ラッコの映画生活

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2008.09.15
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カテゴリ: カナダ映画
AWAY FROM HER

110min(1 : 1.85、英語)
(リウボウホールにて)

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英米系の映画をあまり見ないので、もともと女優のこのサラ・ポーリーという人を知りませんでした。オードリー・ウェルズ監督の 『写真家の女たち』 という映画を1年ほど前にたまたま見て注目し、その後イザベル・コイシェ監督の 『死ぬまでにしたい10のこと』
『あなたになら言える秘密のこと』 、そしてローランド・ズゾ・リヒター監督の 『Re:プレイ』 を見ています。美しいのはもちろんだとして、とても知的そうで、一見弱そうに見えて実は頑として動かない芯の強いところがあって、ある意味とても お・ん・な

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結果はと言うと、女優さんの余技などというものではなく、なかなか立派なものでした。かなり評判も良いようですね。ただ良くも悪くも、物語にしても映画の作りにしても、彼女の生真面目な性格そのもののような作品。ジュリー・クリスティからあれだけの演技を引出したサラ・ポーリーの演出力は大したものです。とにかく素敵なジュリー・クリスティを見るだけでも千数百円の入場料は損はない。でも映画全体としては、その「良くも悪くも生真面目」の「悪くも」の方が少々気になってしまいました。それは映画として何かが欠けているという印象です。

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以前にもどこかで引用していることなのですが、クシシュトフ・キェシロフスキの「これで映画になった」という言葉に要約されることです。映画作家、ここではハリウッド等とちがい編集権を監督自らが保持した「作家の映画」の映画作家という意味ですが、そんな監督さんたちの中にも色々な映画があり、また作り方がある。でもたとえばキェシロフスキで言うと、撮影が終わってから、ああでもない、こうでもないと、シーンを丸ごと削除してみたり、シーンの一部をカットしてみたり、シーンの順番を入れ換えたりして、とにかく彼の考える、あるいは感じる「映画らしい映画」にする。そのために彼の場合は撮影後に第1バージョン、第2バージョン、第3バージョン・・・と、再編集をくり返す。たとえば 『トリコロール 青の愛』 では、ジュリーとアントワーヌだったかな、事故を目撃した青年が拾ったジュリーのペンダントを返すために会うシーンがある。このシーンをどの辺に入れるか、あるいは入れないか、色々試行錯誤したようだ。 『ふたりのベロニカ』 では女友だちに頼まれて主人公のヴェロニックがその友人の離婚請求訴訟で偽証を引き受ける話の扱いも監督は迷ったようだ。この逸話は映画の本筋には全く無関係だけれど、これがないとヴェロニックがあまりに天使か雲上人になってしまい、地に足のついた一人の生きた人間には見えなくなってしまうという。この監督のやり方がすべてではないけれど、映画というのはこういうバランスが大切なんですね。そのためには、ホラーなどサスペンス性の高い映画や反戦が主題の真面目な映画であっても、どこかにゆとりとか遊び、あるいは一見無駄に見える部分があることが必要。何でこのシーンがあるのか解らないなんてシーンも、実は全体の映画らしさや、主人公などのなんとなくの性格付けに必要だったりするんですね。

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そういう意味で、この『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』の作りは、風景描写なんかは美しいけれど、サラ・ポーリーの生真面目さが出てしまったというか、無駄がなさ過ぎるし、逆にちょっとした不足(つまりはアレっ?と思うような物語のちょっとした飛躍とか)がないんですね。そして生真面目ですべてを丁寧に描こうとするから、110分にもなってしまう。ボクの印象では100分をちょっと切る98分とかぐらいがこの映画の適切な長さのような気がします。そういう映画全体のバランス感覚がやや欠如した印象です。もちろん専業の映画監督の中にはこのサラ以上にダメな人はたくさんいますが。サラが女優として出演したイザベル・コイシェの2作品なんかは、どちらも真面目な内容の作品だけれど、コイシェ流に映画らしい映画になっています。サラ・ポーリーはこれからも女優業と平行して監督もしていくつもりらしいから、この「映画らしい映画」という感覚を次回は彼女なりに体得して欲しいと思います。物語も映画のタイプも違うから、どちらが良いの悪いのという比較はできませんが、同じく女優さんの初監督作品としては、結果の質は議論もあるけれど、 『パリ、恋人たちの2日間』 のジュリー・デルピーはこの「映画感覚」を感性的に持っている感じですね。

