偐万葉・松風篇(その9)
偐万葉第58弾は松風篇(その9)であります。
松風さんの素晴らしい絵とそれに誘われての偐家持の歌とが織りなすひとつの景色であります。
(参考)
松風さんのブログ 入口
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偐家持が 松風朝臣麻呂 に贈りて詠める歌24首並びに俳句3句
むら消えの 丘に日は照り それぞれの
冬を過ぎ
来
し 木々の立ちける
とどめばや 去りゆく冬の 後影 (筆蕪蕉)
冬枯れも 店仕舞なり 背子が春 (鶴見野一茶)
大池
の 水はぬるめり かへるでの
さ
枝
に芽吹く 日をや待たなむ

残雪の 風は 蒼 みて 吹き 来 らし ほつ 枝 めぐらし 冬木 の立てり
消えのこる 雪し
少女
は 踏みなづみ
迎へか
来
らむ 鶴見の春を

春草や 鶴見広野に 少女らの キックベースの 声のするなり
来し方や 行く末眺む 場所なるか 風車の丘の 小さきベンチ

椰子の木の 何と見しかも 咲く花を
折り散らかして 行ける人をや
それぞれの 時を生くなり
曙
の 杉にはいまだ 春の
来
なくも
(注)アケボノスギ=メタセコイア

水底 の 森にもあるや 紫の 鶴見の朝の 今し明け行く
蒼き木は いのちためつつ とき待つや
はだれのいまだ 野にのこりたる (偐家持)
(注)はだれ=まだら雪

春花の 散らまく惜しや 大池の
水面に影を 見まく欲り来ぬ (春愁家持)
鶴見野に 駆ける蹄の 音 すなり 春駆けゆける 足の 音 すなり

冬の午後 丘に薄日の さしも来て
枯れにし木々の やはらみゆけり
妹と我 相見し時は 花水木 小道に咲きて ありし日なりき

さみどりの ポプラの芽吹き
春なれど いや朝寒に うちや震へる
五月雨の 止みて大川 もやひ舟
三つばかりが たゆたひにけり
五月雨や 松麻呂の絵も 水だらけ(筆蕪蕉)
ひさかたの
天
ゆ光の 葉に降りて
鶴見は青き 色に染みゆく (青家持)

牢獄の 格子の破れ 今ぞ行く
そこなる風車 この槍受けよ (ラ・マンチャの男)
虞美人の 花の裔かも 我さらに
何か嘆かむ 鶴見の雨に (偐虞美人草)
春雨の しくしく降るに 鶴見なる
丘のポピーの いかにかあるらむ (山辺西人)
春雨の しくしく降れば 鶴見なる
丘の絵人は やすみてあらむ (池辺雨人)
釣棹を 持たず釣りする 釣り人の
釣りにけらしや 淀の松風 (偐太公望)

藤の花 水底 深く 吹く風に 揺れて咲くらむ 薄き紫
眺むれば 夢もうつつも 降る雨に 溶け合ふらむか 松風の丘
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