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2008.04.06
テーマ： 映画レビュー(888)
カテゴリ： 多国籍等その他
TEN MINUTES OLDER ～The Cello～
VERS NANCY（ジャン＝リュック・ナンシーとの対話）
Claire denis
THE ENLIGHTENMENT（啓示されし者）
Volker Schlondorff
ADDICTED TO THE STARS（星に魅せられて）
Michael Radford
（所有ＤＶＤ）
VERS NANCY（ジャン＝リュック・ナンシーとの対話）
Claire denis
原題は直訳は「ナンシーへ向かって」とか「ナンシーの方へ」。ナンシーとはフランス東北部にある都市（ロレーヌ地方の中心都市）。そこへ向かう列車の中での女と男の対話なのだけれど、男は哲学者のジャン＝リュック・ナンシー。ナンシーの居住と仕事の場はアルザス地方のストラスブールで、パリから向かえばナンシー（都市）はそのちょっと手前にあるわけで、そんな巧みなダブルミーニング的タイトルです。
THE ENLIGHTENMENT（啓示されし者）
Volker Schlondorff
上にも書いたように全編アウグスティヌスの時間論のナレーション。これがまったくつまらない。映像の方はそれと直接はないキャンプ場。これといった筋はない。強いて印象に残ったことを書けば、妊娠した女性が夫の制止も聞かずにスキンヘッドのちょっといかがわしい連中と酒を飲むことと、明かり取りの電線で感電して初老の男性が死んでしまうことぐらい。画面は全編ゆらゆら揺れていて、蚊の視点から全てを見た映像。最後にもっと明かりをと殺虫灯に引き寄せられた蚊が感電し、地面に落ちて終わる。この作品は、先のメンツェル監督『老優の一瞬』と合わせて作、２本１５編のこのオムニバス映画で最もつまらない、少なくもボクにとってはほとんど存在価値のない駄作。
ADDICTED TO THE STARS（星に魅せられて）
Michael Radford
原題は恐らく星に「魅せられて」と訳すよりは「呪縛されて」ぐらいの強い意味。正統的に作られた宇宙ＳＦものと言えるだろうか。宇宙飛行士の主人公が任務を終えて地球に帰還する。身体検査の結果は肉体の老化は１０分ぶんだと出るが、タイムワープの旅であり、帰還したのは出発した時から半世紀以上も年月のたった２１４６年だった。ニューヨークだかワシントンだかわからないが、４０年前にはなかったガラスのピラミッドが建っていたりした。変わったものと、変わらないもの。普通に描かれる近未来の世界だ。同僚の忠告には従わずに主人公はかつての家を訪れる。「帰りを待っていた」というそこで出会った老人。要するには浦島太郎の世界だ。その老人に言わせた一言のセリフ、わかりやすいと言えばそれまでだが、部屋に飾られた額に入った宇宙旅行に出る前の主人公の写真などがから想像がつくセリフ（落ち）だ。このセリフは要らなかった。作品を安っぽくしてしまっている。ちなみにこの作品は老人を演じた後死んだチャールズ・サイモンに捧げられている。
１０ミニッツ・オールダー ～イデアの森～
第1話『水の寓話』（ベルトルッチ）
第2話『時代×４』（フィッギス）
第3話『老優の一瞬』（メンツェル）
第4話『１０分後』（サボー）
第5話『ジャン＝リュック・ナンシーとの対話』（ドゥニ）
第6話『啓示されし者』（シュレンドルフ）
第7話『星に魅せられて』（ラドフォード）
１０ミニッツ・オールダー ～人生のメビウス～
第1話『結婚は10分で決める』（カウリスマキ）
第2話『ライフライン』（エリセ）
第3話『失われた一万年』（ヘルツォーク）
第4話『女優のブレイクタイム』（ジャームッシュ）
第5話『トローナからの１２マイル』（ヴェンダース）
第6話『ゴアvsブッシュ』（リー）
第7話『夢幻百花』（陳凱歌 チェン・カイコー）
監督別作品リストはここから
