第12話       誘拐



前田  「サブマリン(SUBMURIN)と
     アンダー (UNDER)だ!!」

川崎  「ええええええええええええ!!!!!!??????」

前田  「そんなに驚くなよ」

川崎  「だってようやくオーバースローで慣れてきたのに・・・」

川崎  「それをいまさらアンダーに変えるなんて・・・」

前田  「ぅるっせ!やるしかねえんだよ!」

川崎  「う・・・ってあれ?」

前田  「なんだ?」

川崎  「TSUMJIがアンダーの球ってことなら・・・」

川崎  「裕平はアンダーで投げれるってこと!?」

前田  「ん?そりゃそうだろ」

川崎  「ハハ・・・でもボクアンダーでなんか投げたことないし・・・」

前田  「優の召喚獣はなんだった?」

川崎  「サンセット・・・ん?おお!!」

川崎  「そうか!サンセットの能力ならどんなフォームでも投げれる!!」

前田  「right!!」

前田  「だけどいつかは自分で投げれるようにしないとな」

川崎  「うん」

前田  「じゃ、まずは簡単に説明しようか」

前田  「知ってるとはおもうがアンダースローの中でも最もリリースポイントが
     低い投げ方をサブマリン投法っていうんだ」

川崎  「うん」

前田  「さて問題。現役プロ選手でサブマリンと言えば?」

川崎  「渡辺俊介選手?」

前田  「right!」

前田  「その渡辺のリリースポイントは地上から5センチ。
     調子が悪いときは地面に手が擦るほど低いんだってさ」

川崎  「へぇ」

前田  「まずはそれを目指してもらう」

川崎  「わかった」

前田  「じゃあ悠恵、任せた~」

佐々海 「え?どこ行くの?」

前田  「なんか入部希望者が来たらしくてな」

前田  「ちょっと見てやろうと思ってさ」

佐々海 「ふ~ん。わかった」

前田  「じゃ」

佐々海 「じゃー始めよっか」

川崎  「うん」

佐々海 「アンダースローってのは下半身の強さが重要なんだけど・・・」

川崎  「??」

佐々海 「うん。心配ないみたいね」

川崎  「なんで?」

佐々海 「優くんっていい腰してるもん」

川崎  「ハハ・・・でも裕平にはまだまだだよ」

佐々海 「え?あいつが?」

川崎  「あれ?なんか変なこと言った?」

佐々海 「やっぱり優くんはまだ裕平のことあんまり知らないのね」

川崎  「と、言いますと?」

佐々海 「アイツはね。走ることと鉄棒が一番嫌いなのよ」

川崎  「そうなんだ」

佐々海 「あいつ投げるときになると最後まで投げるとかワガママ言うけど
     持久走はワタシよりダメなのよ」

川崎  「えええええ!!??」

佐々海 「しかも鉄棒は逆上がりもできないのよ?」

川崎  「なんどすと!?」

川崎  「意外だな・・・」

佐々海 「よく言われるわ」

佐々海 「あ、話戻るけど優くんが考えるアンダースロー投げて見て」

川崎  「わかった」

川崎  「いくよ~・・・セイッ!」

パスッ

佐々海 「う~ん・・・アンダースローっていうかサイドスローだったよーな・・・」

佐々海 「優くんって体やわらかい?」

川崎  「う~ん・・・まあまあだとおもうけど・・・」

佐々海 「まず基本からだね。コレは」

川崎  「すいません・・・」

佐々海 「まずピッチングにおいて大事なこと6か条!
     1根張り
     2エッジング
     3Cアーチ
     4うねり上げ
     5ターゲットを射す
     6小指先行リリース」

川崎  「なにそれ?」

佐々海 「やっぱ知んないか・・・」

佐々海 「まず1の根張りを習得しよっか」

川崎  「よ、よろしくお願いします・・・」

佐々海 「根張りっていうのはね」

佐々海 「振りかぶったときに右投げなら右足、左投げなら左足だけで立つでしょ?」

佐々海 「そのまま地面を掴んで放さない強靭な下半身のこと」

佐々海 「それが根張りよ」

川崎  「なるほど」

佐々海 「ま、第1段階はクリアなんだけどね」

佐々海 「じゃ、次のエッジングなんだけど」

佐々海 「その振りかぶったときの軸足の土踏まずの周辺。
     要するに親指からかかとにかけて一本の線を引くの」

川崎  「うん」

佐々海 「でね、その線から刃が出てると思ってその線に
     体重をかけるように意識するの」

川崎  「う~ん」

佐々海 「それで前の足が地面についた瞬間軸足を回転させるのよ」

佐々海 「そのときにその刃で地面をえぐって掘り返すように回転するのよ」

川崎  「えぐり返す・・・ね」

前田  「頑張ってるか~?」

川崎  「あ、裕平」

佐々海 「じゃ、今日はここまで宿題にしよっか」

川崎  「うん」

前田  「どこまでいったんだ?」

佐々海 「エッジングのところまで」

前田  「がんばれよぉ。大会は優の出来にかかってるからな」

川崎  「わかってるって」

川崎  「それより裕平。入部希望者はどうだった?」

前田  「ああ。合格も合格。手ぇ抜いたとはいえ3打数3安打だぜ?」

川崎  「え!?スゴいね!!」

前田  「また明日紹介するからさ」

川崎  「うん」

前田  「じゃ、帰るか」

佐々海 「うん。帰ろ」

3人はしばらく歩いて十字路に差し掛かると、裕平と佐々海はまっすぐ。
川崎は左に曲がった

前田  「じゃあな」

川崎  「うん。また明日」

前田  「それにしても優の成長ぶりはビックリするぜ」

前田  「なあ?悠恵・・・」

前田が後ろを振り返るとそこには誰もいなかった

前田  「あら?悠恵?」

佐々海 「む~~~~!!!!」

佐々海は黒い服を着た男に口を抑えられ車で連れて行かれてしまった

前田  「な!?ちょっと待てコラァ!!!」

ダッダッダッダ・・・!!!

前田  「走ってじゃ・・・間にあわねぇ!!」

ちょうどいいところに男の子がスケートボードを持っていた

前田  「お、ちょっと借りるぜ」

男の子 「ちょ、ちょっと・・・」

前田はそれを地面におくと、目を閉じた

前田  「行くぜ・・・!!」

前田  「重力操作。グラビティ0!!」

するとスケートボードが浮き、裕平はその上に飛び乗った

前田  「スノボーとスケボーがあるんだ」

前田  「エアボー(Airボード)ってとこか」

前田  「待ってろよ~!悠恵~!!」

ズギャー!!!

前田  「ヒャッホ~!!」

足立  「よ~。楽しそうやん」

足立が後ろからマウンテンバイクで追いついてきた

前田  「楽しいけどそんな場合じゃねぇんだよ」

前田は足立に今までのことを話した

足立  「ほ~。んなことがあったんかいな」

足立  「で、さっきの車を追っとると」

前田  「ああ」

足立  「その車やけど・・・」

足立  「オレと話しとる間に消えてしもーたで」

前田  「なんどすと!?」

前田  「しゃーねぇ。もっと上空に飛んで上から探すか」

足立  「待ちーな」

前田  「なんで!?時間が無いんだよ!!」

足立  「オレに任せとき」

足立  「オレのバッグに確か・・・」

足立  「お、あったあった」

前田  「GPS(車などの現在地を知る機会)?」

足立  「せや」

前田  「でも発信機がついてないと意味無いぜ?」

足立  「んなもんいらん」

前田  「は?」

足立  「雷の神・足立の力やったらな~!」

前田  「はあああぁぁぁぁ!!!!???」

第13話に続く






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