Bond

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「だって・・・」がいえない


「だって・・・」という言葉は禁句だった。

親にしてみれば
「言い訳の言葉だ!!!!」
といことらしい。

例えば、
親に学校からの帰りが遅い!
と怒られる。
これは、委員会や部活、はたまた急に先生から用事を頼まれたり・・・
私なりの理由がある。
そこで、
「だって・・・」と言いかけると、
「言い訳をするなー!!!」
という罵声と平手が飛んでくる。

なので、だまって怒られる。
でも、どのみち親がヒートアップしてくれば、
結局殴られる。
結果は同じ。
ただ、それが早いか遅いかの違い。

最初は、
それでも「だって・・・」という言葉が口をついてでた。
やはり、自分が怒られるようなことをしていないと、
説明したかったのだ。
こちらにも事情があったのだと、
わかってほしかった。

だんだん、
「親は怒鳴って、私を叩けば、それで気が済むんだ」
と思うようになった。
なので、
「だって・・・」をいわず、
ただ、だまって
罵声と平手が通り過ぎるのを待つようになった。

一度、それでも「だって・・・」といってしまったことがあった。

小学生、低学年か中学年のことだったと思う。
姉の友達が家に遊びに来ていた。
父も母も出かけていて、
家には姉と友達と私の三人しかいなかった。

姉と友達は、
応接間(兼居間)で、遊び始めた。
しばらくすると、
ソファの上で、
「ぼよーん、ぼよーん」とジャンプを始めた。
「おもしろそうだな・・・」と私が見ていると、
なんと!!!!

姉の友達は、ジャンプした拍子に、
天井かた釣り下がっていたシャンデリアにぶつかり、
落としてしまったのだ。

ガシャーン!!!!!

シャンデリアは派手な音と共に、床に落下した。
しばらく、声もでなかった。

その後、姉と友人の間でどういう話があったのか分からない。
でも、友達はさっさと帰ってしまった。
親が帰宅して、
惨状を目の当たり。
たちまち、姉は父親のカミナリをくらった。
父は、姉がやったと端から決めつけ、怒鳴り散らしていた。
そして、姉を叩いていた。

私は思わず、
「だって・・・!!!」
経緯を説明して、
父親に怒るのを止めて欲しかっただけだ。
私の発した禁句に父は怒り出した。
「うるさい!!」と言う罵声とともに一撃をくらった。
そして、部屋から出されてしまった。
部屋からでるとき、
姉を目が合った。

「だまっていなさい」

目と、口がそういっていた。

何も出来ない自分が、
くやしかった。

その後、何年もたって、
私が大学に通っていた時、
母親にそのときの真実をつげた。

「あの時、シャンデリアを壊したのは、
姉の友達だったんだよ。」

いまさら・・・だけど。

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