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2006年03月27日
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カテゴリ: 小説
 黒服の一人がうなずいて、部下らしき男に何かを命じた。部屋から出て行った部下は映写機とスクリーンを持って部屋に戻ってきた。スクリーンが下ろされ、部屋の明かりが消される。部下がスイッチを入れ、映写機がカラカラと回り始める。
 奈津子と重文に黒服たち、そして千晴は固唾をのんでスクリーンを見つめた。千晴とてこの画像を実際に観るのは初めてなのだ。
 そこに映し出されたのは、広いキッチンだった。少し遠目から隠し撮りしたのだろう。画像は薄暗かったが、キッチンに誰がいるのかははっきり見て取れた。奈津子と重文と、もう一人、二十歳前後の女性だった。この女性に千晴は見覚えがあることに気づいた。初めて若宮邸を訪れた時、千晴と才口にあいさつしたメイドだ。
 重光がメイドに、ガラス容器に入った何かを手渡す。
『これ、今月の分だ。また智里の食事に入れておいてくれ』
『は、はい』
 声を震わせるメイドを、奈津子が咎める。
『どうしたの? 何を怯えているの』
『だって……』

『こんなことをして、本当にバレないんでしょうか』
 重光が気色ばんで答えた。
『大丈夫に決まっているだろう。この薬は心臓発作そっくりの症状で人を殺すことができる。智里は生まれつき体が弱い。まずバレはしないさ。それに私たちが裏から手を回して、智里の診断書に色をつけてもらうという手もあるからな』
『あなた、ずいぶんムキになっているのじゃないこと?』
 腕組みをして奈津子が訊ねる。揶揄するような、妬いているような声音だった。
『あなたは智里のことはモノにできなかったからかしら。智里を守るために実里があなたに身を投げ出したんですものね。ずいぶん泣ける姉弟愛だわ。今回、実里を毒殺しないのは、あなたは実里を抱けたからひょっとして情が移ったからとか?』
『情が移った――そうかもしれんな』
 重光は鼻を鳴らした。
『たしかに実里は、殺すには惜しい体の持ち主だ』
『この私よりも?』
『まるで魅力の種類が違うよ。さしずめ君が熟れた果実だとしたら、実里は伸びやかな若木というところだな』

 二人は顔を見合わせて笑った。メイドがぞっとしない様子でそれを見守っている。やがて改まった様子で、重文が言葉を続けた。
『実里を始末するのはこの後だ。一度に二人も殺しては、さすがに怪しまれる。とにかくお前、これをしっかり智里の食事に混ぜておいてくれよ。たっぷり報酬ははずむからな』 そこで映像は途切れ、明かりが点けられた。シャンデリアの下、めいめいの表情が照らし出された。無表情を装おうとはしているが明らかに狼狽している黒服たち、自分たちの悪事が記録されていた驚きと恐怖を隠せない重文、そして――奈津子は優雅だが歪んだ微笑みを浮かべていた。千晴は奈津子の笑みに底冷えするような恐怖を感じた。



                              つづく





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最終更新日  2006年03月28日 00時45分58秒
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