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結婚44年目という退官大学教授グラント(ゴードン・ピンセント)と妻フィオーナ(ジュリー・クリスティ)。幸せそうな老後の二人の生活なのだけれど、妻フィオーナがアルツハイマーで認知症の症状を呈し始める。夫グラントは気が進まなかったけれど、フィオーナ自ら決断して老人介護施設に入所することになる。それらしい理由はつけているけれど、要するには施設の都合で、入所最初の1ヶ月間は夫であっても外部者の面会や電話は禁止される。そして待ちに待った1ヶ月が過ぎてグラントが面会に行くと、フィオーナは同じく入所している車椅子の男オーブリーの世話を恋人のようにかいがいしく焼いている。そしてグラントが夫であることもわからない。若い女性の看護士はグラントの過去を察して「幸せだったと言うのはいつも男の方で、女の方はそうでもなかったのよ」と言う。フィオーナはかつて若い女子学生とのグラントの浮気に苦しんだんですね。これは妻の意識的あるいは無意識の復讐なのか、あるいは天罰か。自らは身を引いてそんな妻を見守ることしかグラントにはできない。

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この映画には主演老夫婦(グラントとフィオーナ)の他にもう一組の老夫婦(オーブリーとマリアン)が出てくる。グラント夫妻の方はかなりお金持ちのようだけれど、オーブリー夫妻の方はそれほどでもない。老後の設計を立てて持った家だったけれど、介護施設の高い料金をオーブリー夫妻は払うことができない。そのためには家を手放すしかない。だからマリアンはオーブリーを家に引き取る。でも結果彼に会えなくなったフィオーナは寂しい。それでグラントはなんとかならないものかと考える。これ以後の物語の進行は書かないでおいて、ある種の感想のようなものを書いてみたい。

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こんな過去を抱えた夫婦なんていうのは掃いて捨てるほどいるのかも知れないけれど、若い介護士の言った言葉の真実と、その根底にある夫婦の誤りを感じる。フィオーナにとって、夫が自分の方だけを向いてくれて、少なくも表面上幸せな日々をどれだけの長きに送ってきたのだろう。10年?、20年?。でもそれはあくまでも夫婦どちらにとっても未整理なことを前提としている。これはもちろん浮気をした夫に責任はあるけれど、では何故夫は浮気をしたのか。あるいはそういう性癖の男だとしたら、そんな夫と結婚をした妻の責任は?。そしてそれでも結婚生活を続けた理由は?。グラントだけの責任ではなく夫婦2人の責任だ。もちろん映画は夫グラントの心理の視点で語られているから、実際に妻が過去を根に持っているかどうかはわからない。しかし認知症の妻が自分のことを忘れ、オーブリーと恋人のようになっているのを見たとき、グラントは単に失恋のような困惑を感じただけではなく、過去の自分の過ちのことを思う。つまり少なくともグラントにとっては過去は整理できていなかった。これはカップルの問題だから、夫にとって整理出来ていなかったということは、妻にとっても真に整理は出来ていなかったということだ。人は惰性に流れがちだ。しかしたとえ30年、40年の結婚生活であったとしても、必要なのはその関係の日々更新なのだ。つまりは現在に生きることの必要性。この物語の設定でボクがいちばん関心を持つのはその点。ありがちではあっても、二人のわだかまりは、そのことは起きてしまった前提とされているだけで、そのことには一切触れられてはいない。そこがボクにとってはこの映画の根幹としてつまらなかった点だ。その意味ではグラントとマリアンの取る行動の方を中心に据えた方が、一般受けするかどうかは別として、実り豊かだったのではないだろうか。やはりこの映画はカナダ・アメリカ系の発想の産物かも知れない。

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Last updated  2008.09.18 13:48:33
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