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小説すばる 2024年11月号青の純度 最終回 篠田節子美術系出版社の編集長有沢真由子は五十歳の時にリゾートホテルで見たジャンピエール・ヴァレーズの絵に魅了される。九十年代に一世を風靡したブームに迫る書籍の刊行を決意し、ヴァレーズに会うためハワイ島へ。(小説すばるより転載・後半省略)バブルの頃にもてはやされた画家を追い求める物語。クリスチャン・ラッセンさんを彷彿させますね。市井の人々を魅了する画家・ジャンピエール・ヴァレーズだが、美術界では全く認められていない。バブル期の商法が悪名高いこともあって、今では忘れ去られているが、またその絵を売り出す、という情報が入る。有沢真由子は興味を持って調べ出すが・・・。ジャンピエール・ヴァレーズの正体を暴き出します。そこには複雑な人間関係と、あっと驚く事実が隠されていた。絵画には全く興味が無いし、知識も無い私ですが、この小説は物凄く楽しめました。手練れの小説家・篠田節子さんの紡ぎ出す物語は面白いの一言。続きが気になって仕方の無い展開。単行本なら一気読み間違い無しのページターナーです。凄い小説です。
2024年11月28日
小説すばる 2024年11月号ヒトラー 第五部 第四回 佐藤賢一極秘で進めていたバルバロッサ作戦を遂に発動する・・・。ヒトラーはボルシェヴィズムの打破を誓った。(小説すばるより転載)遂にソ連に攻め込むことを決心したヒトラー。対ソ戦に投入されるドイツ軍は全153個師団、兵員総数にして320万人!恐ろしい数ですね・・・。計画では素早く侵攻しているはずが、北方、中央、南方の三軍集団いずれも足止めをくらっている。侵攻の遅れは、季節が冬になることで一層困難になる予測がつく。ソ連は最新鋭の戦車T34型を出してきて、ドイツ軍は歯が立たない。モスクワ攻略を目論んでいたが、冬の厳しさにドイツ軍は壊滅目前にまで追い込まれていた。ここは撤退が最適なのだが、ヒトラーはそれを許さない。将軍を解任してしまうヒトラー。これは溜りませんね・・・。現地で戦う兵士が気の毒です。ヒトラーの判断のミスでいったい何十万人もの兵士が死亡したのでしょうね?。ヒトラーはユダヤ人だけでなく、自国民も大量に殺したんですね・・・。ユダヤ人はハンスが行ったウクライナでもすでに大量虐殺が行われているようです。恐ろしい話です。恐ろしいと言えば、そして凄いのはこの時代もウクライナはソ連に支配されていてウクライナの人々はソ連を憎んでいること。今と全然変わっていないに驚き。領土拡大の意欲、恐るべしです。日本も完全に過ちを犯しました。いつの時代も変わらないのが一番怖い。
2024年11月27日
小説すばる 2024年11月号うまれたての星 第二十五回 大島真寿美テレビドラマ化を見据えた原作仕事の依頼が唐津杏子に舞い込み、脚本家との間に立ってやり取りする綿貫誠治。思わぬハードルが・・・。(小説すばるより転載)漫画原作をドラマ化するのに漫画家と脚本家の間に挟まって困り果てる綿貫誠治。漫画家さんの融通の利かなさに閉口しますが、このようなこだわりがあるからこそ、面白い漫画が書けるんでしょうね・・・。週刊デイジーは十周年を迎えてほぼ漫画雑誌に変貌する。漫画全盛期の中心にいたであろう、週刊デイジーは漫画人気の波に乗っかり売り上げが伸びたでしょうから仕方の無いことだったでしょう。漫画斑熱いですよね。
2024年11月26日
小説すばる 2024年11月号給水塔から見た虹は 第九回 窪美澄桐乃を心配する里穂。桐乃を構ってあげられなかったことを後悔しています。でも里穂は里穂で一所懸命在日外国人に向き合ってきたので、ある面仕方が無いのでは?と思いますが、思春期の中学生に理解するのは無理があるか・・・。一方、外国人の方にも問題が・・・。しかしこれも一方的に外国人が悪いわけでなく、仕方無しにやってしまったところもあり、全面的に責められないのが辛いですね。生きていくこと、生活することは単純でなく、難しいですねえ、とつくづく思い知らされます。
2024年11月25日
小説すばる 2024年11月号カット・イン/カット・アウト 第六回/カット・イン 松井玲奈マル子のドラマにスピンズのみきが出演することに。マル子は演劇とテレビ制作現場の違いに戸惑う。演じる、ということでは変わらないのでしょうが、造り方が全然違う映像の世界は、舞台出身の俳優さんは戸惑う方が多いのでは?・・・。確かに目の前に観客が居なくて、カメラの前で演技をするのは勝手が違うのでしょうね。そして、因縁の相手と出会うマル子。事態が急変して、どうなることやら。次回も楽しみ~。
2024年11月21日
