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ただでさえ今年は入院したり、手術したりして高額医療費を支払う身分だから、健康に注意していたというのに風邪をひいてしまいました。 医者に行かなくても家で寝ていれば治るだろうと思い、数日が経過。 どんどん喉が痛くなり、唾を飲み込まなくてもヒリヒリしている状態です。 耐えられなくなって今日、耳鼻咽喉科に行って参りました。 もちろん診断結果はただの風邪。 今年は喉風邪がはやっているそうです。 誰から伝染ったかはもうハッキリしているのです。 ダンナです。 私に伝染した後、ダンナは全快しました。 やっぱり風邪は他人に伝染ると治るって、本当なのでしょうか。 私にとって、風邪はダイエットの大敵なんですよ。 よほどひどい風邪じゃないかぎり、食欲が落ちることってないし(単に私が丈夫なだけ?(^_^;)、普段通りに食べるんだけど、動かなくなるからその分体重が増えるんですよ。 風邪薬の副作用で眠くなるから、食べた後すぐに寝ちゃうなんてこともしますからね。 ああ、早くこのうっとおしい喉の痛みが治りますように。 そして体重が増えませんように。
2004年08月31日
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「お前……優坊か」「もうその名前で呼ぶのはやめてくれよ」 少年ーーーー優樹は口をとがらせて言った。孝敏はまじまじと優樹を見つめた。最後に会ったのは五年前、優樹の母親、優実の葬式でだったから、優樹がこれほど成長していても少しもおかしくはない。あの時、優樹は九歳だったから今は十四歳ということになる。この年頃の人間の一年は、成人してからの五年ほどに匹敵するだろう。内面には個人差はあるだろうが、外見はみるみるうちに成長していくのだ。 そう考える孝敏自体も、十四歳のあのころと、十九歳の今とでは外見はかなり異なっているはずだ。親戚のおばさんからも会うたびに「すっかり大人びて」と何度も言われる。去年の夏休みに帰郷した時、古いアルバムの中の自分を、孝敏は別人を見るような気持ちで眺めた。 それにしても優樹の変貌ぶりは、単に成長しただけとは言えないような気がする。九歳のころ、孝敏にじゃれついてきた時の無邪気さはみじんもない。春の草木のような笑みを浮かべていた口元には、皮肉っぽい微笑が今やこびりついている。 もう一つ変わったことは、優樹が母親である優実そっくりの顔立ちになっていたことだった。 幼いころは鼻水をたらしてキイキイ声でわめいてばかりいるような、どこにでもいる子供だったのに、今の姿は誰もが振り向かずにはいられないほど美しかった。ミルク色の肌に、濡れているような輝きを持つつり上がった双眸、通った鼻筋に栗色の髪。その髪が肩まで届く長さだったら、まさに優実があの世から蘇ってきたと孝敏は思っただろう。「何ジロジロ見てんだよ」 優樹に抗議されて、孝敏はようやく我に返った。 五年前の優樹は、孝敏に甘えてくることはあっても、決してこんな生意気な口は叩かなかった。とまどいつつも、孝敏は言葉を続けた。酔いがまわっているせいか、舌はなめらかに動いた。「お前がナイフなんか持ってるから、こっちだって注目しちまうんだよ。どうしてそんなもん、持ってるんだ?」「このナイフが怖い?」 優樹は孝敏の目の前にナイフをかざしてみせた。以前、少年が教師を刺したとかで話題になったバタフライナイフというやつだった。赤い柄の部分にバネがついており、刃渡りはかなり大きい。孝敏は首をひっこめたい衝動に駆られたが、優樹のニヤニヤ笑いを見てなんとかふんばった。身長が頭一つ分以上違う子供になめられる気は毛頭なかった。「お前がそんなもん持ってるから、ルミちゃんが怖がって帰っちまっただろうが」 孝敏はわざとあけすけな口調で言った。「ルミちゃんって、あのケバい女?」 優樹が少し驚いた表情で訊く。孝敏の思惑通り、まだこの少年は異性の話題にはうといようだった。孝敏は内心、にんまりしながらうなずいた。「ルミちゃんはあんたの彼女なわけ?」「年上の俺をあんた呼ばわりするな」 孝敏はぴしゃりと言い返した。優樹は首をひねってから言った。「じゃあ、”お前”」「だめだ」 つづく
2004年08月30日
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ヨン様のめがねって、あれだて眼鏡なんですってね。 「スーパーテレビ」で五十対ものめがねをスタイリストさんが持ち歩いているのを見た時は驚きました。 でもヨン様ほど眼鏡の似合う人ってなかなかいないですよね。
2004年08月29日
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ああ、平和な日本に生まれてよかった~! そう言いたくなる映画です。 日本も最近、犯罪が多くなってきたけれど、まだここまでひどくはないと思います。 だって小学生くらいの子供が、強盗や殺人を日常茶飯事でしたりはしないですから……。 舞台はブラジルのスラム街、皮肉にも「シティ・オブ・ザ・ゴッド(神の街)」と名付けられた街です。 そこには失業者があふれかえり、貧しさから道を踏み外してギャングになる少年たちも少なくありません。 やがて彼らは縄張り争いを始めるようになり、街は日夜、銃声が鳴り響くようになるのでした。 そしてその顛末は……? 最後のクレジットに「この物語は実話に基づきます」とテロップが出た時に背筋が凍りました。 殺人や強盗を悪いと認識できないように荒れた環境。 日本は豊かさゆえの心の貧しさがあるとかよく言われていますが、貧困は犯罪を生むというのもまた事実です。 また、マジメに生きていた青年が、ギャングに恋人を殺されたことをきっかけに、悪の道に進まずにはいられない運命を歩むところは本当に痛々しかったです。 たしかに復讐はむなしいかもしれませんが、彼の気持ちを考えると、ああせざるも得なかったわけで……。 なんの救いにもなっていないあの結末も、やっぱり現実はフィクションよりもさらに厳しいものなんだなあと実感しました。
2004年08月28日
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闇の中に光るナイフは、蝶の羽のまたたきに似ていた。 それが視界に入った時、孝敏はうかつにも綺麗だと思ってしまった。コンパでしこたま飲んだせいかもしれない。そしてすぐその後、自分の置かれている状況に気が付いた。 ここは孝敏が大学に通うために一人暮らししている部屋だ。そして今、孝敏の腕には市川るみがぶらさがっている。るみは香水の香りを孝敏のむさくるしい部屋に巻きちらしながら、室内のただならぬ様子に孝敏の腕にしがみついている。 今夜のコンパの帰り、孝敏はようやくるみを口説き落として自分のアパートにつれてくることに成功した。るみは美人ではないが、マスカラをたっぷり塗った目がネコみたいでそれなりに愛らしい顔をしている。いつも薄手のTシャツやパンツをまとっている体はほどよく肉感的だった。若い男女が部屋で二人っきりでこれからすることと言ったら決まっている。るみはその相手とすれば、悪くはなかった。 孝敏がほろ酔い気分で帰ってみたら、この有様である。 ナイフを持った何者かは、すっくと立ち上がってこちらへ歩み寄ってきた。夢ではない証拠に、月明かりに反射したナイフがこちらへ近づいてきて、築三十年のアパートの床はみしみしと鳴った。「きゃあ!」 るみは孝敏を押しのけて、ドアから一目散に出て行った。ハイヒールを履いているとは思えないほどの速度だった。 孝敏は一重まぶたの男らしいと言えなくもない顔を、まっすぐにその人影に向けた。 今、自分が逃げ出したら後ろから、この侵入者は追ってきて刺すかもしれない。その後、こいつは間違いなくるみを狙うだろう。 心臓が爆発しそうだった。(来るなら、来い) 孝敏は拳を握った。 孝敏より頭ひとつ分以上、その人影は小さかった。「よ、孝敏。久しぶり」 人影は気安い声をかけた 月明かりが、人影の顔をはっきりと映し出した。 丸顔ぎみの愛らしい輪郭には、大きなつりあがった瞳が輝いている。通った鼻筋に、薄い唇。どちらかというとキツい顔立ちだが、双眸が濡れたような輝きを放っているので、不思議とギスギスした第一印象は与えない。 孝敏は我知らず叫んでいた。「優実さん? 優実さんなのか?」 孝敏は人影を抱きしめた。そいつがナイフを持っていることは酒の力も手伝って、頭から吹っ飛んでいた。だが、そのだき心地は孝敏の期待した、ふんわりした女性のそれではなく、骨っぽくてやせた体のものだった。 人影は孝敏の腕の中でそっけなく言った。「俺、優樹だよ。優実の息子の優樹。俺の母親が三年前に死んだってことは、あんたも知ってるだろ?」 孝敏はその声に冷水を浴びせられたかのように、あわてて体を離した。 孝敏にその少年はナイフを手にしたまま、ニッと笑いかけた。 つづく
2004年08月27日
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やっぱりこの映画は、スクリーンで観ないと醍醐味が楽しめないだろうと思って観て参りました。 どうしちゃったんだ、大友克洋! 感想はこれにつきます。 莫大な制作費と十年にわたる歳月をかけて作ったのが、この作品ですか。 はあ。 テニビアニメの1クールくらいならこの出来でも許せるんですが。 なんだか四十年くらい前の科学少年漫画を最新の作画で見せられたような作品でした。 詳しく書くとネタバレになるのでやめておきますが、まずあらすじからしてありがち。 このストーリー展開の作品を新人漫画家か小説家が、編集部に持ち込みに行ったら「アイディアにひねりがない」と即座に却下されることでしょう。 キャラクターもステレオタイプすぎて、おもしろみがありません。 目玉となるはずのアクションシーンの演出も、ダラダラしていてハラハラできないのです。 ストーリーを展開させるのに精一杯、という風情です。 この作品はデジタルアニメーションだそうですが、大友さんはデジタルアニメというコンテンツを充実させることだけに神経を使ったのではないでしょうか。 でもいくらハイ・クオリティのデジタルアニメだからといって、そういったものは私のような素人の観客には些細なことなのです。 コミックの大友作品が注目を集めたのは、驚異的な作画力もさることながら、その語り口のおもしろさだったのではないかと推測してみます。 たとえば「AKIRA」の主人公、金田。 SF漫画のヒーローのはずなのに、女性は妊娠させるわ、人類存亡の危機をはらんだ非常事態が起こっているのにまるで理解していないわの人物です。 こういったキャラクターはそれまでのシリアスなSF漫画にはあまりいなかったような気がします。 そこに大友さん独自の「人間なんてこんなものさ」というブラックかつユーモラスな視線を感じたのでした。 そこが大友作品の個性だったと私は思うのです。 あの写実的な作風も「人間の顔って、そんなにきれいじゃないよね」といった気持ちのあらわれだったかもしれません。 そういったひねくれたおもしろさは、初期作品の短編にはあふれていました。 それまでの漫画漫画したドラマチックな演出の他作家の作品に慣れていた読者は「この手があったか!」と大友作品に注目しはじめたのではないでしょうか。 「スチームボーイ」にも、科学者の大仰な演説には耳を貸さず、ひたすら口げんかしている主人公とヒロイン、といった部分にかつての作風の名残は感じます。 でも演出が一本調子なため、笑えないのです。 大友さんは「AKIRA」連載中に「シリアスなシーンは照れくさいので、なるべくチャチャを入れるようにしてきた。でも最近はそういうのを省くとストーリーが進めやすいというのがわかったのでなるべく描くようにしている」といったようなことをインタビューで語っておられました。 ちょうどそのあたりから、金田くんも妙にマジメな少年になっていきました。 きっとアニメ版の「AKIRA」を制作して、アニメスタッフと作業をするうちに考え方が変わったんでしょうね。 まあ、正攻法になったのかもしれませんが。 「スチームボーイ」はパート2を制作するそうですが、このままじゃあまり見に行く気がしないのでした。 大友さん、少し自分を見つめ直してはいかがでしょうか……。 かつてのファンとしてはつらいです。 それともこの作品で新たな大友ファンが獲得できるのかな?
