決して単純に広くオススメできる作品ではない。カトリーヌ・ブレイヤの初監督作品だが、物凄くインパクトのある力強い作品。他の映画数本のレビューを書きかけだったのだが、この作品に圧倒されてそれらが脇にすっ飛んでしまった。短く要約するなら、「真摯で赤裸々で妥協のない、あるフェミニズムの主張」とでもなるだろうか。まずは性懲りもなくタイトルのことから。この映画の原作はブレイヤ監督自身の小説『Soupirail』(1974)。西洋建築でほぼ90%ぐらい地面の下に埋まった地下室の、地下室内部から見て壁の天井すぐ下にある高さの低い明り取りと換気のための小窓が soupirail だ。小説は読んでいないが、息の詰まりそうな閉塞感と、そこにあるほんの少しの外界との接触を暗示しているのだろうか?。そして映画の原題を日本語にすると、「本当に」ではなく「本当の若い娘」だ。フランス語の fille という語は英語の daughter と girl の意味を合わせ持った単語だが、品のある言葉遣いでは、daughter の意味であることが明白な場合を除き、fille 単体では使われない。小さな娘なら petite fille や fillette と、若い娘なら jeune fille と言う。fille 単体では娼婦のような意味になってしまいかねないのだ。そんなわけで乙女とか若い娘の場合にはこの映画のタイトルのように jeune fille(ジュンヌ・フィーユ)を使う。なのでこの映画のタイトルの意味するところは「本当の若い娘はこんなもの」といった意味で「本当に "らしい" 若い娘の実像」と捉えるのが正しいのではないだろうか。