アイウエオ順作品リストはここから
映画に関する雑文リストはここから
VERS NANCY（ジャン＝リュック・ナンシーとの対話）
Claire denis
THE ENLIGHTENMENT（啓示されし者）
Volker Schlondorff
ADDICTED TO THE STARS（星に魅せられて）
Michael Radford
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VERS NANCY（ジャン＝リュック・ナンシーとの対話）
Claire denis
原題は直訳は「ナンシーへ向かって」とか「ナンシーの方へ」。ナンシーとはフランス東北部にある都市（ロレーヌ地方の中心都市）。そこへ向かう列車の中での女と男の対話なのだけれど、男は哲学者のジャン＝リュック・ナンシー。ナンシーの居住と仕事の場はアルザス地方のストラスブールで、パリから向かえばナンシー（都市）はそのちょっと手前にあるわけで、そんな巧みなダブルミーニング的タイトルです。
THE ENLIGHTENMENT（啓示されし者）
Volker Schlondorff
上にも書いたように全編アウグスティヌスの時間論のナレーション。これがまったくつまらない。映像の方はそれと直接はないキャンプ場。これといった筋はない。強いて印象に残ったことを書けば、妊娠した女性が夫の制止も聞かずにスキンヘッドのちょっといかがわしい連中と酒を飲むことと、明かり取りの電線で感電して初老の男性が死んでしまうことぐらい。画面は全編ゆらゆら揺れていて、蚊の視点から全てを見た映像。最後にもっと明かりをと殺虫灯に引き寄せられた蚊が感電し、地面に落ちて終わる。この作品は、先のメンツェル監督『老優の一瞬』と合わせて作、２本１５編のこのオムニバス映画で最もつまらない、少なくもボクにとってはほとんど存在価値のない駄作。
ADDICTED TO THE STARS（星に魅せられて）
Michael Radford
原題は恐らく星に「魅せられて」と訳すよりは「呪縛されて」ぐらいの強い意味。正統的に作られた宇宙ＳＦものと言えるだろうか。宇宙飛行士の主人公が任務を終えて地球に帰還する。身体検査の結果は肉体の老化は１０分ぶんだと出るが、タイムワープの旅であり、帰還したのは出発した時から半世紀以上も年月のたった２１４６年だった。ニューヨークだかワシントンだかわからないが、４０年前にはなかったガラスのピラミッドが建っていたりした。変わったものと、変わらないもの。普通に描かれる近未来の世界だ。同僚の忠告には従わずに主人公はかつての家を訪れる。「帰りを待っていた」というそこで出会った老人。要するには浦島太郎の世界だ。その老人に言わせた一言のセリフ、わかりやすいと言えばそれまでだが、部屋に飾られた額に入った宇宙旅行に出る前の主人公の写真などがから想像がつくセリフ（落ち）だ。このセリフは要らなかった。作品を安っぽくしてしまっている。ちなみにこの作品は老人を演じた後死んだチャールズ・サイモンに捧げられている。
１０ミニッツ・オールダー ～イデアの森～
第1話『水の寓話』（ベルトルッチ）
第2話『時代×４』（フィッギス）
第3話『老優の一瞬』（メンツェル）
第4話『１０分後』（サボー）
第5話『ジャン＝リュック・ナンシーとの対話』（ドゥニ）
第6話『啓示されし者』（シュレンドルフ）
第7話『星に魅せられて』（ラドフォード）
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第1話『結婚は10分で決める』（カウリスマキ）
第2話『ライフライン』（エリセ）
第3話『失われた一万年』（ヘルツォーク）
第4話『女優のブレイクタイム』（ジャームッシュ）
第5話『トローナからの１２マイル』（ヴェンダース）
第6話『ゴアvsブッシュ』（リー）
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