2話-後編



「この遺跡には旧文明のセキュリティ・システムがある・・
だったら僕の「趣味の」ハッキングでシステムに介入すれば」
「・・・ハッキングぅ?・・・・趣味ですってぇ・・・?」
警察がそこにいるにも関わらず、犯罪用語を口走るシュウ
「その機能を止めてしまえば・・・
ついでに調査隊の位置も確認して・・」
にやりと笑うシュウ
しかし、シュウが作業を開始した直後に早速アクシデントが発生した
再び鉄球が姿を現したのである
「き・・来よったでぇ!?」
「ごめん、なんとかくい止めといて。」
「・・無茶な注文すんなや!」
「やるしかないわ・・・・
・・ったくもう!帰ったら絶対危険手当請求してやるんだから!!」
「隊長・・いつもより荒れてますね・・」
「いつも・・・?ちょっとレオネ!?だぁーれが荒れてるのよぉっ!?」
副官のレオネが口走った台詞にリィズが怒鳴る
「あんたら前を見いや前ぇっ!!」
「っと・・そうだったわ」
・・この人らはホンマに警察官なんかぁ!?・・・緊張感の全然ない・・・
少々疑いの眼差しを向けつつ、鉄球に向かい防戦を試みるシード
「へぇ~・・このシステムって簡単な構造なんだな・・
・・なんだか拍子抜けしちゃったよ」
「ぶつくさ言っとらんとさっさとやらんかいっ!!!(怒)」
「そりゃわかってるけどさ、面白いんだよね
ほら、ここの構造とかネス君のAIに似た機能があったり・・」
「早うやれっちゅーとんや!!!(怒×2)」
「・・セキュリティ解除・・まだなの!?」
「ヤバイッスよ隊長ぉ!残り弾百発切っちまった!」
「シュウーっ!!!」
「もう少しもう少し。」
あわや鉄球の群れはシード、SG隊に突っ込まんとしている
・・もうダメなん・・!?・・・
・・・・・・どがらがっしゃーん・・・・
天井が崩れてものすごい音を立てたのはシードがそう思った瞬間だった
「なんやっ!?」
立ちこめる煙が晴れていく・・と
全高十メートルの白い機体が、体勢を崩して埋まっていた
「・・・・・」
しばし沈黙が流れた後、機体が立ち上がり、ポーズを決めた
「ローディス=スタンフォード!遅ればせながら参上!!ってな。(効果音入り)」
「・・・・決まっとらんで、あんさん」
「あれ・・ユニオンの社長・・?
なんかすごい・・・・格好悪い。」
「ダメっスね」
「着地外してますし」
・・各々が突っ込みを入れる
「う・・うるせぇーっ!!!!」
当然キレるロディ
「それにしても・・ケガ、もうなおったんか?」
「病院なら自主的に切り上げてきた。」
「脱走なん!?」
「別にどーってことねーよ
俺ぁあばら数本折って腕とかヒビ入っただけだし。」
・・ハッカーが趣味の発明家に関西弁の恐竜・・
そんでもってヤケに元気な重傷者・・
・・この会社って一体・・
リィズの頭にはXーなんとかというどこぞのファイルの名前さえ浮かんだ
「みつけました。
セキュリティも無事解除・・あれ?
ロディさんにゼファーまで・・・・いつの間に来たんですか?」
「気づけっ!!」
「・・ところであなた・・ローディスさんだったかしらね?
ひょっとして・・遺跡壊す気だったりする?」
「う・・・」
「ていうか壊してるわね・・
重要文化財破壊は重罪よ?」
「た・・助けに来たのにその扱いかっ!?」
「犯罪は犯罪です。」
・・シュウはええんか?・・
シードは浮かんだ疑問を押さえておいた
「とにかく後は調査隊を探すだけだなっ!!
・・・・そういや、メイは?」
「あ・・・」
「ロディさん、メイちゃんの事なんですが・・」
「あん?・・なんだ?」
・・何!?まだ不可思議な人が増えるっていうの!?・・
イヤな予感バリバリのリィズであった
・・深度8・・

