それで以前からちょっと気になっていた『10ミニッツ・オールダー』を買いました。15人の名監督による時間をテーマにしたオムニバスということですが、『パリ、ジュテーム』の各編のある種の均質性に比べると、ドラマありドキュメンタリーあり、あるいは白黒ありカラーありで、かなりまちまちの作りで、印象としては単に別個に作られたショートをまとめただけの『カンヌ SHORT 5』に近い感じです。題名通り時間は1編10分。そう言えば『カンヌ SHORT 5』に入っていたエステル・ロッソというオランダの女性監督の『プレイ・ウィズ・ミー』が13分の作品で、なかなかの出来でした。5分の『パリ、ジュテーム』を見た後のためか、見ていて10分が長く感じられました。この『10ミニッツ・オールダー』はそれぞれ7編と8編の「The Trumpet 人生のメビウス」と「The Cello イデアの森」の2本の作品にまとめられていますが、1本目「The Trumpet 人生のメビウス」を通して見た感じでは、各編確かに「時間」をテーマにしているものの全体としての流れ・構成はほとんど感じられませんでした。そこで『パリ、ジュテーム』同様、1~2編ずつ感想を書いていこうと思います。
第1話はフィンランドのアキ・カウリスマキの「DOGS HAVE NO HELL」。日本語は内容から「結婚は10分で決める」になっていますが、もとの「犬に地獄はない」というのには何か意味があるんでしょうか。『過去のない男』と製作時期もほぼ同じなら、これもマルッキィ・ペルトラとカティ・オウティネンのカップルの物語。このカティ・オウティネンというロシア風の顔の女優さん、決して美人ではないように思うんですが、見ていると不思議な魅力のある人です。