☆春から夏へ
●煩悩を並べ巻き去り春一番●鼻歌に追ひ越されゆく菜花道
●ほほばりぬ出掛けに香る桜餅
●うさぎ小屋しばし佇み卒業生
●菜飯がゆ湯気まとひつつ昼の膳
●猫の声朧の闇に溶け入りぬ
●一隅をほのかに満たし三千世草
●愛と憎投げ入れて燃ゆ野焼きかな
●桶の音響きて湯屋の窓の梅
●学び舎に薫る風あり離任式
●おにぎりの海苔の香りや外ごはん
●春雷の遠くにありて野天の湯
●残る木のありて末黒に風渡る
●旅の宿独活を肴に地酒やる
●ただただに世を見守りて老桜●青き踏む足裏にやはし香りたつ
●分福や春告鳥の声に会ふ
●花の名を知らぬも嬉し夏立ちぬ
●息吹きて離してもみつ花筏
●制服の自転車二人桜舞ふ
●土匂ふ白玉ひかりのびる摘み
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