「・・・・ん」
メイが目を覚ましたのは、だいぶ時間が経った頃であった
「・・あれ・・?」
・・・・・・・・
首の辺りをさすってみる
・・・何ともなってない・・
あのケーブルが突き刺さった跡は、全く見られなかった
「・・・・・
ま、いいかぁ(笑)」
首をかしげつつもとりあえず歩き回る事に決めたメイ
・・そのうちみんなに会えるでしょ・・
・・と・・
がしゃん・・
急にした物音に思いっきり驚くメイ
「な・・・なに・・・・?
誰か・・いるの?」
後ろから何かが寄ってくる
・・さっきの変なケーブル?・・
それとも・・あの鉄球?・・
恐る恐る・・それでも怖いモノ見たさに振り返ってみる
すると・・
「ひぇぇぇぇぇっっ!!?」
黄色く丸い「一つ目」がそこに浮かんでいた
思わずその場にへたり込んでしまうメイ
「ふぇっ・・・!?」
急に灯りがついた
そして、そこにいたのは・・
・・ロボットであった
しかも、ネスより少々大きいくらいの・・
「・・何を驚かれているのですか?」
「え?」
「いえ、確かに命令されていない仕事をしましたが。」
「???」
彼女は思わずきょとん・・としてしまった
一体何のことか・・
「どこかで会ったっけ?」
「いいえ。」
ロボットは首を横に振る
「・・・じゃあ、ボクをどこかで見たとか?」
「いいえ。」
「・・ってゆーか・・君ってだれ?」
「私はガンマ。
あなたのインターフェイスロボットです」
「・・・・はぁ?」
「と言っても、つい先程登録されたばかりですが。」
「・・・・・・どういうこと?」
「メインシステムはあなたをセプターと認定されました
同時にそれが私の主人という事にもなります。」
「・・・・そういうこと・・なの?
・・・・・・よくわかんないけど・・・
ボクはメイ・・で、君・・ガンマ?
ん~・・・・とにかくよろしくぅ!!」
・・なお今の話で彼女が理解できたのは、「ガンマ」と「セプター」の名前だけである
「で・・・ガンマ、出口わかる?」
「ええ。
道という道は全て知り尽くしています
ですが、セキュリティが解除されてしまっていますね・・
一体誰が・・」
「シュウじゃないかな?・・シュウだったらそういう関係止めるの得意だし」
「シュウ・・様?
御主人のお知り合いで?」
「うん、ボクの会社の人で・・あと三人いるんだ。
恐竜(?)のシードと、ロボットのネスと、社長のロディ・・」
そこまで言いかけたときだった
・・どごがらがっしゃーん・・
「うわわわわっ!?」
「何奴!」
ガンマは背中に背負っていた二本の剣を引き抜くと、その音の方向へ向き直った
・・・沈黙のあと・・
瓦礫の中に埋まっているのは、よくよく見慣れた白い機体であった(二回目)
「あ・・・ゼファー・・・」
「・・お知り合いで?」
「うん、今言った「ロディ」のギアだよ」
「・・・・・」
彼は剣をしまうと、黙ってしまった
「メイ・・そこにいるのかーっ!?」
「ここにいるよーっ!!」
コクピットのモニターに、いつもの何も考えていない笑顔が映った
・・8 予想外

「・・なるほど・・で、お前さんがメイのIFRなワケだな?」
「そういうことです。」
ブレードバッシャーの中で一部始終を聞いたロディは納得して頷いた
手には今入れたばかりの紅茶があった
「ところで・・システムを止めたシュウ様というのは・・?」
「あ、僕ですけど?」
「その時のことを少々伺いたいのですが、システムは何%停止したのでしょう?」
「・・七割方・・かな?
とりあえず調査隊の位置とセキュリティの停止が目的だったし・・」
「・・まずいですね」
「どーかしたの?ガンマ?」
「・・タイムラグはありますが一時間もあれば非常用のシステムが稼働します・・」
「非常用・・?」
「周囲の外敵を排除するためにガーディアンが浮上・・
・・そうですね、最大出力でそこらの星一つ吹き飛ぶでしょう。」
ロディは飲みかけていた紅茶を思いっきし吹いた
「ば・・バカヤローっ・・先に言え先に!!」
・・ちなみに、前に立っていたネスが吹き出した紅茶を全部くらっていた。
「対処法は!?」
「破壊される前に破壊することです。
総力を持って撃墜あるのみ・・」
「総力・・ったってここにいるのはSGの連中と俺達のギアだけだぜ!?
どーすんだよ!?」
「やるしかないでしょう。」
「・・最悪やで・・」

