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2008年09月14日
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カテゴリ: お出かけ記
沖縄前半は名護を拠点に海三昧だったので、
後半は沖縄本島をさらに北上して、いわゆる「やんばる」と呼ばれる、
沖縄の森へ行こうと考えた。

「やんばる」とは「山原」を沖縄読み?した言葉。
その名のとおり、森や湿原などの亜熱帯独特の自然山々を指す。

北の拠点に宿を探していたら、「やんばるくいな荘」という
小さな民宿を見つけた。
宿泊した人の、口コミで評判がよかったので、
HPで調べてみる。

やんばるくいな
なんと、この絵は宿のおかみさんが書いたらしい。
人懐っこいような愛嬌のあるその絵に惹かれて、宿を決めた。
たとえ、ネット上の情報でも、こういう人の匂いのするものだと、
どんなきれいなイメージ写真より、その宿の雰囲気がわかる。
とりあえず、電話をして予約を入れた。

美ら海水族館を後にして、海岸沿いを北へ走る。
今帰仁(なぎじん)というその町は、いわゆる沖縄の田舎。
建物もぽつぽつとあるだけで、どれも海からの風で屋根も壁も
乾いたように古い町並み。
でも、よくある日本の田舎の風景とは全然違って、
寂れてはいるものの、物悲しい感じはしない。

沖縄の海は、キレイで、どこか陽気な色をたたえている。

国道をひたすら走る。迷うほどの道もなく。
町の切れ目もわからないまま、のどかに景色が過ぎる。
国頭(くにがみ)という町へ入ったようだ。
海と反対側の緑が、心なしか濃くなってきた。

夕日が沈むころ、ちょうど宿に着いた。
入り口には例の「ヤンバルクイナ」の壁画がお出迎え。
思ったより大きくて、やっぱりかわいい。
旅の疲れもすぐに和む。

車を止めて、玄関らしきところで「こんばんわ」と叫ぶが
人の気配なし。台所らしきところで、作業する音がする。
しばらく待っていると。頭にバンダナを巻いた、エプロン姿の
おかみさんが出てきた。
意外とそっけなく、「あ、入り口そっちだから」と玄関をあけて
さっさと奥へ入っていく。
重たいバックパックを背負って急いでついていく。
「にしむらさんだっけ、3人?あ4人か。そしたら、一階のこことここの
二部屋つかって。このテレビの部屋でもゆっくりしなさいな」
と民宿の一階合計4部屋を自由に使えという。
それだけ言って、またすぐに奥の台所へ消えていった。

宿帳らしきものもない。
「ニシムラ」という名前は認識されていたが、何名だったか、とか
どの部屋を使うかとかはすべて、明らかにその場でおかみさんが
「適当に」決めていた。
もちろん、予約の際私は「二泊、大人二名、子供二名食事つき」という旨を
電話に出た男性に伝えていたのだが(その男性はどうやら息子さんだった)。
その沖縄らしい大らかさは、宿の随所に見られ、
食事はいつまでたっても出てこないし、(子供たちお腹空いて、眠りかけた
ころ出てきた)、布団は足りないしと
ある意味強制的に、ゆるゆる空間へ適応せざるを得なかった。
でも、私もそれを望んでいたところもあり、なぜか全然腹が立たなかった。
おそらく、これがどこかのそれなりの温泉旅館なら、
「どうなってるんですか」と旅の疲れでイライラしていたのだろうが、
ここでは、すべてがまあいいか、とゆるりと流れていった。

ようやく8時半ごろでてきた夕食は、びっくりするほどのボリューム。
おかみさん手作りの沖縄の家庭料理だった。そして、どれもとても美味しい。
この宿、決めるところは決めてくるんだな。
とりあえず、満腹で床についた。

翌朝、何の予定もない私たち。
旅後半はゆっくりしようと決めていたので、遅めの朝食をとった。
今度は離れの三角屋根の小屋で食べてくださいとのこと。
行ってみるとなんとも素敵な空間。
縦長い合掌造りのような小屋は、真ん中に囲炉裏があって、
蔦で編んだ手作りのランプが掛けてある。
置いてあった三線を子供たちがぽろんぽろんと鳴らす。
さわやかな朝の風が通る小屋で、ボリュームたっぷりの美味しい朝食をいただいた。
食後、宿の庭を散歩してみた。
前日は薄暗くて気づかなかったが、斜面に立つ宿なので、庭も起伏がある。
その高低差を活かして、池と小さな小川が作ってある。
それは、手作りのビオトープのようになっていて、小さな池にはピンクの蓮の花が咲き、
池にはメダカが。よく見ると、頂上に「メダカの学校」と書いた手作りの小さな校舎が!
その横には畑、そしてウサギ小屋、それもやっぱり手作り。
そう、この宿は「手作りの館」だった。
よくよくみれば、玄関の壁画だけでなく、階段には植木鉢で作った人形。
珊瑚でできた人形。海に浮かべるブイをくりぬいて、カエルの形にした水道。
そんな、オブジェのような手作り品たちが、庭のあちらこちらに置いてある。
おかみさん、相当なアーティストだと見た。
子供たちも、その作品一つ一つに興味津々。

そして、小川の前にもうひとつの小屋が。
そこも畳2畳ぶんくらいの小さな小屋だが、壁の一方は完全に開放してあり、
木の匂いがする、暖かい空間。
やはり、室内には手作りのランプや、ご飯を炊くかまどを利用した手洗いなど、
とにかくほんわか、人の手のぬくもりのあるものばかりで、ごろんと寝ころがれば
そのまま眠ってしまいそうになった。
沖縄の音楽をCDで掛けながら、庭の向こうに見えるサトウキビ畑からの風に
吹かれて至福の時間。
私はその小屋とその前の手作りのビオトープが大好きになった。

私は小屋ですっかりくつろぎ、子供たちは庭をあちこち探検していた。
すると、奥からおかみさんがでてきて、「ハイジのところ行くから、おいで」
と子供たちを連れて行った。
「ハイジ?」と興味津々でついていくと、そこには小さな(これまた手作りの)小屋が。
「メェェェェェ」とヤギの声。
おかみさんが小屋を開けると、かわいい子ヤギが出てきた。
下の子はちょっと怖々だったけど、ハイジにご飯をあげよ!と誘われてついていく。
おかみさんが持ってきたかごには、緑の葉っぱと鮮やかな赤いハイビスカスの花。
ハイジ専用の椅子にハイジを誘導して、そこで、ご飯タイム。
なんと、ハイジの大好物はハイビスカスの花。
喜んでむしゃむしゃ食べる。そして、葉っぱも。
子供たちが差し出すや否や、むしゃむしゃ。
すごいスピードでどんどん食べる。面白いくらいに食べる。
子供たち、すっかりハイジの餌やりにハマる。

そんなこんなで、大人にも子供にも居心地がよすぎる宿のせいで、
お昼近くなっても一向に誰も「どこかへ行こう!」と言い出さない。
せっかく沖縄も北のはずれにはるばる来ているのに。
でも、これもまた旅だなあと。

(字数オーバーのため、次へつづく)





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最終更新日  2008年09月15日 00時32分27秒
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