いつかこの青空のよぅに・・・

いつかこの青空のよぅに・・・

夕日の丘(前書き


           始まり、別れの丘

彼は、確かにここにいた・・・

夕日が見える丘の上周りには青い花が咲いて、空は真っ赤に夕日空になり皆

の帰り道を照らす、そこに彼は彼女の約束を果たしていた

「ありがとう! やっとここまでこれたよ。」

彼女は顔をニコニコさせながら彼の顔を見ていた

隣にいた彼は、彼女の小さな背中を見て笑いながら

「ううん君ががんばったからだよ。」

彼女のが少し紅くなった

「えへへ、そーかな?」

「うん、でももっと上にいけるさ、俺みたいにね。」

「・・・。 そこまでいくとちょっと後がめんどそぅかも~。」

彼女は彼の顔を見て話をしていたが・・・

彼は目を閉じて目線を下に向けた

「俺・・・旅に出るよ。 果てしなく遠い旅に。」

真っ赤染まった空をみて語った。

「そーなんだ いつぐらいに帰ってくるの?」

彼女はそれを普通の旅だと、またいつかフラっと帰ってくると・・・

彼は彼女に目を背けた。

夕日を、真っ赤に染まった空をみて

「もぉ・・・君とは会えないんだ。」

「え?」

それを聞いてから彼女から笑顔が消えた

(また会えるかな・・・)

「俺がこの世界にいたと言う記憶を消す。」

「お別れだ。」

「何いってるの? どう言うこと!? 教えてよ!」

彼女は涙を抑えていたがとうとう涙があふれだしてきた

彼は彼女の目に浮かぶ涙をぬぐって・・・

呪文を唱えようとした

しかし、彼女は彼の服を掴んで涙をこぼしながら

「まって・・・お願い!!」

彼は困った顔をして彼女の暖かい手を握って

「俺は、旅をして役目を終えたら世界の記憶に俺が存在していた記憶を消し

て違う異世界へまた旅立つと言う約束で君と一緒にいたんだよ。」

彼女はそのことに覚えはなく・・・

「そんなぁ・・・役目って・・・どんなことなの?」

「君との約束だよ。」

「あと1つ、君との約束が果たせていないんだ。」

「え・・・」

「君とここでこの夕日と一緒に約束したことだよ。」

彼女はまだその約束を思い出せないでいた

そして彼は彼女をみながら呪文を唱え始めた。

音がだんだん聞こえなくなって、地響きの音だけが響く

(我と契約した時の精霊よ...)

目を彼女から背け彼女の言葉にも耳を傾けず・・・

「まっ・・・・・!」

一瞬彼の目から一滴が落ちた様に見えた。

辺りは闇に包まれ・・・太陽が顔を出していた。

そして彼女からも一滴の涙が零れ落ちていた・・・


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