・・急遽として敵の出現となってしまった。
限られた時間の中、SGとの共同作戦が立てられる
リィズを中心にデスクをを囲むSGとユニオン一同。
「・・レオネ、敵の規模は?」
「不明です。」
「武装は?」
「不明です。」
「機数は?」
「不明です。」
「・・・対処しようがないじゃないのよっっ!!!」
「た・・隊長、落ち着いてください!!」
暴れ出すリィズを制止するレオネとラルフ
「・・不安になってきたでぇ・・」
「ま、なるようにしかならねぇな。」
・・今あるのはSGの量産型ギアGーSG/二型が七機と、巡洋艦が一隻
それからユニオンのギア、ゼファーにドーマ。
・・「惑星を破壊する」程のモノに、勝てる見込みはあるのだろうか・・

「・・間もなく予定時刻です」
午後三時二十五分
・・作戦開始。
月自体が揺れているかのような揺れだった
さっきのロディではないが、遺跡の中から「何か」が構造材を破壊しつつ浮上してくる
「・・こりゃ・・やばいかも・・」
「目標確認しましたっ!」
全長五~六メートルくらいだろうか、ギアとはろくに変わらないサイズ・・
しかしやたらに巨大な羽を持つ、人型兵器であった
「一斉射撃ぃ!!撃って撃って撃ちまくっちゃって!!」
ダークブルーに塗られたSGのギアが、一斉にライフルを放った
しかし攻撃はそれにとって微々たるものであり、傷一つつかない・・という惨状であった
「うそ・・・・!?
なんで反応弾が効かないわけ!?
SGの最新兵器なんでしょ!?」
「敵機より攻撃!!」
報告が終わるが早いか、無数のビーム・ラインが一団を貫いた
「機関部損傷!!」
「関節部大破ぁっ!!」
「5,7号機完全に大破・・
1,2,3,4,6号機中破・・全機行動不可能ですぅ・・」
「一発で・・!?
ちょっと!あんたら真面目にやってんでしょーね!?」
「隊長!そりゃ無茶ッスわ!!」
「死人が出なかっただけ奇跡です・・」
「警察がさっさとやられてどーすんのよぉ!!
それじゃ某特撮物のやられ役軍隊と同じじゃない!!」
「・・・なにやってんだ、奴らわ・・」
呆れるロディ
「マスター!前方より高エネルギー感知!」
「システム起動!!」
・・ゼファーの目が、今までと違い青い輝きを放った
反応速度、エネルギー効率、武装・・その全てを向上させる「サイシステム」

