ミステリー・推理ものでドキドキする

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▲5万人の死角―東京ドーム毒殺事件―   小林久三
超満員の5万人で膨れ上がった東京ドーム、今季のリーグ優勝を左右する首位攻防の天王山のゲームが、2対2の同点のまま8回表を迎え、走者1、2塁、打席には3番バッター。一打出れば試合が決まる緊張した場面から物語は幕を開ける。
その緊張した場面で、3番バッターに放った5球目のボールは、打席には届かなかった。ピッチャー森岡は、投球寸前にマウンドにくずおれ、口から血を流して死んだのだ。死因は青酸カリによる毒死。ドーム満員の5万人の見守る中で、そしてTV中継をくいいるように見ていた数千万人の野球ファンの前で、森岡は毒殺された。
数日前に若手女優と婚約を発表したばかり、リーグ優勝も目前、MVPもほぼ手中にしている、こんな状況では自殺は全く考えられなかった。
主人公は、スポーツ紙「東洋スポーツ」のプロ野球担当記者・辻村道弘27歳。記事を書くために試合を観戦していた彼は、観客5万人同様、毒殺の瞬間の目撃者となるが、死の直前には誰も森岡に近づいてはいない。青酸カリは即効性の毒であるために、謎は深まっていく。


▲宿命  東野圭吾
【楽天ブックス】宿命
ミステリーと言えば、たいていは犯人探し。もしくは、犯人が最初からわかっているうえでの、謎解き。これが王道だろう。
確かにこの『宿命』も、犯人探しの楽しみはたっぷりある。それも楽しみながら、伏線としての宿命の糸をたぐっていく、もうひとつの楽しみも十分与えてもらったのだ。
複雑に絡んでいた糸...糸の端と端を持って引っ張ってみたら、実は全く絡まっていなくて、一本の糸がまっすぐに伸びていてビックリ! というような読後感。わかりずらい言い方だね(^^;)
犯人探しや謎解きを提起する「殺人事件」と、「宿命」という別の物語が微妙に引っかかってきて、奥行のある話になっている。
私の拙い説明&感想だと、東野氏に迷惑がかかる怖れがあるので、裏表紙の文章を引用させていただこうっと♪(ずるい?) 
 【高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。男の前に十年ぶりに現れたのは学生時代のライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。刑事と容疑者、幼なじみの二人が宿命の対決を果たすとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。】 と、こんな感じ。


工事中


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