2004年08月26日
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きっと今回のアニプリが放映終了後、「テリーがどう見ても女だ」「せめて男言葉くらい使わせてあげれば?」というネタは、リョーマが今まで打ったサーブの数より多いことでしょう。 アニプリスタッフは確信犯でやってますね。 テニプリは女性キャラクター率が低いから、もう女性のつもりで描こう! と思って、テリーというキャラクターを作ったのでしょう。 華村先生も出番多いしね。 今回、前半部分は「これ本当に、テニプリ?」といった内容でした(^_^;)。 ただ単にアメリカチームの話がメインになっていただけなのですが。 しかし、あのカウボーイハットのビリーくん、お嬢様に認められたいんならわざわざテニスをやらなくてもいいと思います。それともお嬢様がテニスが好きだったのかな? 本人もテニスプレイヤーだとか。 「テニスを極めたら、彼女を迎えに行く」なんてビリーは宣言していますが、それ以前に彼女はビリーに興味がなさそうなんですが。 跡部あたりに彼女がメロメロになったりしたら、ビリーはきっと怒り狂うんだろうなあ。 ケビンとビリーが仲良く? なったのは、お互いどこか周囲の環境になじめない者同士、つきあうようになったのかもしれませんね。 いえ、ビリーがケビンに同情したのかもしれない。 ビリーも田舎から出てきて、いろいろと悩むこともあったでしょうから、ケビンの心の痛みが理解できたのかもしれませんね。 ビリーが牧場を離れた理由って、何なんでしょうね? さて、跡部ですが。 マイケルの挑発に乗ってしまいましたね。 真田に「自分のペースを崩すな」と言われた時、どんな表情をしていたんでしょうね。陰で隠れていてよくわからない演出になっていたんだけど、きっとへこんでたんでしょうね。だからそんな表情を見られまいとしてうつむいていたってことなんだろうなあ。 アニプリはキャラクターのこういう人間的な弱さを描くから好きです。 跡部はきっと居丈高な態度で自分を守っているようなところがあるんだろうなあ、と思いました。 リョーマも似たところがあって、その気持ちがわかるから選抜メンバーに落ちたリョーマにキツい言葉をかけるふりをして、励ましたのではないでしょうか。 真田が挑発されたらどうなっていたんでしょうね。 真田も結構挑発には弱いような気がしますが。 おそらく跡部のタンホイザーサーブはこの後、アメリカチームに破られてしまいそうですが、がんばれ、跡部! アニプリの跡部って、顔はともかくこういうところが年相応って感じで観ていてほほえましいです。 原作のひたすらかっこいい跡部もいいですけどね。 しかし今回、桃城も海堂も登場しませんでしたね。 観客席のツッコミ役として出てほしかったんですが。
2004年08月25日
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私はこのアニメは初回から今までずっと観ています。 少年少女がロボットに乗って戦うSFものというのは、やはり機動戦士ガンダムとの出会いがあったせいか、とても惹きつけられます。 それにファフナーはキャラクターデザインもとてもいいと思ったしで、初回から期待して観ました。 それなのに、なぜ今までこのアニメの感想を書かなかったのかと申しますと。 何がなんだかよくわからなかったからです(^_^;)。 いえ、あらすじはなんとなくわかりますよ。 主人公たちが使徒……じゃなかった、謎の宇宙人とロボットで戦うお話ですよね? それで、どうやらそれは世界の存続に関わっているんですよね? だけど、それ以外のことがいくら画面を観ていてもよくわからないのです。 それ以前に、主人公たちのことがよくわからない。 設定がわからないのに加えて、彼らがどういう人格なのかがよくわからない。 前回、主人公を守るために一人の少女が身を犠牲にしましたが、あの主人公は彼女が生命を賭して戦うほどまでにすばらしい少年なのでしょうか? もしそうでなくても、一人の少女がそこまでするにはなんらかの理由があるはずです。 彼のここが好き、だとか、こんな思い出があるとか。 その部分がすぽーん、と抜け落ちてしまっているので、本来は泣けるはずの少女が生命を落とすシーンも「ああ、そうなんだ……」とぼんやりと観ていることしかできません。 公式サイトに行くと、この作品のウラ設定がたくさんあるのですが、その設定がほとんど作品に生かされていないような気がするのです。 これは昨今のSFアニメの多くに見受けられることなのですが、設定というのはあくまで作品を彩るものですよね? SFでもファンタジーでも、ドラマを楽しむために存在するのだと思います。 ドラマとは、葛藤です。 主人公がある問題にぶちあたって、そこでどう考えてどう行動していくかに観客は興味を抱くのです。 「ガンダム」や「エヴァンゲリオン」といったSFアニメが大ヒットしたのは、この主人公の煩悶を視聴者の共感を持って描けたという点に実はつきるのではないでしょうか。 「ガンダム」の世界観や「エヴァンゲリオン」の謎はあくまで、作品のスパイスであって、それが中心ではなかったと思うのです。たしかにスパイスも大事ですけれどね。 「ファフナー」は作画や音楽がハイクオリティだけに、この「設定病」に冒されているのが残念でなりません。 まだ最終回までにはだいぶ間があるので、その間になんとかなってくれないかなあと願っているのですが。 OPテーマは大好きです。CD買いました。
2004年08月24日
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私が今、もっとも注目している声優さんは木内秀信さんです。 今ひとつ声優ファンには注目されていない気がするんですが、結構いろんな役をやっておられますよ。 メジャーな作品どころでは、「テニスの王子さま」の忍足とか、「MONSTER」のドクター・テンマとか。 「テニスの王子さま」では河村の父親である寿司職人のオヤジさんまで兼任しているのですが、あの声を聞くと、どうしてもこの人が忍足を演じているとは思えません(^_^;) 忍足はキャラクターソングも出ていて、「キャップと瓶」のユニットのメンバーであるほどの人気キャラクターです。 そしてドクター・テンマにいたっては主人公役。 それなのに、なぜあまり木内さんが注目されないかというと、木内さんはあまりにも役柄を演じ分けすぎるからだと思うんです。 まさに七色の声。 器用貧乏、とも言いますが(^_^;) 木内さんは、うまくいい役どころをこれからどんどんつかんでいければ、第二の山寺宏一さんのポジションも夢ではないと思います。 それくらい木内さんの演技は自然だし、声の使い分けもお上手です。 今のところ、十年前の石田彰さんみたいな感じなんですよね。メジャーな作品には出演しているんだけど、これといった大人気キャラクターを当ててはいないという。 石田さんは渚カヲルくんで大注目されましたが、木内さんはどうなるんでしょうね。 これから吹き替え中心にシフトしていくって手もありますが。 でも、木内さんってまだ28歳なんですよね。 落ち着いた声なので、30代半ばくらいだと思っていました(^_^;)。 これからの活躍が楽しみです。 私の木内さんが演じるキャラクターの中で一番お気に入りなのは、ドクターテンマです。 誠実で優しそうで、ちょっと煮え切らない感じを見事に演じられていると思います。
2004年08月23日
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たった今、「冬のソナタ」最終回を見終わりました。 うーん、正直言って少々展開に無理があるかな、という感じです。 「冬のソナタ」は、「ものしり一夜づけ」という番組によると、韓国の視聴者の投書によって結末が変えられたんですよね? おそらくその結末とは、チュンサンとユジンが兄妹で二人は別れてしまうといったものだったと思います。 だって、そうなるように伏線がはりめぐらされていたんですから。 今回の結末だと、チュンサンがポラリスペンダントを海に投げ捨てたりとか、ユジンとああまでして結婚式を挙げようとしたのにサンヒョクにたしなめられてあっさり身を引こうとするあたりとかどうもつじつまが合わないような気がするんです。 どう考えても悲恋物語として作られていたと思います。 たしかにユジンとチュンサンが別れてしまったら悲しいけれど。 今回、一番心に残ったシーンは、チュンサンが「不可能な家」でひとりぼっちで「ユジン、この家を気に入ってくれたかい?」とつぶやくところです。 そのシーンのチュンサンの切ない微笑はもう最高でした。 このシーンのために、「冬ソナ」は作られたんじゃないかと思うくらいでした。 しかし、サンヒョクはこれからどうするんでしょうね。 彼がチュンサンに投げかけた「君は僕の家をメチャクチャにした」というセリフは、彼の本音だったと思います。 あの穏やかな彼が、あそこまで言うってことはよっぽど腹に据えかねていたのね。 べつにチュンサンが悪いわけじゃないんですが。 今後のサンヒョクに幸あれ!
