ラッコの映画生活

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2008.04.13
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カテゴリ: フランス映画
LE BRASIER

124min
(所有VHS)

brasier_0.jpgbrasier_00.jpg

暗そう・重そうでもあり、自分好みの作品でないことは百も承知だったけれど、主演のジャン=マルク・バールとマリュシュカ・デトメール(aka マルーシュカ・デートメルス)の名に惹かれて買ってあったビデオ。1991年作品だけれど、フランス映画ではじめて製作費が1億フラン(当時のレートで約23億円)を超えた作品。ビデオジャケットの裏には「フランス興行収入 No.1 記録大作」とあるが、これは意図的嘘ではないにしても、翻訳か何かの誤りだと思う。1億フラン、1万4千人のエクストラを費やしながらフランスでは興行的失敗作だった。パリ地区での観客動員数は4万人にも満たなかったという。この数字がどういう数字なのかちょっと調べてみたが、超大ヒットだった 『アメリ』 は最初の1週間で30万人、半年で170万人、ハネケの 『隠された記憶』 は1週目6万、2週目4万、1ヵ月で15万。ルコントの 『親密すぎるうちあけ話』 が1週目10万、2週目5万、3週間で20万人を動員している(←いずれもパリ地区の数字)。多くの人は心からの本心では、決して暗い作品、重いテーマの作品を見たくはないのだと思う。だからそういうテーマの作品には、それでも観客を惹き付ける求心力のようなものが、あるいは何らかの表面的な娯楽性が必要だ。5千万円ぐらいの製作費の映画ならよいが、23億円の映画としては失敗作と言わざるを得ないだろう。(ちなみに映画を産業とは全く考えずに、自分で何十億でも出して採算度外視の映画を作るなら話はまた別だ。)

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フランス北部の炭坑の町トリウー。世界恐慌の不況下の時代1931年。普仏戦争敗戦1871年から第一次世界大戦戦勝1918年までアルザスとロレーヌ地方の一部をフランスはドイツに割譲していたが、その頃このトリウーはドイツとの国境の町であった。そんな地理的環境もあって、ここの炭坑には多くのポーランド人移民労働者がいた。炭坑で働く労働者は、フランス人を含め貧しく、また仕事はきつかった。勢いフランス人労働者の不満はポーランド人に対する差別という形で現れる。主人公ヴィクトール(ジャン=マルク・バール)とボクサーの父パヴラクもポーランドからの移民労働者だった。炭鉱夫の給料だけでは生活もままならず、父はボクシングもやっていた。パヴラクは故国に残してきた母親と妻と下の子供を呼び寄せる。そんな頃ヴィクトールはフランス女性アリス(マリュシュカ・デトメール)と出会い、互いに恋に落ちる。しかしアリスに言い寄っていた差別主義者の炭鉱夫エミールはもちろん嬉しくない。またヴィクトールにはポーランド人女性クリスティナという許嫁に近い恋人がいて、彼女は妊娠もしていた。そんなクリスティナを見捨てようとしたこともあって、ヴィクトールはフランス人社会からの差別と同時にポーランド人社会からも疎まれ、孤立していく。

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この映画にはべテックスという地方紙の主幹で市長の座を狙う男が出てくる。腐敗した政治を改革しようという気概があることは事実なのだが、当選のためには反ポーランド人感情を煽ろうとしている。ポーランド移民にはもちろん選挙権は与えられていない。映画の最後に「べテックスは当選して改革も行ったが、それも第二次世界大戦の勃発を阻止することは出来なかった」と後日談のテロップが出る。 (以下かなりネタバレ) 2人の恋のその後の進展のあり方、幼いながらも炭鉱で働いていた弟の落盤事故等があって、ヴィクトールは社会に対する反逆精神を持つようになり、首謀者としてストに突入することになる。しかし事態を憂慮した経営者や当局の罠に上手くはめられてしまう。

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20世紀後半の世界の大巨匠と、31才で長編の監督がたぶん初めてのこのエリック・バルビエを比較するのは無理があるけれど、不況下で反民族(ユダヤ)感情が強まり、人々の中に芽生えていく憎悪が、やがてナチズムを生み、大戦へ突入していくという不穏な空気を、 『蛇の卵』 の中でベルイマンは見事に描いていた。『蛇の卵』は1920年代のドイツだったが、バルビエは同じような1930年代のフランス社会の病的心性を描きたかったのかも知れない。不況下での移民排斥というのはフランスのアクチュアルな問題でもある。しかし結果としてはそれを理解は出来るものの、映画全体としてはピントがはっきりしていなかった。脚本の完全なる構成上の破綻だ。「これを描きたかった」という監督の意図が不明確で、描かれるすべてが中途半端だ。中途半端というのは量的問題ではなく、質的問題で、すべてについて考えが浅い感じが否めない。全体のテーマ自体は悪くないだけに、実にもったいない映画だ。

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Last updated  2008.04.14 02:08:03
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