ラッコの映画生活

ラッコの映画生活

PR

Calendar

Comments

Jeraldanact@ Проститутки метро Электросила Брат замминистра инфраструктуры Украины…
SdvillkeS@ ИнтерЛабСервис [url=https://chimmed.ru/ ]brueggemannal…
hydraGes@ Новая ссылка на гидру v3 новый сайт гидры v3 <a href=https://hydraruzpnew4afonion…
間違い@ Re:『沈黙の行方』トム・マクローリン監督(米・加2001)(02/21) 姉ではなく、妹です。 なので、弟ではなく…
RogerEQ@ Это вам будет по вкусу разработка сайтов веб сервис - <a hr…

Profile

racquo

racquo

Favorite Blog

コイケランド koike1970さん
Kabu + Plus エースNo1さん
行きかふ人も又 はる **さん
Nobubuのbu… Nobubuさん

Keyword Search

▼キーワード検索

2006.12.09
XML
カテゴリ: 日本映画
KOROSHI/殺し
小林政広
第53回カンヌ映画祭「監督週間」正式出品作品

*KOROSHI_00.jpg

この監督の作品を見るのは初めてです。Mashiro Kobayashiはフランスでも注目されている日本の映画監督で、最もフランス的な監督、なんて評価もあるようで、それで簡単に入手したものを見てみました。

北海道の何処なのか知りませんが、リストラにあって会社をクビになった浜崎(石橋凌)が、妻和子(大塚寧々)にそのことを言えず、会社に毎日行っているふりをしてパチンコ屋で1日を過ごをているが、ある日謎の男(緒方拳)に声をかけられ、殺し屋となっていく。

映画の最初と最後に雪に埋もれたバスの風景の同じショットが映され、「たぶん人生というのは、1台の乗合バスで長い旅を続けていくことなんだろう。偶然居合わせた乗客たちと、探り合い、憎み合い、罵り合い、それでも分かち合うことを願い、諦めず、旅を続けていくことに違いない。」と浜崎の声で語られる。

*KOROSHI_05.jpg*KOROSHI_03.jpg

(以下ネタバレ)
浜崎は自分で作った時間割に合わせた日々の中に自分を埋没させている。会社をクビになったことを妻に言えずに始めた毎日。わずかばかり貰った退職金から給料を模して銀行口座に会社名義で振り込んでいるお金もあと少しで底をつく。だからいずれは妻にも真実を告白しなければならないのだが、いざこういう虚構の日常を生き始めてしまうと、それが現実となって、抜け出せなくなるものだ。しかし映画が始まって描かれる最初の朝食の場面で、もたもたしている夫に妻が時間を促すと、「今日から会社の開始時刻が1時間遅くなったんだ」とその場でウソを言う。彼自身会社に行くと言ってパチンコ屋に出勤(?)する毎日に飽きてもいる。

そんなある日いつものパチンコ屋に行くと、雪の舞う駐車場に車は居ない。突然の廃業だ。車の中でいつもと同じ昼食のパンと牛乳を食べていると、突然走ってきた謎の男が無理矢理助手席に乗り込んでくる。そして前金250万円とピストルの入った封筒を渡し、殺し屋になれと言う。後ろから近付いて、後頭部に銃口をあて、1発でしとめて逃げること。相手の目は決して見ないこと。浜崎の高校生の娘はアメリカに留学中でお金も必要だ。実際に起きていることの深い理解もないままに彼は引受けていた。

*KOROSHI_01.jpg



そんなある日、謎の男の依頼は、浜崎入社時から上司の下条だった。浜崎より前にリストラされ、今はタクシー運転手をやっているが、それでもローン等は払えず、生命保険金を家族に残すための本人からの殺人依頼なのだ。浜崎はそのタクシーを呼び、ひと気のない海岸に向かおうとするが、下条には彼が殺し屋であるということがバレてしまう。浜崎は下条と目を合わせてしまう。最初は見ず知らずの者に後ろから突然殺されるよりも浜崎に殺される方がいいと言う下条だが、かえって浜崎の躊躇は増していく。「君は入社以来変わっていない。優しそうでいて、ただ優柔不断なだけ。ほとんどの日本人のように。」そしてそんな浜崎、殺し屋でありながら感情に流され自分をすぐに殺すこともできない浜崎を見ながら、下条はこんな男に殺されなければならないこと、こんな腑甲斐無い男が安易に殺し屋などやって金を稼いでいる中で自分が死ななければならないことに不条理を感じる。下条は逃げ、命乞いをするが、浜崎は引き金を引いた。

