竹田城址をゆく銀輪の旅にて偐家持の詠みける長歌と反歌二首
竹田城址之賦
春されば 桜花咲き 秋されば もみぢ葉匂ひ
夕べには 月の船ゆき 朝 には 波立つ雲の
但馬なる 竹田の城に 播磨路ゆ 我が恋ひ来れば
たたなづく 山は襞なし 廻 りゆく 川は帯なし
吹く風は 草に戯れ 飛ぶ鳥は 木末 にさやぐ
円山の 清き流れに 出で立ちて 振り放け見れば
虎臥 すや 雄々し城址 高々に 空にぞ立ちて
鳴く蝉の 声のしぐれの 九十九 折る 山道 をゆけば
八重垣の 石は幾重ぞ 天空 に 浮かべる城か
面影を 今に残せる 石垣に 偲べと云ふや
撫子 の 花は咲きけり 夏草は 風にぞ遊ぶ
松が枝の 影に渡りて 白雲は 流れぞゆかむ
青き空 照る日が 下 に はるけくも 川面 は光り
いや遠に 町はありけり いや遠に 道は靡けり
もののふの 夢のいかにと 思へかも 竹田の城の 見れば悲しも
反歌
我妹子を 思ひつゆけば 虎臥 の 城に恋ふらむ 風の吹くらし
円山の 光れる川面 渡りゆく 風とならまし 銀輪の夏



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