ラッコの映画生活

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2008.05.19
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カテゴリ: ヨーロッパ映画
FUNNY GAMES
Michael Haneke
108min
(DISCASにてレンタル)

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この映画はこのブログを始めるかなり以前に見たのでレビュー書く機会がありませんでした。最近同じミヒャエル・ハネケ監督の 『タイム・オブ・ザ・ウルフ』 『カフカの「城」』 を見たり、また1年以上前に見た 『隠された記憶』 のレビューを書いたりで、『ファニーゲーム』についても何か書きたいと思いました。監督本人が昨年作ったアメリカ版リメイクを見ても良かったのですが、原典1997年オーストリア版『ファニーゲーム』をやはりその前にもう一度見ておこうかと。

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この映画は有名、んん~悪名高いとでも言うか、大嫌いとか最低の映画と言う人も少なくありませんね。ボクはかなり好き、というか高く評価しているのですが・・・。なにしろ物語としては、休暇をのんびり過ごそうと湖畔の別荘にやってきた善良そうな家族(両親と小学生の息子と犬)のもとに突然若者2人が闖入してきて、無理矢理彼らがゲームと呼ぶところのものに家族を巻き込み、無惨に惨殺してしまうというだけのものですから。映画については最近ご紹介した ハネケのインタビュー

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そして死んだ犬を妻に探させるシーンで、闖入者の親分格の方のパウルをカメラに向かせ、つまり観客に向かって目配せさせたり、観客に「まだ長編映画の長さには短過ぎる」と言わせてみたり、共犯意識を求めるやり方で観客を挑発するやり方も巧みです。

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そんなわけで作品の意図は インタビュー での監督自身の言葉に任せるとして、ちょっと別のことを書いてみたいと思います。映画の最後で2人の若者の間で交わされる対話のテーマでもあった、現実と虚構についてです。これは社会で実際に起こっていることと、映画で描かれる作り事についてでもあります。これについても色々な側面があります。

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たしかに実際にあった無差別殺人を素材にした映画はたくさんあります。でもそれは「既に起こったこと」なんですね。でもその点に関しては後で書くことにして、多くのアクション映画や犯罪映画っていうのは、もちろんそこで復讐とかが描かれたりで、殺人シーンが出てくるのだけれど、ある特定の状況、理由のある物語がほとんどです。妻を殺されたから復讐するとか、そういうことです。例えばトリュフォーの『黒衣の花嫁』なんてのもそうですね。当節のハリウッド映画的派手なドンパチこそないけれど、ジャンヌ・モローの着ているピエール・カルダンの衣装はファッショナブルで華やかで。でもこういう状況ってのは著しく特殊であって、その辺に転がっている状況ではないですね。そういうありもしないような、少なくとも非常に稀なことを素材としている。でも実際の世界ではもっと日常的に色々な暴力や殺人が行われている。でもそれが映画の素材にされることは少ない。

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そして「既に起こったこと」という問題がそれに関係してきます。我々が「現実」とか「現実的」と言うのは、「既に起こったこと」の記憶なんですね。日本軍が真珠湾を奇襲するというのも当時のアメリカ人にとってはそうだったろうけれど、ニューヨークの高層ビルにジェット旅客機が突っ込むというのも、9・11が起こる前には「非現実的」であっても、実際に起こってしまえば「現実」です。つまり「現実的」とは「実際に起こったこと」の記憶でしかない。そうすると「まだ起こっていない」けれど、社会(世界、人々)が潜在的に持っていて、「いつか起きるかも知れない」ことは、「現実的」には決して描けないということなわけです。(ちょっと注釈を加えると、ここで潜在的と言っているのは、『黒衣の花嫁』でジャンヌ・モローの夫が殺される「ありそうもなさ」とは意味が違います。こちらは「ありそうもない」だけで、「現実的」であることに違いはありません)。

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妻がライフルを手にしてデブの方を撃ち殺すシーンがあります。潜在性、というよりここでは可能性と言った方が良いけれど、そこに一種の驚きがあります。でもそういう可能性というのを、ハネケはさらに進めてしまう。監督と観客の間の約束事のようなものを破壊する。ビデオのリモコンで巻き戻して、このシーンを闖入者の都合の良い方に描き直してしまう。それは最後の方のシーンでも同じで、観客に約束されていた12時間は、パウルが勝手に破ってしまう。

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『ファニーゲーム』で惨殺される家族。これはまあ裕福な階級の人々。(ただあんな別荘を持っているからと言って、日本で考えるほどに大金持ちというわけではないと思います)。車の中でマスカーニやヘンデルのオペラのCDをかけて、これはスリオティスだ、テバルディーだ、ジリーだって、当てっこしているような夫婦ですね。一方嘘か本当か、闖入者の若者の1人(デブのペーター)は不幸な生い立ちだというセリフがある。惨殺される家族は善良そのものなのだと思うけれど、社会的不平等に対する憎悪っていうのは人々の中にある。その潜在性を具現化したのがこの闖入の若者2人なんですね。実にハネケ的テーマです。そうするとこの悪夢のようなゲームはこれ1回で終了するはずはない。映画は「つづく」って終わり方をしています。

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 _虚構は現実なんだろ?
 _なんで?
 _虚構は今見ている映画。
 _言えてる。
 _虚構は現実と同じぐらい現実だ。

(↑映画ラスト近くの若者2人の会話)

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テーマは「おすすめ映画」を選びたかったのですが、自制しました。




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Last updated  2008.05.27 02:16:53
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