2004年08月22日
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私は黙ってうつむいた。イアンが心配そうに声をかける。「どうした? 気分でも悪いのか」「そうじゃなくて……」 私は言葉を選びながら、ゆっくりと話し始めた。「村のみんなが怒るんじゃないかって。兄妹で子供を作ったりしたから」 イアンが大きな声で笑い始めた。私は怒りで血の気が引くのを感じながら、言った。「何がおかしいの?」「いや……マリアちゃんも母親になるってのに、まだまだ世間知らずだからさ」 イアンは真顔になった。「マリアちゃんは今や、村人たちの希望の星さ。だって、その赤ん坊が人魚から自分たちを守ってくれるんだからな。人間社会のルールなんてそんなもんだよ。すべて自分たちに都合のいいようにできている」「でも、その子は……」 イアンは私の頭をぽんぽん、と軽くたたいた。「たしかに平和な世の中だったらさぞや偏見の目で見られるだろうよ。だが、今、俺たち人間は人魚に存在をおびやかされているんだ。俺とナギサは人魚の研究をするうちに出した結論はこうだ。人魚ってのは、進化した人類なんじゃないかと。こんなに陸地がなくなって、海ばかりが広がった世界で、水の中で生きられない人間がどうやってこれから生活できるっていうんだ? 人魚に噛まれた人間が、人魚になるのは神の救いかもしれない。生き延びるために人魚になれって、神さまってやつが言ってるのかもしれない。俺たち人間は、海に帰ろうとしてるんじゃないかって、ナギサは言っていた」 私は唇を噛んだ。お兄ちゃんがそんなことを考えていたなんて、私は知らなかった。お兄ちゃんはさぞや悩んだことだろう。 イアンは私を励ますように語りかける。「でも、マリアちゃんとナギサの子供が、俺たち人間を助けるかもしれない。俺たちに生き延びる道を与えてくれるかもしれないんだ」 私は思った。生きていこう、と。お兄ちゃんのいないこの世界にも、生きる価値はあるかもしれない。 私を必要としてくれる人がこの世にはまだいるのだ。少なくとも、お腹の子は、私に生きて自分を生み出してほしいと願っている。 お腹の大きくなった私に、リナが教えてくれた。 今日、屋敷の窓から一匹の人魚が中をのぞいていたそうだ。人魚の首には、リナが私にくれたペンダントがかかっていた。人魚はリナの姿に気づくと、すぐに逃げていったという。 お兄ちゃんだ、と私は思った。 リナも同じことを考えたのだろう。笑いながら泣いていた。 私は強く刀でお兄ちゃんを刺せなかったから、お兄ちゃんは死にきれなかったのだ。そして人魚になった。 もし人魚になったお兄ちゃんが、私たちを襲ったら私はお兄ちゃんを今度こそ殺そう。 私は赤い傘を握りしめながら、今日もそう誓う。 生きて、生きて、生き延びろ。 私のお腹の中の小さな海は私にそうささやくのだ。 たしかなことなんて何もないこの世界だけど、生きていけと。 終わり
2004年08月21日
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お兄ちゃんは何度も自分の体を私に打ち付けた。 私の体は小さくて、それを受け止めるのは始めはとてもつらかったけれど、だんだん慣れてきた。 それにその痛みは、私の中にお兄ちゃんがいる証なのだ。私は幸せだ。 私たちはいつしか日にちの感覚をなくした。獣の匂いがするようになった部屋の中で、私たちの髪や爪だけが伸びていく。それだけが唯一の日付の印だった。 いや、それ以外にもう一つ、忌まわしいカレンダーがある。 お兄ちゃんの体に増えていく鱗の数だ。鱗は夜の間、暗くなった部屋の中で青光りした。「綺麗……」 情けなさそうな表情で、胸元に生えた鱗を見つめているお兄ちゃんに私はそう声をかけた。お兄ちゃんは微苦笑して私を見つめる。お兄ちゃんの体にはいくつかのひっかき傷がすでにあった。お兄ちゃんが鱗をはがそうとして、自分の体を強くひっかいたためのものだ。それでも鱗はすぐに生えてくるので、お兄ちゃんはそれをはがすのはもうあきらめた。 お兄ちゃんは泣いた。 私はお兄ちゃんが泣くのを見るのは初めてだった。「ごめん、マリアを心配させちゃって……泣いたって意味がないのにな」 お兄ちゃんはそう言って、恥ずかしそうに拳で涙をぬぐった。 けれども、涙はとめどなく流れてくる。私はお兄ちゃんの涙をキスでぬぐった。次に、お兄ちゃんの胸元の鱗にも口づけた。とがった鱗が私の舌を刺した。 しゃくりあげるお兄ちゃんを、私は抱きしめた。 やがて、私の体にも傷跡は増えていった。お兄ちゃんの爪がとがってきたのだ。お兄ちゃんはナイフで爪を一日に幾度も切るようになった。爪はすぐに生えてくる。 それでも私とお兄ちゃんは抱き合うのをやめなかった。 私たちが一緒にいられる時間は、もう残り少ないのだから。 お兄ちゃんはどんどんふせっている時間が長くなった。微熱が続き、すでに全身は鱗に覆われている。歯はとがって、牙になった。「マリア、早く僕を殺して。愛しているよ」 お兄ちゃんはそう言って、私を見つめた。私の大好きなお兄ちゃんの切れ上がった双眸は、すでに丸くなっていた。 ママの時と同じだ。人魚化の最終段階を迎えたのだ。 私は赤い傘を手に取った。初めてお兄ちゃんと出会った時、お兄ちゃんがさしかけてくれた赤い傘。お兄ちゃんのパパの形見である傘。お兄ちゃんのパパが、ママのために作った傘。私とお兄ちゃんがよく相合い傘をした傘。 私は傘の柄の部分を引き抜いた。お兄ちゃんが数日前、教えてくれた通り柄の内部は刀になっていた。”父さんはね、死にたくなったらいつでもこれで、君の母さんが死ねるようにこの傘を作ったんだって。君の母さんはよく言ってたよね。自分が納得できない人生だったら、さっさと死んでやるって。これはきっと僕の父さんなりの、君の母さんへの愛情表現なんだよ” お兄ちゃんは苦しい息の下、どこか楽しそうにそう語った。お兄ちゃんが私に唯一話した、お兄ちゃんと私のママの思い出話だった。「お兄ちゃん、大好き。すぐいくからね」 私はそう言って、お兄ちゃんの体に刀をつきたてた。 お兄ちゃんは牙だらけの口で微笑んで、私の腕に水かきがついている手を触れた。お兄ちゃんが息絶えるまで、その手は私を優しくなでていた。 私はお兄ちゃんのなきがらから、刀を引き抜いた。 深紅の噴水みたいなお兄ちゃんの血が、私の全身にかかった。 私は血まみれの刀を自分のおなかに突き刺そうとした。怖くはなかった。お兄ちゃんのところに早くいきたかったから。 だが、刀はぐにゃりと折れ曲がった。”コロサナイデ” 頭の中に、声が響いたような気がした。 私は自動車をとばして、村長の屋敷へ戻った。イアンに自分の体を調べてもらいたかったからだ。 屋敷に戻ったら、私は村人たちからさぞかし兄と交わった犬畜生にも劣る人間だとののしられるだろうと思っていた。 けれど私の予想に反して、私は村人たちから英雄扱いされた。 人魚が私には、なぜかひれ伏すからだ。 私が戻った時には、屋敷の中の村人の数は四分の一ほどになっていた。人魚に噛まれたことを隠していた村人が幾人かいて、人魚化したのだという。 そして、他の村人たちを襲って食い殺すか、人魚化へ導いたのだ。 私が屋敷に足を踏み入れた時、村長たちは一匹の人魚に苦戦していた。 村長たちは弓矢で、人魚と応戦していたが、人魚はそんなものをもろともせず、村長たちのバリケードにつっこんでいく。 その人魚が、私を見た途端におとなしくなって、私のもとにひざまずいたのだ。その隙に、村長の「かかれ!」という命令にしたがって、人魚には銛が打ちこまれた。「妊娠してるな」 私の体を診断した後、イアンが皮肉っぽさとすがすがしさの同居した笑顔で言った。「おめでとう」「誰の子かは聞かないの?」 私はお腹に手を押さえながら言った。「君の一番愛している男の子供だろう?」「その通りよ」「そして、腹の中にいるのは……」「人魚の顔をした子供」 私の答えに、イアンは肩をすくめた。「そいつは今のところわからない。ただひとつ言えるのは、その赤ん坊は人間の赤ん坊とまったく違うってことだ。その子が君のお腹にいる間は、人魚は君を襲わない。調べてみたところ、その赤ん坊の心音は一種の超音波を発している。おそらくそのためだろう」 つづく
2004年08月20日
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今週分の放映終了後、あちこちのテニプリ関係のサイトでこんな書き込みがジャンプの発行部数より多くなされていることでしょう。 テリー、どう見ても女性キャラ。 兄(弟?)と一緒に写っているポスターなんて、恋人同士のスナップショットかと思ってしまいました。 だって唇なんてピンク色に塗ってあるんだもん。 アンドロメダ瞬だって、ピンクの聖衣は着てたけど、ピンクの唇はしてなかったぞ? と年のバレるツッコミをしている私。 アニプリスタッフはきっと不二、幸村に続く女性的な美形キャラを作りたかったんだろうけど、これはハズしているかも。 女の子って、女っぽいけど強い美形キャラは好きだけれど、女にしか見えない美形キャラクターは好きじゃないですからね。 せめて声だけでも男性にすべきだったかも……。 余談ですが、あのグリフィー兄弟って、オレンジとグリーンという髪の色も手伝って、なんとなくアンジェリークキャラみたいじゃありませんか? なんだか今回はオリジナルの美少女キャラクターまで登場して、あんまり「テニプリ」って感じがしませんでした。 あの美少女ペア・ジェリービーンズは何かの伏線なんでしょうか? 菊丸はチョコレーツの大ファンなんだから、ドリームチームの試合を前にしても「ジェリービーンズのサインがほしいにゃ~!」と大騒ぎしてリョーマにあきれられるシーンが欲しかったです(^^; 桃城がミーハーなのは分かるけど、海堂がサインをもらっていたのは意外でした。私は乾あたりが密かにはしゃいで写真を撮りまくったりすると思っていたんですが。 今回、「テニスの王子様」らしさを感じたのはこの桃城と海堂の口ゲンカのシーンくらいでした。 今のドリームチームの話の展開って、キン肉マンとか、リングにかけろなど、昔のケレン味たっぷりのジャンプ漫画を思い出しちゃうんですよ。 このアニプリの展開って、現実ではどう考えてもありえないでしょ? 中学生の試合の前座に、アメリカの一流アイドルが来るなんてね。 今のジャンプ漫画って、こういうつっこみどころ満載の展開が減りましたからね。 テニプリも超中学生級のテニスプレイヤーたちが登場しているけれど、舞台となるのは全国大会だからぶっとんだ舞台設定じゃないし。 アニプリの制作者さんたちって、きっと昔のジャンプの熱心な読者だったんだろうと思います。 さて、跡部と真田のダブルスですが。 こうなるんじゃないだろうかと予測はしていました。 この二人って正反対ですからね。 お互いの言うことなんか聞かないでしょう。 華村先生もそこのところをしっかり考えないと(^^; これから二人でチームワークを築いていくんだろうけど。 ふと思ったんですが、華村先生と跡部ってノリが似てますね。お互い美形だし、ナルシスト入ってるところとか、キザなところとか。 この二人って、もし二次創作で男女カップリングの話を描くとしたら一昔前の少女漫画の敵役カップルみたいですね。 しかしアニプリは華村先生登場率が高いなあ。 今回、選抜チームを引率するのは氷帝の先生だと思っていました。 さて、ラストの一枚絵。 桜乃ちゃんと朋香ちゃんとは驚きました。 私はてっきりジェリービーンズのサインをもらいに行く海堂だと思っていたのです(^^;
2004年08月19日
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予告編だけれど、初めてあのキャラクターが動く姿を観ました。 やっぱり絵はものすごくキレイです。ジブリならではの穏やかな水彩画のような色調で、劇場からもため息がもれていたほどでした。 この予告編に登場したのは、ハウルとハウルの弟子の少年、そして老婆となったヒロインと、魔女でした。 セリフが入っていたのは魔女役の美輪明宏さんのみだったと思います。 美輪さんは「もののけ姫」と同じくまさにハマリ役! といった感じでした。本編を観ないと真価は不明ですが、おそらく当たり役だと思います。 問題はハウルのキムタクですが、セリフは入ってなかったんですよね。まだアフレコしていないんでしょうか? 私は現在、原作を読んでいるのですが、原作のハウルはハンサムだけれど、どこかナヨっとしたところもある美青年なんですよね。口数も多いし。 キャラクターデザインを見ていると、原作のイメージにはぴったりなんですが、はたして声は? キムタクは器用な人だとは思うんですが、あまり通る声ではないので、アニメのアフレコに向いているかどうか少し心配です。 願わくは、「もののけ姫」のサン状態になりませんように……(サンのファンの方、ごめんなさい)。 最近、宮崎アニメが変わったなあと思うのは、「千と千尋の神隠し」あたりから、男性美形キャラクターが登場するようになった点ですね。 昔はこの人のアニメって、かっこいい男性キャラクターは皆無と言っていい状態でしたからね。 美少女キャラクターは山ほどいるんですが。 しかも男性キャラクターが興奮した時に見せる表情は、心なしか宮崎監督そっくり。 自分を投影していたのかもしれませんね(^_^;) さらにこの人の作品は、ヒロインが結局誰とも結ばれないで終わる場合が多いんですよね。 「コナン」の水中でのキス? が最大のラブシーンかな。 ラピュタも、シータとパズーがあれからどうなったかは不明だし。 この「ハウル」の原作は、ファンタジーの形は借りているんだけどラブストーリーなんです。 こういう素材に挑戦するようになったとは、宮崎監督も心境の変化がいろいろあったんでしょうね。
2004年08月18日
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私は少し考えてから言った。「ママと、お兄ちゃんのパパだってものすごく仲がよかった時期があったと思うの。ほら、大人がよく言うじゃない。愛し合ってた、っていう時期」「けど、人間の気持ちなんてすぐに変わってしまうんだ」「それはそうかもしれないけど、その時々の気持ちは本物だったんじゃないかしら。ママは気まぐれでワガママな人だけど、素直で正直な人だったと今になって思えるの。ママ、よく言ってたわ。私は死ぬまで、自分が好きだと思った男と恋がしたいって」「そのあげくに体を売って生活していたなんて、まるで悪い冗談さ。マリア、僕たち、押入れの隙間から見ていただろ。ママが男たちにどんなことを要求されていたか」「……たしかにそうだけど。でも、私、ママの気持ち、ちょっとわかる。いいえ、すごくわかるようになっちゃった……」 私は、息を詰めた。 そのまま目をギュっとつぶって、お兄ちゃんにキスをした。 お兄ちゃんの唇の感触は、ふんわりしていてやわらかかった。 私は、おそるおそる目を開けた。お兄ちゃんの表情を見るのが怖かった。「ごめんなさい……マリア、悪い子ね」 私の視界に入ったお兄ちゃんの表情は、どこか悲しげだった。 お兄ちゃんの双眸は、初めて会った時、崖っぷちに座り込んでいた私に向けられたものと同じだった。 笑っているような、泣いているような、とても深い色のまなざし。「本当に悪い子だね」 お兄ちゃんはそう言って、私の頭を抱いた。「僕だって、悪いヤツだ。ずっと、マリアのことが好きだった。妹としてじゃなく、一人の女の子として。こんなふうに」 お兄ちゃんは私の唇を吸った。私のしたキスと違って、もっと大人っぽいキスだった。ママとイアンがしていたキスだった。「こういうことをする僕は嫌いかい?」 お兄ちゃんは私の顔をのぞきこんで言った。私は首をふるふると振った。「好き。いつものお兄ちゃんと違って、ちょっと怖いけど、好き」 お兄ちゃんは「ありがとう」と笑った。私は泣いた。「どうして泣いたりするの? やっぱり僕のしたことがいやだったの?」 お兄ちゃんがあわてて私の涙をぬぐう。「ううん。お兄ちゃんが私のことを好きだって言ってくれて、うれしいの。だってお兄ちゃん、リナと婚約しちゃうし、私のことをずっと避けてるみたいだったから……」 お兄ちゃんはしゃくりあげる私を、自分の胸に抱きしめながら、「よしよし」と私の背中を優しくたたいた。「僕だって悩んでたんだよ。半分しか血がつながらないとはいえ、妹のことが一目会った時から好きだったんだから。他の女の子に興味を持とうとしたこともあった。だけど、やっぱりマリアに目がいってしまうんだ。でも、兄妹同士で結婚することはできない。だから村長にすすめられるまま、リナと婚約した。リナはきついけれど、悪い子じゃないからね。ずっと一緒に暮らしているうちに、マリアのことを忘れられると思ったんだ。そのうちマリアにも好きな男ができるだろうって。だけど」 お兄ちゃんは腕の包帯を解いた。むきだしになった腕には、人魚の牙の跡が刻印になっていた。「僕にはもう、残された時間がない。だから自分の気持ちに正直になってみようって思ったんだ。マリアについていこうって決めた時、そうしようって思った」 お兄ちゃんは包帯を巻き直した。「僕、村長に毒薬を飲んで自害しろって言われたんだ。表向きは心臓麻痺ってことで片づけるからってね。そう言われた瞬間、血の気が引くってこういうことなのかって身をもって実感したよ。自分だって、人魚になった母親を殺したくせにね」「お兄ちゃんは私のイヤがる仕事をしてくれたのよ。お兄ちゃんはいつもそうやって、私を守ってくれた。助けてくれた。お兄ちゃんがママを殺してくれなかったら、私がママに食い殺されてた。さもなかったら、私がママを殺さなくちゃいけなかった」 私はお兄ちゃんの包帯を巻いた腕の上に、そっと自分の手をのせた。「マリア、もし僕が人魚になったら、僕を殺してくれ」 私はうなずいた。「お兄ちゃんを殺して、私も死ぬ。一緒に、深い深い地獄の底に落ちようね。誰も来られないような奈落の底に」 私はベッドの脇に置いておいたバックから、二つのペンダントを出した。太陽と月のレリーフが彫ってあるペンダントだった。「これ、リナからもらったの。大昔の恋人同士がつけていたペンダントなんだって。村長が貿易で手にいれたそうよ。リナはお兄ちゃんとの結婚指輪がわりにするつもりだったらしいの。私に代わりにつけてって」 こんなもの、みずぼらしすぎて私には似合わないわ。リナは無理して笑いながら、そう言っていたっけ。 私はお兄ちゃんの首にペンダントをした。私も同じようにする。「ねえ、マリア。僕のことどう思ってる?」「好きよ。大好き」「どういうふうに好き?」 私はお兄ちゃんにもう一度キスした。今度はお兄ちゃんがしたみたいな、深いキス。「お兄ちゃんはどうして私のことが好きなの?」 今度は私が質問した。「わからない。そう言うマリアは?」「わかんない」 私たちは笑い合った。お兄ちゃんはふとマジメな表情になって言った。「どうして僕たち、生きてるんだろうね。こんなひどくてイヤな世の中に」「わかんない。けど、生きてるから私たち、出会えたんだよね?」 お兄ちゃんは私を抱きしめた。 そうして、私たちはひとつになった。 つづく
2004年08月17日
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全編を見終わっての感想。 これ、子供向けじゃないですよね? 映画会社はファミリー向け映画として、宣伝を打っていますが。 CM映像でもよく使われている長靴をはいた猫の上目づかいのかわいい表情(実際に劇場でもカワイイ! と女性客の黄色い歓声が聞こえてきました)も、かなり凶悪なオチがついているし。 特にピノキオの下着のネタなんて、子供が「ママ、あれどういう意味?」と尋ねてきたら、ママは返答に詰まるのではないでしょうか。 でもあのネタって、原典の「ピノキオ」のパロディとしてはそれなりにつじつまがあってるんですよね。 だって、ピノキオを作ったジュゼッペじいさんって生涯独身で、かわいい息子がほしくてピノキオを作ったんですよね? 生涯独身で。 ええ、生涯独身で。 だからジュゼッペじいさんとピノキオって(以下、自主規制)。 とにかく全編がこういった、フェアリーテイルをおちょくりまくったネタでいっぱいなのであります。 子供が見たら夢が壊れるのではないかと。 今時の子供はドライだから、これで大爆笑しているかもしれませんが。 前作「シュレック」の隠れたおもしろさの一つは、ディズニー王国に対して、けんかを売っているところだったと思うのですが、今回はハリウッドにもケンカを売っていましたね。いや、ハリウッドというより、あれは「とにかく外見さえキレイならシアワセになれるんだ!」という現代アメリカ社会に対してかもしれませんね。 魔法使いが出てきて、「美容整形してキレイになれば、どんなストレスだってふっとんじゃう」と歌いだしたのには笑えました。 ところで、この映画、いろんなパロディがあるんですが、1970年代のB級ホラー映画「魔鬼雨」までありましたね。きっとスタッフの中には少なからず、ホラーマニアがいるんだろうなあ。 ホラーファンって、こういうブラックな感じの笑いが好きな人、多いしね。
