ラッコの映画生活

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2008.04.19
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カテゴリ: フランス映画
LOUISE (TAKE 2)
Siegfried
110min
(DISCASにてレンタル)

louise_00.jpg

この作品、予想を超える良作で楽しませてもらいました。ジグフリードという1973年生まれのフランスの若い映画音楽作曲家&映画監督についてはよく知りません。脚本、監督、音楽、撮影(一部)の4役をこなしています。主演女優がエロディ・ブシェ-ズというので見ました。彼女の映画はそんなに見ていませんが、 『日曜日の恋人たち』 『ラヴァーズ』 『CQ』 等の作品、どれも良いです。独特の雰囲気があります。どこの国にも個性的で、独特の雰囲気を持った役者さんがいます。そういう役者さんと同じように独自の個性を持っているんですが、この人の場合は、他人と違う独自性が、かえってフランス人(女性)の特徴を強く感じさせます。そこが彼女の魅力です。『CQ』でローマン・コッポラがフランス人女性のいわば代表として彼女を使ったのもそういう理由かも知れません。

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タイトルなんですが珍しく原題のまま『Louise (Take 2)』。「ルイ-ズ」はエロディ演ずる主人公女性の名前ですが、「テイク2」は何でしょうね。テイクと言えば映画なら同じシーンの撮影を1度、2度、3度・・・と撮り直すのがテイク1、テイク2、テイク3です。CDなんかレコードの録り直しもテイクって言う。ジャズの「テイク・ファイブ」が有名です(この命名は5拍子だからでもあるのですが・・)。それで気になるのが監督の芸名ジグフリード。これは日本ではドイツ語読みでジークフリート。ドイツ中世の叙事詩『ニ-ベルンゲンの歌』の英雄で、ボクにとっては同時にワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』の登場人物(や楽劇のタイトル)でもあります。ジグフリードというこの芸名にはそんな含みがあるのではないでしょうか、作曲家でもありますし。テイク2の方はテイク・ファイブへの含みもありそう。

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この映画の時エロディは二十六ですが、役のルイーズはもう少し若い設定でしょうか。二十そこそこといった感じです。家庭(つまり両親)は悪くはなかったような感じで、今も父親とそこそこ普通のアパルトマン(たぶん父所有の)に住んでる。父親は小説家か劇作家か、とにかく文筆系の仕事をしています。インテリアなんか見てもいわゆる「良識的」ゴリゴリのブルジョワではありませんね。こういうボヘミアン的、でもしっかとアパルトマンに住んでいるんですが、そういう自由思想家的芸術家っていうのがパリにはいますね。自分が小学生でパリに住んでいた頃にもそういう親の子が友達にいて、よく遊びに行きましたが、そんな家庭を思い出しました。いわゆるブルジョワ家庭では親と小学生の子供っていうのは別者として親は考えている。だからそういう家庭に行っても自分がその母親と会話をしたり、何か一緒にしたりというのはほとんどありませんでした。しかしその友達の家は違いました。母親と話をしたり、一緒にチェッカーをやったりもしました。やっぱり物凄くリベラルな雰囲気でした。

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この映画の親もそうなのでしょう。でも妻(ルイーズの母)に死なれてからおかしくなってしまった。いわゆるブルジョワならば子供に期待する「良い子像」や「良い将来像」があるからそれに従って子供を育てれば、悪い言葉を使うなら調教すれば良い。自分自身妻に死なれたとしても生きる価値観には変わりはない。しかしリベラルな生き方というのは「決まったあり方」がないわけで、妻との共生で成立していた生き方や秩序をこの父は見失ってしまった。自身の確固とした哲学がなかったのかも知れない。結果単に娘を愛していることと、あとは仕事の創作だけの人生になってしまう。それで娘をただ放任し、また自分には自ら娘に示す何かの確信はなかった。そんな寂しさの中でルイーズは成長したのではないかと感じられた。

