柚子のおもちゃ

柚子のおもちゃ

初めての恋が終わる時「アナザー」


首もその手も暖かくて
幕を開くように二人のベルも鳴った

冷たい冬の風が僕らを包む
吐いた息は白くて キレイで
街はイルミネーション 誰かの誕生日?
それでもセカイは輝く

気付いてたのに言えない
この気持ち 臆病なだけだ
知ってて差し出せない
その腕の行方はどこ
振り向いてよ ほら

ありがとう サヨナラ
僕らの片想い
駅への一歩 重くて苦しい
だから

ありがとう サヨナラ
代わりに泣いてくれ
そう思った途端にふわり
舞い降りてくる雪
儚く溶けて消えた

君は何を思うの
寄り添ってる二人 楽しそう
「ほら見て初雪!」

悴むその手を見て切なくなる
ポッケに入った
真っ白い手袋

どうしたら渡せたんだろう
この距離が心地よかった
壊れることだけを怯えてる
卑怯なんだ
それでいいのかな

ありがとう サヨナラ
言うべきはどっちだ
君の震える体が愛しい
だけど

抱き寄せることも僕には出来ないよ
淡い期待 最後の時
それは全てを変え
僕らを苦しめる

繋がりたい
どれほど願っただろう
この手の空っぽ
ねぇ ありがとうってどういうこと?

行かなくちゃ
もうその時がきた
寂しげな右手 ぎゅっと握ってる
だけど
「……この手を離してよ」

やっぱり無理だよ
君が好き

別れの言葉 最後までいらない
塞いだ味は 二人の涙で
「じゃあね―」

今だけは抱かせて 最後のお願いだ
僕の首と―
君の手には―
笑顔で泣き 二人で
「ありがとう」「サヨナラ」と

初雪を見る度思う
寒空にお互い
何をしているのかな


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: