ラッコの映画生活

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2008.05.17
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カテゴリ: フランス映画
LA VIE PROMISE

93min
(DISCASにてレンタル)

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この監督さんの作品は見たことがありませんでした(たぶん)。大好きなマリオン・コティヤールが約半世紀ぶりに、フランス女優として2人目のアカデミー主演女優賞を獲得した『エディット・ピアフ 愛の賛歌』の監督さんですが、まだ見てません。見たいのはやまやまなんですが、歴史物・原作物など、イメージを既に持っている人物を描いた作品はあまり見ない自分です。主演がイザベル・ユペールというのもあってそれなりに期待もありましたが、見終わってビックリ。実に良い作品でした。今「見終わって」とわざわざ書いたのは、最初は一種の胡散臭さを感じていたのが、段々にそれがなくなっていったからです。似ているとか、真似だとか、リメイクだとか、そういう意味ではまったくありませんが、この映画はジャン=リュック・ゴダールの Vivre sa vie の2002年オリヴィエ・ダアン版だと思います。ゴダールの映画、邦題は「女と男のいる舗道」ですが、原題は「自分の人生を生きる」と普通訳され、その通りですが、やや意訳させてもらうと「与えられた生を生きる」ぐらいの感じです。ゴダールの映画の主人公ナナ(アンナ・カリーナ)が娼婦であったように、ここでもユペール演じるシルヴィアは娼婦です。

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映画は色々な花が接写で写される画面に、少女の声で「アドニッド(白のフクジュソウ)は白い花。花言葉は閉ざされた心。アザレアは黄色。花言葉は・・・」と始まる。続いて落書きのある汚く綺麗な高い塀の前に群がる街娼たち。なんだこのファッション雑誌かミュージック・クリップのような画像は!!。この辺の始まり方に胡散臭さを感じてしまう。雰囲気だけで内容の薄い映画にあり勝ちな作りだからだ。娼婦たちの中にシルヴィアもいる。彼女は南仏ニースの街娼。そんなシルヴィアが昼スーパーから出てくると14才の娘ロランスが外にいた。面倒臭さそうなシルヴィア。迷惑そうに「今日は面会日じゃないでしょうっ!」と言って、買い物袋からお菓子か何かの箱を取り出して娘に投げるだけだ。周囲に対して「そうよ、これは私の娘よっ!」と逆切れしたようにわめいている。

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しかし娘ロランスは母親の愛情を求めていた。夜シルヴィアの住むアパルトマンに忍び込んで彼女は母を待った。娘が隠れて待っていると母は帰ってきたが、2人の女衒が一緒で、上納金を誤魔化したのか言いがかりか、金をちゃんと払えとシルヴィアに暴行し始めた。いたたまれず包丁を手に現れたロランスは、経緯で1人の男を刺してしまい、それを見てもう1人は逃走した。こうして母娘は、まだ具体性はないが、警察とヤクザから追われる(追われていると思う)ことになる。でもこれは母娘2人を旅に出させる契機なのでしょう。そして後で出会ってこの旅をともにすることになるジョシュアも含めて3人が皆、外からではなく内からの罪意識を持った存在にする必要もあったのだと思う。

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(以下ネタバレ含む)
だんだんにわかってくるのだけれど、シルヴィアは生まれてすぐぐらいに両親を失い、祖母に育てられ、その時に花のことを色々教えられるのだけれど、その祖母も8才で失う。幼い頃からそういう喪失の人生で、親によって育まれる「約束された人生」(←原題)を知らない。たぶん彼女の成長は8才で止まってしまっている。捨てた頃、あるいは友人を通じて受け取った手紙に入っていた写真の幼い息子、そんなイメージの息子のために盗もうとしたクマのぬいぐるみを抱く彼女は子供でもあるのだ。子供だから自分が愛を与え、保護する親にはなれない。途中でロランスとはぐれてしまう。田舎道や田園の中でもシルヴィアが高いヒールのミュールを履いて歩き難そうにしているのは、地に足のつかない彼女の象徴なのだろうけれど、彼女がホテルの部屋で娘いないことを嘆くとき、ベッドからはみ出た彼女の足はばたばたと動かされるが、決して地面(床)につくことはない。でも娘を探そうと、つまり母親になりたいと思ってもいる。一時は列車でニースに戻ろうともするけれど、結局娘を探し続ける。親の愛を知らないという意味で、ロランスというのはある意味でシルヴィアの分身でもあるわけだから、子供である自分を放っておけないということでもある。