小説すばる 2024年11月号夏鶯 第七回 赤神諒備前藩の滝善三郎をモデルに書かれている小説。遂に神戸事件が起きてしまいます。小説では三宮事変になっていますが。明治政府から伊藤俊輔と五代才助が乗り込んできて、吉備藩に決定を告げます。五代才助に知恵を与えられ、より無難な対応を迫られる吉備藩。しかしそれは一人の犠牲者を出すことだった・・・。後半は涙涙です。蓮三郎の今迄の苦労を知っている読者には余りにも辛い話・・・。周りの人間にも涙させされます。余りにも酷な仕打ち。明治政府のメンツのためだけにこんなことになるなんて。次回、今回以上に涙を流しながら読みそうです。読むのが辛いなあ。
2024年11月20日
小説すばる 2024年11月号命の横どり 第六回 久坂部羊広志の母親がまだモヤモヤしています。納得がいってないので仕方無いですが・・・。妻の美咲は医療人でもあるので理解が得られています。普通、臓器提供の場合、ドナーの情報はわからないようになっていますが、今回、情熱ある医師のせいで情報漏れの恐れが・・・。嫌な予感しかしない・・・。次回、怖いもの見たさでドキドキしてます。
2024年11月19日
小説すばる 2024年11月号13月のカレンダー 第七回 宇佐美まことようやく地獄のような原爆が落とされた広島から現代に帰ってきました。上野侑平は服部義夫の息子から被爆者の差別と偏見の話を聞く。原爆で甚大な被害にあった後なのに、差別と偏見が残ったんですねえ。そして道孝の言葉を聞いて衝撃を受ける侑平。運命を感じます。その後、森元喜代にも会える侑平。森元喜代から十三月のカレンダーの話を聞き、打ちのめされる侑平。運命をつくづく感じますね。
2024年11月18日
小説すばる 2024年11月号天上の火焔 第三回 遠田潤子大学進学のため京都にやって来た城。備前焼とは無縁の暮らしを送るなか、ふいに蘇るのは、柔らかな土の感触、そして窯で燃え滾る焔の唸りだった。(小説すばるより転載)毎回怒濤の展開ですが、今回も濃かった!城の大学での専攻は日本史。陸上部には入らず、陸上同好会に入って好きに走っていた。陸上同好会で泊りで行うボランティアに参加した城は、陶芸体験に出る羽目になる。実家の窯とは全く違うずさんな工房に落胆する。なにより土が悪くて、まともに轆轤が挽けない。人間国宝の窯出身の城からすれば、素人相手の陶芸体験場は話にならなかったでしょうね・・・。そんなかんやの大学生活の中、祖母が京都に来る。そして祖母が驚愕の事実を告げるのであった・・・。おおお~、今回もダイナミックな展開をしてきますね。大河ドラマにふさわしい驚愕の事実。映画監督の兵藤がいいですね。真剣に若者に向き合ってくれる。こんな大人がいてくれる城は幸せだなあ。城のこの先がどうなるのか興味津々。次回も楽しみ~。
2024年11月14日
小説すばる 2024年11月号女王様の電話番 第三回 渡辺優美織を捜す私。美織の暮らすマンションを探し当てるが、美織は見つからない。美織の客に連絡を取ってみるが・・・。風俗の場合、消息がわからなかうなってしまうことはそれほど珍しいことではないのかもしれません。そしてその人を捜すのは困難なのもあり得そうですね。執念で美織を捜す志川は見つけることが出来るのか?最後の3行が意味深に書かれていて気になります。次回大注目。
2024年11月12日
小説すばる 2024年11月号ウロボロスの環 第十八回 小池真理子夫・俊輔に起きたことも衝撃でしたが、今回、連載始まって以来最大の爆弾が落とされました。なんということ・・・。その上に影山から聞かされる話。俊輔の両親の話がこれまた衝撃で、運命の皮肉に打ちのめされます。小池真理子さん、こんな展開に持って行くとは凄すぎます。今回息を止めて読んでしまいました。次回も大注目です。
2024年11月11日
小説すばる 2024年11月号あいつも誰かに殺される 第三回 下村敦史タナトスの投稿通りに事件が起きる。そしてまたもやタナトスの投稿が・・・。ネットは大騒ぎになる。そして警察もネットの投稿を重視していた。う~ん、これは恐ろしい。リアリズムの投稿を上手く利用した犯行予告なのか?最後のタナトスの投稿がとっても気になりますね。次回大注目。
2024年11月07日
小説すばる 2024年11月号森羅記 第二回 北方謙三北方謙三版「水滸伝」から脈々と続くシリーズの最終章。今回はクビライと元寇を描くようです。モンゴルの人物関係も複雑ですが、執権の北条家も複雑。今回それぞれの家系図が載っていてすごく有難いです。これをにらめっこしながら読まないと誰が誰やらさっぱりわかりません・・・。北条家は第五代執権の時頼になっています。第四代執権の兄・経時が早くに死去したため、若くして執権についています。しかし、伯父や有力武士の三浦家との争いがあり、盤石の態勢とは言えない。NHKドラマの「鎌倉殿の十三人」の時と同じような権力闘争が行われている状態。一方、モンゴルでもチンギス・ハン亡き後、チンギスの弟たちと、チンギスの息子たちの勢力争いが起きています。まあ、当たり前ですね。こちらも国王になったグユクが不意に崩御。混乱の元ですね。やっぱり人物関係を追うのが精一杯の回でした。
2024年11月06日
小説すばる 2024年11月号分裂蜂起 第一回 佐々木譲日露戦争に敗れ、ロシアの属国と化した日本。しかし、ロマノフ王朝が倒れて帝国は消滅、混迷の先に、この国が対峙するものとは・・・。「抵抗都市」「偽装同盟」に次ぐシリーズ完結編!(小説すばるより転載)日本が日露戦争でロシアに敗れた、という架空の歴史の上で、殺人事件を追う警察官の話を書いたシリーズが小説すばるに帰ってきました。今回は歴史が進んでいて、ロマノフ王朝が倒れてロシアが大混乱になっています。属国の日本がどうなるのか?ロシアの軍隊が駐留しているので、すぐに独立は出来ない。しかし、これを機会に独立への道が開かれるのは確実。という政情不安の中、市ヶ谷橋で水死体が上がる。洋装の男の身体には綱が巻かれていて重しを付けて沈められたようだ。その現場にロシアの憲兵隊も大急ぎでやってくる。しかしロシアの憲兵隊は死体を確認したら何も言わずに立ち去ってしまう。一体何があったのか?死体の身許を特定するために新堂たち警察官が捜査を開始する・・・。SF+歴史小説+警察小説という珍しい形態の小説、先が楽しみです。
2024年11月05日
法廷遊戯 五十嵐律人法曹の道を目指してロースクールに通う、久我清義と織本美鈴。二人の過去を告発する差出人不明の手紙をきっかけに不可解な事件が続く。清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨。真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して――?「ミステリが読みたい!」2021年版(早川書房)国内篇3位&新人賞受賞「このミステリーがすごい!」2021年版(宝島社)国内編3位「週刊文春」ミステリーベスト10 文春図書館2020国内部門4位「2021本格ミステリ・ベスト10」(原書房)国内ランキング9位映画化もされた小説。久我清義の過去を暴く写真が提示され、織本美鈴には嫌がらせが続発する。犯人は全くわからない。ロースクールを修了した学生たちだが、久しぶりに学校に集まるメールが届き、楽しみに行った学校で思わぬ事態になる・・・。学生時代のトラブルは解決せぬまま卒業後の思わぬ事態に唖然とします。過去がかかわっていることは間違いないのですが・・・。法律が主役の小説ですけど、難しいことはなく、サクサク読めます。というか面白くて続きが凄く気になるので、ドンドン読み進めてしまいました。過去の犯罪と罪と罰。最後は非常に考えさせられる結末に。面白かった~。余りにも面白いので五十嵐律人さんの他の本を読んでみたくなりました。
2024年11月04日
2024年11月5日発売の本多孝好さんの本「こぼれ落ちる欠片のために」これって、小説すばる2024年5月号から2回連続で連載された「色彩のない肖像に」の単行本化ですよね・・・。小説すばるで短期集中連載と銘打っておきながら、2回で連載をぷっつりやめて、書き下ろしの中編を加えて単行本化、ってなんだか騙されたみたい・・・。文芸誌を単に宣伝に使っているみたいで非常にムカムカするんですけど。宣伝どころか、下書きとしか思えない。東野圭吾さんの小説が思い浮かびます。いや別に出版社の思惑をどうのこうの言うのでは無く、単に続きが読みたかっただけなんです。楽しみにしていたのになああああ。
2024年11月03日
君のクイズ 小川哲ストーリー:生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。第76回 日本推理作家協会賞[長編および連作短編集部門] 受賞「本屋大賞2023」ノミネート世にも珍しい、クイズをテーマにした小説。クイズ番組の最終問題で問題が読まれる前にボタンを押して正答してしまうという、不可解な現象を発端にする小説。やらせなのか、超能力なのか?その「正解」を知りたくて、対戦相手の三島は本庄を調べ出します。その驚くべき結末は?ミステリと言えばミステリですが、なんというか、クイズに人生を懸けた人間の情熱を描いた作品、という感じでした。ページ数は少なくてすぐに読み終えてしまいます。しかし中身の濃いこと濃いこと。クイズイコール人生の三島に対して、本庄の本心が明かされた時、二人は全く違う目的の人間と言うことがハッキリとわかります。本庄の生き方は歪んでいますが、それは本人の選んだ人生ですよね。何より本庄は桁違いに頭が良いのでそれは非常に羨ましい。大量の事柄を覚えられる才能ってホント素敵です。そして三島のクイズに対する情熱がまた羨ましい。ここまで情熱を傾けられるものがある人っていいなあ。テレビでクイズを専門にする人がいますが、見方が変わりましたね。クイズ人生素晴らしいです。この小説も素晴らしいです。
2024年10月30日
小説すばる 2024年10月号猪之噛 最終回 矢野隆東京から福岡の山奥に引っ越し、猟師として生活している明神マリア。職場である「ジビエ森の風」で、猟友会の会長吉中剛太郎と山の気配について話す。マリアの抱いた違和感は先輩猟師の三守一郎も抱いており、山からの獣の気配が消え去っているようだった。(小説すばるより転載・後半省略)猪と対峙する猟師の物語。その猪は想像を絶する野生動物。最初は猟師だけが気付くだけだったが、しだいに一般市民にも影響が及んでいく。命の危険を感じながら猪と対峙する猟師たち。味方になる人、文句を言う人、様々な人と関わりながら、猟師の矜持を持って猟をする人の話で、かなり感動します。迫力ある猟の場面、死ぬかも知れないと思う恐怖、そして人には危害を加えてはいけないプレッシャー。猟師の人々に頭が下がります。猪には罪は無いとはいえ、放置するわけにもいかない。とっても面白くて、毎回ドキドキしながら読んでました。これ単行本になったら一気読み間違い無しですね。
2024年10月29日
小説すばる 2024年10月号馬鹿化かし 最終回 藍銅ツバメ山田家の当主として、今日も罪人の首を斬る。死と共に歩んできた暁右衛門の生きる道とは。幕末怪異ファンタジー、ついに完結。(小説すばるより転載)首切り役人の山田暁右衛門と服部半蔵と名乗る謎の人物とのファンタジー時代小説。設定が抜群に面白く、キャラも立っていてとっても面白かったです。が、しかし、なんだか突然連載中止が決まった漫画のようで、やけに消化不良の最終回でした。あれ?こんな話だったけ?幕末の攘夷運動の話は?柴丸と犬神の話は?もっと怪異な話を読みたかった。やけに尻すぼみな終わり方でした。
2024年10月28日
小説すばる 2024年10月号ひとかけらの骨 木犀あこ「怪奇狩人」こと神南木 鮮シリーズの最終回。神南木鮮の親戚・浜辺真奈華が大学の友人・圓道と一緒に神南木の家を訪ねます。そこに郵便物が届き、中から意外なものが出てきます。その意外なものにまつわるエピソードとは・・・。最終回は神南木鮮の大学生時代が語られます。神南木と友人が語るテーマは難しくてよくわかりませんでしたが、頭の良い二人が語ることなので、その通りなんでしょうね。花言葉にまつわるオチが素敵でした。ちょっとダークな安楽椅子探偵もの、是非続編が読みたいので、また再開されることを希望します。
2024年10月24日
小説すばる 虚池空白の自由律な事件簿 第五回 あかい雨降らば 森晶麿古戸馬は”自由律俳諧の三姫”たちの座談会を収録することに。司会者に虚池を据えた会は、スムーズに進んだが・・・。(小説すばるより転載)”自由律俳諧の三姫”こと雉名美枝、水科煉花、小鳥遊希美の3人の座談会終了後の二次会で小鳥遊希美が細長い紙切れを取り出す。そこには「あかい雨降らばいつかの帰路」という野良句のような言葉が書かれていた。虚池に指名されて古戸馬がその意味を考察するが、虚池がもっと情報をほしがる。その背景とは・・・。いつもながら鋭い推理を繰り出す虚池。しかし最後に虚池は意外な事を言い出す。今回はオチが二段階で驚きます。ここまで深読みが出来る虚池が空恐ろしくなるほどの推理。あの時代のことはほとんど知らないであろう虚池がここまで推理できるのは驚異としかいいようがないですね。今回も面白かった!
2024年10月23日
小説すばる 2024年10月号武家女人記 あねおとうと 砂原浩太朗筆頭家老をつとめる神崎家に嫁いで三十数年。当主となった息子と次席家老である実家を継いだ弟との間に、美佐はしばしば不和の気配を感じ取っていた。(小説すばるより転載)美佐の息子は筆頭家老をつとめている。実家の弟は次席家老。弟が息子になにかと反対意見をぶつけてくるようなことを息子から聞いていた。そして、息子に藩主から命が届く。息子が失脚すれば、次席家老の弟がその座を狙うのは目に見えていた。美佐は息子のために動くことを決意する・・・。筆頭家老の家に嫁いで、その座を守ってきた美佐。藩の権力争いに力を貸そうとするが、はたしてそれは成功するのか?誰が敵で、誰が味方かわからない。最後に急展開が起きます。事の真相は、意外なものでした。面白かった!藩の上級武士もそれなりに大変だったのでしょう。三人集まれば派閥が出来るといわれていますが、武家社会も権力争いが絶対にあったでしょうね。
2024年10月22日
小説すばる 2024年10月号ウロボロスの環 第十七回 小池真理子彩和の罪の意識。確かに罪は罪ですが、これまでの経過を見ていると、はたしてこれは罪なのか?と思ってしまいます。彩和にとって意外な事実が判明。これは怖いですね。何が書かれているのか?次回、大注目です!
2024年10月21日
昨日(2024年10月19日)の朝日新聞の広告欄に、千早茜さんの新連載予告が載ってました!小説すばるの来月号(12月号)から「透明な夜の香り」シリーズの第三弾が始まるようです。これは嬉しい!今度はどんな展開なんでしょうね。ワクワク。
2024年10月20日
小説すばる 2024年10月号青の純度 第十二回 篠田節子有沢真由子は無事に日本に帰ってきた。編集部の部長・山崎裕子と坂東真理亜にハワイの取材の結果を話す。ジャンピエール・ヴァレーズの絵画販売のからくりを知ってしまった今、虚しさだけが残る。最後に有沢真由子が明里に言う台詞、「絵に罪はないから」というのが重いですね。この後どういう展開になるのでしょう?
