青き天体研究所

プロローグ

母親が子供の手を引っ張り目的の場所へと向かう。

子供の主張を無視し足速に進んで行き、何とか目的の場所に着いたようだ。

そこには二つのカプセルがあり既に一つは蓋が閉まっている。

母親は閉まっていないもう一つのカプセルに近寄り幾つかのディスクを入れ、コンソールを動かしている。

設定し終わると子供の方へと近寄る。

「さぁ・・・早くカプセルの中へ。」

「母さん、何を・・・!?」

カプセルとは中に入ったものを冬眠状態にし理論上、何百年、何千年間生きることの出来る物である。

そこに入ることは彼を冬眠状態にし逃がすということである。

「いい、あなたたちにはこの中でしばらくいてもらいます。後で迎えに・・・」

「母さん、嘘言わないでよ・・・。」

彼は涙を浮かべて言った。

「ここにいろってことは・・・!!」

母親は少し溜息をつき、子供の目を見て話した。

「・・・あなたの言う通りよ。あなたにはやってもらいもらいたい事があるの。

おそらく遠い未来に『運命』を賭けて戦うことになる・・・。勝手なことはわかってる!

だけど、あなたたちしか出来ないの。」

「でも!!」

その瞬間、後頭部に衝撃が走り倒れてしまった。

「子供の言い訳を四の五も聞いている場合じゃないだろう。」

「貴方・・・。」

「怨まれるかもしれんがこんなことで死なせるにはいかないんでな。」

そう言って彼をカプセルの中へと運んだ。

それに同意したのかコンソールを叩きカプセルの蓋を閉じた。

「あとは頼んだぞ。子供達よ・・・」

そう言って部屋を後にした。

人々が宇宙で暮らすようになってから既に150年以上経っていた。

立て続けに落ちてきた通称メテオ1・メテオ2によって様々な知識を得ることが出来、

その知識を利用し地球で様々な道具が作れるようになっていた。

新西暦156年。
ビアン=ゾルダーク博士の解析結果からメテオ1・2は異星人によって落とされたことが判明する。

そしてメテオ1・2を作り出すほどの技術を持つことから、今の地球では歯が立たないことを発表した。

このことを真意に受け止めた地球連合政府はEOTを利用した兵器、パーソナルトルーパー。

通称PTの開発を急いだ。

新西暦160年。
異星人が襲来。

彼等は自らインスペクターと名乗り、地球圏に完全降伏を要求するものの連合政府はこれを拒否。

後にインスペクター戦線と呼ばれる戦争が起き、多大な犠牲があったものの地球連合の勝利という形で幕を閉じた。

新西暦164年。
インスペクター戦線を勝利したことによって地球連合は腐敗していき以前の痕跡が見えなくなってしまう。

そのことに疑問を持ったビアン博士は反地球連合ディパインクルセイダーズ、通称DCを設立した。

そして・・・現在に至る。

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