─ 灼熱 ─

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2005年09月19日
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カテゴリ: カテゴリ未分類


週刊ポストの記事 に関連させて書いたものです。したがって前回から続いているものとしてお読み下さい(一方しか読まなくても意味は通じますが・・)。本当はポスト記事を引用という形にして、引用の下に続けてこの文を載せたかったのですが、なんせ楽天ブログには文字数制限というどうにかしてほしいものがありまして、仕方なく別々にアップしているのです。

そしてこれは、ゴールドマン・サックスに務めヴァイス・プレジデントの肩書きを得た人物が書いた本を参考にし大量に引用している(全内容ではありません)ので、以下は、最低でも“身内が書いた伝記”的な部分を割り引いて読むことをお勧めします。なにしろこの本はトップに就いた人物を“絶賛”している内容ですのでね、どんな本でもそうですが、文面通りに受け取らず、気をつけて読まなければなりません。ゴールドマン・サックスについて詳しく書かれた日本語本を、私は1冊しか持っていないのでこの本に多くを頼るしかなかったのですが・・




※ ゴールドマン・サックスの“したたかさ”は、旧長銀(新生銀行)の買収時に集約されてると思っている。


新生銀行(2005年01月22日)
http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200501220000/

長銀「われらが血税5兆円」を食うユダヤ資本人脈ついに掴んだ!
http://blog.livedoor.jp/ayaka222a/archives/16461401.html

高橋治則が死去(2005年07月20日)
http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200507200000/



ゴールドマン・サックスの歴史は、ゴールドマン家、サックス家、ワインバーグ家、この3つの家族に集約できるだろう。長くなりそうなので、今回は、ロバート・ルービンが登場するあたりまでのところで区切ろうかと考えている。

マーカス・ゴールドマン (妻バーサ・ゴールドマン)には、レベッカ、ジュリアス、ヘンリー、ローザ、ルイーザという5人の子供、ジョーゼフ・サックス(妻ソフィア・ベア)にも、ジュリアス、サム、エミリア、ハリー、バーニーという5人の子供がいた。ゴールドマン家のローザはサックス家のジュリアスと、同様にルイーザはサムと、両家は婚姻によっても結び付いている。そして、ルイーザとサムの間には、アーサー、ポール、ウォルター、エラという4人の子供が生まれた。

世界最強の投資銀行 」と言われる銀行の創業である。ちなみに日本では1868年が明治維新つまり明治元年を迎えてた年であった。日本銀行の設立は1882年である。


マーカスは娘ルイーザの夫つまり義理の息子 サム・サックス (サックス家もドイツから移住したユダヤ人)を招き入れ、社名をM・ゴールドマン・アンド・サックスに変更した。後にサムの息子アーサーとポール、ウォルターの3人はともに「家業」に加わり、特にウォルターは1980年に96歳で亡くなるまで72年間にわたって会社に関与した。創業から50年ほどの期間は、この両家の人間だけでゴールドマン・サックスのパートナーが構成されていた。1885年、マーカスは自分の息子ヘンリーと娘レベッカの夫であるルートウィヒ・ドレイフュスをジュニア・パートナーに招き入れると同時に社名をゴールドマン・サックスに変更した。1894年にハリー・サックスが入社し、1896年にはニューヨーク証券取引所の会員となった。

ゴールドマン・サックスが扱ったCPは、1890年は3100万ドル、1894年には6700万ドルと急増し、1960年代後半にはアメリカのCP全体の50%を扱い1日2億ドル以上を販売するまでになる。

マーカスが引退すると、会社を託されたのは、息子の ヘンリー・ゴールドマン と、義理の息子サム・サックスであった。

サムは1897年6月にロンドンを訪れ、マーチャント・バンクのひとつ、 クラインウォート・サンズ のハーマン・クラインウォートとアレキサンダー・クラインウォートに会って海外での資金調達に機会を見いだそうとした。このときクラインウォート家の2人は、NMロスチャイルドのニューヨーク代理人であるオーガスト・ベルモントを通じてゴールドマン・サックスの調査を行なったという。ベルモントの評価は「非の打ち所のない会社だ」である。ここからクラインウォートとの関係が始まったらしい。つまりこの関係があったからゴールドマン・サックスは1970年までロンドンに事務所を開設しなかったということになるようだ。彼らは相互に経済状況や相場、新規事業の機会に関する意見を交換しており、ゴールドマン・サックスのパートナーがイギリスに行くと、クラインウォート家の郊外の家で週末を過ごしたりするといった関係である。

