DAY-1



・・「海面」より高度1000mで滞空している空飛ぶ大陸の一つ「聖天の祭壇(サンクチュアリ)」
水没した地上からここに移り住んだ人々は、かつての戦争の歴史も今いずこ・・泰平の世を満喫している。

そんな平和な大陸の一角をまるごと占める学園都市「聖界学園(サンタ・マギスタ)」
初等部から学院まで・・泰平だと言うのなら特に平和であろう学生達の生活は、実はそうでもなかった。


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聖界学園高等部・生徒会室

・・の役員席の端に、スーツ姿の若い女性とヒヲウの姿があった


「突然ですみませんね。 生徒会長をやってくれませんか、逆波ヒヲウさん


授業中に突然の呼び出し・・何かと思えば、学園長はこんな突拍子もない事を言った。
・・・彼女は私の反応を見るためか、真っ直ぐ私の目を見つめて不敵に笑う
私は普通ならするであろうリアクションを起こさず、すぐに聞き返した


「今の生徒会長は・・・・いえ、生徒会の皆さんはどうなったのですか?」
「何故か揃って急遽転校する事になってしまったんです、そこで本来なら再度選挙を行うべきなんですが・・・」
「それを行わずして私に白羽の矢を立てる理由がある、と。」

・・・ここ最近誰もこの部屋に出入りしていない。
私の先輩であり友人、現生徒会副会長のアーネスト嬢のみは風邪をこじらせて入院している、という事だったが・・・


「学園長直々の依頼、断る理由はありません」
「お受け・・・いただけますか?」
「はい。聖界の名に恥じぬよう尽力致します」


学園長は先ほどまでの顔から一点、にっこりと笑った


「では・・・来年度の始業式で新生徒会を発足させます。」



こうして、天暦2030年・・聖界学園高等部生徒会は、唐突に生まれ変わった
何故私が選抜されたのか意図は読めないが、私としては望む所だ。

会長ならば一般学生と違い、様々な権限が発生する。
学生の名簿をチェックする事も出来るし・・誰が居て、誰が居ないのかがすぐにわかる・・・


私はこの権限を最大活用し、皆のために戦おう。
「彼女」と一緒に、この街の人々が理不尽に消されてしまわぬように。


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