Blog de afutura

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October 30, 2024
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前に少し触れたかもしれない。

娘JKには元ジャニ(現STARTO ENTERTAINMENT)の推しがいる。推しはアイドルなので、定期的にBD/DVD/CDを発売しており、この10月にも新作がリリースされた。特に今回のBDには、春に娘が出かけた東京ドームでのライブが収められているらしい。もちろん購入済みだ。

我が家でもすっかりディスクを買わなくなった。CDもDVDもBDも、音楽も映像も主に配信に頼っている。自分は例外として、配信されない山下達郎の作品は買う。あとは特典が強力なディスクくらい。アナログディスクも購入はするが、収納スペース重視で、基本的に1枚買ったら1枚売却する方針をとっているので増えていかない。
娘はお小遣いをためて推しのディスクを必ず買っている。STARTOも基本的には配信しないし、アイドルとしてモノとしての形が欲しい気持ちは理解できる。

そのBDを見るために、娘は私のオーディオルームにこもる。うちわやタオルを持ち込んで。音量を上げて聴いている。
好きこそものの上手なれ、というのか、操作が複雑なAVアンプもBDプレーヤーもすっかり使いこなせるようになった。

ここまではいい。

娘の、とにかく推しの楽曲に対する盛り上がりがすごい。まるでライブ会場にいるかのように部屋を暗くし、自分で環境を作り上げ、ハンズアップやクラップをし、わーキャー言いながら見聴きしている。スピーカーや画面に向かって、声を出して盛り上がるのだ。

オーディオマニアたちは、果たしてこんな音楽の聴き方、いや何よりも音楽との向き合い方ができるだろうか?

("泣く"はある。歌詞が直結するからで、これはラジオでもイケる。)

「再生音をいかに良くするか、好みに添わせるか」、それにオーディオマニアは取り組んでいる。解像度、透明感、臨場感、立体感、奥行き、分解能、リアリティ、音場、空気感、余韻、躍動感、ダイナミクス、質感、滑らかさ、柔らかさ、深み、キレ、艶、濃密さ、中低域の再現性、エネルギー感、ノイズフロアが低い、etc.。
いやいやそういうことはまだしも、トランジェントレスポンス(過渡応答)、マイクロダイナミクス(微細な音変化)、ステレオイメージング(定位の明確さ)、サウンドステージデプス(音場の深さ)、センシティビティ(感度、微小信号の再現性)、スピード感(音の立ち上がりや反応の速さ)、タイムアライメント(時間軸での音の整合性)、ディストーション(歪み)、インパルスレスポンス(音の立ち上がり・立ち下がりの応答性)というオーディオ的アプローチではない、何かが。



娘が自分のシステムを使ってくれるのはうれしい。ただ、自分は志しはハイエンドオーディオマニア。
なんかすごい敗北感がある。そしてうらやましい。

本末転倒だよな、自分は何のためにオーディオを始めたのかね。

かつては音楽を聴いて心が射抜かれる感覚があった。若いから、だけでもない。オーディオを始めて何年か経った20歳過ぎてもそれはあった。それはもちろん「音の良さ」に対してではなく、「音楽そのもの」に対するものだったはず。だ


オーディオルームで一人静かに音を追求した40年、その時間が自分にくれたものと奪っていったもの。娘の無邪気な熱狂の中に、自分が忘れているものが確かにあるのだな。どこかで失われた”心の動き”。娘が大切にする推しのBDやリッピングされた音が粗削りなサウンドでも、純粋に好きのかたまりを感じられているのだ。

このオーディオの道、その先に待っているものは。






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Last updated  October 30, 2024 12:00:20 AM


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