2024年10月19日
小説すばる 2024年10月号ヒトラー 第五部 第三回 佐藤賢一ハンスとマルガの結婚は認められなかった。悩むハンス。その中、フランスのメッツで幼馴染みのゲオルクに出会う。しかしゲオルクから非難の言葉を受けて、ハンスは考えてしまう。一方、ドイツはイギリスと戦うと決めたが、イギリスは簡単に攻略できない。ハンスはギリシャに侵攻する。それはイタリアがギリシャに宣戦布告したからだ。その足でユーゴスラビアに侵攻するドイツ軍。ハンスも各地を転戦する。戦争に次ぐ戦争・・・。それにしても、ドイツは本当に全方位で戦争をしかけたんですねえ。ヨーロッパの不安定さに付け込んだ感じは否めないですけど。そしてハンスにも新たな任務が与えられる。これはいずれゲオルクと最悪の再会をしそうな雰囲気ですね。嫌な予感がします。
2024年10月17日
小説すばる 2024年10月号凶花 第九回 黒川博行二宮と桑原は、問題の人物と北新地で会う。問題の人物の他に2人の男がいた。問題の人物から取引の提案を受ける。提案を保留して、北新地を後にする。その後に向かった先は・・・。桑原はインテリヤ○ザらしく、情報通で、駆け引きが抜群に上手い。桑原は、なにやら大きな事を企んでいる様子。うまくいくんですかねえ?相手も海千山千の手合いですからねえ。
2024年10月16日
小説すばる 2024年10月号13月のカレンダー 第六回 宇佐美まこと前回に引き続き、原爆が落とされた広島の惨状がこれでもか、と描かれます。生き残った喜代は母親を見つけるが、それは残酷な結末になる。原爆そのものも大惨事ですが、その後の火事も悲惨な状況に輪を掛けたんですね。喜代も生き残ったとは言え、原爆の影響を受けていた。周りで次々と人が死んでいく中、喜代は奇跡的に生還する。戦争も原爆も運命としか思えないですよね。死んでいく人間と、助かる人間。何にせよ、生き残った喜代は強くなったんでしょうね。
2024年10月15日
小説すばる 2024年10月号命の横どり 第五回 久坂部羊今回のメインは心臓移植の描写。さすがにお医者さんが書いているだけありその手術過程はリアルそのもの。心臓は取り出すほうが難しく、移植するほうはそれよりも難易度が低い、と書いてあります。どちらにせよ、すごい技術が必要なのでしょう。移植を受ける患者と臓器提供した家族の気持ち。人間の感情は様々です。移植に反対でも、それがダメとは言えませんよね。難しい・・・。
2024年10月14日
小説すばる 2024年10月号うまれたての星 第二十四回 大島真寿美泉田依子の新連載がスタートして三か月、週デ編集部には怒濤の勢いで反響が届いていた。藤原修子はただならぬ気配を感じるが・・・。(小説すばるより転載)泉田依子の新連載が物凄い人気になります。週刊マーガレットで外国の歴史を描いた漫画って・・・、池田理代子さんの「ベルサイユのばら」ではありませんか!この小説の描写が実際にあったようなものであれば、凄まじい人気だったんですね。登場人物当てにファンレターが届く・・・(驚)。オスカルさま当てでしょうか?未だにスゴイ人気ですが、連載開始から凄かったんですねえ。この小説の非常に上手いところは、編集部に辰巳牧子という、編集人ではない人間を登場させているところ。辰巳牧子は一般人の代表であり、読者の代表であります。辰巳牧子の意見は大衆の意見なんですね。だから、辰巳牧子が「狂う」のであれば、一般大衆は「狂ってしまう」のでしょうね。漫画全盛期に向けての、この時代、本当に熱いですね。
2024年10月11日
小説すばる 2024年10月号夏鶯 第六回 赤神諒岡山藩の実在の人物・滝善三郎をモデルにした小説。事態が好転するかと思われたが、島山にしてやられて、元の木阿弥に戻ってしまった戸木家。もちろん善四郎も変わらず「兀僧庵」での蟄居生活である。しかし、兀僧塾には毎日大勢の人が出入りしていた。あまりにも多いので、信乃が秘書のようになって客を捌いている。武術、学術を教わりに来る者、困り事の相談でてんやわんや。たとえ実の兄・源五郎ですら、すぐには会えない。新藩主の茂斉は徳川慶喜の弟だけに、佐幕であり、攘夷を謳っていた。しかし、時代は変化してきて、攘夷は劣勢になりつつあった。長州と幕府の間が険悪になり、幕府から長州征伐の任が下されるが、茂斉は兵だけ出して、戦わない。岡山藩は政策が定まらず、宙に浮き出していた。そんな中、藩主の茂斉を戸木家の領地でもてなすように島山が画策してくる・・・。空前絶後の才能を持ち、大局も見えている善四郎がくすぶっているのは本当に腹が立ちますね。政治に負けた、とはいえ、このような人物が藩の政治に関われなかったのは、岡山藩にとって致命的な損失に感じます。それにしても、次から次に持ち込まれる難問を一瞬で解決してしまう善四郎が本当にカッコイイです。ホント惚れ惚れしてしまいます。一種の安楽椅子探偵ですね。今回の出来事で、少し話が良くなることを祈ってます。次回も滅茶苦茶楽しみですね。
2024年10月10日
