ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

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「th」の音


日本語のシステムに存在せず、日本人が認識できない音の筆頭がこれだ。
これが分からないと、数すら聞き取れない。3"three"系の(13thirteennとか30thirtyとか)音が分からなくなるから。33,なんて言ったらお手上げである。1000つまりthousandも分かりにくいかも。


サンキューと言えばありがとうという意味だと、幼稚園児でも知っている。が、もちろんこれとて日本人はsan-kyuu と発音していて、thank youとは聞こえない。耳のいい人は、ネイティブの発音を聴いて「テンキューとも聞こえる」と言う。
そう、thの発音は「s」と「t」の中間だから(そしてそのあとの母音はアとエの中間の発音だから)日本語で無理矢理書き表すと「サンキュー」とも「テンキュー」とも取れる音なのだ。

「s」と「t」の中間の発音 、というところがツボである。

「s」は、舌先はどこにもつけず、歯と歯の間から息を出す音だ(それに声を乗せると有声音のzの音になる)。

「t」は、舌先を上の歯(歯茎)の裏にくっつけて、それからはじいて音を出す。声を乗せると「d」になる。

「th」は、舌を上下の歯の間にはさむようにし、 歯と舌の間で、摩擦音を出す のだ。舌と歯を離せば「s」になるし、くっつければ「t」になるが、その中間である。

息だけの音なら発音記号は「」で表し、thinkやthing、bathなどの音。声を乗せると「」で、theやthis/that、withなどの音になる。

「でも、テンキューだろうがサンキューだろうがthank youだろうが、分かるからいいじゃん」
というのは例によって間違っている。独立しているから聞き取れているだけで、文章の中にthが混ざったら識別はかなり難しく、上に述べたように数字ですら理解できないことになってしまう。

語尾に「th」が来るとますます聞き取りにくい。withは「ウィッ」としか聞こえないしmonthは「マン」だ。

ネットで探してみると、いやあ最近はすごいねえ、ちゃんと音声で「th」と「s」の音の違いなどが分かるようになっているサイトもある。
分かりやすかったのは、ここ。

English Pronunciation/Listening

全部英語で書いてあるが、発音記号がまず大きく掲げてあり、その後にその音を含む単語の例が載っている。その項目中のリンクをクリックすると、quicktimeやshockwave利用で、ビデオによる発音例(口の中まで見えないので分かりにくいが)が見られたり、似た音を聞き分けるテストにトライしたりできる。おすすめ。th音については、一番最初の(やっぱりね)2項目である。

こんなサイトを利用して音を確認しながら、実際に手近にある英文(音声材料があるもの)を利用して、しばしトレーニングしよう。大きな声で英文を音読する。thの綴りにあらかじめマークをしておくといいだろう。その部分にきたら、とにかく発音の仕組みを意識して、不必要な母音が混じらないように注意して丁寧に読む。自分で読んでは、音声教材を聴く。これを繰り返していくうち、次第に感じがつかめてきて、字を見なくてもthの音の存在が認識できるようになるのはすぐである。

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