ラッコの映画生活

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2008.01.30
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カテゴリ: フランス映画
CELINE ET JULIE VONT EN BATEAU

186min
(DISCASにてレンタル)

a.jpg

ジャック・リヴェットは『カイエ・デュ・シネマ』三代目の編集長で、20本以上の映画を作っている、ヌーヴェル・ヴァーグの重要な映画人。でもその作品はこれまで(たぶん)見たことがなかった。日本では『美しき諍い女』がエマニュエル・ベアールのヘア修正問題などで有名で、また一部ではカルト的人気もある。ボクはひねくれているから、フランス映画は好きだけれど、日本であまり話題になる作品はどうも敬遠してしまう。まあ敢えて言い訳をするならば、日本では最近はあまり好まれないフランス映画が好きだということは、逆に言えば日本で話題になるフランス映画は、フランス映画でもボクの好むフランス映画らしくない可能性があると思ってしまうんですね。それが昨年行きつけの桜坂劇場に 『恋ごころ』 を見にいったら、これが物凄く良かった。でレンタルなどで他の作品も見始めたというわけです。この人の映画はとても長い。『美しき諍い女』は約4時間、『恋ごころ』2時間35分で、『OUT 1: NOLI ME TANGERE』という作品はなんと12時間30分もある。今回の『セリーヌとジュリーは舟でゆく』も3時間6分。でもこれも『恋ごころ』も決して退屈することもないし、どちらも(かなり睡眠不足状態で見たけれど)眠くなるようなことはない。むしろ終わってしまうのが寂しいと思わせるほどに、その映画の世界の虜にしてくれます。明らかに作為的世界ではあるけれど、ある意味これが映画というものの本質なのかも知れない。

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映画中映画という二重構造の映画は少なくないけれど、ボクの見た2本はどちらも映画中芝居が出てくる。『恋ごころ』では登場人物が舞台演出家や舞台女優で、その公演が物語の一部になっているし、この『セリーヌ・・・』は主人公2人の女性の幻想・妄想の世界に2人の女性も侵入する形で、別の物語が平行して描かれるのだが、芝居の開幕を告げる床を棒(や槌)で叩く音が挿入されており、また最後の方では映画的な自然な化粧ではなく、ドーランを塗りたくった芝居の化粧で人物が登場していて、芝居への連想を観客に喚起している。

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図書館勤めのジュリー(ドミニック・ラブリエ)、彼女は魔術とかオカルト的ことに興味があるのだけれど、夏の午後パリの小さな公園のベンチで魔術の本を読んでいた。そこに緑色のまがい物オーストリッチのストール(よく娼婦がしているような)をした派手なファッションの女が足早に通りかかり、サングラスを落とす。それに気付いたジュリーは呼び止めるが女はそのまま振り返りもせず立ち去るので、ジュリーはサングラスを拾い後を追う。途中さらに落としたスカーフを拾い、人形を拾い、途中からは立ち止まって振り返る女をジュリーは見ない振りをしたり、で2人の間には一種の共犯意識のようなものが形成されていく。モンマルトルの丘で女はケーブルカーに乗るが、乗り遅れたジュリーは横の階段を駆けて登り、その様子をなんとなくケーブルカー車内から女も見ている。女が着いたのは2階に部屋もある場末(ポルト・ド・ラ・シャペル辺りか?)のカフェ。チェックインした女は宿帳に「セリーヌ・サンドラール/1950年1月15日生まれ/職業:魔術師」と書く(ちなみにセリーヌを演じるジュリエット・ベルトの実の誕生日は1月16日だ)。大通りをはさんだ向かいからジュリーはカフェの2階を眺めているが、部屋の窓からセリーヌも彼女を見ていた。ここまでほとんどセリフもないわけだが、そして延々何分のシーンだか気にもしなかったが、実に活々としていて飽きさせない。そしてモンマルトル周辺の一軒家や細い路地のある街並、ちょっと普段は見ないパリのたたずまいも良い。