シュウが作った手製のOSシステムである
起動時にはパイロットの「精神力」に応じた性能が引き出される(以下省略)
「ビーム攻撃!先程と同等のものが接近!!」
「その程度!
ゼファー!プラズマフィールド出力全開!!」
「きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
右手を正面にかざし、前方に対し帯電性の壁を展開する
ビームはフィールドにぶち当たり、弾け飛んだ
「・・楽勝でぃ!!
そんじゃぁこっちから行っくぜぇぇぇぇぇっ!!!」
ゼファーの右腕から円盤形のパーツが外れた
「サイ・ホイールっ!」
その円盤をフリスビーのように投げつける
「・・で、ボクは何すればいいの?」
後ろで浮いているだけのドーマ
・・コケるロディ
「バカ!敵がすぐそこにいるんだよっ!何でもいいから撃てよ、撃て!!」
「りょーかい!」
ドーマは主武装のプランジパレットを展開し、いきなりソードブラスターを放った
「のわっっ!?」
・・素早くスライドし、ギリギリかわすゼファー
「危ねーじゃねーか!!前に気を付けろっ!!!!」
「え?撃てって言ったじゃない。」
「俺を巻き込むな俺を!!」
そんなこんなの間に敵機に命中するサイ・ホイールとソードブラスター
・・しかし
「・・ホイールが消滅しやがった・・・!?」
「ダメです!ブラスターも拡散した模様!!」
「第三波接近!!」
「・・本気でかかんなきゃダメか・・
いよっし!!・・・・・ひぃぃぃぃぃぃっさぁぁぁぁぁつ!!!!!」
ビームを回避して肩部バーニアを噴射し、急上昇するゼファー
「一・刀・両・断ぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
叫び声とともに、瞬間八百キロものスピードで降下する
最大発振のレーザー・ブレードにスピードとサイ・エネルギーとが重なる、ゼファー最強の技。
・・しかし、ロディの絶対の自信と裏腹に・・
当のガーディアンは、無傷であった
「冗談だろ・・!?」
驚愕するロディ
そのせいで、前から翻った脚部に気づかなかった
重い蹴りがゼファーの装甲を削る
「うぉ・・・・っ!?」
十メートルもの機体がいとも簡単に宙を舞った
「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!」
・・何度も転がりながら着地する機体
砂埃とダメージでボロボロになってしまった
「マスターっ!?」
「ロディはん!!!!」
「・・・ちっくしょ・・・だめ・・・か・・・・・・・。」
ロディはダメージではなく、揺さぶられて目を回し気絶してしまった
「・・・・頑丈なのがとりえなのに・・(泣)」
「そういうこっちゃのーて・・・」
ネス達の会話はもはや漫才でしかない
「・・ちょっとまずいかもしれないよ、ネス君・・」
モニターを指して言うシュウの言葉には、らしからぬ不安の色が混じっていた
写っていたのは・・・
「ど・・・・・どーすりゃいいのボク一人で!?
だれか他のひといないのーっ!?」
集中砲火をかろうじて・・というよりは飛び跳ねるようにかわすドーマ
「・・・・まずいわな。」
「仕方ありませんか・・
・・私が行きます。」
黙っていたガンマが、ようやく口を開いた(口ないけど)
「あの?・・・一体何をなさるつもりなので・・?」
「ギアなら私のが。
・・彼なら呼べばすぐ来ると思います」
「彼?」
「・・御主人を守るのはIFRの使命です」
「・・・・・・」
ネスは思った
・・じゃ、私って一体・・・・?
同じロボットでも違うんだな・・と考えるのであった

「次の砲撃、二十秒で来ますぅ」
SGに残されていたのは小型巡洋艦一隻のみ
電磁バリアくらいしかなく、ドーマ共々避けるので精一杯
「くぅ~っ・・・打開策なんかないの!?」
「ありません・・ギアは一機も残ってないですしぃ・・」
「・・・・どうしろってのよ・・・!!」