2004年08月16日
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ジャンプ誌上では現在、この二人の長かった試合が終わったところです。 あんまり同人誌やネットでは見かけないのですが、真田×リョーマなんてのはいかがでしょう? この二人って、ボーイズラブネタにあまりならないのが私にとっては不思議な気がするんです。 なぜなら、原作ではリョーマは真田に初めて会った時、切原との戦いに疲れて、真田の腕の中(大げさな表現かもしれないけれど、原作で本当にそうなってるんだから仕方ない(^_^;)で気絶しています。 アニプリでは真田にこてんぱんにやられて、くやしがっているし。 さらに原作では、試合中、リョーマは真田に猛烈に攻められて、今までには見せなかったような追いつめられた表情をしたりしています。 あの試合では、リョーマは初めてトレードマークの帽子を脱いで戦っているんですよね。 なんだかプライドをはぎ取られて、むき出しの状態のまま戦っているといった風情で、いつもの余裕たっぷりのクールなリョーマを見慣れた身としては、なかなかおもしろく、さらに色っぽいなと思ったのでした。 ゼエゼエと息を荒げつつ、膝をついたままの状態で自分を見下ろしている真田をにらみつけているリョーマという絵柄はこのままベッドの中でも通用するシチュエーションだなあと妄想したりして。 ボーイズラブによくあるシチュエーションとして、鼻っ柱の強い受けが、自分よりはるかに大人びていて、なおかつ腕力も知力もすぐれた攻めに力づくで押し倒され、結果的に二人は愛し合うというネタがよくあります。 真田とリョーマって、これにぴったりだと思うんです。 今日は東京でコミケが開催されましたが、この二人の本ってどのくらいでているんでしょうね。 ちょっと興味があるところです。
2004年08月15日
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まずはこの腐女子というネーミングに、どなたが思いついたかは存じませんが、「オタク流行語大賞」をさしあげたいと思います。 絶妙ですよね、これ。「私の頭の中なんてどうせ煩悩で腐っているのよ」という自嘲と、「でもやっぱり楽しいもんね~」というお気楽さが漂っています。 おそらくは「婦女子」をパソコンのワープロ機能が誤変換したところからできた単語なのでしょうが、いや、なかなかどうしてすばらしい。 「ボーイズラブが好きな女性」とか、「女性アニメ、コミックファン」とか「女オタク」なんていう今まで使われた名称はどっかやぼったくてまどろっこしかったもんね。 さて、本題に入ります。 私の腐女子街道の第一歩は、古本屋で立ち読みした「左利きのイワン」という萩尾望都さんのSF短編でした。 萩尾望都さんといえば、この手のボーイズラブ、もとい少女漫画のホモセクシュアルな作品の歴史を語れば、必ず「トーマの心臓」で登場する作家さんです。 でもこの「左利きのイワン」は片腕を事故で失った孤独な男性が、犯罪者として転落しつつも、別れた妻を想うというホモセクシュアルどころかボーイズラブのカケラもない作品です。 そのどこが私の腐女子街道の第一歩だったかというと、このイワン、私がそれまで読んできた少年少女漫画のかっこいい男性キャラクターと違い、非常に弱々しかったんです。 自分から妻と別れたくせに、いつまでも妻に未練を残してシクシク泣くし、それでいてそれを他人に指摘されると激怒する。犯罪をおかすときはあくまでもクールという二面性を持っている。 こういう女々しくて、なおかつ生々しいキャラクターは私には絶大なインパクトがありました。「こういう男の人も、この世界にはいるんだあ」という。 今思えば、私はイワンに異性として惹かれていたのですが、小学生の私にそんなことはわかるはずもありませんでした。 このイワンの性格は、今から考えるとボーイズラブの受けに多い性格なんですよね。 向こうっ気と自尊心は強いんだけど、どこかかよわいという。 実際にこういう男性がいたら、ドメスティックバイオレンスでもやらかしそうで、絶対に恋人にはしたくないんですが、フィクションの上でならOKということで。 ボーイズラブのいい点は、女性である書き手読み手が、男性の立場にも立って、男性の視点でものが見られるところにもあると思うのです。だからいろんなキャラクターに対して、許容範囲が広くなれるような気がします。 それ以後、いわゆる同人誌ブームが来て、いろんなアニメや漫画をネタに友達と騒いだりもしましたが、そんなに熱中する作品はなかったですね。 同人誌はやっぱりおやつで、主食はそのもとになるオリジナル作品だったというか。 友達と同人誌を読んで、「あのキャラクターはこんなことを言わないよね」とか、「このシチュエーションはキャラにぴたtりだよ」とか言い合うのが楽しかったんです。 つまり、作品にハマって、二次創作を読むことによって、友達とコミュニケーションしていたわけです。現在も続く同人誌ブームhばこういった他者とコミュニケーションできる部分にもあるのではないでしょうか。 そんな友達の一人が、「漫画研究部の友達にとってもいい漫画を教えてもらったから、あなたも読んでみて」と手渡されたのが。 あの竹宮恵子さんの「風と木の詩」でした。 「風と木の詩」は、「トーマの心臓」と比べると、現在ではどうも評価が低い作品のような気もします。 今から二十年以上前の作品発表当時、作者がベッドシーンをソフトに演出するために描き込んだバラや、石森章太郎氏に影響を受けた画風が古くささと滑稽さをかもしだしてしまっているというか。 どうもからかいのネタにされることも多いような気もするのです。 余談ですが、NHKのBS漫画夜話で昨年、この「風と木の詩」が取り上げられました。 少女漫画には特に辛口のコメントを寄せることの多いあのレギュラー陣が「これは名作です」と口をそろえた時は、ああ私の見識眼は間違っていなかったんだ、と大げさなことを考えてほっとしていました。まあ、単なる好みの問題でしょうけれどね。私の好きな作品がけなされている時もあるし(^_^;) 話を元に戻すと、私も当初は絵柄の古さにちょっと鼻白みつつも読んだのですが、読み始めるともうとまらない、やめられない。 ストーリーのおもしろさもさることながら、キャラクターの造形がお見事! ジルベールとセルジュという主人公コンビの敵役となるオーギュストというキャラクターは、名作文学の登場人物にも匹敵する深みのあるキャラクターだと思います。 屈折しているんだけど、どこかに愛情はあって、でもその愛情を持っている自分が憎くて……みたいな。 私のつたない文章力では、なかなか彼の魅力は伝えることができません。 未読の方はぜひご一読くださいませ。 こうして「風と木の詩」を読破したことをきっかけに、私は竹宮恵子作品、および二十四年組作品にどんどんハマっていきました。 特に好きなのは「変奏曲」に「摩里と新吾」です。 これらの作品に共通するのは、ホモセクシュアルを扱っていても、主人公たちは「すきだった相手がたまたま男性だったから同性愛の世界に足を踏み入れた」点にあります。 そして彼らは恋人同士でもありながら、互いに切磋琢磨するライバル同士でもある。 異性の愛情って、やっぱり根本に生殖本能があるから、それがどうも不純なように当時、思春期だった私には見えたんです。 今思えば、青かったんだなあと思いますが。 二十四年組の作品はそれまで私が読んできた漫画とひとあじ違った人間の内面を描くおもしろさに満ちていて、漫画ってこんなにいろんなことを他人に伝えられるんだ、と教えてくれました。 それをきっかけにこの方たちが影響を受けた海外文芸映画なども観るようになって、本当に私の世界を広げてくれたと感謝しています。 それから史上空前(^_^;)のボーイズラブブームが来て、この腐女子なんていう言語が開発されるほど、このジャンルはメジャーになりました。 でもなんとなくものたりなさを感じない時もないわけではありません。 昔の作品は女が同性愛を描くということに、作者自身も悩んでいて、試行錯誤のあとが見られ、なぜ主人公が同性愛なのかというのをつきつめて描いていて、それが作品に深みを与えていたりもしたのですが、最近は「それでいいのよ!」ってことになってしまったでしょ?_ そのあたりが少し粗製濫造の原因になっているかと……。 もちろんいい作品もたくさんありますが。 そんなわけで、結婚していい大人になった後も私は腐女子街道をいまだ歩いているのでした(^_^;)
2004年08月14日
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目的地につく間際から、雨が降り出した。車の窓ガラスには、透明な刺繍がいくつもできた。 古い小屋を前にして、私とお兄ちゃんは車から降り立った。 私は赤い傘を差して、お兄ちゃんの頭上にかざした。「それ、持ってきてたんだ」 お兄ちゃんは私と相合い傘をしながら言った。「うん。だって、お兄ちゃんとの思い出の傘だもん。初めて会った日、お兄ちゃんは私にこうやって傘をさしてくれたよね」 お兄ちゃんは微笑んだ。さっきまでの騒動が嘘のような静かな時間。頬に当たる雨までが、私に優しく触れているように感じる。 あの日も、こんな雨だった。ママに冷たくされた私は、断崖に本気で身を投げようかと考えていたのだった。そこにお兄ちゃんが現れて、こうやって傘をたむけてくれたのだ。今みたいな、しみいるような笑顔で。 私たちは小屋に着いた。お兄ちゃんがドアを押すと、あっけなくそれは開いた。「僕と父さんが住んでいたころと、そんなに変わっていないな。もっと荒らされていると思ったのに」 中に足を踏み入れて、お兄ちゃんは安堵したように言った。 小屋は山奥にあったし、人口は今どんどん減っているので、わざわざここに足を運んで住み着く人間もいなかったのだろう。 こんな人里離れた場所に息子と一緒に住むなんて、お兄ちゃんのパパ(私のパパではない)は、人間嫌いな人だったのだろうか。それとも、人とあまり会いたくないような心の傷を負っていたのだろうか。 この小屋で、お兄ちゃんは漁師だったというお兄ちゃんのパパと、ずっと一緒に、パパが死ぬまで暮らしていたのだ。 私の目には、小屋の中はみずぼらしいベッドと家具がほこりまみれになって並んでいるだけの殺風景な場所にいしか見えなかったが、お兄ちゃんは涙ぐんでそれを見つめていた。 