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ルイーズは定職も持たず、学校に行ってるって言うけれどそれもホントだかウソだか。無宿の若いチンピラ連中とつき合い、その一人の通称ヤヤが恋人で、万引きをしたりの毎日。彼女はメトロの地下道で浮浪者の男に小銭を恵むのだけれど、男は「要らんから持って帰れ」っていう。その男と話になり、男は息子に会いたいと言う。下校時間に小学校に行って、先生には上手いこと言ってギャビーという9才半の少年を連れ帰る。ちょうどメトロで出会っていたアラブ系のレミーという浮浪者(ロシュディ・ゼム)が彼女を追いかけてきたので3人で地下道の少年の父親の所に向かう。メトロの中で少年ギャビーはレミーにだけ耳打ちするが少年の母は娼婦で、あまり家に帰ってこないという。地下道の父親の直前まで来て、ルイーズは少年を男に会わすのをやめる。彼女はラリったこの人生の廃人に、既に仲良くなっていた少年を渡したくなかった。もしかしたら彼女はそこに自分の父の姿を見たのかも知れないし、自分がそうであったように少年の求めるのは母親(ないしは年令的には姉)であると感じのかも知れない。と言うよりも自分が母親的(ないし姉的)に子供に接し、保護し、愛情を持つことで、自分の満たされなかった何かを実現したかったのかも知れない。

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新しく出会ったレミーにルイーズはどこか惹かれた。レミーは彼女を好きらしいが、無理に何の要求もせず、ただつき合って優しくしてくれる。恋人ヤヤ とは違って犯罪的なこともしない。寒い中でねぐらがなければ公設の浮浪者宿泊施設で寝る。でもヤヤやその悪ガキ仲間とルイーズは一緒だから、ギャビーの服をデパートで万引きするのにも巻き込まれてしまう。捕まりそうになって彼の手引きで逃げた先はパリ・オペラ座。知り合いの女の子のいるバレー練習室に逃げ込む。そう言えばこれもオペラ(『ルイーズ』)への含みかも知れない。

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そんなこんな若いチンピラ・ヤヤと、浮浪者レミーと、少年ギャビーとのルイーズを描いたのが前半だとすると、後半は少し趣きが違ってくる。最初に書いてしまった父親との関係が浮上してくるのも、実はこの後半でだ。心変わりではなく、ヤヤだけではなく、別のものとしてレミーをも愛し始めるルイーズ。 (以下少しネタバレ) それまで万引きはしても、強盗的な犯罪には手を染めなかった彼女なのだけれど、ヤヤにそそのかされてメトロで金持ちの黒人にたかり、途中からヤヤ達がナイフで脅しに入ってしまい、強盗犯の共犯となってしまっていた。そして彼女だけが警官に捕まってしまう。一緒にいたレミーはその場にいず、はぐれたギャビーも警官に保護されてしまう。

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ルイーズは取調べの結果精神不安定でソーシャル・ワーカーの面接を受け、鎮静剤をうたれて病院に入れられる。面会に来た父親からギャビーが施設に入れられたことを聞き、夜彼女はネグリジェ一枚で冬空の下病院を脱走する。行き先はギャビーの入れられている施設。彼女は忍び込んでギャビーと再会を喜ぶ。手引きをしてくれたのはギャビーに気のある黒人の少女ジョアンナ(←だったと思う)だ。ジョアンナをも施設から連れ出し、海が見たいと言っていたギャビーとジョアンナを列車に乗せる。

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(以下ネタバレ)
ここからはルイーズを探し求めるレミーと、レミーを(そしてもしかしたらヤヤをも?)探し求めるルイーズの、メトロを中心とした徘徊だ。映像の編集的にはすれ違っているようにも感じられる描き方でもある。その喪失感、あるいはそれしか自分にはないという、相手を求める(特にルイーズの)感情が巧みに伝わってくる。そしてどのシーンも非常に良く撮られているので、編集でカットし切れなかった監督の気持ちもよくわかる。でも多くの批評にあるようにやや長く、冗漫な感じもないではない。最後の最後のネタバレはしないでおこう。

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まだ9才の子供だけれど、海についた子供2人は、海と愛を噛みしめていた。ルイーズに言わせれば無味乾燥に社会に統合されたソーシャル・ワーカーの人生をルイーズは本人に批判した。若さゆえの純粋さと社会制度への統合の拒否という、若者のハシカを描いただけの、ありがちな作品と切り捨てる批評もあるけれど、制度のために自由を失った生き方への拒否をも描けていたように感じた。それはラストのテロップにも示されているし、人の生などつまるところはすべて放浪者なのではないだろうか。海岸の少年と少女を美しいラストシーンとして描いていた。大作でも傑作でもないが、好きな映画だ。エロディ・ブシェーズの独特の存在感が寄するものが大きい。

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Last updated  2008.04.23 01:27:04
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