その時だった
メイが、モニターの端にガンマの姿を見かけたのは・・
「ガンマ・・?・・って・・・うわぁぁぁぁっっ!?」
ビームが数発ドーマのバリアをかすめていった
「御主人、私にお任せを」
「へ・・・?」
ガンマは右手をかかげると、それに埋め込まれたレンズから光を放った
「デストロイ、出番ですよ」
とたんに、地面がひび割れた
地の底から響くような「何か」の鳴き声が響いてくる
「巨大物体の接近を感知!!!
地下から浮上して・・・・・・っつーか地面叩き割ってきます!!」
さながら地震断層のようである
割れた地面が持ち上がり・・・下から四十メートルはあろう巨大な影が姿を現した
「あれは・・ギア・・・・・?」
「って人型やのーて恐竜型やんか!!」
・・ギアの歴史は結構古い
当初は機能のみを追求したタイプが最盛期であり、形はそれほど重視されていなかった
次に流行ったのは何かの形を模したモノである
最終的に落ち着いたのは人型であり、あのような恐竜型はすたれてしまったはずなのだ
「・・・って、ここは遺跡じゃないですか・・・
何が出てきてもおかしくないでしょう・・」
「・・・それもそやな・・」
ネス達が傍観する中、咆吼する恐竜型ギア「デストロイ」
「メインシステム・・安全装置・・全解除
殲滅プログラム点火・・目標指定完了。」
ガンマが「目」を閉じるのと入れ替わりに、デストロイの目が輝いた
「ガァァァァァッ!!!」
デストロイに早速敵のレーザー砲撃が飛んでくる
しかしバリアを張る素振りも見せず、直撃を受けた
「んなぁぁぁぁ!?思いっきり食らいよったぁ!?」
・・が、全く無傷のデストロイ
両手を振り上げて一声吠える
「・・全部はじいてますよ・・あれ・・」
「グォォッ!!」
両肩から巨大なレールが伸びた
・・リニアレールガンの超高速化された弾丸がガーディアンを貫いた
初ダメージである
低く体勢をとると、飛び上がるデストロイ
「グォォォォォォォォォォォォォ・・・・・!!!」
ひるんだガーディアンにのしかかり、その鋭いクロー・アームで殴りつける
・・・がしゃ・・
べき・・・
・・がご・・ん・・
何度か殴った後・・
「ガァッ!!」
・・大きく開いた口を振り下ろし噛みついた
噛みつかれた方はたまったものではない
顎部が閉じていくに従い、敵の動きがだんだんと鈍ってくる
・・唖然として見つめるSG&ユニオン一同(一名気絶)
恐竜時代に戻ったかのような光景がそこにあった
そして、相対した敵は一匹の恐竜によって葬られようとしている
ぶ・・ん・・・・
デストロイはゴミでも捨てるかのようにガーディアンの上半身をくわえ捨てた
がん・・がらん・・がしゃん・・
胴体から切断されたガーディアンに向かい、もう一度口を開く
ぱしゅっ・・
空気の抜ける音がしてデストロイの全身のスラスターカバーがオープンする
「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!!!!!!」
気合いの限りの咆吼・・全身から粒子が吸収されていく
・・・「最大限」を超えたとき、口から収束された高圧粒子・・「加速粒子砲」が放たれた・・

・・9 まつりのあと・・(?)

7月30日

「・・・ちくしょー・・」
・・ロディがぼやいた理由は二つあった
一つは、病院を抜けたために病院側からくどくどと一時間も文句を言われた事
もう一つはガーディアンにあっさりやられてしまい、ガンマにおいしい所を持って行かれたこと
「ついてねーよなぁー・・・・・(泣)」
ついてない以上の問題があると思うが・・
何より、ゼファーの必殺技が破れたことの方がショックが大きい
「・・・サイシステムも強化して・・・
いっそVーMAXかEXAMでもシュウに開発させるか・・
あ、飛び道具の方がいいかな・・ブレストファイヤーみたいに・・」
・・・はたしていかほどになるのであろうか・・

・・午後9時半、ユニオンリバー社事務所(地下室)
・・ブレードバッシャー改造計画書・・
そう書かれたリストを片手に、シュウはなにやら開発を進めていた
「超電導・・システム・・・・・ふふふ・・」
ぼそぼそと言いつつ、シュウは笑いを浮かべた

「・・飛車、4ー5。」
「む・・・なかなか・・
桂馬、5ー7でどうでしょう?」
ネスとガンマは物静かに将棋をやっていた(念のために、ここはヨーロッパである)
「・・角、9ー5・・
私の勝ちですね」
「・・・本当にあなたは遺跡で寝ていたんですか?
・・最新鋭のCPUでも追いつけないなんて・・」
「・・一応・・私のクリエイターは「旧文明」の方ですからね・・
話に聞く分には、あなた達はそれを発掘して使っているそうですから・・
ある意味私は最新鋭を越えているわけですね・・
・・・そう、たまにあるでしょう?
今傑作と思ったモノより昔の傑作のほうがうまくいった気がするという事です」
「なるほど・・哲学ですか・・・
やはりビット数を増やしただけのCPUや無駄なスペース増設は意味がないと・・・」

・・・・その後、延々難しい会話が三時間続いたという。(笑)

一方・・

「ふぅ・・・・・ぅ・・・」
自室にいたメイは今まで体感したことのない感覚に襲われていた
・・身体中が赤く火照っている
遺跡であの時刺さったケーブルは、何かを彼女の中に植え付けていた
・・「何か」は三日の間に増殖し、全身に広がっていった・・そして今「進化」を始めたのである
それによるものなのか、彼女は異常な発熱に襲われていた
「・・うぁ・・・・・・っ・・・うわ・・・・ぁぁぁぁぁ!?」
さらに異変は大きくなる。
目は大きく見開かれ、息は上がり、全身から冷汗が流れる
・・・し・・・死んじゃう・・・・・
そんな考えさえ頭をかすめた