私の知らない、お兄ちゃんの時間がここにある。 私はこの小屋が不意にいとおしくなって、部屋の掃除を始めることにした。車の中には、イアンとリナがくれた食料や水とともに、ボロ布もいくつかあったので、雨水にそれを浸して、私は床をぞうきんがけした。お兄ちゃんは微笑みながら手伝ってくれた。 掃除が終わって、私たちは一息ついた。 空腹だったので、パンと乾物を食べた。 おなかがいっぱいになって、私は「疲れたァ」と古びたベッドの上に大の字になった。「こら、お行儀が悪いぞ」 お兄ちゃんが横たわった私の頭を軽くこずいた。「いた~い」 私はわざとらしく口をとがらせて、お兄ちゃんの顔を見上げた。「お兄ちゃんも、こっちに来てよ」「え……」「ちょっと前まではずっと一緒に寝ていたじゃない」 お兄ちゃんはしばし思案した様子だったが、結局私の隣に寝ころんだ。長時間のドライブは、結構こたえたようだった。 ベッドは大人二人が余裕で寝られる広さだった。だから、お兄ちゃんと私だけではスペースが余るほどだった。お兄ちゃんのパパと、私のママは二人がまだ仲がよかったころ、一緒にここで寝ていたのかもしれない。この小屋にはベッドはこれしかなかった。「昔、こうやってよく父さんと寝る前に話をしたな」 お兄ちゃんがすすけた天井を見上げながら、遠い目をした。「いろんなことを話してくれたよ。自分の体より大きい魚を釣った時の話とか。いろんな土地を旅した時の話とか……」「私のママの話は?」「ーーーー」 お兄ちゃんは黙りこくった。リラックスして、悪いことを言ったのではないかと私は心配になった。 つづく
2004年08月13日
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この話題は書こうかどうしようか迷ったんですが、べつに秘密ってわけでもないようなので書くことにしました。 今年の夏のコミケでアニプリスタッフ有志が、「テニスの王子様」の同人誌を出したそうですね。 内容はイラストと、スタッフによるテニプリキャラクターの人気投票。そしてアニメ制作裏話などだったそうです。 この同人誌はなんと無料配布で、コミケでは一時間もしないうちに売り切れたそうです。 メールでの受付による無料配布(送料のみが必要)もしていたそうで、こちらも受付終了。 これ以降、再刷する予定はまったくないそうな。 詳しくはこのブログのリンクにある、A&Tというページを見てくださいませ。http://taps.s60.xrea.com/index.htm アニプリスタッフによるテニプリページです。8月いっぱいまでの期間限定なので、見るなら今です。 個人的には、手塚と不二のイラストがとても気に入りました。 A&Tはリンクフリーページですが、ヤフーで検索しても出てこないし、主立った宣伝もしていないので、どうやら知る人ぞ知る存在でいたかったようですね。 まあ、アニメーターの方々も本業がいろいろあるだろうしなあ。 でも、やっぱりこの同人誌、私は読みたかったです。 スタッフさんの日記によると「同人誌は一人一冊まで」と何度も告知していたにもかかわらず、コミケ会場で一人何冊も持って行ってしまった人がいたそうです。 きっとそういう人は、ネットオークションなどでさばくつもりなのでしょうね。 たぶん、いや確実にこの同人誌はオークションや古本屋で高値で取引されると思います。 だったら有料でもいいからもっと部数を多くして、みんなに配布できるようにしてくれたらいいのに……とも思いますが、やっぱり権利関係など様々な問題があるのでしょうか。 私は再販希望をサイトA&Tのメールフォームで希望しました。 不可能かもしれないけれど、何もしないよりはマシじゃないかと思いまして。 同じことを考えた方はそうなさってみてはいかがでしょうか? ネットなどで手に入れた情報によると、スタッフの人気投票ベスト1はリョーマだったそうです。 そういえば、アニプリのリョーマって表情が豊かで作画に力が入っているような気がします。 ただ気になるのは、A&Tのサイトで、スタッフのコメントに「卒業文集のようないい同人誌ができた」といったコメントがあるんですよね。 アニプリが終了するんじゃないかというウワサはずっと以前から、番組改編期間のたびに流れていますが、スタッフの方々がこういった同人誌を作るとなると、なんとなくそれが嘘ではないような気がして心配です。 ああ、せっかくハマったのに私の楽しみのひとつをとりあげないで~、神様(結局これかい)。
2004年08月12日
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この文章は、映画「誰も知らない」のネタばれをしています。未見の方は読まないでくださいませ。「誰も知らない」を観ました。 主演の少年が、十四歳でカンヌ映画祭主演男優賞を受賞したことが話題になっている映画です。 そのことにマスコミの報道は集中しているような気もしますが、映画自体はとっても心に痛い作品でした。 あらすじはというと、主人公の十二歳の少年が母親とともにアパートに引っ越してきます。 母親は大家に少年のことを「この子の父親は単身赴任しています。息子はとても学校の成績のいい一人っ子です」と紹介します。 しかし、それはすべてウソで、少年を筆頭とした四人の子供たちがこの母親にはいて、しかも全員父親は違います。 そして、彼らは全員学校にも行かず、出生届も出されない「誰も知らない」子供として、アパートからほとんど一歩も出ずに暮らしていたのでした。 それなりに幸せな生活を送る彼らでしたが、母親に新しい恋人ができて、やがて彼女は家に帰ってこなくなり……。 幼い子供というのがいかに純粋に親の言うことを信じてしまうか、そして彼らが親の庇護がなければ、いかに簡単にこの世を去ってしまうか。 そういったことがジワジワと分かってくる、ある意味怖い映画でした。 子供たちの表情が終始、一生懸命で暗さのないところが却って痛々しいです。 私がもっとも観ていてつらかったのは、一ヶ月ぶりに帰宅した母親に対して、長男が「お母さんは無責任だ」と責めたところ、母親が「お母さんだって幸せになりたいのよ!」と逆ギレするシーンでした。 母親になっても、自分の人生を歩みたい。 母親になっても、子供以外の世界を持った方がいい。 こういった価値観は現在、女性雑誌の紙面を埋め尽くしています。それはとても大切なことだと思うのですが、一歩方向を間違えると、こういった恐ろしい事態を引き起こすような気もします。 この母親は、決して悪人ではないし、むしろ無邪気でかわいらしい人なんですよね。 ただ、なにかが足りない。その何かとは思いやりとか想像力とか言われるものかもしれません。 悪気はないんだけれど、その分とても自己中心的で、残酷。 自分も母親になって、なにかのタガがはずれて、こういうことをもししてしまったらどうしようと本気で怖くなりました。 人間とは少し気を抜くと、自分のことしか考えられなくなる生き物ですからね。 やがて、母親からの仕送りも途絶え、ガスや電気が供給されなくなり、食べ物もなくなり、子供たちはどんどん追いつめられていきます。 それでも「お母さんはきっと帰ってくる」と信じる彼らの姿に、劇場の観客、特に子供がいそうな年齢の女性のすすり泣きの声があちこちから聞こえてきていました。 この作品には、後半、主人公と外界をつなぐ唯一の人物となる少女が登場します。 彼女は比較的、裕福な家庭に育っているようなのですが、やはり捨てられた状態にある少女です。 いじめられて、学校には行っていないのに誰も心配しない。 夜遅くまで帰宅しなくても、とがめられている節もない。 監督は「親に直接的に捨てられてはいなくても、そんな状態の子供はたくさんいるよ」と語っているような気がしました。 この映画には、はっきりとした結末はありません。 だからこそ、あのラストシーンは「こんな子供たちは今の世の中、たくさんいます。あなたたちは手をさしのべることができますか?」と語りかけているのではないでしょうか。 観た後、ずっしり重いものが残るけれど、どこか透明感もある哀しい映画でした。 私の隣の座席には、小学校一年生くらいの男の子が座っていました。中学生くらいのお姉さんと、お母さんと一緒に観にきていたようです。 長い映画だったので、途中少し退屈していたようですが、静かに観ていました。 お母さんはボロ泣きしていて、お姉さんは「主役の男の子がカッコいい」と上映終了後、言っていましたが、男の子はノーコメントでした。どう思ったのかな? 少し気になりました。
2004年08月11日
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「世界の中心で愛を叫ぶ」、映画ようやく観てきました。 公開当初から観たかったのですが、入院するやらなんやらで見に行けなかったのです。 なぜこの映画が観たかったかというと、原作の評判もさることながら、森山未来くんのことを私は役者として気に入っているからです。 去年、放送されていた「ウォーターボーイズ」でファンになりました。 いわゆる美形ではないのですが、どこか人をひきつける力を持った俳優さんだと思います。 「ウォーターボーイズ」でタテノリという陽気な少年役を演じていたのですが、彼が笑うと本当にパっと周りが明るくなるような気がするんです。 演技しているはずなんだけれど、それがものすごく自然で演技じゃないような気がしてくるというか。 自分の高校時代にも、こんな子がいたら楽しかっただろうなあなどと考えていました。 「世界の中心で愛を叫ぶ」で森山くんが演じた朔太郎は、タテノリとはかなり違う役所ですが、アキを怒らせて、平謝りに謝るシーンの後の照れ笑いなどは、やっぱり森山くんのはじけるようなみずみずしい魅力を感じさせてくれると思います。 森山くんって、関西人なんですね。 以前、「笑っていいとも」に出演したとき、バリバリの関西弁でちょっと意外でした。 「ウォーターボーイズ」での撮影でも、いかんなくリーダーシップを発揮していたとかで、実生活でもタテノリみたいに行動力がある人なんじゃないかなあと思ったりもして。 本人にそれを言ったら「役と自分は違います」って怒られそうだけれど。 ドラマ版では、朔太郎役を山田孝之くんが演じていますが、映画版とドラマ版を比べてみると、朔太郎役に対する制作者の解釈の違いが出ていて、面白いです。
2004年08月10日
