どうせ今年の冬も、くすんだ色の街路を吹き渡る北風が剥き出しの我が魂を完膚なきまでに痛めつけ、一人で淋しく風邪をひく。毎年のことだ。そうなるに決まっている。そして、ある日のこと、熱のある身体を引きずってコンビニへ買い出しに出た私の目前を、浮かれ騒ぐ破廉恥な輩たちがケーキや鶏を御輿のごとくかついで駆け抜けるのだ。街に煌めく電飾が、高熱に霞んだ私の目に美しく映ることだろう。なぜ街がこんなにもきらきらしているのであろうと私は疑問に思うが、やがて下宿へ帰る坂道を上りながら、卒然と気づくだろう。ああ、そうか、今宵はクリスマスイブであったかと――。 I know その気持ち。