1904年、サム・サックスの息子アーサーとポールがハーバード大学を卒業して入社した。その夏、創業者であり2人の祖父にあたるマーカス・ゴールドマンが世を去った。

サム・サックスとともに会社を託されたヘンリー・ゴールドマンは、28歳のときゴールドマン・サックスに入社した。ヘンリーは仲の良い友人 フィリップ・リーマン と深い関係を築いてゆく。2人はマンハッタンのダウンタウンのレストランで毎日昼食を共にし、ゴールドマン・アンド・リーマンという名前で会社を設立することを検討したほどの仲であった。この話は、結局はそれぞれの家族が経営する会社が「提携」することになったが、この関係に基づいて、ゴールドマン・サックスとリーマン・ブラザーズは株の引受業務を共同で行ない、その利益を折半した。長く両社のこの関係が続いたのは、ゴールドマン・サックスが顧客を持ち、リーマン・ブラザーズが資金を持っていたためであったと言われている。



シアーズの株式公開を成功裡に終えたゴールドマン社とリーマン社は、FWウルワースの株式公開引受主幹事の地位を勝ち得た。その後30年間、1936年に覚え書きを交わして正式に関係を清算するまで、ゴールドマンとリーマンは、あたかも1つの会社であるかのように、発行体56社、発行案件114の引受を共同で行なった。第二次大戦前のころには、両社の案件は公募価格が決まる前から完売されるまでになっていた。

第一次大戦がゴールドマン・サックスを二分した。ヘンリー・ゴールドマンはドイツ系ユダヤの出自だったからか?、ドイツを支持し戦争でもドイツを支援した。サム・サックスは、クラインウォートに対して、会社はイギリスを支持する立場をとると表明した。サックス家もドイツから移住してきたが、サムが忠誠を誓うのはイギリスでありフランスであった。

戦争が長引くにつれヘンリー・ゴールドマンとサックス家の関係は悪化していった。そしてついに、クラインウォートが電報で、ロンドンでブラックリストに載せられる危険があると伝えてきた。クラインウォートの目にもゴールドマン・サックスがドイツと積極的にビジネスを行なっているのは明らかだった。イングランド銀行は、クラインウォートがゴールドマン・サックスと外国為替業務を行なうことを禁じ、戦争が終了するまでゴールドマン・サックスがロンドンで業務を行なう道を絶った。

その後、ヘンリー・ゴールドマンは「 世界を動かし世論となりつつある意見に、私は同調いたしません。私は会社と全社員に対する暖かい思いと、35年間の思い出を胸に辞職します 」と書いた辞表を提出し、ヘンリーはパートナーたちに、謝罪と共に辞職を願い入れた。そしてパートナーたちはそのいずれをも受け入れた。



「両家の敵対関係は次の世代にも受け継がれ、今日(1967年)でもゴールドマン家でサックス家と口をきくものはいない」(スティーヴン・バーミンガム)

ゴールドマン・サックスでゴールドマン姓を名乗る者はヘンリーが最後であった。1922年、彼はドイツ共和国に推薦されて名誉市民となっている。1930年代はじめ、彼は愛するドイツに戻り永住するつもりであったが、ヒトラーが権力を持つようになるとニューヨークに戻り、ヘンリー・ゴールドマンは1936年に永眠した。

1929年の大恐慌時に権力を握っていたワディル・キャッチングスが会社に大変な損害を与えたことで追い出されると、大恐慌時に「ウォール街の諸悪の象徴」とされていたゴールドマン・サックスを甦らせたのは、中学を中退した“小卒の男” シドニー・ジェームズ・ワインバーグ であった。まだ30代だったワインバーグは、その後、40年間ゴールドマン・サックスでリーダーシップを取ることになるのである。



文字数オーバーなので3つに分けます。
続きは以下です。

ゴールドマン・サックス(2)
http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200509190001/







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最終更新日  2005年09月19日 00時10分33秒
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