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はい、しょっぱなからネタばれです。 真田、負けちゃいましたね。 いや、こうなるだろうとは思っていました。 ライバルが主人公に対して、「お前の弱点はうんたら、かんたら」とモノローグしはじめたら、だいたい負けるっていうのは少年漫画の法則ですから。 でも真田には勝ってほしかったです。 この人は、幸村部長がいない間、立海大テニス部を率いていかなければいけないっていう責任感があるし、副部長だっていう重圧感もあるだろうしで、絶対リョーマより背負っているものが大きいと思うんです。 リョーマは負けず嫌いと天才性にまかせて、テニスしているだけっていう感じがどうしても原作版には強いんですよ。 私の勝手な考察ですが、「努力、友情、勝利」が鉄則のジャンプですから、もしかして編集部が口だしをして、リョーマに負けさせないようにしているのかもしれませんね。 「スラムダンク」の湘北はそうやって、負けないようになっていたそうだし。 でも、ここまで無敗の主人公ってなんか応援する気が今ひとつしないんですよ、私は。 リョーマって、天才だし、顔はいいし、頭もいいしで今のところ弱点がないでしょう? 体が小さいっていうスポーツ選手としてのネックはあるかもしれないけれど、それもまだ十三歳だから身長も伸びるだろうし、リョーマがそれに悩んだり苦労したりしているっていう描写があるわけでもないしね。 昔の漫画の主人公って、もっと負けていたけれどなあ。 「巨人の星」の飛雄馬はすぐに怪我して二軍落ちしていたし、「エースをねらえ!」の岡ひろみだって、ダメな時はボロボロになるまでスランプにおちいっていましたよ。 え、たとえが古すぎるって?(^^; でも、主人公が少しは負けて、苦しんでいくのを描いた方が全体からすると面白いと思うのですが。 黄金期の漫画って、それを読者がみんなで応援しているうちにどんどん盛り上がっていったところがありませんでしたか? それで、自分もつらいことがあってもがんばろうって励まされたところもあったと思います。 これから考えられる展開として、リョーマはかなり父親の影響を受けているようですから、そこから抜けるのにいかに苦労するかというのを描いていくというのがありそうですね。 それを手塚に指摘されて、深く傷つくリョーマとか。 なんかこうやって書いていると、まるで私がリョーマをいじめたいだけという気もしてきますが(^^;
2004年08月09日
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「放して! 放してったら!」 私の制止も聞かず、私を羽交い締めにした男は私をひょい、と持ち上げた。 手足をじたばたと動かしても、男の体はあまりにも頑丈で私が少しくらい殴打してもききそうになかった。私の周りを、村人たちが包囲した。私はお兄ちゃんの姿を必死に頭をめぐらして探そうとした。 しかし、体の自由があまりにもきかないため、それもできそうになかった。「この娘を地下室に閉じこめておけ」 村長が命じた。 その時。 りん、とした声が室内に響いた。「お父様、マリアを放してあげて!」 リナの声だった。 リナがドアの前に立って、私の持っていた注射器を自分の首筋にかざしているのが見えた。私が落としたのを拾ったのだろう。いつもは高慢そうな笑みを浮かべているリナは、今まで見たこともないような真剣な表情をしていた。「もしマリアを放さなかったら、私はこのまま人魚の血液を自分の体内に注入します」「そんなことをしたら、どうなるかわかってるのか?」「ええ、わかっています。お父様。人魚になるのでしょう? 私、ナギサと一緒になら人魚になってもかまわない」「リナ、お前……」「お父様も私とナギサの結婚を喜んでいたはずよ。私はずっと前からナギサのことが好きだった。だから、ナギサには一日も長く生きていてほしいの。たとえ人魚になってしまってもいいから……。マリア、ナギサと一緒に逃げて。屋敷の外に、私が用意したお父様の車があります」 車は今ではほとんど手に入らなくなったガソリンを使うため、私が一生かかっても乗れなさそうなシロモノだった。村長も、本当に必要な遠出をする時しか乗らない。それをリナが私に乗れというなんて。リナは、本当にお兄ちゃんのことが好きだったんだ。私は、初めてリナに好感を持った。 お兄ちゃんの息をのむ音が聞こえた。 村長は私とリナを代わる代わるに見ていた。深い皺が刻まれた顔は困惑と苦渋にあふれていた。 リナが、村長をにらみつける。 注射針が月明かりを受けて、鋭く光り、リナののど元を白く照らした。「マリアちゃんを、放してやれ」 村長が重々しく命じた。「お兄ちゃん!」 私は村人に解放されるやいなや、お兄ちゃんに駆け寄った。 お兄ちゃんは当惑した様子のまま、ベッドに腰をおろしていた。「お兄ちゃん、私と一緒に逃げよう!」「マリア、僕は……」 お兄ちゃんは目をうるませながら、私と村長とリナにかわるがわる視線を落とした。「僕は、このまま生きていてもみんなを困らせるだけなんだ」「そんなことない!」「どうせ、僕たちがうまく逃げ延びたとしても、石ころが海に沈んでいくようなものだよ。しょせん、どうにもならない」「私、お兄ちゃんとなら、どんなに深い海の底に沈んだっていい! そこでなら、二人っきりでいられるもの」 お兄ちゃんが驚いた目をして、私をまっすぐに見つめた。私もその視線を受け止める。「早く行きなさい、ふたりとも!」 リナが叫ぶ声がした。「……行こう」 お兄ちゃんがうなずいた。 私たちは手を取り合って、出口に向かった。村人たちがほぞをかみながら、それを見守っている。村長はどこか遠い目をして、私たちを見ていた。「マリア、ナギサを頼むわよ」 リナが低く言った。「ありがとう、リナ」 私はささやいた。お兄ちゃんは、リナの頬にキスした。リナの双眸から涙があふれた。 扉の外にも、村人たちはあふれかえっていた。 どうしよう。 そう思った時、窓の外からイアンの声がした。「こっちだ、おふたりさん」 イアンが、車を前に私たちに手を振っていた。手には弓矢を持っている。「お前たち、ナギサとマリアに手出ししたら、俺がこれをぶっぱなすからな。リナさんから許可はもらってる」 イアンが村人たちに宣言した。 村人たちが、しぶしぶと通路を開ける。「呪われた兄妹め!」「さすが淫売の子だな!」 私たちは罵声を浴びながら、屋外に出た。お兄ちゃんとなら、どんなあざけりの言葉ももう私の心を傷つけはしなかった。「早く乗れ。ナギサ、運転方法は村長に教わってたな?」 イアンが車のドアを開けながら言った。お兄ちゃんがうなずいた。「ありがとう、イアン」「お前さんたち……地獄におちても後悔しないな?」「ええ、たとえ人魚の顔をした子供を産むことになっても、後悔しないわ」 イアンは苦笑した。私たちが初めて出会った日、自分が私に投げつけた言葉と、私にしたことを思い出したのだろう。「あのときはすまなかったな」「あなたには感謝しています。あなたは、僕の父さんの次に素晴らしい人だ」 お兄ちゃんが静かに言った。 イアンの双眸がうるんで見えたのは、月明かりのせいだろうか。「さあ、行け!」 イアンにうながされるように、お兄ちゃんがアクセルを吹かせた。 車が発車して、夜風が私とお兄ちゃんの髪をなびかせた。 イアンの姿が、村長の屋敷がどんどん小さくなっていく。 私たちの前には、月光に照らされた道だけが広がっていた。 つづく
2004年08月08日
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いや~、良かったですね。今週の「冬のソナタ」。 ジュンサンの仕草をいちいちまねているユジンがかわいい。 本当に高校生時代の無邪気な二人にタイムスリップしたようでした。 でも、この旅行でジュンサンはユジンと別れようとしているから、よけいに切ないんですよね。 二人がさびれた宿に泊まるシーンでは、「もう血のつながりなんてどうでもいいから、このまま愛し合ってしまえばいいのに」なんてムチャクチャなことを考えてしまいました(^^; だって、こんなにお互いを大切に思い合っているのに、キスもほとんどしていない関係なんて切ないじゃないですか。 こういう展開って、ラブシーン満載の日本や欧米のドラマではまずありえないでしょうね。 ユジンもジュンサンが「二人で船に乗って、ずっと旅をしよう」と言った時に「あなたの行くところならどこへでもついていくわ」くらい言えばいいのに。 「やっぱり友だちや家族と離れるのはイヤ」とユジンが答えた時に、ジュンサンが見せた寂しそうな表情が印象的でした。 宿で目覚めた時、ねぼけまなこで出てくるジュンサンは少年のようにあどけなかったです。 その横に、ちょこんと座るユジンは本当にジュンサンを慕っている感じでしたね。 サンヒョクもだんだんいい男に見えてきました。 本当に誠実なんですよね。「冬のソナタ」は基本的に悪人が出てこないから、見ていて気持ちがいいです。
2004年08月07日