*KOROSHI_04.jpg

その頃妻和子は、昨夜夫が話に出した下条の妻、かつては交際のあった下条の妻に久しぶりに電話をする。そして下条の妻の話から自分の夫も会社をクビになっていることを和子は知る。「あの野郎!。」

*KOROSHI_02.jpg

浜崎には殺し屋を続けることはできなかった。謎の男に電話をし、「生活のレベルは落ちても、娘もアメリカから帰国させ、妻にもパートに出てもらって、家族3人ガッチリと生きていきたいんです。」と話す。

家で淡々とクリスマスのリース飾りを作る和子。家の外に人の気配を感じ、引き出しから出した分厚い封筒を手に玄関から出ていく。そこには謎の男が。彼女は封筒を渡して夫の殺害を依頼する。謎の男は「お母さんに似てきた。」という言葉を残して去っていく。浜崎は謎の男の一発で殺される。謎の男は哀れむように浜崎を見つめるのだった。

*KOROSHI_06.jpg

この映画、浜崎と和子と謎の男、あとは殺されるターゲット、それ以外の人物を監督は登場させない。電話で話すアメリカの娘も、下条の妻も、電話の声ですら登場しない。そして雪に閉ざされ、殺伐とした風景を流れる強い風の音。目に止まるのはゆっくりと回る風力発電のエオリア。その風車同士もただ孤立して孤独に並んでいるだけだ。あたかも人々の孤独や関係の希薄性を象徴するかのように。浜崎の家の吹き抜けの天井にもシーリングファンがゆっくりと回っている。この家の夫と妻、そして不在の娘の関係も同じだと言っているのか。人々が関わりを持つのは、殺し/殺されるという関係性の時にであり、夫は給料を持ってくるから、「すごい!」セックスをしてくれるから、妻にとって関係性があり、その命さえ生命保険金をもたらすためにある。娘も送金を迫るからこそ母や父との関係性があると言える。それ以外は社会の制度に埋没し、ただ風車のように別々に、それぞれが虚しく回っているだけだ。途中で浜崎のターゲットとなる男たちは殆ど描かれないが、最初に彼が殺すのは自分と同じ境遇にある男、つまり自分自身であり、最後に殺す下条の運命を彼も辿ることになる。

そのような関係性でしか繋がることのない今日の我々、人と人。本当にあるべき人間性を欠いた人々と、そう生きることを強いるこの社会。監督の痛烈な批判はここにあるのではないか。最後の殺人の後で浜崎は真に生きることを謎の男に熱く語るが、結局のところ下条と同じ、保険金をもたらすものとしての関係性しか妻と持つことが出来なかった。

たぶんアフレコで合わせた風の音や、雪を踏む足音、そしてダイアローグ、人影がない冬の薄暗い風景、そこに音もなく回る風力発電風車。全体から感じさせられるのは孤立感でもあり、非現実的な世界。だからこそこのちょっと荒唐無稽なストーリーに違和感もない。個人的な感想としては、最初に運転しながら浜崎が独白する自分の現状の説明はもっと別な形では出来なかったろうか。それと最初と最後の乗合バスのモノローグはない方が良かった気がする。

この映画、実際がどうであったかは別として、役者のギャラ等を考えなければ、ちょっとした映画研究会で作れるくらいの低予算でも作れるのではないだろうか。お金をかけなくても良い映画を作ることは可能なのだ。

*KOROSHI_07.jpg


監督別作品リストはここから


アイウエオ順作品リストはここから





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.12.09 03:16:58
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: