まめぴよ日記

まめぴよ日記

母子分離を考える


なぜ3歳まで待ったかということですが、
子どもの発達過程において、健康に母子分離できる時期というものがあるからです。

マーラーによれば
 生後5~9ヶ月は分化期と呼び、
母親との共生状態から固体が孵化し、
最初の対象の絆として、母親への特異的微笑を示しているが、
やがて母親を他者と区別できるようになり、
人見知り反応を示す時期。
 生後9~14ヶ月は練習期と呼び、
はいはいにより本格的に母親との分離が可能になるにつれ、
母親と照らし合わせながら外界を探索する能力が発達する。
母親からの情緒的応答性をよりどころにして、
母親から身体的に分離し、自我機能が急激に発達する時期。
 生後14~24ヶ月は再接近期と呼び、
よちよち歩きの進歩とともに、母親からの分離意識と自己主張が芽生える。
他方では分離不安が起こる。
この自立と依存の間で乳児は苦しみ、
母親に受け入れてもらう事を強烈に求め、
満たされないと見捨てられる不安に駆られて傷つく時期。
 24ヶ月以降は固体化への確立の時期。
子どもの現実検討力や言葉の発達により、
母親からの分離に耐えられるようになる。
母親不在、欲求不満を与えても母親のイメージが破壊される事はない。
それに対応して一貫性のある自己像が確立する。

ずいぶん短くまとめてしまいましたが、このような発達過程があるのです。

この過程を考えると、言葉が通じ合う3歳までは、
母親が育児に専念する事が望ましいのではないかなと思います。
もちろん諸事情があって、子どもと離れる時間が多くなる事もあると思いますが、許されるならば、できる限り子どもの瞼に
「安心できる母親像」ができるまで、見守りたいと思います。

《参考文献》
渡辺久子著/母子臨床と世代間伝達/金剛出版/2001

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: