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あらすじ:1940年代、日本占領下の上海。愛国心に燃える学生チアチー(タン・ウェイ)は同級生ユイミン(ワン・リーホン)に誘われて演劇部に入部する。民族の団結をモチーフにした劇を上演し、大成功を収めた学生たちは特務機関のキーマンであるイー(トニー・レオン)の暗殺を計画する。チアチーはマイ夫人という架空の人物に成りすましイーに接近するが、学生たちの計画は失敗に終わってしまう。三年後、復学したチアチーのもとにユイミンが現れ、再び彼女はスパイとしてイーの懐に飛び込むことに。チアチーはイーの愛人になることに成功するが・・・。
オフィシャルサイト: ラスト、コーション
R-18なので、下心から観たい観たいと思っていたのですがベネチアで賞ももらっているし、監督は名作「 ブロークバック・マウンテン
」のアン・リーということでかなり期待して観に行きました!1人ではちょっと気恥ずかしいので友人の浦鉄さん&あみーごちゃんと一緒に文化村ル・シネマにて鑑賞。客層は熟年夫婦からヤングカップル、女の子グループ、ソロのおっさんと幅広かったですね。
なんといっても新人にして主演のタン・ウェイが素晴らしいの一言。抗日運動に身を捧げ、翻弄される1人の女を熱演していました。学生時代のシーンでの熱に浮かされたような、強い信念の炎が揺らめく瞳が印象的。チャン・ツーイーもヒロイン候補に上がっていたと言うけれども、タン・ウェイの熱演を見られてよかったと思いました。トニー・レオンは花様年華や 2046
のふにゃっとしたモノ書きの優男の印象が強かったので軍人っぽい役はどうかな?と思ったけど違和感は感じませんでした。
R-18のベッドシーンはエロいとか、センセーショナルとかと言った通俗的な印象はまるでなく、戦いのようでしたね。甘ったるい愛情は一切ない、 魂同士のガチンコ勝負みたいな。
観ている方も思わず手に汗握る試合って感じで・・・。しかーし、 局部はしっかりとボカシ処理されていましたね・・・
逆に、画面中央のボカシが気になって、ボカシばかりを追いかけちゃって映画に集中できない!(笑)日本では仕方のないことなんでしょうかね。
ここからネタバレ(反転させて読んでください。携帯の方は機種によって反転できないことがあります。ごめんなさい!)
二人が初めて関係を持つシーンでトニー・レオンは女をベルトで叩き、縛ってしまいます。ここで、 「ただの変態じゃ~ん」
と思ったけど、後から考えるとこれは彼の立場上仕方のないことだったんですね。常に命を狙われているから、色仕掛けで迫る女スパイがいたというセリフがあったので、情事のときに殺されないようにする彼なりの防衛策だったんだろうと・・・。なんか切ないですよね。これ以後、トニー・レオンはマイ夫人のことを次第に信用するようになるんですが、私はこの二人はたぶん心が通じ合っていないんだろうと思っていました。ヒリヒリとするベッドシーンばかりだったので・・・もっと細やかな愛情表現があったら鈍い私にも分かったと思うんだけど。特殊な事情を持っている極限状態にある男女ってこんなものなのかもしれないんですが・・・。
そんなある日、トニー・レオンはマイ夫人に封筒を渡し、これをある場所へ届けて欲しいと頼みます。何かの罠かと思って警戒するスパイ側ですが、それはプレゼントの宝石を用意してもらう為に合図になった手紙でした。ここで、罠じゃないんだとホッとした私。そして指輪になったその宝石を取りに行くときにトニー・レオンは意外な行動に。いつも付けていた護衛をはずし、彼女と二人だけで車から宝石店に入るのです。ここで、スローモーションになったので「ああ、二人で歩いていることを強調してるんだ。これって特別なことなんだ」と気が付きはしたんです。そして指輪を受け取り、「付けて外を歩くのが怖いわ」というマイ夫人に 「私がいる」
というトニー・レオン。このセリフ、いいですねえ。頼りにしていいんだって思います(言われてみたいもんです)。ここで、マイ夫人の様子が・・・・具合が悪そうになった彼女は小声で「逃げて」と言ってしまうのです!!! その言葉の意味に気が付き猛ダッシュで店を出て車に飛び乗るトニー・レオン。しかし裏切るとは思っていませんでした。だって、スパイ側にも仲間はいたし、敵の心に入り込むことに成功したのに!今までの苦労が水の泡!が、友人たちは「罠だと思っていたのがプレゼントで、あそこまでされたら心もほだされるだろう」とのこと。ちょっと自分が冷血人間になったようでプチショックでした。
ラスト、彼女のベッドに腰掛けてショックを滲ませるトニー・レオン。そして響く10時の鐘・・・ああ、なんと非情な運命なのでしょう。もしかしたら、この二人は時代と国と立場が違えば幸せなカップルになっていた可能性もあったかもしれないなあと思ったのでした。
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