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絶園のテンペスト　第19話　「願ったものは」

テーマ：アニメあれこれ(27262)

カテゴリ： ★アニメ・本・映画

『ひとりの少女が唐突に殺された』

『ある日、魔法使いの姫君が樽に詰められ島流しにされた』

★そして、ある日、復讐と魔法をめぐる、時間と空間を超えた戦いが始まった

・前のお話は
→　第1話～第18話　あらすじまとめ
(ハムレット、テンペストのあらすじ・名言もこちらで)

第19話　「願ったものは」

絶園のテンペスト19-1

「真広に言わなくちゃいけないことがある」

絶園のテンペスト19-3

テレビでは、赤城山上空で謎の巨大な果実が目撃され、絶園の魔法使いと新たな魔法使いの姿があったと報道されていた。そして、新たな魔法使いは、政府の通達により「舞姫」と呼ばれることになった。

「あの姫様はなんちゅうことをしてくれたんや」と嘆くエヴァンジェリン山本。おかげで政府も、はじまりの樹破壊案には懐疑的だと早河。葉風と合流したいところだが、ネックはあのふたり。真広は携帯も置いて出て行ったきりだった。

絶園のテンペスト19-9

突然、車が急ブレーキ。葉風が現れた。

「吉野に会って愛花の彼氏が誰だったか聞いて、おれはどうする? どうしたいんだ?」真広は愛花を思い出していた。

絶園のテンペスト19-7

「おまえは、病弱な深窓の令嬢みたいな外見して、どうしてそう格好も生活態度も雑なんだ」
「それは中身が病弱な深窓の令嬢じゃないから。妹に自分の理想を押しつけるなんてとんだ悪趣味ですね。こういう私を認められたら、真広も一人前ですよ」中学生の愛花にそう言われた真広は、こんな調子じゃ彼氏はできないなと思っていた。

吉野の絶園の魔法使い疑惑の話に、吉野に操られているなら、わざわざ羽村を鍛えたりしないと葉風。羽村は潤一郎にも鍛え直されてボロボロだから舞姫はしばらく休んでくれないかと山本。「どこぞの姫君のおかげですよ」と言う早河に、「果実を飛ばす協力もしたではないか」と葉風。「左門殿は果実を飛ばす準備に一年もかかったのに」という鉄馬に、「だから、わたしは姫様なのだよ」そして場所を変えて山本の説を聞きたいと言う。

はじまりの樹を妨害する絶園の樹はどう説明するかと言う葉風に、二つの樹は最初からひとつのものとしてデザインされ、同時に地球に現れたとするほうが自然かもと山本。「発想の方向性としては正しいと思う。あれが、どこかの何かが、邪な意思をもって私たちの世界に侵入させたものだってこと」

はじまりの姫君としては複雑だが同感だと葉風。それでも今はわたしの制御を受けている。それも腑に落ちないと葉風。冷静に物事を見ているようだと判断する山本。が、吉野のことになると、吉野が絶園の魔法使いで自分が倒されるのも、それはそれで悪くないと語る。ここは要注意だと考える山本。愛ゆえにこの姫様は最後の最後に何をやらかすかしれない。

絶園のテンペスト19-12

墓地を歩く真広。「何も答えない墓に何を願っている。何を祈っている。死んでから何を言っても全部手遅れだろう。墓に参って何を慰められたがってる。理屈に合いやしねえ」気分が変わると思ったが自分には場違いだった。帰ろうとすると吉野が。みんな自分たちに気をつかってか別行動のままでさすがに悪いから手土産も買って来たんだけど、よりによってこんな所で会うなんてと言う。真広は、

絶園のテンペスト19-14

おれもおまえも、うかつだな。なんできづかなかったんだろう。ハムレットじゃ、妹の死後、その兄とその恋人は墓地でばったり再会するじゃないか。約束だろ、愛花の彼氏のこと聞かせろよ。ついでに、おまえの彼女のことも。話す手間は変わらないだろう」(補足あり)

「というわけで、ぼくが愛花ちゃんの彼氏なんだよ」と言う吉野に、最初からきっちり説明しろと真広。説明していいのか?と吉野。「愛花とキスしたのか? おれの愛花に何してやがんだ」「おまえのじゃないって」「おまえのでもないだろ」「いや、この場合、ぼくのというほうが正しくないか?」「おれに隠れてつき合ってたくせに開き直って」「まあ、半殺しにされる覚悟で来たわけだから」

「本当に、おまえは愛花の彼氏なんだよな」「彼氏なんだよ。それで、ぼくを殴らないのか?」「おれがおまえを殴る理由はねえよ。それは理屈に合わねえ。おれは愛花の何でもなかったんだから。いい兄でも恋人でも」そして、

「おれは、何も愛花に伝えてないんだ。好きかどうかってのも、つい最近まで自覚すらしていなかった。そのおれが、愛花が好きでつきあってたやつを何で殴る資格がある?理屈に合わねえ。不合理すぎる。あの愛花にも好きな男がいて、そいつと楽しく過ごせてていたなら、喜んでやるのが筋だろう。それがおまえなら、なおさらだ」

絶園のテンペスト19-17

「ぼくは愛花ちゃんの死によって世界が救われたと思える最後にしてみせる」と吉野。「テンペストか」愛花を殺したやつを赦す気はないと語った真広は、「 まったく、おれは本当に、本当に愛花のことが好きなんだな 」

絶園のテンペスト19-18

吉野と真広が一緒に戻って来た。予期せぬ和解に左門は困惑。葉風は真広に「わたしの吉野に何もしなかっただろうな」吉野はたぷん愛花しか見ていない。これでよかったのかと真広が聞くと、この世には、かなわぬ恋のほうが多いもの高望みはしない。それに自身の誉れと行いの責任をとらねばならないと。そして悲劇は止めなければならない。吉野のためにと言う。世界のためより、惚れた男のためのほうが迷わず事を選べると。

絶園のテンペスト19-19

最後の果実を飛ばす前に確かめなければいけないことがあると葉風はみんなに言った。いったい誰が不破愛花を殺したのか。そこに今の混乱した状況とふたつの大樹の真実があるとも思える。そこで、

「 わたしは、ふたたび過去に戻ろうと思う。不破愛花が殺される前の時間にな 」

絶園のテンペスト19-20

次回、フーダニット(誰がやったか)

(補足)

ハムレットで、恋人をなくしたハムレットと妹をなくした兄が出会うのは「墓場」その時のハムレットの台詞が「オフィーリアを愛していた。たとえ幾千幾万の兄があり、その愛情すべてを寄せ集めたとしても...」です。詳しくは→　ハムレット名言「たとえ幾千幾万の兄があり...」