ラッコの映画生活

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2007.07.07
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カテゴリ: フランス映画
ROIS ET REINE

150min

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寸評:DVDで見たのですが、最初の30分くらいのとこれで「もう少し見たら一度やめて続きは2~3回にわけて見るか」とやや退屈でした。でもその後は一気にそのまま最後まで見てしまって、時計を見たらずいぶん遅いので調べたらこの映画2時間半もありました。不思議に良くできた映画で、主人公ノラの半生を通して、なんとなく人生の儚さ、哀しみのようなものを感じさせられました。

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面白いナレーションの映画です。先日見たフランソワ・オゾンの 『ふたりの5つの分かれ路』 をちょっと思いだしました。オゾンの映画はあるカップルの出会いから離婚までの5つの情景を、時間をさかのぼって描いていました。このカップルの5つの時期の情景なんですが、映画は(つまり監督は)観客に因果関係とか脈絡は示していないように思う。もちろん5つの場面の、 ここではこうなのに、こっちではこうなってる 、といった矛盾、破綻が見られるわけではない。でも こうで、こうで、こうだから、こうなって、でこういう結果になった 、というストーリーを映画は観客に提示していないように感じた。5つの場面を見てその脈絡を構成するのは観客に委ねられている。あるいは5つ別々の短編として見ることだって可能だ。ある1人の人物なり1組のカップルの物語を映画が最初から脈絡を持って語ってしまうと、ただその特定の人物やカップルの物語だけになってしまうのに対して(それが悪いわけではない)、このような話法で描くと、人間とかカップルとかをもっと広く普遍化するような気がする。そしてある場合には自身のこととして観客に投げかける効果もあるのではないだろうか。

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この『キングス&クイーン』に関しても似た感想を持った。主に男女1名ずつの物語が描かれるのだけれど、その2つが平行して描かれ、色々なシーン(エピソード)があるが、それは現在の出来事もあれば、過去の回想、夢もある。そのそれぞれのシーンをバラバラに別のものとして見て、でもそれを自分の中で再構築できるのが面白い。大体からして映画自体が作り物であることを抜きにしても、例えば回想や夢の場面というのは、回想したり夢を見る登場人物の主観で描かれるのであれば、決して(そういうものがあるとして)客観的な真実などではない。その意味では黒澤明の『羅生門』(あるいは芥川の『薮の中』)ともどこかで繋がるのかも知れない。あるいは我々が実人生で誰かの人物像やある出来事の解釈を作り上げるのは、互いに脈絡があるとは限らない断片的な情報の集積以外ではないわけで、こういう話法はそれに近いかも知れない。

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(以下ネタバレ含みますが) (余談:看護婦と書きたい!) を雇って病身の父を家に引き取り、父の最後を看取ることになる。そんな彼女は1年前に別れた2人目の夫(入籍なし)のイスマエルの所在を探させる。養父として、また友人として息子エリアスを育ててくれたのはイスマエルだった。エリアスは今度結婚するジャン=ジャックと折り合いが悪いとかではなかったが、誕生前に実の父を失い、今また祖父を失おうとしているエリアスにとって、なついていて信頼もしているイスマエルが必要だとノラは考え、イスマエルに息子を養子にして欲しいと頼みたかった。

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もう一人の主人公としてノラの物語と平行して描かれるのは、このイスマエルだ。イスマエルは音楽院を卒業した音楽家で、少人数の楽団でビオラを弾いていた。しかし彼は7~8年前の何かの件以来で国税局から税金の督促を受けており、神経症で、また行動が破天荒で仮装をして街を歩くなど狂人と疑われてもいた。そして身内の誰かの請求で精神病院に強制入院させられてしまう。ノラの人となりに関しては彼女の過去の回想で段々に人物像が浮き上がってくるが、このイスマエルについては主に現在の出来事・行動から人物像が分かる。無責任だが人が良く邪気がない子供のような人物だ。病院に監禁されていてもそこでの生活はけっこう楽しんでいて、窓口の若い女性や入院してきた自殺僻のアリエルなどとも親しくやっていた。

