【カラーガード大好き】マイレージジャンキー 時々 「鉄」

【カラーガード大好き】マイレージジャンキー 時々 「鉄」

2007/07/04
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ところで、久間章生前防衛相の発言について色々と思うところがあります。心はちぢに乱れております。彼の発言の前段部の「広島・長崎への核攻撃(それにより発生した20万以上の無辜の市民の殺害)が戦後日本の分割統治を避け(同時に朝鮮半島の分断を生じせしめ)、米国の(実質的な)単独占領をもたらした。米国の単独占領が戦後日本の幸福に大きく貢献した」という認識は大筋で合意できます。苦い事実です。

私たちの幸福は悪意を持って殺害された同胞数十万の屍の上に立っている訳です。殺害された(および、傷付けられた)犠牲者の不幸で私たちの幸福が成立している面が確かにあると思うのです。だからこそ、8月6日を日本国民は忘れてはならないし、忘れることは出来ない。

久間章生前防衛相は長崎について触れていたので8月9日のことかも知れませんが、あの日あの街の地上で何が起きたのかを知るのは、全国民の半ば義務だと思うのです。毎年8月6日の式典をNHKが朝の連続テレビドラマを休んで中継し、首相が出席するのは極々当たり前のことであると思うのです。前にも書きましたが、日本の最小額面紙幣(つまり最もよく使われる紙幣)の裏面には原爆ドームを使って欲しいと思っているのです。日本の戦後の出発点はどこかと言う議論には色々な意見がありますが、私は昭和20年8月6日がそれだと思っているのです。

私は「念仏平和主義」には反感を覚えます。前にも書きましたが、平和主義が戦争を、しかも特大の戦争を引き起こした例があるからです。犯罪よ無くなれ、と念じても犯罪が消滅しないのと同様に、戦争が無くなれと念じても、戦争は無くならないでしょう。実効的に戦争の発生を抑制する仕組みを作り、効果が失われぬよう常に磨きつづける努力が必要だと思うのです。

短期的には、抑止力の均衡を維持し、侵略の誘惑を作らない(周辺国よりも強すぎず、弱すぎず、戦争に訴えても所期の目的を達成し得ないという状態を維持する)ことだと思うのです。「周辺国に戦争を仕掛けるのが得だ」という状態が最悪です。長期的には周辺国から貧困を追放することです。近くの国々を、皆「失うものが多過ぎる」状態にすることです。

横道にそれますが、同じ地域で軍拡に走る国があると、抑止力を維持するために、他の国も軍拡に走らざるを得なくなってしまいます。日本の隣国の中には強烈なスピードで軍拡に走る国が二つあります。また、自衛隊が高い買い物をせざるを得なくあるのかと思うと、ちょっと悲しくなります。

「観念的平和主義&軍備なんでも反対主義」に反感を覚える一方で、都市への核攻撃が何をもたらすかについて、日本はもっともっと情報を発信しなかればならないと思うのです。核攻撃のもたらす惨禍は通常攻撃とは全く異質なものです。私たち日本人にとっては常識ですが、意外に知られていないのです、これホントです。

ドイツにとって忘れられない爆撃はドレスデンでしょう。私の感覚では、ドレスデン攻撃はただの「快楽殺人」です。軍事的に何の意味もない。ただ多くの人間を殺すことだけが目的でした。東欧の占領地から命からがら逃げ出してきた、着の身着のまま避難民が何を出来たのでしょう。ドレスデンは地上戦の戦場から遠く、有力な地上部隊もいませんでした。だからこそ避難民が集結したのでした。鉄道で逃げてきて、ドレスデン駅の周囲でたむろしていた避難民を、逃げられないように周囲を焼夷攻撃し、その後、炸裂弾でミンチにする。ベルリン空襲や、ハンブルグの完全破壊や、ケルンへの1000機爆撃や、ダム破壊爆撃や、ルール工業地帯を灰にするのとは全く意味が違う。ドイツの戦争遂行能力を減じる意味は殆どゼロです。これは犯罪です。カチンの森やアウシュビッツと殆ど変わりはない。血に酔った(それも泥酔です)爆撃部隊の暴走であったと思います。



しかし、街と人に与えた打撃は全くレベルが違うものでした。このことを先進国の国民は意外に知りません。唯一の被曝国である日本が情報を発信するしかないのです。核攻撃の被害に関する知識の伝播が核戦争の抑止に貢献するであろうことは間違いない。もちろん、知識の伝播だけで完全に抑止できる訳はありません。しかし、効果はゼロではないのです。原子爆弾が与える被害について世界に訴えることは、ある意味では日本および日本国民の義務と思います。

多数派ではないかも知れないけれど、現代日本の豊かな生活(大分損なわれてますけど)の犠牲となって死んでいった数十万の同胞への哀悼の気持ちと感謝の気持ちを抱きつづけることと、都市への核攻撃がもたらす被害について世界に訴えることは、ある意味では、日本人及び当時日本に居住していた人々の義務だと思うのですよね。我が国の「国防大臣」に 「しょうがない」 と云われたら、これはもうどうしようもない。感情的には全く許し難いと思います。しかし、現在の日本政府の国防方針と鋭角に矛盾する発言とは言いがたい面もあります(この矛盾が悲しい…、全世界で唯一の核攻撃を受けた国でありながら、その核攻撃を実施した国の核の傘によって安全保障を確保しているという微妙な立場…)。罷免ではなく辞任という対応には納得感があります。

だからと言って、通常兵器・核兵器を問わず軍備に反対する訳ではありませんですよ。戦力の均衡を壊すような一方的な軍備廃棄は戦争を誘発しかねないのです。もう戦争はしたくない、してはならないと思うがこそ、戦力の均衡を維持しなければならないと思うのです。

今時は「非武装中立」は死語になりましたが、非武装と中立は全く両立しないのです。古い例で恐縮ですが、ベルギーという国があります。この国は大国に挟まれた位置にあります。ドイツとフランスの間に位置している訳です。現在のドイツとフランスが干戈を交えることは非常に考え難いのですが、ナポレオン戦争から第二次世界大戦まで、ヨーロッパの列強であるドイツとフランスは対立を続け、何度も戦火を交えます。その中間に位置していたのがベルギーでございました。米中の間に位置する日本に何となく似ていますね。

ベルギー一国ではドイツにもフランスにも本格的な抵抗は難しい。非武装でかつ中立は可能か?。ドイツがフランスに攻め込むためにはベルギーを通らざるを得ない、このような状況の下で、私たちは非武装ですから抵抗できません、ドイツ軍さん、どうぞ無害通行して下さい、と云ったらどうなるか?。中立ではなくなってしまうのです。ドイツの侵略兵団の無害通行を許すということは、フランスに対する明確な敵対行為なのでございますね。無害通行を撥ね付けてドイツと戦うか、無害通行を認めてフランスと戦うかしか選択がなくなってしまうのです。ベルギー自身の力で戦争から離れていることはできないのでした。大国の狭間の小国というものは、大国が軍事行動を決意したら、選択肢が殆どなくなってしまうという宿命があるのでした。ちなみに史実(第一次大戦)では、ドイツ軍の無害通行要求をベルギー政府瞬時に撥ね付けました。

 →追記ですけど、今では独仏の戦いは想像の外にあります。
 →この状態をどのように作ったのかをよく理解して置きたい
 →今の状態では難しいけれども、真似するチャンスが
 →生じないとも限りません。


軍備というものは、商売に似ています。全てが相対的なのです。現在の韓国陸軍の兵力がアフリカ中央部に存在したら、物凄い圧迫力を持つでしょう。兵力・兵器ともレベルの低い地域ですから。一方で、東アジアでは大した圧迫力には見えません。中華人民共和国の強力な戦力と、アメリカ合衆国の巨大なパワープロジェクション能力が均衡を作っている地域にいるからです。周辺諸国との相対的な優位劣位がポイントなのです。大陸周縁部に位置する日本は、色々な面で物凄く得をしている一方で、安全保障面ではかなりのレベルのコストを支払わざるを得ないのです。もし、日本がニュージーランドの位置にいれば、安全保障コストはどの位減るだろうか、と妄想してしまいます。私たちの選択肢は、残念ながら非常に狭いのでございますねえ。ホントに残念です。

本日、小池防衛大臣の記者会見がありました。「 現実問題として多くの方が亡くなられ、今も後遺症に苦しんでいる方が大勢いる事実を直視すべきだ。歴史的評価は人類にとって挑戦、人道的には認められないことは明らかだ」 と、明確に米国を名指ししないながらもその判断を批判する一方で、 「日米安保条約の下、米国との関係を引き続き堅持し、現実的な抑止力は確保すべきだ」 と述べたと伝えられています。色々と言われてはおりますが、今日の記者会見については、合格だと思いました。

旅行レポートを書く隙間が無くなってしまいました。旅行レポートは次回の日記から再開します。

【現在の卒煙式の表示】

ステータス: 大将
卒煙日: 2007年 5月 25日
卒煙からの日数: 40日 3時間 25分
延びた寿命: 6日と3時間11分
節約できた金額: 24085円(節税分 15186円)
節煙本数: 1605本 160.57m シャトル組立工場
節煙本数: 1566本 156.63m 霞ヶ関ビル


【昨日のマイレージジャンキー的な成果】

朝食(SUICA) 4マイル(JL)
ローソン(JCB) 3×1.5倍≒約4マイル(NH)

良ければ一票お願いします。

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Last updated  2007/07/04 11:33:37 PM
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