肩の怪我

肩の怪我

肩の外傷として、肩痛と肩関節脱臼があると思います。
肩を壊す原因として、一番多いのがアタックの時に無理な体勢での打ち込み、ストレッチ不足等があります。ストレッチ不足があると、体に働く反射といった神経の回路がうまくいかずに、俗に言う「肉離れ」の様な症状が出ます。肩の上にある、三角筋・腱板・上腕三頭筋・上腕ニ頭筋・棘下筋といった筋肉に起こり、この筋肉が痛むと、アタックを打つときよりもむしろアタックジャンプをするとき両腕を振り上げるときに痛くなります。予防としては、肩周囲筋のストレッチを十分にすることです。痛めてしまうと直ぐにスポーツに復帰は難しいです。3~4週間は十分に休息した方が良いと思います。また、自分の肩(頭)よりも背側(後ろ)で打つことも、腱板に大きな負担をかけ、関節面の周りに付いている組織も傷めてしまいます。力んで顎をひきすぎてアタックを打つ人も、自分の頭より後ろでボールを打つことになるため同様の負担がかかってしまいます。そうならないためには、
・トスされたボールより手前で踏み切る(この時幅跳びジャンプにならないように)
・アタックを打つ直前までボールから目を離さない。(そうすることによって肩より後ろでボールを打つことが無くなります。)

以上が大事かと思います。

もう一つの肩痛の原因としては、無理な筋力トレーニングがあります。強いアタックを打ちたいと思って筋力をがむしゃらに鍛えている人は要注意です。筋肉にはバランスと言うのがとても大事で、肩には腕を上げるときに、大きく分けて2つのタイプの筋肉があります。一般的に、サイドレイズといった、重りを両手に持って横に両腕を挙げる方法がありますが、これでは1つのタイプの筋肉しか鍛えられません。そうするともう一つの筋肉が力不足のためにうまく働かず、骨にはさまりやすくなります。(インピンジメント症候群といいます。)バランスよく鍛えることが大事です。専門的になりますが肩の内・外旋の運動もプラスしていくのが大事です。そうすると、腱板と三角筋のバランスが良くなり肩痛が減少すると言われています。プロ野球選手のピッチャーが個人でリハビルする際に三角筋だけを鍛えてインピンジメントを起こして、投球動作でかえって痛みを訴えることがあるくらい誤った筋力トレーニングが世間でされているようです。もし、詳しい内容が知りたければメールを下さい。
他にバレーボールで起こりやすい肩の痛みに神経の麻痺も関与されていると言われています。肩甲骨の下半分に付く筋肉(棘下筋)がやせてしまい、痛みの原因になったり、筋肉のバランスが悪くなってアタックやサーブを打つときに強い痛みを訴える様になることもあります。これを肩甲上神経麻痺と言い、裸にして背中をみると右左の違いで診断もつきます。外国の論文ではフローターサーブで起こりやすいとなっており、サーブの仕方を変えることが大事でしょう。
肩関節脱臼を繰り返す人もよく見られます。若年者は反復することが多いです。何度も反復するならば手術が必要です。これは、特にフライングレシーブをしたときに手で支えて着地するときに起きます。1度なったら癖にならないように、整形外科の先生にしっかりと診てもらいましょう。私は、3週間固定をしていますが、中には全く固定をしない先生もいるようです。繰り返すようなら、手術になってしまいます。 



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