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翌朝ジュリーがカフェを訪れるとセリーヌはコーヒーを飲んでいて、テーブルに着いたジュリーはスカーフを返し、テーブルの上に既にあったコニャックを飲み、2人の間には既に芝居がかったセリフがやりとりされていた。そしてジュリーの勤める図書館。絵本を何冊も机に積み上げたセリーヌは、ジュリーの関心を引こうとしているかのようにわざと物音をたてている。再び公園のジュリー。セリーヌがまた通ることを期待しているかのようだが、彼女は来ない。しかしジュリーが部屋に戻ると膝をケガしたセリーヌがドアの前にいた。セリーヌはシャワーを浴びたいと言い、こうして2人の生活が始まる。

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リンゴの天底街7番地2 のお屋敷へ向かう。時刻はちょうど午後3時。遠くから教会かなにかの3時の鐘が聞こえてくる。呼び鈴を押すとドアが開き、彼女が中に入るとドアは閉じられる。その頃セリーヌは、幼い頃以来始めてジュリーが再会する結婚を約束した男ギルーからの電話で約束をし、ジュリーに成りすましてギルーに会い、その後友人たちと屋外のカフェで語らっていた。そこでも彼女は面白可笑しく作り話をし、ジュリーをアメリカ人の富豪として話していた。ジュリーは大きなショックを受けて平静を失った様子で屋敷を出てくると、タクシーに乗り、セリーヌのいるカフェにやってきた。彼女は屋敷で何があったのかを忘れてしまっていた。セリーヌが奇術師としてステージに出ている小さなキャバレーでジュリーはセリーヌのステージを見ていたが、短いフラッシュバックのように、断片的に屋敷での出来事を思い出していた。部屋に帰った2人だが、はっきりしないジュリーの様子にセリーヌは苛立っていた。がタクシーの中で口から出したアメ玉をジュリーが再びなめると、屋敷での出来事が思い出された。次にはセリーヌが屋敷を訪れ、出したアメ玉をまたなめることで屋敷での出来事をジュリーに語り、こうして2人は(映画の)カメラに向かって並んで座って、テレビの連続ドラマか何かを見ているかのように、屋敷での出来事を見ていた。

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映画中劇のその物語は、ヘンリー・ジェイムズの『あちらの家』を翻案したものだろう。上に書いたようにこの映画中劇は芝居の体裁もとっているが、ジェイムズの『あちらの家』自体がもともと戯曲として発案されたものだった。映画の中での翻案された物語には妻ナタリーを失ったオリヴィエ、そのナタリーとの間の娘マドリン、ナタリーの妹カミーユ、もう一人の女ソフィー、そして病弱なマドリンの世話をする看護婦ミス・アンジェルが登場するが、どちらが記憶を語るかで、ミス・アンジェルはジュリーだったりセリーヌだったりする。娘マドリンの幸福を願い、ナタリーは死ぬとき、マドリンのいるうちは決して再婚はしないと夫オリヴィエに誓わせていた。それに立ち会ったのは友人のソフィーだ。継母に育てられた不幸を味わわせたくはなかったのだ。カミーユは誓いを無視しようとし、ソフィーは誓いを無効にするために幼いマドリンを亡き者にしようと企んでいた(3人の男女を演じるのはビュル・オジエ、マリー=フランス・ピシィエ、バルベ・シュローデル)。そんな悪巧みをジュリーとセリーヌは魔術を使って劇中に侵入し、阻止しようとするのだが・・・。そして最後はフリダシに戻って、最初のシーンがジュリーとセリーヌが入れ代って描かれ、カメラを見つめる猫のアップでエンドロールへとつながる。

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この映画を何度も見て色々な部分の意味を深く解釈しようという方もおられるようだが、ずばり単純に映画の世界に入って3時間を楽しめば良いのではないかと思った。映画とは映画の中で描かれることがすべてであり、映画の中に描写されることはすべて映画的真実なのだ。最後の方ではオリヴィエがトランプの王冠をかぶっているが、これは『不思議の国のアリス』への暗示であろう。セリーヌは『アリス』の中の白ウサギであり、『アリス』の少女が白うさぎを追うことから不思議の国に迷い込むのと同じように、ジュリーはセリーヌ(=白ウサギ)を追うことで不思議の世界に入っていくわけだ。それにしてもベルトとラブリエ2人の瑞々しい演技が魅力的映画だ。2人の会話のセリフは撮影の前の晩に仲の良いこの2人の女優が話し合って作ったらしい。綿密に計算されたリヴェットの土台にそうした即興性が乗り、実に面白い映画となっている。

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Last updated  2008.01.31 05:10:23
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