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シルヴィアに無理矢理車に乗られ、バッグを忘れられ、偶然にもロランスが危ないところを助け、はぐれた母シルヴィアを一緒に探すジョシュアという男。彼についてもほとんど「何故」は語られない。ロランスが盗み見た書類では、刑務所に服役中で、24時間の外出許可を得たらしいが、刑務所には戻らずにオランダか何処かに逃走する計画のようだ。シルヴィアは彼女を愛し、理解しようとした別れた夫ピヨトルと息子を訪ねることを旅の目的としていた。ピヨトルは音信不通になったシルヴィアの友人の住所に手紙を送っていたのだ。彼女にとっては記憶を失ってしまった過去を取り戻す旅にもなっていた。そんな彼女を見つけたジョシュアは、彼女の行動を励ます。かつて結婚したピヨトルは優しかったが、子供が生まれ、妻であること、母親であることを要求されたシルヴィアは精神のバランスを崩してしまったのだろう。一緒に住んだ草原の中の一軒家を訪れるが廃屋となっていた。記憶を取り戻しもするが、彼女の過去は廃屋のように既に壊れ去ったものだった。ピヨトルと息子に会いにいくが、既に別の女性と再婚していて、その新しい妻のお腹は大きかった。息子との対面のシーンで、息子はもうサッカーボールで遊ぶ少年となっていて、シルヴィアの手にしたぬいぐるみを見て「赤ちゃんのためなの?」と尋ねるが、これは子供なのが息子ではなくシルヴィアだという含みだろう。

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ジョシュアは犯罪と脱走の過去を持ち、シルヴィアは夫や息子を捨て、今もロランスの母親でいられないでいる。そのロランスも冒頭で殺人を犯している。過去というのはもう変えられない。それでもそれぞれの人は生きていくしかない。この3人に限らず、それが vivre sa vie 与えられた生を生きるということだ。二人が川辺でダンスをするシーンがあった。彼女がジョシュアをダンスに誘うが、ジョシュアは踊れないと答える。そんなジョシュアにシルヴィアも「私も踊れない」と言う。でも二人は踊る。踊れないというのは「生き方がわからない」という意味であり、それでも踊るというのは「生き方がわからなくても生きなければならない」ということだ。

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いつもながら日本語字幕の誤訳を指摘したい。なぜならその誤訳が内容理解に大きく関わるからだ。シルヴィアはジョシュアに「子供はいるの?」と尋ねる。もちろんここでは単なる好奇心ではない。シルヴィアにとっては子供がいること、つまりは親であること、それは重大な関心事なのだから。この「 Vous avez des enfants? 子供はいるの?」という質問にジョシュアは「 J' en ai une. 娘が1人いる」と答える。これは初級フランス語会話にもたぶん出てくる代名詞 en の使い方だ。なぜそれを文字通りに訳してくれないのか。字幕はなんと「1人いた」となっていた。字数だって「娘が1人」とすれば同じ4字だ。この「娘が1人」というのは、もちろんロランスのことを言っているとも取れるのでである。

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最初は母娘と別れて1人で国外逃亡するつもりだったジョシュアは、戻ってきて2人を車に乗せ、国境を越えていく。地域的に考えてそれはイタリア(かスイス)だろう。ここに擬似的に3人の家族が構成されている。笑顔のシルヴィアを写した希望的なラストだ。

ここまでの文に上手く折り込めなかったので最後にひとつ付け加えると、(母親とは)喧嘩できるほど知合っていないと言っていたロランスなのだけれど、彼女は決して母親を責めても、嫌ってもいないという、そういう子供の心理が印象的だった。

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Last updated  2008.05.25 02:58:25
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