ジャック・リヴェットは『カイエ・デュ・シネマ』三代目の編集長で、20本以上の映画を作っている、ヌーヴェル・ヴァーグの重要な映画人。でもその作品はこれまで(たぶん)見たことがなかった。日本では『美しき諍い女』がエマニュエル・ベアールのヘア修正問題などで有名で、また一部ではカルト的人気もある。ボクはひねくれているから、フランス映画は好きだけれど、日本であまり話題になる作品はどうも敬遠してしまう。まあ敢えて言い訳をするならば、日本では最近はあまり好まれないフランス映画が好きだということは、逆に言えば日本で話題になるフランス映画は、フランス映画でもボクの好むフランス映画らしくない可能性があると思ってしまうんですね。それが昨年行きつけの桜坂劇場に『恋ごころ』を見にいったら、これが物凄く良かった。でレンタルなどで他の作品も見始めたというわけです。この人の映画はとても長い。『美しき諍い女』は約4時間、『恋ごころ』2時間35分で、『OUT 1: NOLI ME TANGERE』という作品はなんと12時間30分もある。今回の『セリーヌとジュリーは舟でゆく』も3時間6分。でもこれも『恋ごころ』も決して退屈することもないし、どちらも(かなり睡眠不足状態で見たけれど)眠くなるようなことはない。むしろ終わってしまうのが寂しいと思わせるほどに、その映画の世界の虜にしてくれます。明らかに作為的世界ではあるけれど、ある意味これが映画というものの本質なのかも知れない。