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映画の最後で、イスマエルは病院を退院し新しい楽団でビオラを弾き、エリアスに愛を告白し、明らかに成長した姿が描かれる。一方ノラの父は死に、息子エリアスの養子問題の結論が語られ、ノラはジャン=ジャックと結婚する。最後にパリの「人類博物館」でイスマエルがエリアスに人生哲学を語る8分くらいの長いシーンが圧巻だ。映画の始まりがノラのインタビュー風の語りで始まったように、ラストもまた同じようなノラの語りで締めくくられる。最大のネタバレになるのでノラについてはあまり書かないでおくが、終始自己中心的なノラのあり方を批判するべきなのか、人というのは程度の差はあっても誰でもこうした自己中心的なものだと、ノラを受け入れるべきなのかまだ良くわからないというのが正直な本音だ。彼女は「4人の男性を愛し、2人を死なせた」と語る。死なせた2人とは最初の夫ピエールと父ルイのことであり、あとの2人は前夫イスマエルと息子エリアスだ。「悪の連鎖が打ち切られ、この2人が生を歩んでいけばそれで良い」と語る。人生を悟ったような諦観したような、彼女の妙な清々しさの中に映画は終わる。

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この映画の中でキーポイント的人物であるのは息子エリアスだ。プロットとしても彼の存在がノラとイスマエルの物語を結びつける。また冒頭からエリアスの誕生前に死んだ実の父ピエールの認知問題などの経緯が描かれ、またエリアスはイスマエル、祖父ルイという養父を持った。この映画のもう一つのテーマは「養子」だろう。そうでなければ次のような挿話は必要ないはずだ。故郷の両親を訪れたイスマエルが両親と一緒に父親の母、つまり祖母と会うシーン。ここでややボケた祖母はイスマエルの母(嫁)に、この子をどうやって得たのか、出産か養子かと尋ねる。母は出産と答える。次に息子に「お前は私が生んだんだっけ?」ときいたのに対して、イスマエルの父は「養子だよ」と答え、祖母は「それもまた良いものだね」と言う。直前には14才の時から家にいるシモンを養子にして財産も5分割したいと父が語るシーンがあった。イスマエルを除く3人の兄弟たちは自分の取り分が減るので良い顔をしない。血の繋がらないイスマエルとエリアスの絆。一方やや偏愛的なルイの娘ノラに対する誤った(?)関係。お金をせびるだけの妹クロエ、実はそうなったのはルイとノラの関係性が原因なのかも知れないが。そんな実子と養子の親子関係が色々と描かれている。

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この映画のDVDを借りた理由の一つはノラを演じたエマニュエル・ドゥヴォスという女優さん。この人、失礼ながらいわゆる美人というのでもないし、ボクのタイプでもないのですが、 『リード・マイ・リップス』 を見て、その独特の魅力が気になっていました。優しい、でも自己陶酔したような声もまた独特です。ノラ役は適役でしょう。と言うよりも彼女以外ではまったく別の雰囲気の映画になってしまったように思えます。イスマエルを演じたマチュー・アマルリックは数多くの映画に出演しているようですが、日本公開作品ではあまり見られないでしょうか。多才で実に良い演技で、最後8分に渡ってエリアスに人生を語るシーンも良かったですね。父ルイを演じた(映画監督フィリップ・ガレルの父)モーリス・ガレルも手堅く好演でしたが、何と言っても圧巻だったのはイスマエルを診察する精神医を演じたカトリーヌ・ドヌーブ。この人はいくつになっても綺麗だし、醸し出す雰囲気に(良い意味での)貫禄があります。

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あとこの映画、冒頭から「ムーンリバー」がかかり『ティファニーで朝食を』を思い起こさせますが、映画全体として色々な映画や映画監督の作風の引用・オマージュが見られる感じで、映画マニア同志の話題としては色々面白いかも知れません。

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Last updated  2007.07.10 14:14:53
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