青き天体研究所

青き天体研究所

第一話  日常



「こちらも確認済みだ。さて、どうやって連れて行こうか・・・。」

高層ビルの屋上で謎の2人が双眼鏡を片手に何やら話している。

「それにしても、どうして副司令はあの子達が保護するのかしら。」

「さあな。だが・・・」

片手にコーヒーのカップを持ってそれを口に含んだ。

「任務とあれば仕方がない。・・・ところで。」

いきなり尋ねられ少し戸惑う。

「はい?」

「このコーヒーにいくつ砂糖を入れてる?」

「4~5杯位かなぁ」

「・・・入れ過ぎだ。」

そう言って一気にそれを飲み干した。




今日も静かな朝が始まろうと・・・

「いい加減起きろと言うのが聞こえないのか!!」

静かな・・・

「ウーン・・・もう少し寝かしてよ・・・セイ兄」

訂正。この二人の会話から一日が始まろうとしていた。

「ったく・・・。先に飯食ってるぞ!」

再び寝てしまったのか返事が全く聞こえなかった。

「毎日大変そうだな。セイン。」

ソファーの真ん中にドカリと座ている男が言った。

「リュウセイか。飯食うんだろう?」

「当たり前だ。お前の飯、旨いもん。」

「まあ四・五人増えたところで関係ないしな。」

「四・五人?」

リュウセイ尋ねた瞬間、玄関のベルが鳴った。

セインが急ぎ足で玄関を開ける。

「おはようございます。リュウセイ君、居る?」

「おはよう、セイン。」

「クスハ、ブリット。おはよう!リュウセイなら中で飯食っているぞ。

後、いつも言っているがチャイム鳴らさなくていいから。」

「え!でも・・・」

少し困っているクスハを見て少し苦笑する。

「まぁいいや。あれ起こしにいくから中で待っててくれ。」

そう言ってセインは二階へと上がって行った。

二階には部屋が三つほどありそのうちの一つを開けた。

中では女の子がすぅすぅ、と寝息を立てていた。

「フィス、いい加減に起きろ。リュウセイ達も来たんだぞ。」

フィスと呼ばれた人物は少しうめき声をあげながら、

「後・・・24・・・時間・・・」

その瞬間、セインの中で何かがキレた。

「いい加減に起きやがれ!!何時まで寝てりゃあ気が済むんだ!!!」

布団をひっぺ返し無理矢理起こした。

「ん・・・あ、おはよ。セイ兄。」

「何がおはようだ!さっさと着替えろ!!」

「ハーイ。」

そういって、フィスは着替え始めたのでセインは一階へと降りて行った。

一階ではクスハが洗濯物を干しており、半分以上が干し終わっている状態だった。

「何やってるんだ。お前達」

「セイン君、洗濯物があったから干しているんだけど。」

「呼び捨てで良いって。そんな事しなくて良いのに。」

「気にしないで。好きでやっている事だから。」

気にしないでといわれても、他人の家でいきなり洗濯物を干されれば突っ込みたくなるものである。

「皆さん、遅くなって。済みません」

「おはようございます。フィス。」

「早く飯食ってくれ。片付けられない。」

そう言われ急いで用意してある朝食を食べ始める。

「クスハ。残ってた洗濯物洗っといたぞ。」

「ありがとう、ブリット君。」

「ブリット、いないと思ったらそんな事していたのか。」

洗濯籠を持ってきたブリットは持ったままセインの方へ向く。

「クスハの頼みだからな。」

「・・・お前ら気を使い過ぎだぞ。少しはリュウセイを見習えよ。」

当の本人は自分で持ってきたビデオを見ている。

大方ロボット関係のものだろう。

「普通、あそこまでくつろげませんって。」

クスハはそう言うと今度は台所へ行き、食器を洗い始める。

フィスも食べ終わった皿等を片付け始めている。

「全く・・・。(そろそろか・・・)」

そう言ってセインは自分の部屋へと行ってしまった。




そして時間は刻々と過ぎていき・・・。




「早く行くぞ!遅れるわけにはいかないんだからな!」

「「てめぇが一番遅かったのに何えばってるんだ!」」

リュウセイ、ブリットはセインに突っ込みを入れ、駆け足で学校へと向かった。






この平和が終わるとも知らずに・・・。



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