小説すばる 2024年10月号女王様の電話番 第二回 渡辺優女王様を派遣する風俗店で電話番をする私。推しの女王様・美織さんとご飯の約束を取り付けるが、当日になり異変が・・・。(小説すばるより転載)中々言えなかったバイトのことを友達に話す私。皆で笑ってくれる、と思っていたら大反対を喰らってどまどう。雇用保険の話までされて、仕事のことに悩んでしまう・・・。いつもの用に仕事に出かけた私だが、女王様・美織さんに異変が起きる・・・。確かに風俗店に対する世間の評価は厳しいものがあるのは事実。次の就職を考えているのなら、隠したほうがよいのかも。でも風俗店に勤めていることがばれたら、それはそれで問題になりそうですね。もっともこの主人公・志川は単なる電話番なので、厳密な風俗店務めにはならないのでしょうが・・・。志川の過去がちょいちょい挟まれてきて、いろいろ問題があったように描かれています。そして女王様・美織さんの件。真相がわかるのでしょうか?興味津々で次回が楽しみ。
2024年10月09日
小説すばる 2024年10月号給水塔から見た虹は 第八回 窪美澄ヒュウがたどり着いた謎の場所の秘密が明らかに。なるほどねえ。こういう事情だったんですね・・・。このような場所があるかどうかはわかりませんが、このような場所が必要な現実は歴然とありますよね。桐乃の行動にも驚かされます。しかし、これは母親を心配させます。というか母親に対する復讐なのですが、そういう事を考えるところは子供だなあ、と思わせますね。本人はそう思ってないでしょうけど。
2024年10月08日
小説すばる 2024年10月号天上の火焔 第二回 遠田潤子香月たちとともに地元の中学校に進学した城。祖父と父は相変わらず険悪だが、窯焚きを迎えた「天上火窯」では、炎と土が織りなす戦がはじまろうとしていた。(小説すばるより転載)今回は物語が大きく動きました。祖父の急変、香月との関係の変化、進学とイベントてんこ盛り。中でも香月との関係変化が一番辛いですね。ただ、父親の愛情を知らない城にも同情の余地があります。子供の頃に受けた愛情は何にも代えがたい。城の父親は相変わらずですけど、言葉が出てこないだけで、それほどヒドイ人間ではなさそう。非常に不器用な人間なのかもしれません。香月の父親の話も胸が痛みます。不本意な人生ですねえ。
2024年10月07日
小説すばる 2024年10月号あいつも誰かに殺される 第二回 下村敦史業界では著名な演出家が死んだ。捜査に当たる熊木らは、現場で奇妙な張り紙を発見する。(小説すばるより転載)前回の最後に出てきた、本気とも冗談ともつかないタナトスの投稿。今回その投稿が明らかになります。現実のSNS「Be Real」を思わせる「リアリズム」という架空のSNS。と思っていたら、本文に「Be Real」が出てきてびっくり。演出家の死亡は事故とも自殺とも他殺ともつかない。タナトスの投稿は一体誰なのか?面白くなってきましたね。次回も楽しみ。
2024年10月05日
小説すばる 2024年10月号森羅記 第一回 北方謙三うわ~、北方謙三さんが小説すばるに帰ってきました!今度の物語は、チンギス・ハンの孫・クビライの話のようです。水滸伝から脈々と続くシリーズの最終章だそうで、楽しみですね~。クビライと言えば後に「元」を建てる人。すなわち、元寇で、日本にも大きく関わる人ですね。元寇の頃の日本は1270年頃ですから、鎌倉幕府の北条時宗が収めていた頃でしょうか。もっとも、それはもっと後の話で、話の始まりはクビライがまだ何者でもない頃からです。チンギス・ハン亡き後、第二代皇帝ウゲディが亡くなり、後継者争いでゴタゴタしています。のっけから登場人物が多数出てきて誰が誰やらさっぱりわかりません。整理してメモしておかねば。クビライは長男の死亡に耐えられず、放浪の旅をしています。スブタイ将軍の孫・アジュ(阿朮)と一緒に海を見に行って衝撃を受け、船で航海をしてきます。このような旅が後のクビライに影響してくるんでしょうか?モンゴル帝国と鎌倉幕府の両面を描く今回、またまた壮大な話になりそう。今後が楽しみ!
2024年10月04日
女副署長 松嶋智左地域課警部補の死体が、警察署の敷地内で発見された。胸にはナイフが突き立ち、激しい雨に打たれていた。直後に封鎖された署内に動揺が走る。犯人は庁舎内に隠れているのか。まさか本官なのか。副署長の田添杏美は、所轄署の名誉をかけて犯人を挙げると決意するが……。留置場の異様な出来事、剛腕刑事課長との厳しい対立、解けない謎。元女性白バイ隊員の著者が女性警視の捜査魂を描く傑作。(新潮社のwebページより転載)著者は元白バイ隊員だそうですが、警察内部の描写が詳細で目を見張ります。警察小説ならぬ、警察署小説です(^^;)私たち一般人にとって警察署のイメージは1つですが、内部では刑事部や警備に分かれていているんですねえ。日々、それぞれの仕事に誇りを持って当たる警察官。お仕事小説としても楽しめました。話は台風の最中に、よりにもよって警察署内で殺人事件が発生。台風で警察署全員が出動なのに、事件の捜査が加わっててんやわんや。台風の時って、警察官がこんなに大変なのは気がつきませんでした。警察官の皆様に頭が下がります。この小説、ミステリーとしても大変面白いです。殺人事件が起きますが、なんと防犯カメラに写っていないので、犯人がまったくわからない。刑事課の敏腕刑事課長が乗り出してきて、捜査を始めるが、犯人は五里霧中。様々な人間模様が描かれる中、最後に判明する、あっと驚く犯人。そして何故防犯カメラに写っていないのかが、納得の結末。女副署長の活躍はかなり意外でしたが、さすが、というべきなんでしょう。警察小説として、読み応えが十分。続編があるようなので、是非読んでみたいです。