・・同時刻、セルムラント国立病院。

「・・・・くかぁ・・」
ロディは・・・眠っていた
静かに彼は眠っていた・・のだが・・
かしゃ・・ん
・・ガラスが割れる音・・
「・・あぁ・・?」
彼は上体を起こし、眼鏡をかけた
・・窓が割れている
「・・・?」
電気をつけた瞬間、彼は驚愕した
「ぷ・・プラスチック爆弾っ!?」
叫んだか否か・・
彼のいた病室を含む、B棟2階は見事に吹き飛んでしまった
・・しかし
「・・・・いってぇぇぇぇ・・・っ!!
くっそぉぉぉぉぉぉっ!!!
誰だ病院にC4(プラ爆)なんざ投げ込んだボケは!!!!」
いつもの装備をまとったロディに、爆弾など無意味そのものであった
「・・怪我人とはいえ俺にケンカ売るたぁなぁ!!
おもしれぇ!・・どこのヘボテロリストかしらねぇが相手になってやるぜぃ!!!」
・・その通り
この時の爆発は、犯人がただ適当に狙ってやったものである
・・へへへ・・抜け出すには丁度いいタイミングだぜ!!・・
薄ら笑いを浮かべながら、ロディは外に向かって走り出した・・


・・その後、彼はゼファーを呼んでまでこの犯人を叩きのめしたという。(笑)

どちらにしてもろくに仕事が出来ず、ましてケガまで負ってなおかつ必殺技が破られた・・
その上睡眠妨害まで食らって、散々な三日間であった。











第二話・・終わり
セプトギア・・「適当な科学考察講座」・・第一回

「今回はとりあえず、恐竜型ギア「GーD/88デストロイ」についてです。」
「ネスさん、彼は内気だけどいい人(?)なんですよ。」
「おやガンマ君・・・・・・内気って一体・・?」
「そう、たとえば窮地の時に援護しに来てくれたり・・
料理の素材を切って準備しておいてくれたり・・
話し相手がいないと縁側でお茶飲みながら相手してくれたり・・・」
「・・・あの・・何のお話で・・・・?」
「・・・失敬
今のは軽い冗談です。」
「冗談・・」
「本当のところ行きましょう
彼のAIは「破壊衝動」が七割を占めています
・・つまり理性三割、本能七割ですね
ということは敵を破壊することしか頭にないわけで・・
一変戦闘モードを起動すれば、たちまち敵機はガーディアンと同じ末路をたどるわけです。」
「・・・・・デンジャラスなお話です・・・」
「ま、彼を操縦すると言うよりは私が押さえる・・・という感じですね
で、ちなみにCPUのリソース容量は通常AIの二十四・五倍
さらにOPTツールとして・・」
「・・え~、以後は都合により削除させていただきます。
それでは皆さま、また第二回で・・・(さりげに流し)」

(・・ところで続くのでしょうかね・・これ・・)















次回予告・・(?)

「ひでぇ目にあった・・」
「自業自得です。
私達に黙って仕事もらってくるから悪いんですよ」
「そうそう。」
「せやでぇ・・」
「な・・っ・・てめぇら!!よってたかって俺のせいだと!?」
「・・そんなのどーでもいいから・・誰か助けて・・」
「で、このツールについてなんですが・・」
「・・ガンマ君、科学講座はもう終わってますよ」
「・・冗談です。」
「さぁーて!次回のセプトギアはっ!・・・
・・・何やるんだ?」
「知らへんで」
「気まぐれですからね」
「考えていないでしょう。」
「・・気持ち悪いよぉ・・」
「冗談といえば元NBAの・・」
「・・・・・やる気ねーだろてめぇら・・
・・ま、とにかく次回にこうご期待!!(?)」

「・・どれだけかかりますかね・・ははは・・(期待薄)」


最終執筆 二千年 8月18日


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