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私は注射器を片手に持って、通路を歩いた。お兄ちゃんのいる部屋の前には、二人の男が椅子に座ってうたた寝していた。村長に警備にやとわれた村人たちだろう。 私はこの二人の男が眠っていてくれるのを期待した。が、男の一人が私の気配に気づいて、目を開いた。「お前、こんな夜更けに何して……」 男が言い終わるやいなや、私は男ののど元に注射器を近づけた。「動かないで」 私はすでにこちらも目覚めていたもう一人の男にも目配せしながら言った。「動いたら、このおじさんに私、この注射器をさします。中には人魚の血が入ってるの。人魚になりたくなければ、私の言うことに従って」 私は男に立ち上がるように命令した。背中に注射器をギリギリまでつきたてて、前を歩かせる。もう一人の男が、観念したかのようにそれに従った。「鍵を開けて。お兄ちゃんに会わせて」「こんなことして、どうなるかわかってるんだろうな」「……あなたたちが、お兄ちゃんを殺そうとしてることだけはわかってる」 男は舌打ちして、部屋の鍵を開けた。 暗い闇が室内には広がっていた。私はお兄ちゃんのベッドに、男に注射器を向けたまま歩み寄った。仕切りのカーテンを開けた。 お兄ちゃんは静かに目を閉じて、ベッドの上に横たわっていた。「お兄ちゃん、起きて」 私は低く呼びかけた。 お兄ちゃんはゆるゆると目を開けた。注射針の鈍い光が窓からさしこむ月明かりを反射して、お兄ちゃんの目をくらませた。お兄ちゃんはまぶしそうに目を細めてから、私と男たちのただならぬ様子に驚いた表情をした。一気に目がさめたらしい。「マリア、お前何をしてるんだ?」「お兄ちゃんを助けに来たの」 私は答えた。「リナに教えてもらったわ。お兄ちゃん、もうすぐ殺されるんでしょう?」「……」「村長はそんなことはしない」 私に注射針をつきたてられた男がうめくように言った。「村長は、ナギサさんが人魚化する前に、尊厳死を与えてくださろうとしているのだ。長く苦しまないように、薬を使うおつもりだ」「へえ。そんなにいい薬なら、あなたが飲んでみればいいじゃない」「マリア、こんなバカなことはやめるんだ。君のことは村長によく頼んである。僕がいなくても、君は何不自由なくやっていけるから……」「お兄ちゃんのいない世界に私は生きていたくない!」 私は思わず叫んだ。お兄ちゃんが目を見開いてから、困ったように笑った。私をあやすような笑顔だった。 その時、いくつかの足音が聞こえた。私が身構える間もなく、部屋に幾人もの村人たちが入ってきた。「来ないで!」 私は彼らの方を向いて、男に向かって注射器を目立つようにかざした。「一歩でも近づいたら、この人を人魚にしてやる!」「およしなさい」 村長が私に呼びかけた。「マリアちゃん。君の気持ちは私にもよくわかる。しかし、人間というものは一人では生きていけないのだよ。だからこそ自分のことだけでなく、全体のことを考えて生きていかなくてはいかん」「それがお兄ちゃんを殺すこととどう関係があるっていうのよっ?」「大いにある。このままだと君のナギサくんは人魚になってしまう。人魚になった人間が、理性を失い、人を襲うことは君も知っているだろう。そうなる前に、手を打っておかねばならんのだよ。それが私たち全体のためなのだ」「全体のためなら、お兄ちゃんを犠牲にしてもいいの?」 私は泣きながら叫んだ。と同時に、床に突っ伏していた。私の隙を見て、私に人質にとられていた男が、私を投げ飛ばしたのだ。「マリア!」 お兄ちゃんがベッドから起きあがって、私に駆け寄った。 しかし、その時すでに私は男に羽交い締めにされていた。「このガキが、調子にのりやがって……」 村長と村人たちが、私に近づいてきた。私は床に頭を押しつけられながら、上目遣いで彼らをにらみつけた。 それしか、私にできることはなかった。 つづく
2004年08月06日
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「リングにかけろ」とは、「聖闘士星矢」で有名な車田雅美が1970年代の後半から、1980年代の始めにかけて週刊少年ジャンプで連載したボクシング漫画です。 その「リングにかけろ」が、今年の秋からテレビアニメ化されるそうです。 はてさて、どうなることやら……。
2004年08月05日
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アメリカチームメンバーのお披露目の記者会見に行ったら、ぜひ質問したいことがあります。「そのテリーとかいう長髪のプレイヤーは男ですか? 女ですか?」と。 テリーとは、あのオレンジ色の髪でコーチにコーヒーを渡していた人です。 名前からして、絶対男性だと思うんですが、どう見ても女性ですよね? テニプリには、不二や幸村など、女性声優さんが声を当てておられるキャラクターもたくさんいるから、テリーの声が女性なのはべつにめずらしくもなんともありません。 しかし! 仕草が女性らしすぎるんですよ。 監督にコーヒーを渡していたあの立ち居振る舞いは、お茶くみOLの基本作法のモデルのようでした。 ああいう女性秘書がいたら、社長は毎日楽しいでしょうね(^^; それに幸村や不二より、ヘタに大人っぽいので、「成長途上のキャラクターだから幼く見える」のではなくて、「どこから見ても女」に見えるんですよね。 これ、もしかして本当に女性キャラクターですか? テリーという名前は私の聞き間違いだったりして? でも、このキャラクター見てると、「聖闘士星矢」のアンドロメダ瞬を思い出します。 瞬も声が女性だったら、完璧に女の子なキャラクターでしたね。 朝ご飯にしっかり牛乳を三本飲んでいるリョーマ。彼の身長は伸びる日は来るのだろうか? リョーマのお母さんがしゃべるのは初めて観ました。相変わらず顔はうつらないですね。 リョーマを桃城が迎えに来ていましたが、この二人って下校だけでなく、登校まで一緒にしていたんですね。仲のいいことです。 でも、桃城っていいヤツですね。「お前は補欠だけど、俺はドリームチームに選抜もされてないんだぜ。がんばれよ」 なんて、なかなか後輩に心からの笑顔でいえるものじゃないですよ。 先週の手塚もそうだけれど、リョーマは本当にみんなから大切にされていますね。 「俺は補欠だった」と帽子を深くかぶって、照れながら言うリョーマがカワイイです。 原作者の許斐先生によれば、リョーマは悪人だそうですが、アニメ版を見る限りではとてもそんな感じはしませんね。 どちらかというと、みんなに大切にされている王子様のようです。そうか、だからタイトルは「テニスの王子様」なんですね(^^)。 さて、メイド・イン・アメリカの王子様、ケビンくんですが、こちらもビリーとやらにあれこれ面倒見てもらってますね。 リョーマにテレビの画面から宣戦布告する姿は、まるでプロレスのマイクバトルのようでした(^^; リョーマとケビンって、根っこの部分は似ているような気がするから、リョーマにとって初めての対等の友達になれるような気がします。 他のキャラクターは、リョーマをかわいがっているか、尊敬しているかのどちらかでしょう? だから、ケビンみたいなリョーマに面と向かって憎まれ口を叩くようなキャラクターとぶつけてみるとおもしろいと思うんですが。 1カットだけ出た、ラジオをしゃがんで聴く桐原が子供っぽくて、かわいかったです。
2004年08月04日
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村上龍原作小説の映画化作品です。 原作を読んだのは、私が現役高校生のころでした。 この小説は、青春小説の傑作と言われていますが、当時の私からすれば主人公はあまりいいイメージではありませんでした。 友だちにはしょっちゅうウソとはったりばかりかましているし、もう自分が目立つことしか考えていないお調子者といったキャラクターに見えたからです。 実はこの感想は最近、再読した後も変わりません(^^; これは原作者の村上龍の自伝的小説だそうですが、村上龍はおそらくこのまんまの人物なのではないかと想像してみたりして(^^; 今回、映画化にあたって脚本家の官藤管九郎さんは、「傍目から見ると、かなりワガママな主人公なので、好感度が高い妻夫木聡くんしかこの役はできないと思った」そうです。 そうか、私以外の人もこの小説の主人公をそう見ていたのか(^^; 結果的に、官藤さんのもくろみ通り、主人公は妻夫木聡さんで正解だったと思います。 彼が出演したおかげで、原作小説にある毒に満ちあふれたエピソードがうまく観客に受け入れられるようになっていたのではないでしょうか。 実際、映画館の観客の大半は妻夫木くんファンとおぼしき女の子でした。 でも、上映終了後に「この映画のブッキーはかっこわるい!」と憤慨していた人もいましたが(^^; ただ、そこがいやだという人もいるでしょうね。 この映画は、1969年に学校をバリケード封鎖しようとした男の子の物語です。 原作を読めば、なぜ主人公がそんなことをもくろんだかが、次第にわかってくるのですが、この映画では単に主人公が好きな女の子に認めてもらいたいから、としか思えないかもしれません。 原作では、米軍基地の街に住む主人公が、ベトナム戦争や東大紛争に少なからず興味と義憤を持つ様が描かれているのですが、いかんせん地の文の心理描写は映像化するには難しいようです。 こういった点は、同じ村上龍原作の「昭和歌謡曲大全集」の映画化にもあてはまると思います。 でも、ライトで明るい青春ドラマとして観ると、なかなか面白いと思います。 妻夫木くんを始めとするキャストの健闘が大きく貢献しているのではないかと。
2004年08月03日
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「英語でしゃべらナイト」という語学番組は、毎週観ているのですが、今夜は韓国特集でした。 まさか「冬のソナタ」があそこまで出てくるとは思わなかったです。 ごらんにならなかった方のために内容をざっと説明しておきます。韓国では今、英語学習が大きなブームであり、その理由は韓国が本格的に韓国ドラマなどを海外に輸出しようとしていて、そのために世界共通言語である英語をみんな必死で学習しようとしているというものでした。 そこでのキラーコンテンツといえば、やはり「冬のソナタ」でした。 韓国人のスタッフたちによりますと、冬ソナのテーマは、冬の美しさと友情と初恋であり、それらの思いはすべて全世界に共通すると考えられるので、冬ソナが世界で放送されるようになりたいということなのです。 私は韓国人スタッフたちによる、この熱意に感動しました。 エジプトでも放送されるという「冬のソナタ」。 ブームはどこまで広がるのでしょうか。
2004年08月02日
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なんだかヨコシマなタイトルですね(^^; ワンシーンだけあった今回のジュンサンの着替えシーンのことです。 「ものしり一夜づけ」という番組で、「韓国の男優はみんな鍛えたいい体をしている」とこのシーンがリピートして流されていました。 NHKにとっては、ヨン様ファンへのサービスのつもりだったのでしょうか。あんまり流されるものだから、もっと重要なシーンだと思っていたくらいでした。 ああいう厚い胸板だと、タキシードが本当によく似合いますね。「ホテリアー」でのスーツもキマってるし。何より手足の長さに驚きます。 このままいくと、禁断の兄妹愛路線に突入しそうですが、それでもユジンと結婚したいと願うジュンサンの思いが切ないです。 テーマソングをバックに、涙ぐんだ二人が教会に行くシーンは本当に美しかったです。 誰も祝ってくれない、二人の結婚式。 それでも二人は結ばれたいのでしょうね。
2004年08月01日
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