2024年10月03日
俺でない炎上 浅倉秋成ある日突然、「女子大生殺害犯」とされた男。既に実名・写真付きでネットに素性が曝され、大炎上しているらしい。まったくの事実無根だが、誰一人として信じてくれない。会社も、友人も、家族でさえも。ほんの数時間にして日本中の人間が敵になってしまった。必死の逃亡を続けながら、男は事件の真相を探る。「六人の嘘つきな大学生」が滅茶苦茶面白かった浅倉秋成さんの本。殺人の写真が載ったツイートが流れてきて、あっという間にツイートをした人間が特定されてしまう。犯人を逮捕しろ、とネット上で圧力が高まる。しかし、特定された人間はネットリテラシーの低い、全く身に覚えのない営業の男性だった・・・。ネット上で個人が特定されるのがまず恐ろしい。その上で、何の証拠もないのに、犯人に祭り上げられるのはもっと恐ろしい。現実でも、あおり運転の同乗者の女性が特定されて攻撃されましたが、映像の写真とは別人だったことがあり、問題になりましたよね。この小説の犯人と目された男性は、状況があまりにも不利で、ネット上ならず、警察にも追われます。とにかく逃げるしかない状態。うまく逃げますが、困難の連続。逃亡劇としてもかなり面白いです。後半、真相が明らかになっていくにつれ、驚きの連続。犯人はやっぱり意外な人物でした。この小説は作者の叙述トリックが冴え渡っています。見事に術中に嵌ってしまいました。小説ならではの見事なテクニック。読み返すこと、必至です。読み返すと、あちこちにヒントをちりばめてありました。面白かった!
2024年10月02日
小説すばる 2024年9月号凶花 第八回 黒川博行医療法人甲洋会の甲野から話を聞く二宮と桑原。甲野はこれまた一筋縄ではいかない人物で、肝心なことは喋らない。今度は医療コンサルタントの折口という人物に話を聞きに行くコンビ。ここで聞く話が全くもって闇ですね。このシリーズは、どれも何かの業界で「食い物」にする話のようですが、今回の病院を「食い物」にする話もエグイですね。次回は注目の人物に直接会うようで、楽しみというか、怖いというかまた桑原が暴れそうで戦々恐々ですが、相手が相手だけに、話し合いで終わるのでしょうか?
2024年10月01日
小説すばる 2024年9月号ヒトラー 第五部 第二回 佐藤賢一フランスに勝利し、ヴェルサイユ条約の雪辱を果たしたヒトラー。残すはイギリスとの戦いだったが・・・。(小説すばるより転載)あっという間にヨーロッパを征服したヒトラーですが、さすがに陸続きでないイギリスは電撃作戦が遂行出来ない。イギリスはさすがに海軍が充実していて、海からは攻められないし、航空機も燃料問題があり、空からの攻撃も部分的にしか出来ないし、八方塞がり状態。イタリアを動かそうと思ったら、ムッソリーニは狸で、あれこれ理由をつけて動かない。イタリアがダメならソ連を、と考えるが、ソ連も一筋縄ではいかない。それにしても、このヒトラーの征服欲はどこまで拡大するんですかね?イマイチその征服欲がわかりませんが、この先、ソ連にも攻めこむわけで、どう考えても手を広げすぎな気がします。一方、親衛隊のハンスは地元の女性との結婚を申請していたら結婚が許可できない、と言われて切れる。これは大問題です。親衛隊を取るか、結婚を取るかの究極の選択。ハンスの決断は?
2024年09月30日
小説すばる 2024年9月号ウロボロスの環 第十六回 小池真理子静かに進行していた連載、遂に大きく物語が動きました。何かが起こる、と思っていましたが、意外なことが起こるんですね!言われてみれば、これが起こっても全く不思議ではないのですが、いざ起こると驚きます。超緊迫の時間。そして、その後の対応がまた驚き。こうきたか・・・。まあ、私がこの立場でも、こういう対応をするのは間違いないです。が、後味が悪いですよね・・・。連載の最初に十字架、と書いてありましたが、このことだったんですね。う~ん、この先の展開が物凄く気になります。
2024年09月28日
小説すばる 2024年9月号馬鹿化かし 第八回 藍銅ツバメ柴丸を江戸に連れてきたが、国元の侍や、異国人が焼右衛門の屋敷をうろつく。そのうち柴丸の身に異変が・・・。陰陽師の昆明の「力」の凄さに圧倒されますが、焼右衛門の献身にも震えます。犬神も気になりますが、この先はなんだか暗くなりそうな予感。それにしても半蔵は頼りになりますね。飯のこともあるし、半蔵がいないと焼右衛門が立ちゆかないのがちょっと面白いです。
2024年09月27日
小説すばる 2024年9月号13月のカレンダー 第五回 宇佐美まこと昭和二十年八月六日・・・。消息を絶ったかけがいのない友を捜すなか、服部義夫の心に永遠に刻みつけられた地獄。(小説すばるより転載)物語は昭和二十年八月六日に飛びました。この日、広島に原爆が投下されます。投下後に繰り広げられる惨状が克明に語られます。一度に十万人以上が亡くなったであろう惨劇。身の毛がよだつ状況ですね。その中、友達・佐伯道孝を捜す服部義夫。服部義夫は電車の車庫にいたので、原爆の直撃を受けていないようです。でも、投下直後の広島の町を歩いているので、後に影響が出たのでは?と思いました。まあ、それはともかく、佐伯道孝の父と一緒に捜すが、結局見つからない。あの混乱の中では、たとえ生きていても見つけるのは難しそうです。原爆投下の日は、服部義夫にとって一生忘れない日になったでしょう。今回は、静かに進行していた連載の中で、一番衝撃的な回でした。
2024年09月26日
小説すばる 2024年9月号命の横どり 第四回 久坂部羊とある男性がくも膜下出血で倒れ、脳死状態になる。その男性は日本では珍しいRh(ー)の血液型だった。脳死状態の本人は臓器提供の意思が生前からあった。それなら臓器提供がすんなりいくかと思われるが、家族が反対する・・・。家族全員の同意がないとダメなようなので、一人でも反対する人がいると、臓器移植は出来ないんですね・・・。医療関係者は脳死が死亡状態と思う人が多いでしょうが、一般人は心臓死でないと、なかなか受け入れることが難しいかも。暖かい身体に動いている心臓。死んでいる、と言われても実感がわきませんよね・・・。こればっかりは、個人の意見なので、説得するのは難しいですよね。医師も、コーディーネーターも気を遣いますねえ。頭が下がります。
2024年09月25日
小説すばる 2024年9月号給水塔から見た虹は 第七回 窪美澄ヒュウは思い切った行動を取ります。不思議な場所に不思議な集団がいます。この人たちは、どういう集まりなんですかね?悪い人たちではなさそうですが、何をしているのかがさっぱりわかりません。そして肝心のヒュウが会いたい人物には会えず。中学生、無力です。どうなることやら。
2024年09月24日
小説すばる 2024年9月号猪之噛 第十二回 矢野隆前回の狩りでは一郎が対峙しますが、唖然とする結果に・・・。今回は、隣の新岡市の猟友会と合同で狩りをすることになる。歴戦の強者揃いの新岡市猟友会の面々は非常に頼りになりそうです。というより、ふてぶてしさに呆れるほど。そして遂に狩りが始まる・・・。緊迫の狩り。相手は普通ではないので、緊張度は強いです。次回、クライマックスになるか?滅茶苦茶楽しみです。
2024年09月23日
小説すばる 2024年9月号夏鶯 第五回 赤神諒「お前も、真の武士になれ」抱節が臨終に遺した言葉に、蓮三郎は志を貫く覚悟を決めた。(小説すばるより転載)ようやく地元で悪評が無くなった蓮三郎。蟄居から十年、蟄居を解くべき準之介たちだったが、島山の壁は厚い・・・。少し光明が見えた前回の終わりから、進展するかな、と思って読み進むと・・・。う~ん、島山という人物はすごいですね。ここまでやるか、という感じ。蓮三郎が何事にも動じないのだけが救い。今回もページ数が多く、中身も濃厚で読み応え十分。もんげえ面白い~。早く次回が読みたいですね。
2024年09月20日
小説すばる 2024年9月号うまれたての星 第二十三回 大島真寿美年明け以降、世情はめまぐるしく移り変わり、編集部にも新顔が、戸惑いを覚えつつ、綿貫誠治は自らの仕事について思いを馳せる・・・。(小説すばるより転載)札幌オリンピック、浅間山荘事件、と世間を騒がせる出来事が続いている中、編集部に保積賢太郎という新人が配属されてくる。保積賢太郎は小柳編集長のお気に入りのようで、漫画家との打ち合わせに連れて行っている。編集部の誰も連れて行ってもらっていないのに、不公平だ、と皆が感じている。作品を通じて、男女雇用の不平等さを描いてきたこの小説ですが、今度は「えこひいき」問題が勃発。会社は様々な人間が働いていますから、どうしてもこの問題も起きますよね。編集長が何を考えているのかが問題。不協和音が大きくならなければいいですが・・・。次回も大注目。
2024年09月19日
小説すばる 2024年9月号カット・イン/カット・アウト 第五回オーバーラン 松井玲奈今回はマル子に舞台の主役を譲った(謙ざるを得なかった)ももが語り部。現役のアイドルであるももは、そっちのほうもこなさなければならない。しかし、舞台に穴を開けたことで、アイドルの方の活動も微妙な空気になっていた・・・。子役出身のももは、芸能生活が長い。周りに気を遣って芸能活動をしているのは、子役出身ならではの気遣いでしょうか?アイドル仲間のみきちゃんが最近売れ出してきたので、会社&マネージャーはみきちゃんに重心を置いている。その分、チームに不満が生まれてきている状況はすっごくリアル・・・。実際にありそうな状況ですねえ。プライベートで顔見知りになった喫茶店の店長との交流がほっこりしますね。最後に意外な仕事が入って驚きます。これは次回が楽しみ。
2024年09月18日
小説すばる 2024年9月号青の純度 第十一回 篠田節子すべてのカラクリを見抜いた真由子。ホテルの部屋に、とある人物が訪ねてきます。ビールとつまみを持って来て、話をして帰ります。その後に恐ろしい企みに気がついて戦慄・・・。え、そこまでやる?・・・。やるか・・・。死活問題ですからね。恐ろしい・・・。こんな人物だったとはさすがに思いもよらず。絵のカラクリも驚きでしたが、この人物のこの行動には本当に腰を抜かしました。この後どうするんでしょうねえ。
2024年09月17日
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