ヶ所目の集合場所がなぜデイスコ ホールなの?かなりファンキーな気分で全然緊張感に欠けるんですけど・・・ 「ミラーボールはやめて!」って一言いいたい!

4番目の疑問は、火災発生の設定は別にいいんだけど、煙を本当に船内で炊くなよ。(怒)私らゴキブリホイホイのゴキブリじゃないんだからさあ~。しかも勝手にコンピューターでドアを閉められて迷路のようにグルグル回り、前は見えないし、全然逃げられないんですど、船長さんアナタ楽しんでるんですか?


5番目の疑問は、ゴムボートに乗ったら酔い止めをすぐに飲み24時間は水を飲まないと言われたけど、水無しでお薬飲めないんですけど。

6番目の疑問は、ゴムボートの中に釣りざおが備えてありますが、魚の餌さえ無いのに海の真ん中で何か釣れるのでしょうか?糸はどのぐらいの長さなんでしょうか?

てなわけで、ごちゃごちゃウロウロとしているうちに自分の番号を確認されて また船長のアナウンスがあって、はい終了となるんだけどちょっと時間の無駄じゃないか?と思うが船員の義務と定められてるので「NO」とは言えない。この現状・・・

余談だが、ちなみに船長さんは一番最後に船を降りる人と定められている。これを破って真っ先に逃げた船長さんがある船にいたらしく即行、航海士の免許は取り上げられたそうな。

またまた余談だが、私の救命ボートは船長さんと一緒のボート番号なんだけどこれって、私も最後の沈没の時に船長さんと逃げなきゃいけなかったて事???今考えると、恐ろしい・・・



これが辛い辛い由美どんの船上の避難訓練でした。

            おしまい


長々となり、貴方様の大切な時間を無駄にした事
ごめんなさい♪でも読んでくれてありがとう!!!



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: